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ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真。世界の46カ国から112名が参加
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真。世界の46カ国から112名が参加ELEMENTA Chileans and Mapuche, Building places to get to know each other (KÜNÜ), Building places to parley (KOYAÜ-WE) photo©Marco Zorzanello courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真。世界の46カ国から112名が参加Dogma The Opposite Shore. The suburban settlement from private property to co-operative living, 2016–2019 photo©Francesco Galli courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真。世界の46カ国から112名が参加Kei Kaihoh Architects Melting Landscape, 2021 photo©Francesco Galli courtesy: La Biennale di Venezia

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の企画展「How will we live together?」の会場写真です。日本からは建築家の海法圭が出展しています。出典作家のリストはこちらで閲覧できます。現時点で写真が公開されていない作品もあり、全てを網羅出来ていないことをご了承ください。

こちらはキュレーターのハーシム・サルキース(Hashim Sarkis)によるステートメントの翻訳

どうやって一緒に暮らすか?(How will we live together?)
2021年ビエンナーレ建築展のテーマ

私たちは新しい空間的な接触(spatial contract)を必要としています。政治的な隔たりが広がり、経済的な不平等が拡大している中で、私たちが寛大に共に生きることができる空間を建築家に求めます。

・個人化が進んでいるにもかかわらず、デジタルとリアルの空間を超えて、お互いに、そして他の種とつながりたいと願っている人間としての「共に」。
・より多様で尊厳のある居住空間を求める新しい世帯としての「共に」
・エクイティ、インクルージョン、空間的アイデンティティーを求める新興コミュニティとしての「共に」
・政治的な境界線を越えて、新しい関係の地理を想像する「共に」
・危機に直面している地球は、私たち全員が生き続けるためにグローバルな行動を必要としており、その為に「共に」

第17回ヴィエンナーレ国際建築展の参加者は、アーティスト、建築家、エンジニア、職人だけでなく、政治家、ジャーナリスト、社会科学者、一般市民など、他の職業や構成員と協力しています。つまり、2021年の建築展は、建築家が空間的な接触の友好的な締結者であり、管理者であるという重要な役割を主張しているのです。

それと並行して、本展では、建築はその物質的、空間的、文化的な特異性において、私たちが共に生きる方法にインスピレーションを与えるものであると主張します。その意味で、参加者の皆様には、メインテーマの中で、建築的にユニークな側面を強調していただきたいと思います。

こちらはリリーステキストの一部の翻訳

この国際展覧会には、46カ国から112名の参加者があり、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアからの参加者が増えており、女性の参加者も多くなっています。展覧会は5つのスケールで構成されており、3つはアルセナーレに、2つは中央パビリオンに展示されています。それらは「多様な生物の中で」「新しい家庭として」「新たなコミュニティとして」「国境を越えて」「ひとつの地球として」とテーマづけられています。

この展覧会の一部は「How will we play together? 」と題され、子供の遊びに特化したプロジェクトを設計した5人の国際的な参加建築家による作品が、フォルテ・マルゲーラに展示され、一般公開されています。

また、今回はコンペ以外の参加作品もあります。
Station + Co-Habitatsは、世界中の大学の研究者(AAスクール、ベイルート・アメリカン大学、バートレット、コロンビア大学、クーパーユニオン、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、エチオピア建築工科大、ハーバード大学、香港大学、ベニスのIuav大学、KITカールスルーエ、KUルーベン、ライス大学、MITの研究グループのコンソーシアムであるベニスラボ)によって開発された相対的なケーススタディによる5つのスケールの研究です。イスラエル人アーティスト、ミハエル・ロブナーの中央パビリオンへの特別参加、スタジオ・アザー・スペース(オラファー・エリアソンとセバスチャン・ベーマンが代表)による、参加者全員が参加する「Future Assembly」の展示、スポーツをテーマにしたジャルディーニの屋外インスタレーション「How will we play sport together?」また、ヴスラット財団によるスペシャルイベントでは、アルセナーレでジュゼッペ・ペノーネのインスタレーションが展示されます。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート4)
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート4)USAパヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート4)スペイン・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート4)トルコ・パヴィリオン。 photo©Andrea Avezzù Courtesy: La Biennale di Venezia

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート4」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート3)
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート3)ノルディック・カントリーズ・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート3)メキシコ・パヴィリオン。 photo©Andrea Avezzù Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート3)フィリピン・パヴィリオン。 photo©Andrea Avezzù Courtesy: La Biennale di Venezia

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート3」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート2)
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート2)フィンランド・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート2)ドイツ・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート2)日本・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート2」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート1)
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート1)ベルギー・パヴィリオン。 photo©Francesco Galli Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート1)チリ・パヴィリオン。 photo©Andrea Avezzù Courtesy: La Biennale di Venezia
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真。合計350枚以上の豊富な写真で紹介(パート1)クロアチア・パヴィリオン。 photo©Andrea Avezzù Courtesy: La Biennale di Venezia

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2021の、各国パヴィリオンのテーマと会場写真を、合計350枚以上の豊富な写真で紹介紹介します。こちらの記事は「パート1」となります。
※現時点で写真が公開されていないパヴィリオンについては、テーマのみの紹介となっています。公開され次第、追掲載する予定です。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」。門脇耕三のキュレーションで、長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔が、日本の木造住宅の材を再構築した作品を制作
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」。門脇耕三のキュレーションで、長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔が、日本の木造住宅の材を再構築した作品を制作日本館外観。 photo©Alberto Strada 写真提供:国際交流基金
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」。門脇耕三のキュレーションで、長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔が、日本の木造住宅の材を再構築した作品を制作砂山太一+木内俊克による photo©Alberto Strada 写真提供:国際交流基金
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」。門脇耕三のキュレーションで、長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔が、日本の木造住宅の材を再構築した作品を制作長坂常による photo©Alberto Strada 写真提供:国際交流基金

第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」の会場写真です。
門脇耕三のキュレーションで、長坂常岩瀬諒子木内俊克砂山太一元木大輔が、日本の木造住宅を解体しその材等を輸送したうえで再構築した作品を制作発表しています。参加デザイナーとして長嶋りかこ、リサーチャーとして青柳憲昌、樋渡彩、エディターとして飯尾次郎、アドバイザーとして太田佳代子らが関わっています(詳細な関係者クレジットは末尾に掲載します)。また、これらの作品に使用された資材も、会期終了後プロダクトや、オスロなどで新たなプロジェクトに再転用されることも決まっています。展覧会期は2021年5月22日~11月21日まで。

門脇耕三がキュレーターを務める第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館展示では、「ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡」と題し、使われなくなった日本の木造住宅を古材へと解体してヴェネチアへ運び、現代のマテリアル(単管パイプ、ブルーシート、メッシュシートなど)を加えて新しい姿に再構築する様をご覧いただきます。
本展では、建築家ばかりではなく、職人や研究者などとも協働して、現場での即興的なクリエーションを交えながら展示を作り上げます。

現代社会のとどまるところを知らない大量消費の問題は、大量のモノが安価に素早く輸送されること、つまり「移動」によって深刻化しています。
不要になった住宅をあえて「移動」させ、ヴェネチアという異なる文脈で展示することにより、ごく一般的な木造住宅の一部だった古材は、これまでとは全く異なる存在感を発揮します。

消費のための「移動」から、再生のための「移動」へと視点を切り替える本展は、大量消費にまつわる問題や、建築の持続可能性、新しい建築のあり方に一つの深い示唆を投げかけます。

リリーステキストより
403architecture [dajiba]の橋本健史が、陶芸家・松永圭太とコラボする「松永圭太×橋本健史 展」が、岐阜・多治見市の、スペース大原で開催。共同制作の作品等が公開される
403architecture [dajiba]の橋本健史が、陶芸家・松永圭太とコラボする「松永圭太×橋本健史 展」が、岐阜・多治見市の、スペース大原で開催。共同制作の作品等が公開される「頭陀寺の壁」(403architecture [dajiba])と、その図面を基に制作した茶碗(松永圭太) photo courtesy of スペース大原

403architecture [dajiba]橋本健史が、陶芸家・松永圭太とコラボレーションする「松永圭太×橋本健史 展」が、岐阜・多治見市の、スペース大原で開催されます。会期は2021年6月5日~6月20日。入場無料。

ceramic art × architecture

陶芸家・松永圭太と建築家・橋本健史(403architecture [dajiba])のコラボレーションによる展覧会を開催いたします。
松永は学生時代に建築を学んだのち、陶芸の道に進みました。その制作プロセスにおいて常に対象を客観的に捉えようとする態度には、建築的な視点が多分に含まれています。

一方橋本は、403architecture[dajiba]の一員として、既存の枠組を読み替えることで、スケールにこだわらず多様な建築的プロジェクトを手掛けてきました。今回の展示は、異なる分野で活動する同世代の両者が出会うことで、あらかじめ想像できないような化学反応を期待して企画しました。

表面的なコラボレーションに陥らないために、長い期間で対話を重ねながらさまざまな可能性を模索してきました。その結果として生まれたアウトプットは、明確な役割を分けることなく、両者の要素が複雑に入り混じったこれまでにない作品となっております。

それぞれの分野での更なる活躍が期待される二人の、垣根を飛び越えた協同作業の成果をぜひご高覧ください。

リリーステキストより

その他の作品写真等は以下でご覧ください。

杉戸洋・中村竜治・Nerhol・ミヤギフトシ・宮永愛子・目[mé]によるアート展「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」が資生堂ギャラリーで開催

杉戸洋中村竜治Nerholミヤギフトシ宮永愛子目[mé]によるアート展「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されます。会期は、2021年6月5日~8月29日です。

資生堂ギャラリーでは、2021年6月5日(土)から8月29日(日)まで、「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」を開催します。

「椿会」は、第二次世界大戦で一時中断していた資生堂ギャラリーの活動を、1947年に再開するにあたり誕生したグループ展です。資生堂のコーポレートマークである花椿にちなんで名づけられ、アートが人々に希望を与え、勇気をもたらすという信念に基づき、戦争や災害、不況などで世の中が閉塞状況にあるときにも再興を願い開催してきました。誕生から70年以上にわたり、時代とともにメンバーを入れ替えながら、資生堂ギャラリーを代表する展覧会として継続し、これまで合計86名の作家に参加いただきました。

本年より、新しく第八次椿会がスタートします。メンバーは、杉戸洋、中村竜治、Nerhol (ネルホル)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]。この6組は、ジャンルを超えた活動やコラボレーションやチームでの制作などを行う、今の時代を代表するアーティストたちです。この6組のアーティストたちと共に、今年から2023年までの3年間をかけてafterコロナの「あたらしい世界」について考えていきます。各年を「2021 触発/Impetus」、「2022探求/Quest」、「2023昇華/Culmination」と位置づけ、プロセスを踏みながら新たな問いを見出し、深めていく作業をおこなっていきます。

今年は、「触発/Impetus」をテーマに、資生堂がこれまでの椿会展で蒐集してきた美術収蔵品から、メンバーが「あたらしい世界」を触発される作品を選びます。選んだ収蔵品と、それに対する応えを自身の作品や方法で提示することで、収蔵作品に新たな視点を加え未来へとつなげることを試みます。2022年には、メンバー同士でのコラボレーションや異分野の専門家と交流し、初年に生まれた問いや気づきを「探求」し、そこから生まれる作品を展示します。最終年の2023年には、3年間の活動を「昇華」させる展示を行います。
また、資生堂ギャラリーホームページ上に第八次椿会の特設ページを設け、展覧会では伝えきれない情報や、プロセス、記録などを掲載し、展覧会やホームページを訪れる人たちとのコミュニケーションも図っていく予定です。

今、我々の住む世界は大きな転換期にあります。先の予測ができない不確かな時代において、アートは未来を知るヒントや勇気を与えてくれます。資生堂ギャラリーは、椿会を通して、アーティストと人々が出会い、対話を通して、さまざまな新しい価値観を共有し、感化し合えるオープンな場となることを目指します。

中山英之による、ポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプト解説。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求
中山英之による、ポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプト解説。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求展示風景:「モネー光のなかに」ポーラ美術館、2021年。 photo©Gottingham
中山英之による、ポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプト解説。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求展示風景:「モネー光のなかに」ポーラ美術館、2021年。 photo©Gottingham
中山英之による、ポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプト解説。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求展示風景:「モネー光のなかに」ポーラ美術館、2021年。 photo©Gottingham

中山英之による、箱根のポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプトの解説です。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求しています。会期は2022年3月30日まで。展覧会の特設ページはこちら

今回の展示では、11枚のカンヴァスを巡りながら、約30年間のモネの旅路を辿ることになります。そうすると普通なら、絵を照らすスポットライトで、足元にも11個の自分の影が落ちることになります。でも、掛けられている絵はというと、どれもがたったひとつの大きな光のなかで描かれたわけです。その中に、風景も、カンヴァスも、画家自身も包まれていた。だから会場の光の質も同じようにしたいと思いました。そうすることで絵の前に立った時、きっとその体験は画家自身がカンヴァスに向き合っていた瞬間に重なるのではないかと。

いつのまにか絵と一緒に時空を超えた旅をしているような気分になったら素敵ですよね。そんなことを想像しながらこの空間をつくりました。

中山による会場構成のコンセプト解説より

以下、プレス発表時の中山による会場構成のコンセプト解説の書き起こしです(文責:アーキテクチャーフォト)

オラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真。レンゾ・ピアノ設計の美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表
オラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真。レンゾ・ピアノ設計の美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表Installation view, Fondation Beyeler, Riehen/Basel, 2021 Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2021 Olafur Eliasson Photo: Mark Niedermann
オラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真。レンゾ・ピアノ設計の美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表Installation view, Fondation Beyeler, Riehen/Basel, 2021 Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2021 Olafur Eliasson Photo: Mark Niedermann
オラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真。レンゾ・ピアノ設計の美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表Installation view, Fondation Beyeler, Riehen/Basel, 2021 Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2021 Olafur Eliasson Photo:Pati Grabowicz
オラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真。レンゾ・ピアノ設計の美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表Installation view, Fondation Beyeler, Riehen/Basel, 2021 Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin; Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles © 2021 Olafur Eliasson Photo: Mark Niedermann

アーティストのオラファー・エリアソンによる、バイエラー財団での展覧会「LIFE」の会場写真です。レンゾ・ピアノが設計して1997に完成したスイス・バーゼルの美術館のガラスを取り除き内外を繋く作品を発表しています。会期は2021年7月まで(詳細な日程は決まっていないようです)。展覧会の公式サイトはこちらで、特殊なライブカメラで会場の様子も閲覧できます。

こちらは、アーティストによるステートメントを抜粋して翻訳したものです

ここ数年、生命を人間中心の視点ではなく、広く生物中心の視点で考える取り組みに興味を持つようになりました。展覧会を見ていると、名詞を動詞に変えたり、人間がきちんと想像できる範囲を超えた視点に気づくために、例えば、「to tree」にしてみたりしています。想像してみてください。

人間の生命は、他の哺乳類と同様に、吸って吐いて、酸素に依存しています。人類学者のナターシャ・マイヤーズやティモシー・チョイの言葉を借りれば、人生とは「共謀すること」でもあると言えます。私たちは、木と、人と、そして地球と共謀しています。

私たちの生活は、周囲の環境や、ローカルなコンテクストをはるかに超えた構造やシステムと密接に絡み合っていることを認識すると、私たちは誰もが脆弱であり、完全にコントロールできるわけではないということを学ぶのではないでしょうか。私たちは、不確実で結果がはっきりしない状況の中で行動し、交流しています。

人類学者のアンナ・L・ツェンの言葉です。
「かつては、災難は恵まれない人の運命のように思われていました。今では、私たちの生活は、たとえ今のところポケットの中が潤っていても、すべて不安定であるように思えます。」

私の作品「ライフ」、そしてバイエラー財団は、周囲の公園や都市の景観、そして地球と絡み合っており、そこで出会うすべてのものや人々を通して命を吹き込まれています。

私は1990年代初頭にアーティストとして活動を始めて以来、知覚とそれを形成する認知的・文化的条件に興味を持ってきました。「ライフ」は、あなたが能動的に出会うことで、あなたの知覚を通して生きてくるのです。来場者がこの展覧会に対する認識や理解を形成する可能性があるため、作品には教訓的なテキストや説明的なテキストを添えないことにしました。「ライフ」に対する限定される視点を共有しないことは、私にとって重要なことなのです。作品の制作とその継続についての私の考えや、作品のインスピレーションの源については、ここで見つけられるでしょう。同時に、来場者が作品に期待や記憶、考えや感情を持ち込んでくれることを歓迎します。

「ライフ」は、未来の風景のモデルを提示します。それはホスピタリティです。数年前、バイエラー財団のディレクターであるサム・ケラー氏と私が初めて展覧会について話し合ったとき、私は「みんなを展覧会に招待しよう」と考えました。惑星の植物やさまざまな種を招待しよう。単にドアを開けるだけではなく、施設から外部を遮断する構造的な境界線を取り除くことにしました。バイエラー財団と、美術館を建設した建築家のレンゾ・ピアノに感謝しています。私を信頼して、慎重かつ思いやりを持って、建物からガラスのファサードを取り除いてもらいました。

私は美術館とともに、いわば作品の管理を放棄し、人間や非人間の訪問者、植物、微生物、天候、気候など、通常の美術館が懸命に排除しようとしているさまざまな要素に作品を委ねているのです。そうではなく、すべての人、すべてのものを迎え入れようとしているのです。

川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想 photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想 photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想 photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS

川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」です。会場構成も自身の作品として構想されています。会期は2021年4月24日まで。展覧会の公式ページはこちら

EQUIVOCALと名付けたこの展覧会は,われわれの最初の10年の活動を振り返る現在ベルリンで開催中の個展となります.

EQUIVOCALとは,「幾つもの意味にとれる」とか「多義的」などと訳されますが,これはコーリン・ロウがその著作で頻繁に使うことばです.彼の批評の多くは,目で見てわかること(感覚)と,理解してわかること(知性)との重層的な,ときに対立的な関係を踏まえての観察に拠っていますが,われわれのタイトルの意味も彼の用法にならっています.

建築家によるテキストより

展覧会にはこれまでのプロジェクトから大小さまざまなスタディモデルのみを持ち込み,またギャラリースペース全体を使ったインスタレーションもあわせて制作しました.三角錐をさかさまにした各モジュールは,梱包材として使われる紙のバンドを薄くそいだものを転用しています.コンセプトモデルに見られるようなモジュールの立体は,紙バンドの線が作る面を通して現れ,これらモジュールを互いに回転させながら配置したインスタレーションは単純な長方形のギャラリースペースにたくさんのプリーツ(ひだ,折り目)を作り出します.

建築家によるテキストより
白井晟一の建築展「白井晟一 入門」が、自身が設計した渋谷区立松濤美術館で開催

白井晟一の建築展「白井晟一 入門」が、自身が設計して1980年に完成した渋谷区立松濤美術館で開催されます。第一部の会期は2021年10月23日~12月12日。第二部の会期は2022年1月4日~1月30日。

白井晟一(1905-83)は、戦後日本において独自の存在感を放った建築家です。京都に生まれ、ドイツで哲学を学んだ後に独学で建築の道に進み、大衆社会へと突き進む時代状況に警鐘を鳴らすかのような、重厚な作品群を発表しつづけました。
本展の第1部では、全国にいまなお残る白井建築を中心に、初期の木造住宅から後期の記念碑的建築までを紹介。これまであまり触れられることのなかったその人的・文化的ネットワークにも注目し、新たな白井晟一像を探ります。
第2部では、白井晟一晩年の代表作である松濤美術館を開館当初の状態に近づける、「建物公開」を行います。通常、展示室に設営されているさまざまな壁面パネルが取り外されることで、限られた条件の下に白井が創造した、光や空間の広がりを感じることができます。また、ヨーロッパやアジア各地から集められた愛蔵の調度品も展示。白井晟一のオリジナルな美術館構想を体験的に明らかにします。

吉阪隆正+U研究室が1957年に完成させた住宅「VILLA COUCOU」のオンライン公開イベントが開催。住宅遺産トラストの主催

吉阪隆正+U研究室が1957年に完成させた、東京・渋谷区の住宅「VILLA COUCOU」のオンライン公開イベントが開催されます。住宅遺産トラストの主催で行われるもの。開催日は2021年4月18日。要事前申し込み。

シリーズ第三回は「VILLA COUCOU」(吉阪隆正+U 研究室/ 1957 年竣工 )からお届けします。

1952年にル・コルビュジエのアトリエから帰国した吉阪の代表作のひとつであり、色ガラスを嵌め込んだ小さな開口部、トップライト、メゾネット、コンクリート打ち放しの 表情は、吉阪隆正とル・コルビュジエの親密な繋がりを彷彿とさせます。

施主・近藤等さん(仏文学者、登山家)の意向で、一切の見学取材を受けていませんでした。 この度、ご遺族の皆様のご厚意により、今回に限りオンライン上で公開させていただくことになりました。

U研究室出身の建築家であり吉阪隆正についての研究者である齊藤祐子さんの解説とともに、建築史家・編集者の伏見唯さんのナビゲートでお楽しみください。

高池葉子建築設計事務所による、千葉・八千代市の住宅「床と光の家」のオープンハウスが開催。伊東豊雄事務所出身の建築家
高池葉子建築設計事務所による、千葉・八千代市の住宅「床と光の家」のオープンハウスが開催。伊東豊雄事務所出身の建築家 photo©後藤晃人
高池葉子建築設計事務所による、千葉・八千代市の住宅「床と光の家」のオープンハウスが開催。伊東豊雄事務所出身の建築家 photo©後藤晃人

高池葉子建築設計事務所が設計した、千葉・八千代市の住宅「床と光の家」のオープンハウスが開催されます。開催日は2021年4月10日。要事前申込です。高池は、伊東豊雄建築設計事務所出身の建築家。

「床と光の家」オープンハウス

日時:2021年4月10日(土) 10:00〜16:00
住所:千葉県八千代市(詳細はお問い合わせ時にご案内します)
参加方法:事前予約制。
*Instagram DM(@yokotakaike)またはWebサイト(http://yokotakaike.com/)のコンタクトフォームより4月8日(木)中にお申込みください。
*こちらから、4月9日(金)15:00までに、住所などの詳細をご連絡いたします。(このメールにて予約受付完了といたします。)

・都心から最寄り駅まで電車で1時間程度です。
・最寄駅から徒歩8分程度のアクセスです。
・最寄駅周辺にてコインパーキングがご利用いただけます。
・マスクの着用をお願いいたします。
・お施主様が入居されている物件となりますので、こちらでご用意する手袋、スリッパの着用をお願いいたします。

リリーステキストより
安藤忠雄の、中国で行われている二つの展覧会の会場動画。「水の教会」等が原寸大で再現される

安藤忠雄の、中国で行われている二つの展覧会の会場動画です。制作は中国の動画メディア一条。「水の教会」等が原寸大で再現されています。Fosun Art Center Shanghaiでの「Tadao Ando: Endeavors」展は2021年6月6日まで、He Art Museumでの「Beyond: Tadao Ando and Art」展は2021年8月1日まで解されています。

アンサンブル・スタジオのギャラリー・間での建築展の概要が発表。スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家
アンサンブル・スタジオのギャラリー・間での建築展の概要が発表。スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家トリュフ(スペイン、コスタ・ダ・モルテ、2010) photo©Iwan Baan
アンサンブル・スタジオのギャラリー・間での建築展の概要が発表。スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家ランドスケープの構造体 インバーテッド・ポータル(裏返された門) (米国、モンタナ州、ティペット・ライズ・アート・センター、2016) photo©Iwan Baan

アンサンブル・スタジオTOTOギャラリー・間での建築展「Architecture of The Earth」の概要が発表されました。アンサンブル・スタジオは、スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家です。会期は2021年6月8日~9月12日。事前予約制での開催です。彼らの作品にはアーキテクチャーフォトも以前より注目しており、それらの記事はこちらから閲覧できます。
記事のトップで紹介している「トリュフ」というプロジェクトは、地面を掘った穴と干し草を型枠にしコンクリートを流し込み完成させた住宅で彼らの代表作の一つです。こちらで施工プロセスも含む写真と図面を、こちらで動画を見ることができます

地球規模の視点と、自然と響きあうような力強い造形、独自の構法を軸に、建築の可能性を追求するアンサンブル・スタジオ。TOTOギャラリー・間では、スペインとアメリカを拠点に活動を続ける彼らの 、日本で初めての個展を開催いたします 。

アンサンブル・スタジオは、アントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサが主宰する 職能横断型チームとして、スペインのマドリードで2000年に設立されました。彼らは単に建物のデザインを行うだけでなく、実験を通して自らの手で考え、建設方法まで 考案することにより、他に類を見ない革新的な建築を生み出してきました。

彼らの活動は近年、よりダイナミズムを増し、広大なスケールのプロジェクトも手がけるようになりました。2016年にはアメリカのモンタナ州にあるティペット・ライズ・アート・センターにおいて、屋外彫刻のような一連の作品「ランドスケープの構造体」を発表。約48㎢の広大な敷地に点在する、先史時代の遺跡を思わせるような構築物は、大地を型枠に利用しながらも、現代の技術をベースに、モックアップによる検証、コンピューターを使ったモデリングなど、複雑な構造計算と建設プロセスを経て完成しました。

こうした彼らの活動は 、地球規模で建築を考える「Architecture of The Earth」という テーマに 結実 しています。本展覧会では、「地球」と「建築」の関係性の探究のなかから生まれたプロジェクトに焦点をあて、アンサンブル・スタジオ独自のリサーチ・設計・建設の過程を、模型や映像を通じて紹介します。

リリーステキストより

以下ではその他の作品画像と建築家による展覧会コンセプトを紹介します

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