+建築設計 / 田代朋彦による、LIXILギャラリーでの展覧会「ものいう仕口 – 白山麓で集めた民家のかけら」の会場構成です。東京巡回展の会期は2002年2月22日まで。
LIXILギャラリー企画展「ものいう仕口 –白山麓で集めた民家のかけら–」の会場構成。本展では、福井県白山麓にあった築200年以上の古民家で使われていた江戸時代の仕口のかけら16点を個々の木組みの図解説と併せて紹介している。
豪雪地帯の古民家を支えてきた実用的な接合部位であるとともに、彫刻のような造形美を感じることができる仕口。この用と美の二面性をいかに同時に組み込むかが展示計画のテーマとなった。
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以下、建築家によるテキストです。
LIXILギャラリー企画展「ものいう仕口 –白山麓で集めた民家のかけら–」の会場構成。本展では、福井県白山麓にあった築200年以上の古民家で使われていた江戸時代の仕口のかけら16点を個々の木組みの図解説と併せて紹介している。
豪雪地帯の古民家を支えてきた実用的な接合部位であるとともに、彫刻のような造形美を感じることができる仕口。この用と美の二面性をいかに同時に組み込むかが展示計画のテーマとなった。
仕口は、四周さまざまな表情を持ち、それぞれが民家の記憶を宿している。その全周をじっくりと観察できるように島什器として分散配置し、四周のうち一面は、仕口の大きさに合わせた開口部を持つ壁面を立てた。それにより、仕口の造形美のみがフレームで切り取られる。壁面の背後に回り込むと、接合部の図解説が見られるようになっており、謎解きのような仕掛けを取り入れた。什器はグレートーンで無機質に仕上げ、仕口の佇まいを浮き立たせている。
展示物の情報を敢えて最初に開示しないことで、展示物との能動的な対話を促す展示空間を目指した。
■建築概要
展覧会:ものいう仕口 – 白山麓で集めた民家のかけら
会場:LIXILギャラリー大阪・東京(巡回展)
展示会場面積:75.5㎡(大阪)、64.0㎡(東京)
会期:2019.09.06-2019.11.19(大阪)
2019.12.05-2020.02.22(東京)
会場構成:+建築設計 / 田代朋彦
グラフィックデザイン:小林すみれ
施工:ヒラタカグ
写真:長谷川健太