exhibition archive

藤本壮介建築設計事務所による、京都の「アメノシタ・パビリオン」。ロームシアター京都の屋外空間を敷地に、世界文化交流祭“KYOTO STEAM”の為につくられた、120mm角で長さ4mの木材を積層した鳥の巣のような建築
藤本壮介建築設計事務所による、京都の「アメノシタ・パビリオン」。ロームシアター京都の屋外空間を敷地に、世界文化交流祭“KYOTO STEAM”の為につくられた、120mm角で長さ4mの木材を積層した鳥の巣のような建築 photo courtesy of KYOTO STEAM
藤本壮介建築設計事務所による、京都の「アメノシタ・パビリオン」。ロームシアター京都の屋外空間を敷地に、世界文化交流祭“KYOTO STEAM”の為につくられた、120mm角で長さ4mの木材を積層した鳥の巣のような建築 photo courtesy of KYOTO STEAM

藤本壮介建築設計事務所が設計した、京都の「アメノシタ・パビリオン」。ロームシアター京都の屋外空間を敷地に、世界文化交流祭“KYOTO STEAM”の為につくられた、120mm角で長さ4mの木材を積層した鳥の巣のような建築です。公開は2021年12月26日まで。パヴィリオンの公式ページはこちら

120㎜×120㎜、長さ4mの木の角材を積層して作る、鳥の巣のようなアンフィシアター型のパビリオンを考えました。

すり鉢上の形をしており、内側は外側に向かって段々になっており、部分的に腰掛けたりできるようになっております。

単にオブジェとしての造形ではなく、腰掛けて談笑したり、空を見上げたり、小さいながらも人々の身体に呼応した、ローム・スクエアのもう一つ内側のような空間を考えました。屋根や柱や床などいわゆる建築の部位はなく、それらが未分化のまま立ち現れ、ゆらぎのようなものが形態となり空間となることを意図しています。

造形としては一見複雑に見えますが、同じ木材を積層しているだけなので非常にシンプルです。

建築家によるテキストより
中国の現代建築家8組に注目した、MoMAでの建築展「再利用、再生、リサイクル:中国の最近の建築」。新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点をあて、その多様な方法論を伝え、文化的背景と中国に根差す現代建築を紹介
中国の現代建築家8組に注目した、MoMAでの建築展「再利用、再生、リサイクル:中国の最近の建築」。新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点をあて、その多様な方法論を伝え、文化的背景と中国に根差す現代建築を紹介Installation view of the exhibition Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China, September 18, 2021 – July 4, 2022. The Museum of Modern Art, New York. Digital Image © 2021 The Museum of Modern Art, New York. Photo by Robert Gerhardt
中国の現代建築家8組に注目した、MoMAでの建築展「再利用、再生、リサイクル:中国の最近の建築」。新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点をあて、その多様な方法論を伝え、文化的背景と中国に根差す現代建築を紹介Installation view of the exhibition Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China, September 18, 2021 – July 4, 2022. The Museum of Modern Art, New York. Digital Image © 2021 The Museum of Modern Art, New York. Photo by Robert Gerhardt
中国の現代建築家8組に注目した、MoMAでの建築展「再利用、再生、リサイクル:中国の最近の建築」。新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点をあて、その多様な方法論を伝え、文化的背景と中国に根差す現代建築を紹介Installation view of the exhibition Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China, September 18, 2021 – July 4, 2022. The Museum of Modern Art, New York. Digital Image © 2021 The Museum of Modern Art, New York. Photo by Robert Gerhardt

中国の現代建築家8組に注目した、MoMA(ニューヨーク近代美術館)での建築展「再利用、再生、リサイクル:中国の最近の建築(Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China)」。新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点をあて、その多様な方法論を伝え、文化的背景と中国に根差す現代建築を紹介しています。会期は2022年7月4日まで。展覧会の公式ページはこちら

こちらはリリーステキストの翻訳

社会的、文化的、環境的サステナビリティの既存の定義を見直す、新世代の中国人建築家による8つのプロジェクトを展示

ニューヨーク近代美術館は、中国の新世代の建築家とその社会的・環境的持続可能性への献身に焦点を当てた展覧会「Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China」を開催します。2021年9月18日から2022年7月4日まで、ストリートレベルのギャラリーで開催されるこの展覧会では、旧工業建築物の再利用、建築材料のリサイクル、古代建築技術の再解釈から、非侵襲的な建築物の挿入による農村や地域全体の経済復興まで、多様な建築の方法論を語る8つのプロジェクトが紹介されます。

プリツカー賞を受賞したアマチュア・アーキテクチャー・スタジオ(ワン・シュウ、ルー・ウェンユー)、アーキ・ユニオン・アーキテクツ(フィリップ・F・ユアン)アトリエ・デスハウス(リウ・イーチュン、チェン・イフェン)、DnA・デザイン・アンド・アーキテクチャー(シュ・ティエンティアン)スタジオ・ズー・ペイ(ズー・ペイ)ベクター・アーキテクツ(ドン・ゴン)、アガ・カーン賞を受賞したZAO / スタンダードアーキテクチャー(チャン・ケ)によるプロジェクトなどが展示されます。

本展は、4年にわたるリサーチ活動により、建築家との対話を重ね、展示されるすべてのプロジェクトの現場を何度も訪れ、最近入手した約160点の中国現代建築の作品から、模型、図面、写真、ビデオ、建築のモックアップなどを展示します。「Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China」は、フィリップ・ジョンソン建築・デザイン学チーフキュレーターのマルティーノ・スティエルリ(Martino Stierli)と、建築・デザインアシスタントキュレーターのエヴァンゲロス・コツィオーリス(Evangelos Kotsioris)が企画しました。キュレーションの助言は、上海の同済大学教授、リー・シァンニンが担当しました。

過去30年間の中国の経済・社会の変革は、建築ブームを伴い、中国を人類史上最大の建設現場としました。都市の巨大プロジェクトや壮大な建築物(その多くは西洋の建築家によって設計された)に長年注目してきた結果、国営の設計機関から独立して活動する若い世代の建築家たちによって、再考が始まっているのです。これらの建築家は、建築環境のデザインに対するアプローチを共有しており、それは、この国の都市の構造を変え、何百万人もの日常生活を変えてきたタブラ・ラサ的なアプローチに対する全般的な懐疑心によって特徴づけられています。その代わりに、この世代の多くの人々は、既存の建築環境や確立された社会構造との有意義な関わりを求める比較的小規模な介入に力を注いでいます。これらのプロジェクトの多くは、伝統的な人口集中地や巨大都市の外で行われ、中国の二次都市や農村地域の復興につながりました。

「Reuse, Renew, Recycle: Recent Architecture from China」で紹介されている建築家やプロジェクトは、今日の中国で建築することの意味を示し、現代建築がいかにして中国にしっかりと根ざしているのかを探っています。この国ならではの文化的背景を紹介します。江西省景徳鎮の帝窯博物館のアーチ型天井、恒河村の野外竹の劇場、桂林近郊の元砂糖工場からホテルへ、本展では、より少ない資源で、より資源に配慮した建築の未来への進歩的な青写真として、慎重かつ大胆な介入を検証していきます。

ネリ&フーの、イタリア国立21世紀美術館での建築展「Traversing Thresholds」。施設に収蔵されるスカルパ作品と向き合い、内外と公私を調停する“閾値”の観点から読み解き、そのヴィジョンを再解釈して制作されたインスタレーション
ネリ&フーの、イタリア国立21世紀美術館での建築展「Traversing Thresholds」。施設に収蔵されるスカルパ作品と向き合い、内外と公私を調停する“閾値”の観点から読み解き、そのヴィジョンを再解釈して制作されたインスタレーション photo courtesy of ALCANTARA
ネリ&フーの、イタリア国立21世紀美術館での建築展「Traversing Thresholds」。施設に収蔵されるスカルパ作品と向き合い、内外と公私を調停する“閾値”の観点から読み解き、そのヴィジョンを再解釈して制作されたインスタレーション photo courtesy of ALCANTARA
ネリ&フーの、イタリア国立21世紀美術館での建築展「Traversing Thresholds」。施設に収蔵されるスカルパ作品と向き合い、内外と公私を調停する“閾値”の観点から読み解き、そのヴィジョンを再解釈して制作されたインスタレーション photo courtesy of ALCANTARA

ネリ&フーの、イタリア国立21世紀美術館での建築展「Neri & Hu. Traversing Thresholds」。施設に収蔵されるスカルパ作品と向き合い、内外と公私を調停する“閾値”の観点から読み解き、そのヴィジョンを再解釈して制作されたインスタレーションが公開されています。会期は2022年2月6日まで。

こちらはリリーステキストの一部の翻訳

ドミティラ・ダルディ(Domitilla Dardi / MAXXIデザイン・キュレーター)がキュレーションするAlcantara-MAXXIプロジェクトは、2018年からスタジオ・ヴィジット形式に進化し、過去のマスターと現在のマスターが集まり、毎回招待されてMAXXI Architetturaコレクションの偉大な巨匠の作品を、アルカンターラ®を主要言語として解釈し、個人的解釈を提供するようになったのです。

2021年版では、ネリ&フーは、MAXXIに収蔵されている偉大な作家の一人と向き合います。カルロ・スカルパです。
上海を拠点とする建築デザインスタジオは、「Traversing Thresholds」によって、西洋と東洋の世界、感性と視覚の間に文化の架け橋を構築します。スカルパの解釈は、中国語の「jian」と日本語の「ma」の両方に存在する概念である「threshold」(「隙間」「空間」「間」と大別される)にあります。建築の世界では、この言葉は、内と外、公と私といった対照的な2つの空間環境の間の物理的な調停、あるいは閾値の状態を表すためによく使われるますが、この状態はイタリアの巨匠の空間通路に再び現れています。

リンドン・ネリはこう説明します「閾値の観点から見ると、この “jian”というアイデアは、空間として見ることもできるし、中間、あるいは時間のアイデアとして見ることもできます。」
「これは隙間の空間です。」とロサーナ・フーは付け加えます。「空間だけでなく、空間と時間の間、あるいは2つの構造的な部分の間にある抽象的な概念なのです。何かが満たされるのとは対照的に、空っぽであるという概念があり、音楽を作る音符の間の沈黙のようなものです。」

リンドン・ネリとロサーナ・フーがデザインしたインスタレーションは、スカルパのヴィジョンを、ディテールの発明、ソリッドとヴォイドの対話、素材の創造的な組み合わせという中心節において再解釈しています。

このインスタレーションの焦点は、スカルパの建築の6つの重要な通路を観察者に導くものです。ピボット・プレーン、侵食されたコーナー、挿入されたランドスケープ、フローティング・データム、スリット・ウィンドウ、オフ・アクシス。これらの要素は、完全なものからの引き算、素材間の対話、反重力サスペンション、プログレッシブな空間、構造軸のスライドなど、巨匠のいくつかの教訓に反映されています。ネリ&フーが解釈した建築の教えは、規則正しく交差する壁のメッシュを通して新しい空間を生み出し、6つの限界は訪問者に行動を促し、スカルパの源泉を明らかにする場となっています。

アルカンターラは、優れたデザインアイデアのための特別な「構成材料」であり、その汎用性、触感、エレガンスのあらゆる可能性をもって、この作品を過去と現在をつなぐ真の地点にしています。フルカラーのバリエーションで、あるいはエンボス加工やラミネート加工といった異なるテクスチャーで使用されるこの素材は、ネリ&フーがデザインする建築の礎となり、その生来の感覚的な魅力で人々を迎え入れます。

ドミティラ・ダルディは言います。
「ロサーナ・フーとリンドン・ネリは、MAXXI Architettura Archivesの中で最も貴重なカルロ・スカルパの作品に異なる視点を与えてくれました。」
「スカルパの作品に”胎動”として存在し、”閾値”というコンセプトを通して、旅や通路としての空間の感覚は、東洋のデザイン感覚へと開かれ、現代の建築家の解釈によって強化されています。」

11mスパンの大規模木造建築で1時間耐火構造の「くるみ幼稚園新築工事」の、オンライン構造現場見学会がNCN主催で開催。参加費無料で、当日は耐火被覆施工中の現場も公開
11mスパンの大規模木造建築で1時間耐火構造の「くるみ幼稚園新築工事」の、オンライン構造現場見学会がNCN主催で開催。参加費無料で、当日は耐火被覆施工中の現場も公開

11mスパンの大規模木造建築で1時間耐火構造の「くるみ幼稚園新築工事」の、オンライン構造現場見学会がNCN主催で開催されます。当日は耐火被覆施工中の現場も公開されます。開催日時は2021年12月21日(火)14時~16時要事前申込で参加費無料です。参加者特典として、セミナー参加者に、最新の木造事例や、大規模木造にまつわるQ&A等を全60Pにまとめた『木構造ガイドブック』が進呈されます。【ap・ad】

本物件の見どころ

・周辺敷地が狭い中、構造の工夫によって11mの大スパンを実現
・1時間耐火構造の木造園舎、見学会当日は耐火被覆施工中の現場を見れる貴重なチャンス
・本物件を実際にプレカット加工した工場もご紹介。設計から調達、加工、施工までのフローを知ることができます。

リリーステキストより

この度、学校法人くるみ学園及び関係者様のご協力により、『(仮称)学校法人くるみ学園くるみ幼稚園新築工事』オンライン構造現場見学会を開催することとなりました。大規模木造計画に最適な、接合金物工法「SE構法」を最大限活用した、木造躯体を見ることができる機会となっております。コロナ禍の中、どこからでもご参加いただけるオンラインセミナー形式となっておりますので、皆様お気軽にご参加ください。

リリーステキストより
伊東豊雄と西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めるウェビナー座談会「コロナ禍以降に再考する、建築の生と美と死」が開催。伊東が子ども時代を過ごした長野県諏訪や東京中野の風景、コロナ禍での住空間や暮らし方の新たな発見や変化、近年語られる建築哲学に迫る
伊東豊雄と西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めるウェビナー座談会「コロナ禍以降に再考する、建築の生と美と死」が開催。伊東が子ども時代を過ごした長野県諏訪や東京中野の風景、コロナ禍での住空間や暮らし方の新たな発見や変化、近年語られる建築哲学に迫る

伊東豊雄と西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めるウェビナー座談会「コロナ禍以降に再考する、建築の生と美と死」が開催されます。開催日時は2021年12月24日(金)18:00 ~ 19:30オンラインでの開催で参加費無料、要事前申し込み。伊東が子ども時代を過ごした長野県諏訪や東京中野の風景、コロナ禍での住空間や暮らし方の新たな発見や変化、近年語られる建築哲学に迫る内容との事。

住まいやパブリック・スペースのあり方、働き方のさまざまな事例を通して社会と住まいの未来を考えるコラム「これからの社会、これからの住まい 2」。2021年は、監修者の浅子佳英氏(建築家、プリントアンドビルド)、中川エリカ氏(建築家、中川エリカ建築設計事務所)が、コラムと連動して交互にゲストを迎え、インタビューを企画していきます。第5回目は中川氏と浅子氏が建築家の伊東豊雄氏と西沢大良氏をお迎えし、12月24日に収録するインタビューを、ウェビナーにてライブ配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。

インタビュー・シリーズ第4回目では、西沢大良氏をお迎えして「コロナ禍以降に再考する、健康な住まい」と題するインタビューを行いました。近代の産物である住まいにおける機能的な場所は、コロナ禍において危険な場所となってしまったと西沢氏は語りました。家はそこに居るだけで体が恢復し、健康になれる場所であるべきだという西沢氏の提唱は、コロナ禍以降大きな意味を持つようになりました。伊東豊雄氏をお迎えする第5回目は、伊東氏が幼少期を過ごした長野県諏訪、その後の東京中野の風景、コロナ禍における住空間や暮らし方についての新たな発見や変化、近年語られる「美しい建築」への信念、そして作品のなかにある「死」とのさまざまな関係性など、建築の生と美と死について、いま思うことを伺います。

アドルフ・ロースの建築展「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」が、チェコセンター東京で開催。パネル・動画・模型の展示を中心にVR体験もおこなわれる
アドルフ・ロースの建築展「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」が、チェコセンター東京で開催。パネル・動画・模型の展示を中心にVR体験もおこなわれる

アドルフ・ロースの建築展「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」が、東京・渋谷区広尾のチェコセンター東京(チェコ共和国大使館内)で開催されます。アドルフ・ロースのチェコ・プルゼニュ市内のインテリアの仕事に注目した展覧会とのこと。会期は2021年12月15日(水)~2022年1月31日(月)。2021年12月15日(水)には展覧会のオープニングも企画されているとのこと。

昨年生誕150周年を迎えたチェコ出身の世界的建築家、アドルフ・ロース。その思想と建築作品は、当時の建築だけでなく、その後の現代建築の在り方にも世界規模の影響を与えました。このたび、ロースが20世紀前半に長期にわたり取り組みつつも、チェコ国外ではあまり知られていなかったプルゼニュ市内の類を見ないインテリアデザインをご紹介する展覧会を、東京・広尾のチェコセンター東京にて開催いたします。

展示の主なねらいは、プルゼニュ市におけるロースの活動をより広い文脈で捉えることにあります。1907年以降の初期の作品と、ヒルシュ家やベック家との重要な関係、そしてウィーンとのつながりを紹介します。また、1927年にプルゼニュに戻り、ブルメル家やゼムラー家、フォーグル家、クラウス家といった多くの資産家の邸宅を設計したことにも注目し、現代における邸宅の修復の様子や、ロースや家主の家族についても言及しています。

会場では、東洋大学の協力のもと、建築模型や3D映像、VR映像なども併せて展示いたします。夕刻には会場外壁にロースが手掛けたインテリア画像の投影も行います。建築家アドルフ・ロースの世界をご体験ください。皆さまのご来場をお待ちしております。

リリーステキストより

詳細な展覧会情報は末尾に掲載します。

デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される展覧会の様子。 photo©Reece McMillan
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示される今回の展覧会のために新たに作成した建築模型。アーカイブ資料に基づき3Dデータを作成し、高性能3Dプリンターで出力している。 photo©Reece McMillan
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示されるデジタルツインとして制作された「内住コミュニティセンター」の外観。実際の建築は1994年竣工。 許可を得てスクリーンショットを掲載
デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真など。同時開催のVR展覧会では、葉作品“内住コミュニティセンター”のデジタルツインがつくられ、資料や模型が展示されるVR展覧会の会場全体を見返す。 許可を得てスクリーンショットを掲載

デジタルデザインの文脈で近年再評価が進む建築家 葉祥栄の、シドニーでの建築展「Revisiting Shoei Yoh」の会場写真と、同時に立ち上げられたVR展覧会の様子を紹介します。展覧会は2022年1月25日までオーストラリアン・デザイン・センターで開催されます。
展覧会の開催と同時に、「SHOEI YOH ARCHIVE 葉祥栄再訪」というウェブサイトが開設されており、こちらでは葉の代表作品「内住コミュニティセンター」(1994年竣工)のデジタルツインを作成し、その中でVR展覧会が開催されています。その他にも、図面・CG・写真がまとめられているデジタルアーカイブ、作品の3Dスキャンによる点群データなども公開されています。
また、オンラインで読める記事としては、日本建築学会の建築討論が2019年8月の特集で「葉祥栄《小国ドーム》── 現代木造とコンピュテーショナル・デザインの源流を探る」が公開されています。

葉祥栄 略歴

1940年、熊本県に生まれる。1962年、慶應義塾大学経済学部卒業後、渡米し、ウィッテンバーグ大学(オハイオ州)で美術と応用美術を学ぶ。1964年に日本帰国し、インターナショナル・デザイン・アソシエイツ(東京)、NIC(福岡)のデザイナーを経て、1970年、葉デザイン事務所を福岡に設立。以来、福岡を拠点として、建築・インテリア・プロダクトと多岐にわたるデザイン活動に取り組む。

日本初のガラス4辺構造シール接合を採用した「インゴット」(1977年)や日本で初めてFRP成形パネルを外壁に用いた「木下クリニック」(1979年)など、新しい技術と詩的な空間が融合した作品群を発表。また、「光格子の家」(1981年)などの光をテーマとした一連の作品によって国内外で高い評価を得る。
1984年、松井源吾らと協働して木造立体トラス構造の設計に着手。南阿蘇の「ミュージックアトリエ」(1986年)にはじまり、小国町の「小国町交通センター」(1986年)や日本初の3千m2を超える木造建築「小国町民体育館(小国ドーム)」(1988年)を完成させる。地場の杉材を用いて建設された一連の木造立体トラス建築は、現代日本における木造復興の先駆けとなる。

1990年代に入ると、葉祥栄は「自然現象としての建築」を追求し、「ギャラクシー富山」(1992年)、「内住コミュニティセンター」(1994年)などの作品を発表。コンピュータによる構造解析を積極的に設計に取り入れたこれらの作品はデジタルデザインの先駆的な作品と目されており、カナダ建築センターにおける展覧会「Archaeology of the Digital」(グレッグ・リン, 2013)で展示されるなど、 海外で高く評価されている。

日本インテリアデザイナー協会賞(1979年)、日本建築協会賞(「光格子の家」1980年)、毎日デザイン賞(1983年)、日本建築学会賞(「小国町における一連の木造建築」1989年)、IAKS賞ゴールドメダル(1993年)など、受賞多数。2007年、ウィッテンバーグ大学より名誉芸術博士号を授与される。

1992年に、コロンビア大学大学院客員教授。1996年~2005年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。


現在、葉祥栄および葉デザイン事務所が制作した図面、模型、プロダクト、資料などの大規模なコレクションは、九州大学芸術工学研究院環境設計グローバル・ハブ内の葉祥栄アーカイブに保管されている。また、FRACセンター(フランス・オルレアン)、カナダ建築センター(カナダ・モントリオール)、国立国際美術館(日本・大阪)にも、小規模ながら一部の資料が所蔵されている。

(岩元真明)

青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」のレビュー。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる
青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」のレビュー。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる会場を外から見る。ガラス張りで中が良く見える場所である。 photo©architecturephoto
青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」のレビュー。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる展示室正面を見る。左側壁は本展の為につくられた。内部で鑑賞している姿を、街ゆく人々に鑑賞されるという構図が面白い。 photo©architecturephoto
青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」のレビュー。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる展示の為につくられた壁面裏のスペース。この日は、ドアと脚立が展示されていた。 photo©architecturephoto

東京藝術大学青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎつづける」をレビューします。展覧会の制作プロセスを見せるという“在り方”から考えられた展示は、訪問者に関係性の視点を意識させると共に、建築の伝え方の未来までも想起させる内容となっています。入場可能期間は2021年11月29日まで(12月2日までは外部から見ることが可能)。展覧会の詳細はこちらのページにて紹介されています。

※2021年11月26日夜の会場写真を末尾に追加しました

こちらは、実際に会場を訪問したアーキテクチャーフォトによるレビュー

東京藝術大学青木淳研究室による展覧会「鳥は泳ぎ続ける」が渋谷区桜丘町で始まった。
会場となっている桜丘ビル1Fは、渋谷の再開発が進む一角にあり、ここに歩いてくるまでにも工事中の景色が自然と目に入ってくる場所だ。歩道橋を渡ってスペースの前にたどり着くとこのビル自体も改修の最中にあることが分かる。そのような場所で行われているのが本展である。

まず、説明しなければいけないのは、この展覧会がただ一回訪れて展示されているものをみて、分かった気分になるというような質の展覧会ではない、ということだ。

簡潔に説明してみたい。本展は、展覧会というものの前提に立ち返り、その在り方や意味のレベルから再考して企画が進められている。具体的には、会期や公開時間をいくつかのフェーズに分割し、展覧会自体の制作プロセス自体を作品として展示するという仕組みが設計されている。そして、このプロセスを作品として展示するにあたり仮想の展覧会が設定されたという。つまり仮想の展覧会のための会場をつくる、というプロセスを展示するという複雑な枠組みをもった展示なのである(詳細はこちらのページにある出展者による解説を読んでいただきたい)。

また、筆者は会場が公開された初日(2021/11/20)の午前に訪問してこのレビューを書いているのだが、このような質の展覧会であるために、この紹介がこの展覧会の全貌を捉えられていないことはあらかじめ了承いただきたい。

西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務める対談ウェビナー「コロナ禍以降に再考する、健康な住まい」が開催。コロナ禍以降の建築の向かうべき方向性・西沢建築につながる子供時代の原風景・学生時代から続く西沢建築の本質 等について語られる
西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務める対談ウェビナー「コロナ禍以降に再考する、健康な住まい」が開催。コロナ禍以降の建築の向かうべき方向性・西沢建築につながる子供時代の原風景・学生時代から続く西沢建築の本質 等について語られる

西沢大良を迎え、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務める対談ウェビナー「コロナ禍以降に再考する、健康な住まい」が開催されます。コロナ禍以降の建築の向かうべき方向性・西沢建築につながる子供時代の原風景・学生時代から続く西沢建築の本質 等について語られています。開催日時は2021年11月25日で、1回目放映:9:30~11:15、2回目放映:13:30~15:15です(※動画は2021年10月22日に収録した内容)。事前申し込み制で視聴申込期間は2021年11月15日(月)~11月24日(水)。【ap・ad】

近代の産物である住まいにおける機能的な場所は、コロナ禍において危険な場所となってしまったと西沢大良氏は言います。家は居るだけで体が修復され、健康になれる場所であるべきだという西沢氏の提唱は、コロナ禍以降大きな意味を持つようになりました。そして西沢氏が幼少期を過ごした1960〜70年代は、夏はエアコンもなく、光化学スモッグは日常的という時代でした。体を冷やすためにプールへ行き、日陰を探し回る原体験は、西沢氏が設計する建築にも影響を与えているそうです。こうした身体を通じた原体験から、これからの建築、住まいについて考えます。

動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが事前に動画を閲覧して抜粋)

この2年間でCOVID‑19で住まい方が揺さぶられた / 本当は解決しなければいけなかった社会問題がコロナ過であぶりだされた / 
ウイルスの流行が今後も続くとしたら、我々はどう地球で生きていけばよいか / 生き方を考え直すチャンスと考える / 機能的な場所はコロナ過で危険になった / コロナ禍によって新しい住空間の発見はあったのか / 暮らしに対する価値観はどう変わったか / 家の中で感染したくないとすると危険なのは機能的に設計されてきた場所 / 機能的な場所であるエントランスやロビーなどの共用部がリスクが上がっている / 生き延びられる場所に住宅をしなければいけない / 近代住宅も感染症対策からはじまった / 健康になれる住宅 / 医薬品のように効く住宅 / 建築家が治療的な存在になる / 近代住宅のメソッドで現代の問題は解決できないのではないか / 西沢大良の原風景がどのように設計に影響を与えているか / 西沢建築と原風景の関係 / 宇都宮のハウスについて / 藤森照信さんに設計を問い詰められる / 子供時代冷暖房がない団地で育った / プールで体を冷やす / 中学・高校と水泳部だった / プールの底から上を見た景色と大良建築が似ていると藤森さんに指摘される / あらゆる創作の中で建築のオリジナルな所は「サイズ」ではないか / 配置図と断面図にあらわれるスケール / 卒業設計時から配置に興味をもっていた / 大学時代の最初の課題で設計したギャラリーと今の建築が同じと当時のスタッフに言われる / 独立したと同時にバブルが崩壊 / 初期の予算は2000万円以下 / 規模的にプランニングの余地がなく配置がすべてだった / 初期の住宅はほぼ配置と断面でできている / 今治港駐輪施設について / トップライトからの光の位置で駐輪の位置がコントロールされる / 学生時代に名作住宅を見て回った / 日常的な感覚が人間の思想をつくる / 柳田國男『明治大正史 世相篇』について / 岡檀『生き心地の良い町』について / これからの建築に求められる建築の魅力 / ワクチンの普及と共に空間が感染を防いだ側面があるのでは / 美学的ではない視点で空間を捉えて制御する / 医療で解決するのが望ましいけれど、今後空間でできることもあるのでは / コルビュジエも感染等に意識的だったかもしれない / あらゆるものが隔離され死から遠ざかる暮らし / 人間は弱くなっていないか / どうしたらたくましく生きていけるか / 死という問題を現代生活がとうざけられている / 死が物語のようになっている / 建築の死と建築家の死 / ファッションブランドはデザイナーが亡くなっても存続するが設計事務所は / 建築家はアーティストに近いのに大きなお金を動かしている 等々

動画内で語られたトピック
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす大森克己《心眼 柳家権太楼》(2019年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす川内倫子《無題》(シリーズ「はじまりのひ」より)(2018年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす大森克己《心眼 柳家権太楼》(2019年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす会場風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三

中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」です。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだしています。会期は2021年12月26日まで。展覧会の公式サイトはこちら

こちらは、実際に会場を訪問したアーキテクチャーフォトによるレビューです

この展覧会の、特に会場構成自体を作品として紹介する際には「東京都渋谷公園通りギャラリー」の背景を共有することが必須であるように思う。このギャラリーは、渋谷区立勤労福祉会館という建物内の1階に位置しており、2020年2月にアール・ブリュット等の振興の拠点として設立された施設である。

実際にギャラリーを訪問して分かるのは、このギャラリーや入居している建物が、新築時に展覧会を行う事を前提に建てられたわけではないという事である。同じフロアには、時間貸しのワークスペースが入居していたりとビル内にはギャラリーと日常が混在しているような印象である。加えて、ギャラリーの展示スペースが、廊下やホールなどを介しフロア内に点在していることも特徴だと感じた。これは建物内の違う用途で使われていたスペースを活用したギャラリーである事を想起させる。建物内に足を踏み入れた瞬間に、美術作品をみるのだという気持ちが切り替わるように考えられているそれ専用に建てられた美術館と比較すると、ある種の作品を展示することに対する難易度が高いギャラリーだと言うことが出来るだろう。

実際に展覧会を訪れて、作品を眺めながら会場をぐるりと一回りした。そこでの経験を振り返ると、先に書いたような展示空間が、フロア内に点在しているにもかかわらず、ひとつづきの展覧会のまとまりとして経験した感覚が残っているのである。これはまず、中山が今回の展示にあたり苦心した部分だと感じた。具体的には、展示の最初のスペースと二番目のスペースに移動するには、ホールと廊下を通過するのだが、この細長い廊下部分を作品展示スペースとしている。これによって、各展示空間の距離が縮まり、一連の展覧会として認識されやすくなっている。アートに対峙するという経験に出来る限りノイズが入らないように設計されているのである。

また、外部に最も近い公園通りに面した展示スペースのつくり方にも注目したい。ネットなどで他の展覧会期間の写真を見てもらうと明確に分かるのだが、このスペースは道路側がすべてガラス面であり内部の様子が通り側から見られることを意図してつくられた場所なのである。もともとがギャラリーである事を想定していなければ、合理的なつくりであるし、展覧会の性質によってはこの空間がそのまま生かされる場合もあるだろう。後述しているが、本展では出展作家が多様だ。その為に展示壁面を増やす必要があったと思われる。と同時に作品によっては光を許容するものと受け付けないものがある。そんな状況において、中山は、ガラス面から少しのクリアランスをとって新たな展示壁面をつくった。これにより、室内側は川内倫子の作品スペースが生まれ、ガラス面側には、大森克己の展示スペースが生まれる。これだけでも素晴らしいアイデアなのだが、ガラス面側の奥行きの浅さによって、そこが街中にあるショーウィンドウに擬態しているのである。この効果により大森の作品は渋谷の街中において鑑賞すべきものとして通りを行きかう数多の人々の記憶に刻まれることになるのである。

90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧
90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧

90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの───専門誌はどこに向かう?」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手であった西田が詳細に回顧しています。公開期間は2021年11月15日(月)~11月29日(月)。【ap・ad】

今回は『BRUTUS』編集長であり、かつて『Casa BRUTUS』副編集長もつとめられていた西田善太氏に、建築と雑誌の関係性についてお聞きしました。
西田氏は、『Casa BRUTUS』では「安藤忠雄×旅」「SORI YANAGI A Designer──日本が誇るプロダクトデザイナー、柳宗理に会いませんか?」「最強・最新! 住宅案内2006」、『BRUTUS』では「居住空間学」「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます。」「東京23区に家を建てられますか?」といった特集を企画されました。専門誌の領域であった建築を、カルチャー・ライフスタイル誌ならではの切り口でとりあげた背景や、ウェブ媒体も広く浸透した今、建築をどのように伝えていくかといったテーマについてお話ししていただきました。

動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが動画から抜粋)

90年代に建築雑誌がなくなっていく / 建築メディアの弱体化 / 若い人が雑誌を読んでいない / 建築メディアはどうしたらよいか / 一般誌として『カーサ ブルータス』が建築雑誌の世界にのりこんでいった / 『ブルータス』の建築特集は入り口は易しいが中身はコア / ブルータスはどう考えて建築を取り上げてきたのか / 80年代後半から『ブルータス』と安藤忠雄はつながっていた / なぜ一般誌が建築を取り上げるようになったのか / 集合住宅特集が大ヒットする / 90年代代替わりがおきて集合住宅をデザイナーズマンションとしてつくったのでは? / 集合住宅で建築家が有名になれるムーブメントが起きた / 1999年「東京23区に家を建てられますか?」特集が凄く売れた / 2000年に「誰でもわかるル・コルビュジエ」特集が完売した / 2000年「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます」特集 / 施主募集企画 / 安藤忠雄が最初に企画に賛同してくれた / 安藤さんへの応募が200件くらいきた / 実際に10数件の家が企画で実現している / 節操のなさが一般誌の特徴 / 建築の世界はネットワークがあるから資料がしっかりしている / ブルータス不動産という連載 / 建築という手つかずの鉱脈を発見 / 一般誌はわくわくさせる方が大事 / 建築界の何に先に載せるか問題 / カーサに先に載ると専門誌に載らない時代があった / 90年代後半イームズ特集がバカ売れする / ミッドセンチュリーモダンブーム / 買い出しだけでひと財産できた時代 / リテラシーが上がる / 建築とファッション特集 / 1999年にコムデギャルソンのファサードをフューチャーシステムズがつくる / 名古屋のルイ・ヴィトン / 表参道が建築家のショーケースになっていく時代 / いらっしゃいませと言われる建築を有名建築家がつくる時代がきた / 「安藤忠雄×旅」特集が3日で売り切れる / 安藤忠雄のヨーロッパ出張についていき7都市を回る  / 柳宗理と作った特集「SORI YANAGI A DESIGNER」 / アートや建築のコンテンツはいかにして豊富になったか / 西田善太が考える建築のおもしろさ / 実際に行くのが大事 / 昔は見ることが出来なかったから写真が大事だった / 建築誌が衰退とは思わない / 今の学生は建築雑誌があった時代を知らない / 今は日本のインテリアの方が海外より面白い / 『カーサ ブルータス』の方向性が変わったのはなぜか? / 建築がみんなの知識の一部になった / 読者の建築に対するリテラシーが高まった / 一般誌ならではの建築の見せ方とは / 建てられるとなった時に建築のデータが輝いて見えるようになる / 分かりやすくす®のではなく本気にさせる / 建築には紙媒体にしかできない編集がある / ネットと紙媒体の関係はどうなっていくのか? / 編集という仕事は、ここを見るんだと伝えられること / VRで建築がわかるというのと、建築家の考えを分からせるのは違う / 専門誌を紙で見ないから劣化しているというのはおこがましい / 1995年と比べて2020年に書店数は半分に / 大きな書店は動線をジグザグにして滞留時間を稼ぐ / 娯楽の質が変わったことを嘆いてもしょうがない / 雑誌は良い意味で不要不急 / なくてもいいけど面白いものがある 等々

動画内で語られたトピック
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げるWHITEHOUSEの外観。写真中の庇等はGROUPによるデザイン。 photo©architecturephoto
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる13日の展示の様子。床板が立てかけられ求心的な空間となっていた。 photo©architecturephoto
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる会場を見下ろす。 photo©architecturephoto

建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」をレポートします。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる建築展となっています。会場は、東京都新宿区のWhitehouseです。会期は2021年11月21日までですが、会員制のため非会員の公開日は20日(土)となっています(詳細は末尾に記載)。

こちらは、アーキテクチャーフォトによるレポート

建築コレクティブGROUPによる建築展「手入れ/Repair」が、東京都新宿区のアートスペース「WHITEHOUSE」で行われている。

ご存知の方も多いと思うが、このWHITEHOUSEは、建築家の磯崎新が約60年前に、そのキャリアの最初に手掛けた建築であり、美術家・吉村益信の住居件アトリエとして建設された。その後、この建築の所有者は幾度も変わり増改築されたのち、2021年に会員制アートスペース「WHITEHOUSE」として新たに使われ始め現在に至る。

そして、GROUPは、この建築が2021年にWHITEHOUSEとして生まれ変わるにあたり、建物と塀の間の幅1.5mほどの細長い外部空間を、バー・カフェ・アートスペースのための庭として改修を手掛けた(この改修は「新宿ホワイトハウスの庭」という作品名で発表されている)。このように、今回展示を行っているGROUPはWHITEHOUSEに関わりをもった建築家である。

以下の写真はクリックで拡大します

建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げるWHITEHOUSEの外観。写真中の庇等はGROUPによるデザイン。 photo©architecturephoto

本展「手入れ/Repair」は、このWHITEHOUSEの1階部分の床の改修過程を公開する建築展である。しかし、もちろん、ただそれだけの展示ではない。

今回の展覧会の始まりは、このアートスペースの床に不具合が出たことに始まる。60年以上使い続けられた床であるので改修が必要な時期が来たというわけだ。そして、この修繕がGROUPに依頼された。相談を受けたGROUPは、自身の手で改修作業を行い、同時にそれを公開するという建築展を行うに至った。この建築はアートスペースであるから、その修繕の過程を“展覧会”として公開するのは自然なことだったのだと想像できる。

MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Aad Hoogendoorn
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Aad Hoogendoorn
MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発 photo©Florine van Rees

MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムのHet Nieuwe Instituutでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発されました。会期は2022年9月4日までとのこと。

以下は、リリーステキストの翻訳です

「MVRDVHNI: The Living Archive」では、MVRDVのヒューマンでグリーンな夢の創造の舞台裏を見ることができます。

現在、Het Nieuwe Instituutで開催中の「MVRDVHNI: The Living Archive」展では、MVRDVのデザイン哲学のルーツに迫ります。HNIの最上階で行われており、隣にあるMVRDVの最新作である「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を圧倒的な眺望で見ることができます。「The Living Archive」展は、30年間の仕事を多層的に検証するものです。この展覧会では、MVRDVのプロジェクトとその背後にある進化したアイデアを紹介するとともに、作品の背後にあるデザインプロセスや、そうしたマテリアルを後世に残すための課題についても洞察しています。

展示されているプロジェクトは、ダーウィニズムの進化の年表に沿って並び、3つのテーマに分かれています。MVRDVの社会的な意識や人間を中心としたデザインを表す「human」、持続可能な目標を表す「green」、ユーザーに驚きを与えるような大胆で注目すべきプロジェクトを目指すMVRDVの野心を表す「dream」です。

「MVRDVHNI」の展覧会は、アーカイブを公開することを目的としているため、完成したデザインそのものだけでなく、デザインプロセスを示す資料にも焦点が当てられています。模型や写真だけでなく、スケッチや図面、素材のサンプル、クライアントに渡すプレゼンテーション用の冊子、エンジニアやコントラクターとのやりとりまで、さまざまな資料が展示されています。アナログカメラで撮影された写真は印刷されてテーブルの上に置かれ、デジタル写真は会場内に設置された多くのコンピュータ画面で見ることができるなど、可能な限りオリジナルのフォーマットで展示されています。

今回の展覧会では、まさにこのアナログとデジタルの境界線を意識した展示が行われています。MVRDVは1993年に設立された「デジタル生まれ」の企業で、ほとんどがデジタルのアーカイブを作成した最初の世代の企業のひとつです。2015年にアーカイブの最初の400プロジェクトをHet Nieuwe Instituutに寄贈したとき、この規模のデジタルアーカイブは同機関が取得した初めてのものでした。この膨大なファイルのコレクションにアクセスできるようにする従来の方法は失敗したため、アーカイブをさらに明らかにするための革新的なツールが作られました。MVRDV NEXTスタジオが特別に開発したデジタルソフトウェア「ProjectScape」は、訪問者が自分の調査ラインに沿ってプロジェクトを探索することを可能にします。Namelok社のソフトウェアは、MVRDVが撮影した画像に写っている人物を分析し、Giacomo Nanni & Francesca Morini社の検索エンジンは、MVRDVが送受信した何十万通ものメールの中から「サステイナビリティ」という言葉がいつ出てきたのかを確認することができます。

東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ
東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ会場外観。 image©藝大青木研究室2021
東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ模型検討の様子。 image©藝大青木研究室2021
東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ模型検討の様子。 image©藝大青木研究室2021

東京藝術大学青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催されます。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチする展覧会になるようです。会場は東京・渋谷区桜丘町のSACS 渋谷で、会期は2021年11月15日~12月2日(※但し、入場可能期間は2021年11月20日~11月29日)。 

会場を含む渋谷では大規模かつ長期間に及ぶ再開発が行われ、常にどこかで工事が行われています。しかしその一つ一つの動きはバラバラで、例えば一つの建物が竣工した時点であるところでは別の建物が解体されはじめ、またあるところではプロジェクトが完成に向かっています。

そのような「動きの集積としての渋谷」を訪れる時、私たちは総体として進んでいるのか後退しているのか分からないような都市の一断面を目にします。

リリーステキストより

展覧会を展示するということは展覧会の空間に加えて、その際に生じる梱包・搬入・搬出・設営・移動といった時間をも見せることです。本来、搬入→展示→搬出と流れる時間軸を読み替え、搬入、搬出と展示を重ねます。そのため、企画のあらゆる場面に前後の時間を感じていただける操作があります。展示中でありながら設営中にも感じられ、はたまた搬出中であるかのような空間で、不思議な居心地の良さを感じて頂けることを期待します。

リリーステキストより

本企画では、今この場所で展覧会を開くということにとどまらず、ショーウィンドウやテナントといった商業空間にある、中身の出入りが繰り返される場所について建築家として何ができるかを考えることとなりました。

そういった場所ではある時には洋服が売られ、またある時にはアート作品が飾られますが、それらのいわゆるディスプレイは、情報を発信する「展示物」とその「受け手」という二項対立的な構図をとります。この時、二者以外の構成要素は考慮されていません。『テンポラリーなリノベーションとしての展覧会』では、いわゆる「作品」によって新たな文脈を提示するのではなく、展覧会場内の複数の事物・人・ひいては会場の外にある街の中に張り巡らされている関係性を顕在化することで展覧会という空間の完成を目指します。

リリーステキストより
澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす
澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす photo©Sawada Hashimura
澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす photo©Sawada Hashimura
澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだす photo©Sawada Hashimura

澤田航+橋村雄一 / Sawada Hashimuraによる、東京・恵比寿の、CAGE GALLERYでのインスタレーション「Every man is a liar.」。街路に面した窓2つが展示空間というギャラリーで、それぞれの空間を写し合う“立体と平面の両義性を持つオブジェクト”が、曖昧さを孕む“無限の循環参照状態”をうみだすことを意図しました。展示期間は2021年12月12日まで。施設の公式サイトはこちら

CAGE Galleryは、ギャラリーとはいうものの、街路に面した窓が2つあるのみである。一辺1.7メートル程度のほぼ正方形の窓が2つ、奥行きは24センチ程度しかない。この場所での展示をするにあたり、下記の3点から構想することにした。

建築家によるテキストより

ひとつは既存のステンレスの窓枠を作品のための単なる額縁としてだけ扱うのではなく、額縁であると同時に作品を形作る一要素として作品の中に取り入れること。次に、たとえ薄くても窓の内側には空間が存在するものとして考えること。そして、その空間が2つあること。

建築家によるテキストより

作品の形態は、窓枠内の空間の寸法から導き出される形としている。つまり、サブロク(3尺×6尺)と呼ばれる規格サイズの合板2枚をギャラリーの奥行き分だけ湾曲するサイズに調整してはめ込むことでおのずと決まる曲面としている。そうして窓枠の中におさまった曲面とギャラリーの壁面によってできたギャラリー内の「スキマ」の空間を撮影し、もう片方の窓枠の曲面に印刷することで、立体と平面の両義性を持つオブジェクトがそれぞれの空間を写し合う、相互の参照関係をつくった。

建築家によるテキストより
国際的な建築家たちが登壇する、JIA国際委員会主催のウェビナー「《越境建築家》たちとの対話シリーズ Part2」が、2021年11月から2022年4月に渡って開催

国際的な建築家たちが登壇する、JIA国際委員会主催のウェビナー「《越境建築家》たちとの対話シリーズ Part2」が、2021年11月から2022年4月に渡って開催

日程
国際的な建築家たちが登壇する、JIA国際委員会主催のウェビナー「《越境建築家》たちとの対話シリーズ Part2」が、2021年11月から2022年4月に渡って開催

国際的な建築家たちが登壇する、JIA国際委員会主催のウェビナー「《越境建築家》たちとの対話シリーズ ― Part2|越境への誘い ―」が、2021年11月から2022年4月に渡って開催されます。毎月第3金曜日19:00~20:00に行われます全6回行われ、事前申し込み不要、参加費無料です。使用言語は日本語で、JIA会員以外の視聴も可能です。

WEBINAR SCHEDULE

第1回
2021/11/19(金) 
「ボーダレス」
寺本 健一 氏 (Office of Teramoto 代表)
山雄 和真 氏 (waiwai Founding Partner、東京事務所代表)

第2回
2021/12/17(金)
「中国におけるビッグネスデザイン(仮)」
陸 鐘驍(ろう つぉんしょう) 氏 (株式会社日建設計 グローバルデザイン部門プリンシパル)

第3回
2022/01/21(金)
「建築とビジネスの垣根を取り払う/教育と不動産開発の融合『U Share』(仮)」
大江 太人 氏(Fortec Architects 株式会社 代表取締役)
上田 真路 氏(KUROFUNE Design Holdings 株式会社 代表取締役)

第4回
2022/02/18(金)
「都市を生き抜くための空間―ナイロビのノンフォーマルスクール(仮)」
井本 佐保里 氏(日本大学理工学部建築学科 助教)

第5回
2022/03/18(金)
「建築の学生と大学は持続可能性に関して何ができるか?」
エルウィン・ビライ 氏(シンガポール工科デザイン大学 教授/CSO・最高サステナビリティ責任者)

第6回
2022/04/15(金)
「持続可能な都市化とSDGsのローカライゼーション」
是澤 優 氏 (UN Habitat 国連人間居住計画 アジア太平洋地域代表)

リリーステキストより

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。