西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務める対談ウェビナー「コロナ禍以降に再考する、健康な住まい」が開催されます。コロナ禍以降の建築の向かうべき方向性・西沢建築につながる子供時代の原風景・学生時代から続く西沢建築の本質 等について語られています。開催日時は2021年11月25日で、1回目放映:9:30~11:15、2回目放映:13:30~15:15です(※動画は2021年10月22日に収録した内容)。事前申し込み制で視聴申込期間は2021年11月15日(月)~11月24日(水)。【ap・ad】
近代の産物である住まいにおける機能的な場所は、コロナ禍において危険な場所となってしまったと西沢大良氏は言います。家は居るだけで体が修復され、健康になれる場所であるべきだという西沢氏の提唱は、コロナ禍以降大きな意味を持つようになりました。そして西沢氏が幼少期を過ごした1960〜70年代は、夏はエアコンもなく、光化学スモッグは日常的という時代でした。体を冷やすためにプールへ行き、日陰を探し回る原体験は、西沢氏が設計する建築にも影響を与えているそうです。こうした身体を通じた原体験から、これからの建築、住まいについて考えます。
動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが事前に動画を閲覧して抜粋)
この2年間でCOVID‑19で住まい方が揺さぶられた / 本当は解決しなければいけなかった社会問題がコロナ過であぶりだされた /
ウイルスの流行が今後も続くとしたら、我々はどう地球で生きていけばよいか / 生き方を考え直すチャンスと考える / 機能的な場所はコロナ過で危険になった / コロナ禍によって新しい住空間の発見はあったのか / 暮らしに対する価値観はどう変わったか / 家の中で感染したくないとすると危険なのは機能的に設計されてきた場所 / 機能的な場所であるエントランスやロビーなどの共用部がリスクが上がっている / 生き延びられる場所に住宅をしなければいけない / 近代住宅も感染症対策からはじまった / 健康になれる住宅 / 医薬品のように効く住宅 / 建築家が治療的な存在になる / 近代住宅のメソッドで現代の問題は解決できないのではないか / 西沢大良の原風景がどのように設計に影響を与えているか / 西沢建築と原風景の関係 / 宇都宮のハウスについて / 藤森照信さんに設計を問い詰められる / 子供時代冷暖房がない団地で育った / プールで体を冷やす / 中学・高校と水泳部だった / プールの底から上を見た景色と大良建築が似ていると藤森さんに指摘される / あらゆる創作の中で建築のオリジナルな所は「サイズ」ではないか / 配置図と断面図にあらわれるスケール / 卒業設計時から配置に興味をもっていた / 大学時代の最初の課題で設計したギャラリーと今の建築が同じと当時のスタッフに言われる / 独立したと同時にバブルが崩壊 / 初期の予算は2000万円以下 / 規模的にプランニングの余地がなく配置がすべてだった / 初期の住宅はほぼ配置と断面でできている / 今治港駐輪施設について / トップライトからの光の位置で駐輪の位置がコントロールされる / 学生時代に名作住宅を見て回った / 日常的な感覚が人間の思想をつくる / 柳田國男『明治大正史 世相篇』について / 岡檀『生き心地の良い町』について / これからの建築に求められる建築の魅力 / ワクチンの普及と共に空間が感染を防いだ側面があるのでは / 美学的ではない視点で空間を捉えて制御する / 医療で解決するのが望ましいけれど、今後空間でできることもあるのでは / コルビュジエも感染等に意識的だったかもしれない / あらゆるものが隔離され死から遠ざかる暮らし / 人間は弱くなっていないか / どうしたらたくましく生きていけるか / 死という問題を現代生活がとうざけられている / 死が物語のようになっている / 建築の死と建築家の死 / ファッションブランドはデザイナーが亡くなっても存続するが設計事務所は / 建築家はアーティストに近いのに大きなお金を動かしている 等々