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山田伸彦建築設計事務所による、埼玉・久喜市の「栗橋駅前保育園」の内覧会が開催

山田伸彦建築設計事務所が設計した、埼玉・久喜市の「栗橋駅前保育園」の内覧会が開催されます。開催日は2018年11月25日で要事前連絡。

「栗橋駅前保育園」見学会のご案内

小規模の保育園が完成しました.
埼玉県久喜市(最寄駅:栗橋駅)にて完成見学会を行います.

ご興味のある方はHPよりアクセスいただければと思います.

案内図等をご案内させていただきます.

11月25日(日曜日)11時~17時

深澤直人ディレクションの、21_21で始まった展覧会「民藝 MINGEI -Another Kind of Art」の会場動画

深澤直人ディレクションの、21_21で始まった展覧会「民藝 MINGEI -Another Kind of Art」の会場動画です。

以下は公式サイトによる概要です。

1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳 宗悦(1889-1961)が、無名の職人たちによる民衆的工芸を初めて『民藝』と名づけました。
民藝の特徴でもある風土や風習を生かしたものづくりは、世代を超えて受け継がれていくなかで、素材、色、工程、用途、形などの独自性が際立ち、革新的で衝動的な、枠に捉われない創意工夫へと発展していきました。

地域ごとの特色が失われ、ものへの愛着が希薄になりがちな時代だからこそ、民藝に宿る無垢な美意識と精神性は、使い手のみならずものづくりに携わるすべての人々に大きな衝撃を与え、新しい時代のエネルギーを生み出すきっかけとなるのではないでしょうか。

本展では、日本民藝館館長を務める深澤直人が、同館の所蔵品から146点の新旧さまざまな民藝を選び抜き、素直にその魅力を語るコメントとともに展示します。また、民藝のつくり手やそれを伝える人の暮らしと仕事を捉えた映像、深澤直人の個人コレクション、民藝の新たな表情を映し出す写真によって、現代に生きる民藝の姿を紹介します。

さらに、柳 宗悦が著した「日本民藝館案内」や心の内を短い句で表現した「心偈(こころうた)」、柳 宗理がレイアウトを手がけた機関誌『民藝』の表紙、民藝運動初期のものづくりの様子が収められた「民藝運動フィルムアーカイブ」などを通して、民藝の歩みを振り返ります。
最後に、日本各地で民藝を受け継ぐ現代のつくり手による品々も紹介し、これからのデザインのインスピレーションとなる「Another Kind of Art =民藝」を紐解いていきます。

伊東豊雄・トムヘネガン・古谷誠章・大西麻貴・百田有希が審査する、シェルター学生設計競技2018の公開最終審査と、特別講演が開催
伊東豊雄・トムヘネガン・古谷誠章・大西麻貴・百田有希が審査する、シェルター学生設計競技2018の公開最終審査と、特別講演が開催

 
伊東豊雄・トムヘネガン・古谷誠章・大西麻貴・百田有希が審査する、シェルターインターナショナル学生設計競技2018の公開最終審査と、特別講演が開催されます

伊東豊雄・トムヘネガン・古谷誠章・大西麻貴・百田有希が審査する、シェルターインターナショナル学生設計競技2018の公開最終審査と、特別講演が開催されます。開催日は2018年12月8日。会場は東京都港区の「建築会館」です。参加費無料、事前申し込み制。【ap・pr】

シェルターインターナショナル学生設計競技2018公開最終審査&伊東豊雄氏特別講演 開催!

12月8日(土)建築会館にて「シェルターインターナショナル学生設計競技2018」公開最終審査、
その後、審査委員長 伊東豊雄氏による特別講演を開催致します。
公開最終審査では、10月27日(土)に行われた1次審査を通過した5組がプレゼンテーション、
及び審査委員の先生方とのディスカッションを行います。
公開最終審査のみ、特別講演のみのご参加も可能です。
この機会に是非ご観覧下さい。

■日時:2018年12月8日(土) 13:00-17:45
12:30 公開最終審査 受付
13:00 開会
13:10-16:00 公開最終審査
16:10-16:30 特別講演 受付
16:30-17:30 伊東豊雄氏 特別講演
17:30-17:45 質疑応答
17:45 閉会

■会場:建築会館
東京都港区芝5丁目26番20号
アクセス→ https://www.aij.or.jp/jpn/guide/map.htm

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、プリズミックギャラリーでの建築展「小⇔大展」が開催
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、プリズミックギャラリーでの建築展「小⇔大展」が開催

小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、プリズミックギャラリーでの建築展「小⇔大展」が開催されています。会期は2018年12月22日まで。

事務所を設立してからの4年弱を振り返ると、ある時は、都内の狭小地にホテルを設計し、設計者として近隣住民説明会に出席し、建築密集地域特有のプライバシー問題に向き合い、またある時は、中国の携帯電波も無い山奥の限界集落で、図面が読み込めない職人達と、どうすれば現地の技術で建築が作れるか、炎天下の中議論し、 またある時は、フランスのルーブル美術館でも展示した、移動する建築のファスナーで作るジョイントについて、ファッションデザイナーの友人と打ち合わせをしては、試作品を何度も作り直し、ああでもない、こうでもないと、試行錯誤を繰り返していました。 

登場人物は多岐にわたり、プロジェクト毎の文化的な背景や、地域の慣習も大いに異なる為、思いもしないタブーを指摘され、想像もしないような事態が(ドラマのように)次々と我々の提案に降りかかり続けました。この4年間をひと言で表現すると、私達が提示してきたアイディアの強度を問われ続けた日々でした。

私たちは核心を突くアイディアにはとても大きな力があると信じています。核心を突くアイディアというのは、プロジェクトを進めていく上での制約や要望を受け入れ、多くの関係者を巻き込みながら成長していく、懐の広い力強さがあります。そしてそのアイディアは、私達の手から離れ社会に解き放たれた後も、人種の垣根を超え、人々を惹きつける力があると信じています。

建築にまつわる設計与件はいつも複雑なパズルのようですが、建築のパズルは無数の形のゴールがある喜びがあります。地道な検討の上に誰も見たことの無いような、ピースがパチッとはまるような瞬間を私達は追い求めています。

本展示では7つのプロジェクトを通して、その実践の一部をご紹介致します。

小嶋伸也・綾香

以下に、会場写真も掲載します。

川俣正がリスボンの美術館で発表した、海洋プラスチックを使用して作られたインスタレーション「Over Flow」の写真

アーティストの川俣正がポルトガル・リスボンの美術館で発表した、海洋プラスチックを使用して作られたインスタレーション「Over Flow」の写真が11枚、dezeenに掲載されています。

RCRアーキテクツの東京での講演会「夢のジオグラフィー」の参加申し込みが開始

RCRアーキテクツの東京での講演会「夢のジオグラフィー」の参加申し込みが開始されています。2019年1月7日(月)まで申し込み可能で、応募者多数の場合は抽選になるとの事。開催日は2019年1月24日(木)です。

コルビュジエの建築展が、東京で2019年2月~5月に開催

コルビュジエの建築展が、東京で2019年2月~5月に開催

日程

ル・コルビュジエの建築展「絵画から建築へ」が、東京の国立西洋美術館で2019年2月19日~5月19日に開催されます。リンク先は先行公開されている展覧会特設サイトです。
以下は公式の概要。

20世紀建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887-1965)が設計した国立西洋美術館本館は、2016年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。開館60周年を記念して開催される本展は、若きシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエの本名)が故郷のスイスを離れ、芸術の中心地パリで「ピュリスム(純粋主義)」の運動を推進した時代に焦点をあて、絵画、建築、都市計画、出版、インテリア・デザインなど多方面にわたった約10年間の活動を振り返ります。

第一次大戦の終結直後の1918年末、ジャンヌレと画家アメデ・オザンファンは、機械文明の進歩に対応した「構築と総合」の芸術を唱えるピュリスムの運動を始めました。そして、絵画制作に取り組みながら新しい建築の創造をめざしたジャンヌレは、1920年代パリの美術界の先端を行く芸術家たちとの交流から大きな糧を得て、近代建築の旗手「ル・コルビュジエ」へと生まれ変わります。

本展はル・コルビュジエと彼の友人たちの美術作品約100点に、建築模型、出版物、映像など多数の資料を加えて構成されます。ル・コルビュジエが世に出た時代の精神を、彼自身が作り出した世界遺産建築の中で体感できる、またとない機会となるでしょう。

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocityによる、愛知・岡崎市の自社オフィス「山王のオフィス」の見学会が開催

栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocityが設計した、愛知・岡崎市の自社オフィス「山王のオフィス」の見学会が開催されます。開催日は2018年11月3日・4日・17日(17日のみ事前予約制)。緩やかにカーブを描く天井が特徴的な建築です。詳細はリンク先でどうぞ。写真も見られます。studio velocityは共に石上純也建築設計事務所出身の栗原と岩月が共同主宰する設計事務所です。

ギャラリー間の次の展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」の概要が公開

ギャラリー間の次の展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」の概要が公開されています。講演会も企画されていて、2018年11月1日より申し込み開始だそう

TOTOギャラリー・間では、スペイン・カタルーニャ地方のオロットを拠点に、歴史や文化、自然に寄りそった活動を続けるRCRアーキテクツの展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」を開催いたします。

ラファエル・アランダ、カルマ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタによって1988年に設立されたRCRアーキテクツ(以下、RCR)は、常に3人で対話を重ね、カタルーニャの土地に根差しながら詩情豊かな建築を生み出してきました。こうした彼らの活動が評価され、2017年にはプリツカー建築賞初の3人による同時受賞という快挙を成し遂げました。

本展ではRCRのこれまでの歩みに加え、「夢」をテーマに彼ら自身がカタルーニャ地方ガロッチャで進めている「ラ・ヴィラ」プロジェクトを紹介します。RCRは、広大な敷地に研究施設や工房、宿泊施設、パビリオンなどを配した「ラ・ヴィラ」において、人びとが集い、ともに学び、自然を空間として体感してもらうことで、知覚することそのものを学ぶ研究の場を実現しようとしています。
そのなかのひとつである「紙のパビリオン」は、RCRが長年にわたり影響を受けてきた日本文化との架け橋となるプロジェクトで、奈良県吉野町の人びとと協力し、吉野の木材を用いながら、RCR独自の世界観を表現しています。

「紙のパビリオン」の構造体の一部分や、吉野をめぐる旅を追ったドキュメンタリー映像、RCRの手によるドローイングなど多彩な展示を通じ、RCRアーキテクツが長い時間をかけて実現しようとしている「夢のジオグラフィー」の一端をぜひ体感してください。

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーでの建築展「未来の記憶」の会場写真
田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーでの建築展「未来の記憶」の会場写真 photo©architecturephoto.net

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーでの建築展「未来の記憶」の会場写真を掲載します。
以下は展覧会公式の概要

このたび東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間は、田根剛の展覧会を同時期に開催します。「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」を共通のテーマにしながら、田根の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、ふたつの会場で紹介します。東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された〈エストニア国立博物館〉〈古墳スタジアム〉といった代表作や最新プロジェクトを大型の模型や映像などによって体感的に展示します。TOTOギャラリー・間においては「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を展観します。ふたつの展覧会は、場所の記憶をさまざまな角度から分析することで新たな系をつくり、未来につながる建築へと展開させていく、田根の探求と実践のプロセスを総合的に提示しようとするものです。

記憶は現在を動かし、未来をつくる ─ この信念にもとづいた田根の創造は、都市の担い手である私たち一人一人にとって建築の持つ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけとなるでしょう。

安藤忠雄のポンピドゥー・センターでの建築展の、公式の会場動画 西倉美祝 / MinoryArtsによる、東京・渋谷のシェアオフィスの為の「テーブル:偶然の船」の内覧会が開催
西倉美祝 / MinoryArtsによる、東京・渋谷のシェアオフィスの為の「テーブル:偶然の船」の内覧会が開催

西倉美祝 / MinoryArtsによる、東京・渋谷のシェアオフィスの為の「テーブル:偶然の船(Table: The Ship on Contingency)」の内覧会が開催されます。開催日は2018年10月29日です。時間等の情報はページ下部でご確認ください。

渋谷のシェアオフィスのために設計された「大きな1個のテーブル」=「29個の家具の集合体」です。
全体を俯瞰してみると一つの「船」の形になっています。
また、29個の家具はそれぞれ個性的な機能を持っており、個々別で移動したり使ったりすることもできます。
This is “the one big tabel” = “the 29th individual furniture”.
The shape as the one big table is like a ship and also each individual furniture that is able be moved and be used one by one has unique functions.

今回はクライアントのご厚意により、内覧会を行わせていただくこととなりました。
平日の日中ということでお忙しいところ恐縮ですが、
何卒よろしくお願い致します。
Thanks for the client, we can have the private showing like that.
I hope I can see you in the site.

杉本博司と榊田倫之による新素材研究所の建築展「新素材×旧素材」の会場写真

杉本博司榊田倫之による新素材研究所の建築展「新素材×旧素材」の会場写真が9枚、WWDに掲載されていますです。以下は展覧会公式の概要です。

本企画展は、世界的に活躍する現代美術作家 杉本博司が建築家 榊田倫之と共に2008年に設立した建築設計事務所「新素材研究所」の10年にわたる活動を、建築模型・写真、そして新素材研究所の使用する特徴的な古材や道具、素材等の展示を通してご紹介するものです。
『旧素材こそ最も新しい』という理念のもと、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を、現代にどう再編して受け継いでいくかという課題に取り組む新素材研究所は、カタログからは建材を選ばず、骨董から産業資材まで独自の視点で見立てた素材を日頃から集め、それらを設計に生かし、空間を作っています。そのデザインは、素材の良さを最大限に引き出すための伝統的な職人の技術と最新技術とを融合させ、現代的なディテールで仕上げられます。新素材研究所の活動の軌跡を振り返る本企画展にご期待ください。

【新素材研究所 創業記】
私は現代美術界の中で写真家として自身の作家活動を開始した。その後ある時から建築写真を撮るようになった。ロスアンゼルスの現代美術館から20世紀建築を概観する展覧会の為の、主要建築の写真作品化を依頼されたのがきっかけだった。またある時から、美術館と呼ばれる建築の内に自身の展覧会という空間を構築するという作業をするようになった。特に出来立ての美術館空間には手を焼いた。リベスキンドによるロイヤルオンタリオ美術館での開館記念杉本博司展で私は途方にくれた。展覧会の初日はまだ工事中だった。私は建築家の理屈とアーティストの使い勝手が相反する幾つもの空間で苦戦を重ねることになった。ゲーリーのビルバオ、ヌーベルのカルティエ、ヘルツオーグのデヤング、ズントーのブレーゲンツ、クールハウスのリウム、そしてミースのノイエナショナル。私はその戦いの中で私自身の空間感を研ぎ澄ましていった。幾多の苦戦は反面教師となって私の感性にフィードバックされ、ある時から私の欲する建築の姿が私の脳裏に浮かび上がるようになっていった。

齢を重ねるにつれて、私は私の人生に関わってきた全ての仕事を俯瞰的に統合してみようと思い立ち、小田原文化財団、江之浦測候所の構想に取りかかった。その頃思いもかけない建築設計の仕事が舞い込んで来た。それは福武氏からの直島護王神社再建の仕事だった。私はこの仕事から日本の古代の信仰の姿を考える機会を得た。この仕事が終わってみると次に三島に写真美術館を設計するという仕事がやってきた。これを機に、私は榊田倫之と共に建築設計事務所を開設した。こうして私は日本建築から顧みられなくなりつつある旧素材を救うために「新素材研究所」を創業した。旧素材こそが今や最も新しい素材であることを実証するために。ここでは時間は遡行する。江之浦測候所が人間の意識の起源へと人々の心をいざなうように。

杉本博司

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーで始まった建築展「未来の記憶」の新しい会場写真
田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーで始まった建築展「未来の記憶」の新しい会場写真 photo©japan-architects.com

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーで始まった建築展「未来の記憶」の新しい会場写真がjapan-architects.comに掲載されています

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーで始まった建築展「未来の記憶」の新しい会場写真が20枚、japan-architects.comに掲載されています。

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーでの建築展「未来の記憶」の会場写真

田根剛の、東京オペラシティアートギャラリーでの建築展「未来の記憶」の会場写真が、美術手帖のサイトに掲載されています。以下は展覧会公式の概要です。

2006年、エストニア文化庁は同国の歴史を展観する新しい国立博物館の設計競技の結果を発表しました。108案の中から選ばれたのはDorell.Ghotmeh.Tane/Architects、それぞれ別の建築事務所で働いていた若者3人が設計競技応募のために結成した建築家グループでした。敷地はソ連時代の旧軍用施設。彼らの応募案は、軍用滑走路の跡地と建物を連続させることで、大地に刻まれた歴史を建築に引き継がせるものでした。
実績のない若手建築家に国家的なプロジェクトを託すこと、占領時代の「負の遺産」を想起させる設計案を採択したことで賛否両論が巻き起こりましたが、エストニアは「Memory Field」と題されたこの案を是として支持しました。「場所の記憶」から建築を考えるという、以降一貫して田根が持ち続けるテーマは、このときから始まったのです。

一夜にして世界的な注目を集めることになった26歳の田根は、仲間とともに事務所を設立し、〈エストニア国立博物館〉の実施設計に取りかかるとともにさまざまなプロジェクトを手掛けるようになります。その仕事は建築設計はもとより、舞台美術、展覧会や国際見本市の会場デザイン、既存の建築のリノベーションなど多岐にわたりました。この時期には、東京オペラシティアートギャラリーの「新井淳一の布 伝統と創生」展 会場デザインで、当館とも協働しています。
建築の分野ではすでに知られる存在となっていた田根がさらに注目を集めたのは、2012年の〈新国立競技場〉国際デザイン・コンクールでした。11名のファイナリストに選出された〈古墳スタジアム〉は、後にさまざまな議論を呼ぶことになったこのプロジェクトに果敢に挑んだ姿勢や、明解なアイデアとフォルムで人々の心に訴えかけ、幅広い層に知られることとなりました。

2014年には初めて設計した住宅〈A House for Oiso〉、2018年には〈Todoroki House in Valley〉が竣工しました。ふたつの住宅に共通しているのは、田根がキャリアの 最初期から持ち続けている「場所の記憶」についての探求と、それを建築というかたちあるものへと展開させる手法です。「場所」とは固有であり、そこには古代から現代にいたるまでの記憶 ─ 個人的なのものであれ社会的なものであれ ─ が存在すること、それらを丹念に発掘/分類/調査/再構築することで、記憶を未来につなげる役割を果たそうとするのが田根の建築です。その手法はまさにArchaeological(考古学的)なアプローチといえるでしょう。〈エストニア国立博物館〉の竣工を機にAtelier Tsuyoshi Tane Architectsとしてあらたなスタートを切った田根の、さらなる飛躍が期待されます。

田根剛のギャラリー間での建築展「未来の記憶」の会場写真
田根剛のギャラリー間での建築展「未来の記憶」の会場写真 photo©japan-architects.com

田根剛のギャラリー間での建築展「未来の記憶」の会場写真が、japan-architects.comに掲載されています

田根剛のギャラリー間での建築展「未来の記憶」の会場写真が38枚、japan-architects.comに掲載されています。以下は、展覧会公式の概要です。

このたび東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間は、田根 剛の展覧会を同時期に開催します。「Archaeology of the Future――未来の記憶」を共通のテーマにしながら、田根の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、ふたつの会場で紹介します。東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された〈エストニア国立博物館〉、〈古墳スタジアム〉といった代表作や最新プロジェクトを大型の模型や映像などによって体感的に展示します。TOTOギャラリー・間においては「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を展観します。ふたつの展覧会は、場所の記憶をさまざまな角度から分析することで新たな系をつくり、未来につながる建築へと展開させていく、田根の探求と実践のプロセスを総合的に提示しようとするものです。

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