SHARE 能作淳平による「神泉のリノベーション」のコンセプトムービー
「神泉のリノベーション」は工事に入る直前に東日本大震災がおこり、一時的に建築資材の入手が困難な状況での計画だった。そこで、既存の部屋の間仕切り壁や天井などから木材を取り出し、それを再利用して組み立てるという計画にした。解体をして材料を確認しながら、どのように利用するかを検討していった。重量のある材料は柱や土台などの構造部分に、軽い材料は建具など軽量化が必要な部分に使用した。この方法によって、材料代だけでなく、運搬費や廃棄代も抑えることができる。結果として、改装費用は通常の半分程度にまで抑えることができた。資材や資金が不足していても、その場にあるものをその場で組み直すというつくり方に変えることで、それまで廃棄物だったものが建築資材に見えてくる。ものの価値の転換が空間の新しい再生につながればと考えた。
■建築概要
建物名称/神泉のリノベーション
設計/能作淳平建築設計事務所 中田製作所
施工/ハンディハウスプロジェクト
所在地/東京都渋谷区
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦2人
天井高さ/2,500mm
専有面積/33.03m2
竣工/2011年4月