SHARE 二俣公一 / ケース・リアルによる、大阪の店舗「イソップ 大丸心斎橋店」
二俣公一 / ケース・リアルが設計した、大阪の店舗「イソップ 大丸心斎橋店」です。
耐震補強などを背景に、2016年より解体・建て替えとなった大丸心斎橋店。
設計したのは米国出身で伝道師として来日し、一方で建築家としても学校や教会、別荘など様々な建築を日本国内に残したW.M.ヴォーリズである。1933年・昭和初期に建てられたその建築は、ネオゴシックの様式で、六角形のステンドグラスや八角形の柱など、アールデコの特徴である幾何学模様が随所に散りばめられた豪華絢爛な建物であった。
私たちはこの大丸心斎橋店の空間を考えるにあたって、彼のフィロソフィーに触れるような空間を作りたいと考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
耐震補強などを背景に、2016年より解体・建て替えとなった大丸心斎橋店。
設計したのは米国出身で伝道師として来日し、一方で建築家としても学校や教会、別荘など様々な建築を日本国内に残したW.M.ヴォーリズである。1933年・昭和初期に建てられたその建築は、ネオゴシックの様式で、六角形のステンドグラスや八角形の柱など、アールデコの特徴である幾何学模様が随所に散りばめられた豪華絢爛な建物であった。
私たちはこの大丸心斎橋店の空間を考えるにあたって、彼のフィロソフィーに触れるような空間を作りたいと考えた。
まずメインマテリアルにはヴォーリズ建築に多く見られる濃茶の木を使用。さらにこれと相性の良いミカゲ石や、落ち着いた色の左官や銅板を組み合わせた。そして空間全体もヴォーリズ建築にたびたび見られる八角形という幾何学的な形状をモチーフに、ボリュームやプランそのものを構成。
8という数字は、キリストがトマスを含めた弟子たちの前に再び現われたのが8日目であったことから、聖書の中では「復活、再生」を意味する重要な数字とされている。熱心なクリスチャンであった彼が、当時どのような思いでこの大丸心斎橋店を設計したかは定かではない。
しかし私たちはこの空間を通して、この場所が様々なものを受け継ぎながら、イソップのストアとして再び新たな体験を生み出す場所となることを願っている。
■建築概要
イソップ 大丸心斎橋店(2019年/大阪)
クライアント:イソップ
計画種別:内装設計
用途:物販
計画期間:2018年10月~2019年9月
計画面積:89.94平米
計画地:大阪府大阪市中央区心斎橋筋
設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝
施工:アンドエス
照明計画:BRANCH lighting design 中村達基
写真:イソップ