渡邉明弘建築設計事務所による、東京・杉並区の「Harport Suginami Sud」。築50年の共同住宅を再生する計画。複雑な諸問題を解決して“長く建物を使う”為に、“減量での耐震化”と“是正での遵法化”に加えて“事業計画に基づく長期融資”も実現。時間を経て得られる豊かさの補強も意識外観、東側より見る。 photo©Yasu Kojima
渡邉明弘建築設計事務所による、東京・杉並区の「Harport Suginami Sud」。築50年の共同住宅を再生する計画。複雑な諸問題を解決して“長く建物を使う”為に、“減量での耐震化”と“是正での遵法化”に加えて“事業計画に基づく長期融資”も実現。時間を経て得られる豊かさの補強も意識外観、東側より見る。 photo©Yasu Kojima
渡邉明弘建築設計事務所による、東京・杉並区の「Harport Suginami Sud」。築50年の共同住宅を再生する計画。複雑な諸問題を解決して“長く建物を使う”為に、“減量での耐震化”と“是正での遵法化”に加えて“事業計画に基づく長期融資”も実現。時間を経て得られる豊かさの補強も意識外観、北西側よりエントランスを見る。 photo©Yasu Kojima
渡邉明弘建築設計事務所による、東京・杉並区の「Harport Suginami Sud」。築50年の共同住宅を再生する計画。複雑な諸問題を解決して“長く建物を使う”為に、“減量での耐震化”と“是正での遵法化”に加えて“事業計画に基づく長期融資”も実現。時間を経て得られる豊かさの補強も意識3階、308号室、ダイニングからキッチン側を見る。 photo©鳥村鋼一
渡邉明弘建築設計事務所が設計した、東京・杉並区の「永福町大博マンション再生 / Harport Suginami Sud」です。
築50年の共同住宅を再生する計画です。建築家は、複雑な諸問題を解決して“長く建物を使う”為に、“減量での耐震化”と“是正での遵法化”に加えて“事業計画に基づく長期融資”も実現しました。また、時間を経て得られる豊かさの補強も意識されました。
東京都杉並区にある築50年の共同住宅を再生した。
建主が半世紀かけて開発する過程で、敷地には少しづつ色々な建物、緑や人々が根付き、それらが共存する暮らしが育まれている。求められたのは、この土地で最初に建てられた住棟をさらに数十年住み継げるようにすることと、そのための事業費全てに長期融資を実行することだった。
内外装やサッシ・設備を全て一新し、躯体の撤去や設備計画を含めた減量によって、補強を入れずに耐震化した。検査済証が無かったが、違反の是正と既存不適格の証明を経て「増築」の検査済証を取得した。こうした耐震化・遵法化・長寿命化は、再生に不可避の技術的問題に正面から取り組むことはもちろん、この建物と、後から出来た周辺状況とを調和させる契機にもなっている。
築古ストックの建て替えが進み急速に街並みが均質化しつつある住宅地で、耐震性や遵法性、融資付けといった築古ストック特有の問題を乗り越えながら、時間を経て得られる豊かさの補強と、そこに上書きするからこそ出来る建物のあり方を考えた。
敷地は東京郊外の住宅地。半世紀かけて根付いた複数の建物や緑、人々が共存する豊かな環境が、時間をかけて育まれていました。
一方で、
・建物は築50年になり、間取りや設備、構造躯体の劣化や陳腐化が進行していた
・法改正による様々な既存不適格に加え、相続に伴う分筆や私道の敷設により敷地の形状や接道条件が変更されていた
・第二マンションとEV棟、駐輪場などの段階的な増築が検査済証を取得せずに繰り返され、違反建築となっていた
といった問題を抱えていました。
建主の要望は、複雑に絡み合うこれらの問題を根本的に解決して今後も長く建物を使う事でした。
このプロジェクトでは複雑な問題を抱えていた状況をていねいに解きほぐし、色々な要素を取り除いたり付け加えたりしています。それらは単にスペックを底上げするに止まらず、敷地の周辺を含めた既存と調和をもたらすよう注意深く計画されています。
築古ストックの建て替えが進み急速に街並みが均質化しつつある住宅地で、耐震性や遵法性、融資付けといった築古ストック特有の問題を乗り越えながら、時間を経て得られる豊かさの補強と、そこに上書きするからこそ出来る建物のあり方を考えました。
竣工後、建主からは植栽や新しい駐輪場を計画したいと依頼が。50年かけて空き地を順に開墾しながら育ててきた土地が、これからは根付いた人やものに手を加えながら住み継ぐ場所になって欲しいと願っています。