SHARE 竹中工務店の設計・施工による、兵庫・神戸市の「竹中工務店深江竹友寮」
竹中工務店の設計・施工による、兵庫・神戸市の「竹中工務店深江竹友寮」です。
本計画は竹中工務店新入社員が1年間共同生活をする教育寮の建替計画である。旧寮の老朽化に伴う今回の建替えにあたっては、伝統の一つであった相部屋の寮室(2人1室の共同部屋)を「個室化すること」と、今後の社会変化に柔軟に対応できる人材を育成する為の「交流のさらなる促進」が求められた。この命題に対して、個室に廊下を介さず面する共用部を寮生全員で共有する「SHARE LIVING」のしくみを展開した。ひと繋がりとなったリビングは寮生の居場所であるだけではなく、活動に応じて、ラボ、コモンズ、ギャラリーなどへと多彩に変容を可能にする。コンクリートの無垢な躯体や設備をあえて見せ、多様な家具や敷物をランダムに配置することで、時間の過ごし方を自ら選べると共に、様々な活動を触発し、受け止める余白を持つ空間を目指した。この深江寮は未完であり続け、その時々の寮生自身が互いの領域を共有し合い、豊かな共感性を育みながら、彼らによって常に更新され続けて行く。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
新しい未来をつくる人を育む教育寮
本計画は竹中工務店新入社員が1年間共同生活をする教育寮の建替計画である。旧寮の老朽化に伴う今回の建替えにあたっては、伝統の一つであった相部屋の寮室(2人1室の共同部屋)を「個室化すること」と、今後の社会変化に柔軟に対応できる人材を育成する為の「交流のさらなる促進」が求められた。この命題に対して、個室に廊下を介さず面する共用部を寮生全員で共有する「SHARE LIVING」のしくみを展開した。ひと繋がりとなったリビングは寮生の居場所であるだけではなく、活動に応じて、ラボ、コモンズ、ギャラリーなどへと多彩に変容を可能にする。コンクリートの無垢な躯体や設備をあえて見せ、多様な家具や敷物をランダムに配置することで、時間の過ごし方を自ら選べると共に、様々な活動を触発し、受け止める余白を持つ空間を目指した。この深江寮は未完であり続け、その時々の寮生自身が互いの領域を共有し合い、豊かな共感性を育みながら、彼らによって常に更新され続けて行く。
SHARE LIVING
10室程度の寮室を1つのクラスターとして、それぞれがリビングを内包するようL型に配置し、そのまとまりを反転・連続させながら、ひだ状に外部を取り組んだ平面形とする事で、自然の光や風をすべてのリビングに導き入れ、街とも視線が通い合う。さらに、スケルトンな階段や吹き抜けにより、上下にも連続する立体的な迷路性を帯びた共用空間では、寮生の活動と気配が見え隠れしながら繋がっていく。
miniMAX ROOM
2層使いのコンパクトな寮室により、1フロアあたりの室数の最大化と階数の最小化を両立し、寮生の交流をさらに高めている。また、最小床面積ながら最大容積の確保を可能とする寮室の家具(家具デザイン:藤森泰司アトリエ)は、ベッド・階段・デスク・棚・クローゼットがパイプフレームにより一体化され、寮生自身が自由に使いこなせる設えとした。
■建築概要
建築名称:竹中工務店深江竹友寮
所在地:兵庫県神戸市東灘区深江北町2-10-12
用途:寄宿舎
敷地面積:3,857.21㎡
建築面積:2,463.92㎡
延床面積:6,189.97㎡
規模:地上3階
構造:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、基礎免震
竣工:2019年9月
設計:竹中工務店
設計統括:大平滋彦
建築担当:野口伸、伊藤祐紀
構造担当:鈴木直幹、山本俊司、赤澤資貴
設備担当:布上亮介、君塚尚也、越村翔
家具デザイン:藤森泰司アトリエ
担当:藤森泰司、小久保竜季
サイン計画:廣村デザイン事務所
担当:廣村正彰、中村一行
照明計画:内原智史デザイン事務所
担当:内原智史
施工:竹中工務店