SHARE 木村浩一 / フォルム・木村浩一建築研究所による名古屋の住宅「しとやかな家」
以下、建築家によるテキストです。
この計画は、50代夫婦のための小さな住宅である。
クライアントからの要望は、敷地が住宅密集地にあることから外部に開かず内部に広がりを感じさせる住宅であった。
平面構成は、リビングを中心に各スペ̶スを繋いだシンプルなものである。
この小さなひと繋がりの空間に各スペースのヴォリュームを検討しデザインすることで視覚的な広がりをつくり出すことを考えた。
リビングは、高さのある切妻天井とトップライトからの光によって内部空間を印象づけるスペースとなっている。
リビングと並列する細長いスペ̶スは、クライアントの趣味が反映されるように計画されており、スペース内に配置された柱は、柱間で用途を仕切る視覚的効果を狙ったものである。
また配置された柱・造作物は、対面する造作ソファーと共に空間構成の一部となって空間にリズムを生み出している。
リビングと繋がるダイニング・アトリエも素材の魅力を引き出すデザインによってスペースを特徴づけている。
小さな空間に様々な要素を混在させることで広がりのある空間をつくり出せたのではないかと思う。
■建築概要
所在地:愛知県名古屋市
設計:木村浩一/フォルム・木村浩一建築研究所
竣工年:2013 年
構造:木造軸組
敷地面積 142,22 ㎡
延床面積 80,60 ㎡