藤森照信・妹島和世・藤本壮介・平田晃久・石上純也・藤原徹平・会田誠による、ワタリウム美術館での「パビリオン・トウキョウ2021展 at ワタリウム美術館」の会場写真を紹介します。都内で公開される建築家たちのパヴィリオンに関する資料等を紹介する展覧会です。会期は2021年9月5日まで。展覧会の公式ページはこちら。実際のパヴィリオンは2021年7月1日~9月5日の期間公開されるので、こちらと合わせて鑑賞・体験することで理解が進む展覧会となっています。
アンサンブル・スタジオの、TOTOギャラリー・間での建築展「ARCHITECTURE OF THE EARTH」をレポートします。
展覧会の会期は、2021年6月24日~9月26日まで(※会期が延長されました 21/8/8)。要事前予約での開催です。
TOTO・ギャラリー間にて、スペインの建築設計事務所アンサンブル・スタジオの展覧会「ARCHITECTURE OF THE EARTH」が始まる。アンサンブル・スタジオは、アントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサによる建築家ユニットで、スペインとアメリカを拠点としている。二人ともアメリカの大学で教鞭をとるなどアカデミックにも活動している。彼らの作品は活動初期のからその構造に対するスタンスには独特のものがあり、一部のコアな建築家たちから注目を集めていたが、その活動がより注目されるようになったのは、2010年に完成した「トリュフ」と名付けられた小さな居住空間の作品以降だろう。
第20回サーペンタイン・パヴィリオンは、ヨハネスブルグを拠点に活動するカウンタースペースが設計し、スマイヤ・ヴァリー(Sumayya Vally)がディレクターを務め、2021年6月11日にオープンします。TIME100 Next Listの受賞者であるヴァリーは、国際的に有名なこの建築プログラムの依頼を受けた最年少の建築家です。
(ご注意:パヴィリオンは2021年6月14日(月)は閉鎖されます。)
パヴィリオンのデザインは、ブリクストン、ホクストン、タワーハムレット、エジウェアロード、バーキング&ダゲナム、ペッカムなど、ディアスポラや異文化コミュニティにとって重要なロンドンのいくつかの地区にある、過去と現在の出会いの場、組織化された場、帰属意識に基づいています。このパヴィリオンは、街中のインフォーマルなコミュニティスペースが歴史的に抹殺され、不足していることに対応して、時を経てコミュニティを維持し、現在も維持している既存の場所や抹殺された場所を参照し、敬意を表しています。例えば、ファズル・モスクやイースト・ロンドン・モスクのような市内で最初に建てられたモスクや、ハックニーのCenterpriseのような協力的な書店達、ダルストン・レーンのフォーエースクラブ(Four Aces Club)、マングローブレストラン(The Mangrove restaurant)、ノッティングヒルカーニバル(Notting Hill Carnival)のような娯楽や文化の場などが挙げられます。パヴィリオンの形態は、親密さの尺度が異なる建築物の要素を抽象化し、重ね合わせ、つなぎ合わせた結果であり、ロンドンの形をケンジントンガーデンのパヴィリオン構造に変換したものです。これらの形が出会うことで、パヴィリオン内に新たな集いの場が生まれるのです。
このプロジェクトでは、パヴィリオンのデザインに影響を与えたパートナー団体に、4つの「パビリオンのかけら」が設置されました。フィンズベリー・パークにある英国初の黒人向け出版・書店「New Beacon Books」、ノッティング・ヒルにある多目的会場兼コミュニティセンター「The Tabernacle」、デプトフォードにあるアートセンター「The Albany」、バーキング・アンド・ダゲナムのヴァレンス図書館にある新しい「Becontree Forever Arts and Culture Hub」(英国最大の公団住宅団地の100周年を記念して今年設立された)などです。これらのフラグメントは、これらの組織の日常業務をサポートすると同時に、長年サポートしてきた地域コミュニティの集まりを可能にし、敬意を表しています。建築を分散させて多くの声を取り入れるジェスチャーである「断片」は、パビリオンが設計された基本概念を都市に広げています。
パヴィリオンは、設立以来、サーペンタインのライブプログラムの拠点として定着しています。今年のパヴィリオンでは、アイン・ベイリーやジェイ・バーナードなどのアーティストの作品をフィーチャーした、特別に依頼されたサウンドプログラム「Listening to the City」が開催され、来場者はロンドンの厳選された地域のストーリーやサウンドに触れることができます。デザインプロセスは、より公平で持続可能かつ想像力に富んだ組織構造を考えることにも及び、ロンドンのコミュニティで活動するアーティストを支援する助成金およびフェローシッププログラム「Support Structures for Support Structures」を創設しました。
この展覧会の一部は「How will we play together? 」と題され、子供の遊びに特化したプロジェクトを設計した5人の国際的な参加建築家による作品が、フォルテ・マルゲーラに展示され、一般公開されています。
また、今回はコンペ以外の参加作品もあります。
Station + Co-Habitatsは、世界中の大学の研究者(AAスクール、ベイルート・アメリカン大学、バートレット、コロンビア大学、クーパーユニオン、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、エチオピア建築工科大、ハーバード大学、香港大学、ベニスのIuav大学、KITカールスルーエ、KUルーベン、ライス大学、MITの研究グループのコンソーシアムであるベニスラボ)によって開発された相対的なケーススタディによる5つのスケールの研究です。イスラエル人アーティスト、ミハエル・ロブナーの中央パビリオンへの特別参加、スタジオ・アザー・スペース(オラファー・エリアソンとセバスチャン・ベーマンが代表)による、参加者全員が参加する「Future Assembly」の展示、スポーツをテーマにしたジャルディーニの屋外インスタレーション「How will we play sport together?」また、ヴスラット財団によるスペシャルイベントでは、アルセナーレでジュゼッペ・ペノーネのインスタレーションが展示されます。