SHARE aaat 高塚章夫建築設計事務所/高塚章夫によるマンションの改修「1+7R」
photo©Kai Nakamura Photography/中村絵
aaat 高塚章夫建築設計事務所/高塚章夫が設計したマンションの改修「1+7R」です。
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以下、建築家によるテキストです。
1+7R
小さなマンションの改修計画。
この部屋はいわゆるドアを持たない。壁に穿たれた大小さまざまな開口は、中央のリビングルームから向かって全方向に繫がる7つの部屋への入り口となる。7つの部屋は、寝室・キッチン・浴室・トイレ・クローゼット・玄関・サンルームという異なる機能を有しながら、相対化されはっきりとした用途を物語ることはない。各部屋の差異は、透明度の違う7色のカーテンによって緩やかな仕切りとして顕れる。
L字に曲がった不定形な平面形状と、部屋の中央に横たわる大梁の存在は、潜在的に窮屈さ・圧迫感を備えていた。そこで部屋中の壁に開口を設けて方向性を曖昧にし、梁にも同じ言語を用いて全体を構成した。こうして果てしなく部屋が繫がって行くような、奥行きと広がりの感覚に働きかける空間が生まれた。
■建築概要
所在地:東京都世田谷区
延床面積:50.03m2
設計期間:2012/08〜09
施工期間:2012/11〜12
設計:aaat 高塚章夫建築設計事務所/高塚章夫
カーテン: Yoko Ando Design/安東陽子
施工:田工房