architecture archive

【ap job更新】 病院・福祉施設・住宅等を手掛ける「株式会社 建築一家」が、模型作成等のアルバイト(学生可)を募集中
【ap job更新】 病院・福祉施設・住宅等を手掛ける「株式会社 建築一家」が、模型作成等のアルバイト(学生可)を募集中
【ap job更新】 病院・福祉施設・住宅等を手掛ける「株式会社 建築一家」が、模型作成等のアルバイト(学生可)を募集中

病院・福祉施設・住宅等を手掛ける「株式会社 建築一家」の、模型作成等のアルバイト(学生可)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社建築一家では、主に模型作成をしていただけるアルバイトを若干名募集しています。

あたたかく、やさしい建築を作る=それはタフなこと
時代・土地・建物に関わることによる社会貢献を惜しまない。その重責を果たす。

病院・福祉施設・マンション・住宅の建築設計・監理業務をしています。10人ほどのアットホームな雰囲気の職場です。
志のある方、歓迎します。お仕事内容など疑問点はお気軽にご質問ください。

建築家の連勇太朗・金野千恵・上野有里紗による鼎談「今、空間・建築にできること/できないこと」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が自身の教育背景や現在進行中の実践からの学びを“生きた言葉で”共有する内容
建築家の連勇太朗・金野千恵・上野有里紗による鼎談「今、空間・建築にできること/できないこと」の動画が、LIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が自身の教育背景や現在進行中の実践からの学びを“生きた言葉で”共有する内容左から上野有里紗、金野千恵、連勇太朗 許可を得て掲載

建築家の連勇太朗・金野千恵・上野有里紗による鼎談「今、空間・建築にできること/できないこと」の動画が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信されています。公開期間は2022年9月30日まで。其々が自身の教育背景や現在進行中の実践からの学びを“生きた言葉で”共有する内容となっています。【ap・ad】

社会と住まいの未来を考える「これからの社会、これからの住まい」企画鼎談

LIXILビジネス情報 連載コラム「これからの社会、これからの住まい 3|鼎談 2」は、聞き手の連勇太朗さん(建築家、CHAr)が、金野千恵さん(建築家、t e c o)、上野有里紗さん(建築家、ULTRA STUDIO)をゲストにお迎えしました。「今、空間・建築にできること/できないこと」と題する今回は、1980年代生まれの若手建築家たちが考え、切り拓く、これからの「建築」「まち」「場所」、そして社会のネットワークのなかでさまざまな課題とどのように向き合い解決していくか、その可能性について深く語り合いました。金野さんと上野さんのプロジェクトから見える、社会、住まいの未来について、ご一緒にお考えください。

(2022年7月4日 BASE(t e c o+畝森泰行建築設計事務所シェアオフィス)にて収録)

鼎談内で語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)

この10年の社会的変化 / コロナ禍 / 社会の中の公平性を求める動き / ナショナリズム / 空間決定論 / 社会を変えていこうと思った時に建築でできることは沢山あるが、出来ない事も沢山ある。それをドライに自覚していくのが重要(連) / 日本は制度的に共生をつくろうとしている / 「春日台センターセンター」は地域課題を解決する寺子屋(金野) / 地域から立ち上がってきたコモンズ(金野) / 施主の記憶をコンテクストとする(上野) / ミースのスターコラムを根津の街に配置(上野) / 象徴的な形に興味がある(上野) / 春日台のプロジェクトに出会って次の日に大学を辞めた(金野) / 社会起業家はそれを目的とするより状況とのデイの中で始めることが多い(連) / 建築家は既存のビジネスモデルや仕事の仕方に捉われてチャンスを逃している(連) / 日本の教育は目的的、海外は探求型がある / イギリスの大学には必ずユニットトリップがある(上野) / 問題発見を促され探求の目が培われる(上野) / 短期間に多角的に物事をみようという視点(上野) / ロッジアの研究などでインタビューする中で文化の中で形が出てくるのが分かる(金野) / 街に開く事務所や小さくても場を運営する事務所が増えている / 事務所を公民館化する(連) / 事務所の前の空地に卓球台を置く(連) / 自分で体験したことを提案したい(金野) / 自分の事務所を実験場としている(金野) / 軽井沢で設計した小屋で自然の強さを実感した(上野) / 自主企画の展覧会で大量のフィードバックを得られた(上野) / スペキュラティブデザインの世界では展覧会が重要(連) / 展示はコミュニティに閉ざされがちなのが課題(連) / 建築は現代アートと比べると分かりやすいというフィードバックがあった(上野) / 探求型プロジェクトではアウトプットが建築にならないこともある(連) / アウトプットを自分たちの中でどう位置付けるか / 春日台以降は基本計画を請け負う事も増えている(金野) / プロジェクトの構造をつくるのに建築家は介入できる(金野) / 色々な切り口に建築家がコミットできる時代になっている(金野) / ネットワーク的世界観の中で建築をどう評価するか(連) / 大学の同級生は建築思考を使ったコンサルになっている人も多い(上野) / 社会に対する批評性をもった存在として建築家を目指し始めた(上野) / 建築プロジェクトは学ぶことの効率性が高い(連) / 機能的な用件の答えだけではないものを如何に作るかをいつも考えている(上野) / 建築家は学習者として優秀なポテンシャルをもっている(連) / 等々

アーキテクチャーフォト編集部が抜粋
百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」のフォトレポート。浅子佳英と菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る。日本橋高島屋内のギャラリーで開催
百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」のフォトレポート。浅子佳英と菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る。日本橋高島屋内のギャラリーで開催20年世紀初頭から現代までの百貨店建築の変遷をまとめた年表と、大丸心斎橋店(設計:ヴォーリズ建築設計事務所 1922年竣工)の模型 photo©architecturephoto
百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」のフォトレポート。浅子佳英と菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る。日本橋高島屋内のギャラリーで開催白木屋日本橋店(設計:石本喜久治 1928年竣工)の模型 photo©architecturephoto
百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」のフォトレポート。浅子佳英と菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る。日本橋高島屋内のギャラリーで開催松屋浅草店(設計:久野節 1931年竣工)の模型 photo©architecturephoto

百貨店のファサードや空間的側面に注目した建築展「百貨店展─夢と憧れの建築史」をフォトレポートします。
建築家・編集者の浅子佳英と建築研究者の菊地尊也が監修を手掛け、ビルディングタイプの変遷を年表や模型を通して辿る内容です。会場は、東京の日本橋高島屋内の「高島屋史料館TOKYO 4階展示室」。会期は2022年9月7日~2023年2月12日まで(休館日は月・火曜日、年末年始)。入場無料です。展覧会の公式サイトはこちら

こちらは、アーキテクチャーフォトによるレポート

東京・日本橋の高島屋史料館TOKYOで、「百貨店建築」をテーマにした展覧会が行われている。

主に日本の「百貨店建築」をファサードやその空間の変遷に注目しながら、年表や模型を通して辿り、現代の商業空間に繋がる意味の再考を促す展覧会だ。展示内容に関しては、建築家で編集者の浅子佳英と建築研究者の菊地尊也が監修し、PRINT AND BUILDに所属する建築家の小泉立が協力している。また、グラフィックデザインは、UMA/design farmの原田祐馬と岸木麻理子が担当した。

本展の特徴のひとつは、一般的に展示作品を補足する役割を担う「年表」を主役にしているという所である。展示室奥の角の空間を利用して二面の壁を跨ぐ巨大な年表をつくり上げた。そこでは、近代的な百貨店とデパートメントストアが誕生した20世紀初頭からショッピングモールなど大型商業施設が多数登場する現代までを網羅する内容が密度高くまとめられている。

また、年表の傍らには、「最先端建築」「百貨店とショッピングセンター」「屋上庭園・公園」「ターミナルデパート」という、百貨店建築を読み解くための、4つの視点をまとめたパネルも展示されている、これらは、展示されている年表や模型を鑑賞する際のヒントにもなるだろう。

また、会場内には、年表中にも登場する「大丸心斎橋店」(設計:ヴォーリズ建築設計事務所 1922年竣工)、「白木屋日本橋店」(設計:石本喜久治 1928年竣工)、「松屋浅草店」(設計:久野節 1931年竣工)の三つの建築が、展示台機能を組み込んだ建築模型として制作され展示されている。

近年、外壁復元工事が行われている「大丸心斎橋店」の模型では、ファサードにおける素材の切り替えを、写真・竣工当時の手書き図面・復元時のCAD図面といった異なる記述形式をコラージュすることで表現している。他の建築展で模型が展示される等、ファンの多い建築だという「白木屋日本橋店」は、百貨店建築としては珍しいアーチ状のオープンスペースや開閉式の窓の様子を立体的な模型で再現している。また、屋上庭園が特徴的な「松屋浅草店」は、フィギュアにより屋上の様子が表現され、往年の姿を記録した映画のシーンと共に展示されている。

梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所による、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「ひの木」。軽度な精神疾患を持つ人の為の施設。プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得。滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る photo©小野寺宗貴

梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所が設計した、千葉・我孫子市の、デイサービス施設「NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木」です。
軽度な精神疾患を持つ人の為の施設です。建築家は、プライバシー確保と開放的空間の両立を目指し、敷地の斜面を活かした断面構成で外からの視線を遮り“眺望”と“採光”を獲得しました。そして、滞在者が“円環する時間”を感じられる空間を作る事を意図しました。

「NPO法人木の子クラブ我孫子 ひの木」は、躁うつ病や摂食障害などの軽度な精神疾患を持つ人が通うデイサービス施設である。
入所者の方々は、日中をここで過ごし、運動や学習などの様々なプログラムを通して、社会生活に復帰することを目指し、この施設に通う。

建築家によるテキストより

既存施設を訪れ、入所者の方々の活動を見学させていただいた際、それぞれの方が思い思いに、椅子やソファに座り、特に何をするでもなくぼーっと時間を過ごされていたことが印象に残った。日常が非日常である彼らの生活の中に、繰り返される自然の時間を感じられる空間をつくることで、どうにか日常を取り戻せないかと考えたのが計画の端緒であった。

建築家によるテキストより

敷地は湖北台という地名の通り、北側に湖があり、段丘の形状をした宅地に閑静な戸建てがゆったりと建ち並ぶ住宅街の一角にあった。
敷地より下がったところにある前面道路には、街路樹が綺麗に立ち並んでおり、緑豊かな周辺環境が魅力的であった。
計画にあたっては、この斜面地という敷地環境を活かすことで、プライバシーを確保しながら開放的な空間をつくることができるのではないかと考えた。また、擁壁の上に建つ南側の隣家から見下ろされることに配慮し、2階部分を北側に配置することで、プライバシーを確保しつつ、街路樹に向かって眺望を確保した。

建築家によるテキストより
葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与
葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与
葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与 photo©葛島隆之建築設計事務所
葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与 photo©葛島隆之建築設計事務所
葛島隆之建築設計事務所による、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」。SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画。様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案。余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与 photo©葛島隆之建築設計事務所

葛島隆之建築設計事務所が設計した、愛知・西尾市の住宅「7部屋のコートハウス」です。
SNS等で多くの情報を集める施主の為に計画されました。建築家は、様々な期待の具現化と街との繋がりの両立を目指し、要望を考慮した7つの部屋が周辺環境の成り立ちとも呼応する構成を考案しました。また、余白としての中庭は様々な距離感や領域の形成にも寄与する事が意図されました。

愛知県の郊外に建つ住宅。
新築にあたり建主は、SNSや雑誌などから集めた家具・照明・多種多様な仕上げ・設備機器・収納アイデア・窓周りの使い方など、住宅にまつわる大量のイメージを持っていた。そのイメージは必ずしも一貫しているわけでは無く、コンクリート打ち放しの外観写真も木貼りの外観写真もあれば、ミニマルでクールな内観写真も雑多で楽し気な内観写真もあった。便利で合理的な収納アイデアと味のあるアンティーク家具とが等価に並んでいた。

建築家によるテキストより

これらは、理想の暮らしに向かう要望の断片であり、竣工後も日々変化し続けるであろうと思った。そこで、それら大量のイメージの中から取捨選択するように空間をまとめあげるというよりは、様々な要素が溢れ、それらが響きあうような骨格のあり方を考えながら設計を始めた。

建築家によるテキストより

敷地は低層の住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街。
付近の交差点は道路が直行しておらず、昔からの不整形な街区の形状が残るまちである。
計画敷地もその影響を受け平行四辺形の土地形状となっている。はじめのうちは平行四辺形のボリュームを検討していたが、敷地とボリュームの関係とは別に、内部の切り分け方を考える必要があるというのを不自然に感じた。まちの成り立ちと家の成り立ちが連続しているようで連続していないように感じられたのである。そこでボリュームを複数に分け、それぞれのボリュームを敷地境界線に正対させる事を考えた。

建築家によるテキストより
伊原慶 / TA+Aによる、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」。流行の変化が盛んな地域に計画。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現。可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る
伊原慶 / TA+Aによる、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」。流行の変化が盛んな地域に計画。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現。可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る1階部分は、調光調色が可能。 photo©小野寺宗貴
伊原慶 / TA+Aによる、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」。流行の変化が盛んな地域に計画。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現。可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る1階、ギャラリー photo©小野寺宗貴
伊原慶 / TA+Aによる、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」。流行の変化が盛んな地域に計画。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現。可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る3階、スタイリング photo©小野寺宗貴

伊原慶 / TA+Aが設計した、東京・代官山の美容室「SAL Hair Salon」です。
流行の変化が盛んな地域に計画されました。本来の機能にギャラリーを加えた3層の店舗で、建築家は、散髪行為に見出した“彫塑性”を“敢えて直截的”に什器等で表現しました。そして、可変性も導入し運営者の完成に応答する柔軟な空間を作る事も意図されました。店舗の公式サイトはこちら

代官山より少し北に位置する、西郷山公園近くの美容室である。

建築家によるテキストより

流行の移ろいが盛んな土地に建ち、道路に面した地上階は自らの審美眼で選んだ海外のアーティスト作品やストリートカルチャーの展示を不定期開催するギャラリーを併設したロビー空間、上階にヘアサロンの諸機能を配置することで、発信拠点の機能を併せ持つヘアサロンとなった。

建築家によるテキストより

開業からまだ間もないが、主宰する方々のキャラクターや空間に引き寄せられるように個性に富んだ展示が既に行われている。
一般的な木造戸建の素形を保ちながらも、経年で改修や増築が施された経緯から、構造壁や平面構成は大きく改変せずに、それらに纏わるように什器や機能を付加することで美容室の形式へと更新を行った。

“髪を切る”という行為のなかに潜在的に宿る彫塑性を見立てながら、あえて直截的な形をギャラリーやセット面の什器に表現し、またそれらを幾度となく塗装や研磨を重ねることで石のような肌理を生み出した。来訪者が親近感や楽しさを見た姿のまま感じ取れる空間とした。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 OMAとNAPで経験を積んだ中本剛志と田中裕一が主宰する「STUDIO YY」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 OMAとNAPで経験を積んだ中本剛志と田中裕一が主宰する「STUDIO YY」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 OMAとNAPで経験を積んだ中本剛志と田中裕一が主宰する「STUDIO YY」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中真庭市そばの館

OMAとNAPで経験を積んだ中本剛志と田中裕一が主宰する「STUDIO YY」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

■ STUDIO YYってどんな事務所?
STUDIO YYはOMAとNAP建築設計事務所出身者の中本と田中によって2015年に設立された設計事務所です。進行中のプロジェクトを含め、マンションの一室のリノベーションから個人住宅や飲食店、こども園、オフィスビル、道の駅、3万平米超えの海外物件まで多岐にわたるスケールのプロジェクトを国内外で展開しています。2020年から公共のプロポーザルにも積極的に参加しており、現在までに5度最優秀案に選定され、日本各地でプロジェクトを進めています。

■ STUDIO YYはどんな建築を作るの?
STUDIO YYの建築には決まった建築のスタイルはありません。我々が重視しているのは、その場所の自然や文化を人々が感じられる建築を作ることです。その土地の風景、文化や歴史を丁寧に読み込み、その場所だけにしかできない建築となるように。さらに、公共の物件を手がけるようになり、地域の魅力を発掘し、観光や持続可能な地域づくりにつながる大切さを学び、そこに住む方々や利用者に寄り添った建築を作るように心掛けています。 また、これからの地球環境を考え、地産地消の建築を謳い、地場の素材を積極的に採用し、CLTと伝統建築を掛け合わせた建築や世界初となる木造吊り構造の建築など、今までにない建築をつくる挑戦を行っている設計事務所です。

■ STUDIO YYでは、どんな業務をするの?
特定の業務に特化されることはありません。新しいプロジェクトやコンペが始まれば、代表の中本や田中も含めて皆で案出しをします。模型や3Dを使ったスタディ、BIMやCADを使った設計業務、CG作成やスケッチ、プレゼン業務など多種多様な業務内容を各々の特技を活かしながら、みんなで協力して進めます。STUDIO YYに在籍することで、多岐にわたる技術を身につけることができます。

大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香
大峯竣平+堤康浩 / デザインオツによる、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」。施主の実家を新居に再編。社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向。生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入 photo©松井晴香

大峯竣平+堤康浩 / デザインオツが設計した、富山市の住宅改修「婦中町ハウス」です。
施主の実家を新居に再編する計画です。建築家は、社会状況の変化による在宅時間増加への応答を目指し、生活の場に加えて気持ちを切り替える“精神的なソト”を内包する建築を志向しました。そして、生活動線の中に“ソト間”と名付けた立体空間を挿入しました。

平成元年に建った木造住宅と鉄骨造車庫の改修計画。施主はこの家で育ち、親元を離れ、世帯を持ち、また思い出の残るこの家で暮らすことを決めた。新たな夫婦と小さな子供のために古くなった実家を新たな住まいとして再編した。

建築家によるテキストより

平成から令和になって、社会を取り巻く状況は一変した。働き方改革や未曾有の感染症の拡大により、家にいる時間は多くなり、住宅に求められる居場所の質が変わってきているように思えた。リモートワークなどで一日中家にいると無性に外へ出たくなることがある。人間が生活する範囲と、家が囲いとる空間の輪郭には大きな隔たりがあるのかもしれない。しかし以前のように積極的に外出できる状態に戻るとは断言できない。そのため生活の場である「ウチ」とは別に精神的な「ソト」へと誘う仕掛けがこの時代の住宅には必要だと感じた。

建築家によるテキストより

家の中で多くの時間を過ごす場所が必然的に「ウチ」の要素が濃くなってくる。居間や寝室は毎日使う家具や思い入れのある雑貨が並び、生活感のある風景を作り出す。一方で廊下や階段は、家の中ではあるが部屋の「ソト」として気持ちのスイッチが切り替わる。また、遠くに見える景色や、時間を横断する記憶へのアクセスも今いる場所から遊離できる。そのような「ソト」に新たな居場所の可能性を感じた。

建築家によるテキストより
今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く
今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」。国立公園に指定されるエリアの崖地に計画。自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案。外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開く photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!が設計した、和歌山・白浜町の住宅「崖荘」です。
国立公園に指定されるエリアの崖地に計画されました。建築家は、自然の豊かさを享受し巨大な岩盤と呼応する存在を目指し、型枠で繊細な木目を転写したRC造の建築を考案しました。また、外部に風呂とバルコニーを設け“ダイレクト”に海に開きました。

和歌山県の南端部、太平洋にせり出した崖地に位置する国立公園内の住宅である。

建築家によるテキストより

敷地からは朝日と夕日の両方を望むことができ、夜には満点の星空が広がる。
遠く地平線には大型船が静かに行き交い、運の良い日には近くをウミガメが穏やかに泳ぐが、荒天の際には容赦無く風雨に晒される。

この場所に備わる大自然の豊かさと厳しさを享受しながら、数千万年前の地層からなる巨大な岩盤と呼応する建ち方を模索した。

建築家によるテキストより

躯体は耐久性を備えたRC造とし、斜面との関係性をはかって4本の柱からなるラーメン構造とした。
型枠は敢えて裏面を使用して木目を転写し、鱗のようにバラつきを与えることで量塊の中に有機的な繊細さを合わせ持たせている。

各階ともに海に向かって窓を穿ち、外部には露天風呂とバルコニーを設けてダイレクトに海に開いた。

建築家によるテキストより
中倉康介建築設計事務所による、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」。築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画。“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案。家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作る
中倉康介建築設計事務所による、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」。築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画。“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案。家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作る photo©Kosuke Nakakura
中倉康介建築設計事務所による、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」。築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画。“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案。家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作る photo©TOREAL / Koji Fujii
中倉康介建築設計事務所による、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」。築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画。“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案。家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作る photo©TOREAL / Koji Fujii

中倉康介建築設計事務所が設計した、千葉・八街市の住宅改修「時を囲む家 Niche & Nook」です。
築約100年の木造家屋の玄関と和室に手を入れる計画です。建築家は、“囲んで場所を作る”という建築行為に注目し、美しく彩る“ニッチ”と居心地の良さを生む“ヌック”を用いた空間を考案しました。そして、家の時間とも繋がる出会いと団欒の場を作りました。

本プロジェクトは約100年前に建てられた木造平屋住宅の改修計画である。
採光条件が悪く物置部屋になっていた続き間を圧縮して納戸とし、その分玄関と和室を拡張している。

建築家によるテキストより

玄関では、廊下を910mm西側に付け替えることで、小さな溜まりスペースを生み出し、そこにニッチの飾り棚を設えている。元々壁があった場所に残る独立柱は株付きの磨き丸太とし、構造的な強度を担保しつつ主体が属する側の空間を象徴する意匠要素として昇華させた。

和室は、既存の畳を撤去し床暖房付きのフローリングに改修している。続き間の半分をヌックとして和室側に取り込んで8帖から12帖に部屋を拡げ、造作ソファでくつろげる空間を設えた。

建築家によるテキストより

ニッチに飾られた花器やアートは、空間を美しく彩る。それは、小さく囲まれた場所で灯りに照らされる対象物が、それを観る者に主役としての安定感と存在感を示すからである。ヌックに入ると、人は居心地の良さや精神的な安らぎを感じる。それは、自己が中心に据えられた身体スケールの空間に、建築の庇護性を感じるからである。

建築家によるテキストより
坂茂建築設計による、東京・港区の店舗「アコリウム」の写真

坂茂建築設計のウェブサイトに、東京・港区の店舗「アコリウム」の写真が4枚掲載されています。場所は、青山一丁目のビル「青山ツイン」の1階のようです。

田中了多 / MIRRORによる、奈良市の飲食店「宿雨」。商業ビルの奥にあるコーヒースタンド。道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案。カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進
田中了多 / MIRRORによる、奈良市の飲食店「宿雨」。商業ビルの奥にあるコーヒースタンド。道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案。カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進 photo©西岡潔
田中了多 / MIRRORによる、奈良市の飲食店「宿雨」。商業ビルの奥にあるコーヒースタンド。道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案。カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進 photo©西岡潔
田中了多 / MIRRORによる、奈良市の飲食店「宿雨」。商業ビルの奥にあるコーヒースタンド。道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案。カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進 photo©西岡潔

田中了多 / MIRRORが設計した、奈良市の飲食店「宿雨」です。
商業ビルの奥にあるコーヒースタンドです。デザイナーは、道との程良い距離と外の共用部に注目し、店のイメージを象徴して外装とも繋がる“紺色”に染色した空間を考案しました。また、カウンターに収納もできる椅子が内外の境界横断を促進します。店舗の公式サイトはこちら

降り続く雨という意味を持つ言葉「宿雨」を、店名としたコーヒースタンドの計画。
計画地はテナントビルの1階で、少し奥まった場所だが、前面道路からの程よい距離や共用部の外部空間に魅力を感じた。

建築家によるテキストより

まず木を紺色に染色し、木目を雨が降る様や水溜りの波紋に見立て、床、壁、天井を覆うことで、宿雨としての特徴的な空間をつくった。
テナントビルの外装が紺色だったため、店内と同化し、内外が繋がった場所となった。
よって境界になりかねない店舗サインは付けない事とした。染色された木は、引きで見るとただの紺色に見え、近づくにつれて木目が現れる。結果、客は気負いなく宿雨の世界に浸ることになる。

建築家によるテキストより

次に外部空間をも店として使うためのキッカケを、家具に委ねたいと考えた。
店として必要な機能であるスタンディングのカウンター、調理台、コーヒードリップ台、収納など、使い勝手によって異なる家具の高さの差を利用して、木の塊がずれながら積み重なる形状とした。

建築家によるテキストより
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る北側より見る photo©海老原一己
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る南側の上空から庭を見る。 photo©海老原一己
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る庭へ抜ける通路。右側に、多目的な用途を担う「第2待合室」を配置。左側には、メインの待合室や診療スペース等の機能が配置されている。 photo©海老原一己
菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所による、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック」。“地域を診る”を掲げる施設。治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計。柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作る多目的な用途を担う「第2待合室」の内部 photo©海老原一己

菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE建築事務所が設計した、埼玉・熊谷市の「大塚医院ファミリークリニック(熊谷市地域拠点診療所)」です。
“地域を診る”を掲げる施設です。建築家は、治療以外でも集まれる開かれた存在を目指し、様々な用途に応える待合室や公園の様な庭等の“多様な居場所群”を設計しました。また、柔軟な空間の使い方を促すと共にコロナ禍以降に求められる動線も作っています。

本計画は、「地域を診る」をコンセプトに掲げた総合診療のための医療施設です。

建築家によるテキストより

カフェのような地域交流室や、菜園療法などにも活用できる公園のような庭を設けることで、治療以外の目的で集い・留まることができる、すべての人々に開かれた新しい医療施設を目指しました。

建築家によるテキストより

周辺の住宅街や地形の高低差と呼応するように、分棟配置や複数の床高さを設定し、これを大きな屋根で包むことで、奥行きや開放感、屋内外の関係や眺望軸などが異なる複数の不均質性が重複した、豊かで「多様な居場所群」をつくっています。

円形トップライトが象徴的な第2待合室は、食事や運動による健康イベント、勉強会やセミナー、文化活動など、地域の健康と交流のための拠点となり、医療と健康と日常の垣根を取り払います。また、無機質になりがちな診療室や処置室にハイサイドライトを設けることで、陰影による自然環境の豊かさが感じられる医療空間としました。

建築家によるテキストより
近藤陽子+近藤直人 / nLDKによる、奈良の住宅「食住一体」。徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸。畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向。住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促す
近藤陽子+近藤直人 / nLDKによる、奈良の住宅「食住一体」。徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸。畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向。住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促す photo©大竹央祐
近藤陽子+近藤直人 / nLDKによる、奈良の住宅「食住一体」。徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸。畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向。住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促す photo©大竹央祐
近藤陽子+近藤直人 / nLDKによる、奈良の住宅「食住一体」。徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸。畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向。住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促す photo©大竹央祐

近藤陽子+近藤直人 / nLDKが設計した、奈良の住宅「食住一体」です。
徒歩圏に本宅を持つ施主の別邸です。建築家は、畑と非日常の生活を楽む家の要望に、コロナ禍以降の在り方を重ねて“人と植物のヒエラルキー”を排した空間構成を志向しました。そして、住まうと食料生産の相互作用で生活と社会の向上を促すことが意図されました。

建築主は敷地の徒歩圏にマンションを所有され、ここでは畑と非日常の生活を楽しむセカンドハウスを要望された。
最終的に住宅部分は恒久的な住まいが可能な面積となったが、畑を主軸にした計画と非日常的な空間構成は維持されている。

建築家によるテキストより

コロナ禍、グローバリズムや新自由主義経済の危うさが剔抉され、身近なコミュニティや経済活動が見直され始めた。
かつて人は住まいの傍らで働き、食料を生産してきた。しかし日本においても高度経済成長を通して住居、職場、農場は切り離された。

建築家によるテキストより

21世紀に入り、都心回帰による「職場近接」、情報技術の発達などにより「職住一体」は推進された。しかし食料生産の場は相変わらず遠く、どんな農薬を使い、どれだけエネルギーを消費(あるいは浪費)して、手元に届いているか想像できず、今回のような非常事態では供給が不安定になりうる。

そこでコロナ後の在り方として、食料生産の場を手の届く範囲に取り戻すことで、非日常時のリスク回避や、日常では安全な食料自給、生活の質の向上、近隣コミュニティの再生を図れると考えた。本プロジェクトでは敷地に住宅と畑を慎重に並べ、住まうことと食料生産が相互作用する「食住一体」を提示した。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/8/29-9/4]
最も注目を集めたトピックス[期間:2022/8/29-9/4]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/8/29-9/4)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 長坂大 / Megaによる、京都市の「庭の家」。週末を過ごす為の別邸。地域の庭園に囲まれた邸宅の“密集市街地における現代版”を目指し、内外に石を敷いた“庭の様な”1階と開口を絞った“庭の眺めを楽しむ”2階を考案。別世界の様に静かな時間が流れる空間を作る
  2. 佐々木翔+南里史帆 / INTERMEDIAによる、長崎・東彼杵郡の「uminoわ」。国道沿いの複合店舗。環境への応答と効果的な活動伝達を求め、建築を端に寄せた圧迫感を回避する配置と小さい床面積で広い間口を確保する三角形の平面を考案。軒下は多様な活動を許容して内外の繋がりも作る
  3. 相坂研介設計アトリエによる、東京・千代田区の「Building of Music」。音楽教室や楽器販売等を手掛ける企業のビル。音楽を表象する建築を求め、“スピーカー”を連想させ日射や視線等の制御も担うメッシュ膜のファサードを考案。側面の避難階段や設備配管等も楽器の一部に見立て設計
  4. 三谷勝章による、大阪の「富田林の家」。緑地に面した住宅地に建つ設計者の自邸。環境と呼応する建築を求め、隣地から中庭まで緑を連続させ壁や屋根の重なりで囲われつつ開かれた関係性を構築。季節で移り変わる木々の煌めきや陰影を享受
  5. 小滝健司+高藤万葉 / TOAStによる、東京・渋谷区の「小さな3つのホテル改修計画」。事務所ビルの3層をワンフロア1室の宿泊施設に。旅先で日常的な生活体験を求める需要に応じる為、寝室中心でない“広間”を核とした様々な活動を許容する平面構成を考案。コロナ禍以降は“広間”が多様な活動の受け皿として機能
  6. 中村篤史 / Kraft Architectsによる、 岐阜・高山市の宿泊施設「cup of tea ensemble」。元銀行の建物を転用。本来の機能に加え“森と共に生きる”という価値を作る場を目指し、地域の間伐材“約1000本”を用いた空間と家具を考案。社会の仕組に入り込み様々な循環の中から構築できる新しい建築を追求
  7. 大西麻貴+百田有希 / o+hによる、山形市の児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の完成見学会が開催。加えて、設計者や館長が参加する特別座談会もオンラインで公開
  8. トラフ建築設計事務所による、大阪市の「ぷらす鍼灸整骨院 西天満院」。幹線道路の交差点に接する敷地に計画。既存外装の一新と通行人の目を引く為に、企業を象徴するグラフィックを施した建物二層分の大看板を考案。内部では色分けと目線の操作で限られた空間のゾーニングを意図
  9. 中村拓志&NAP建築設計事務所による、東京・台東区の「上野東照宮神符授与所 / 静心所」。社殿に至る奥参道と祈りの庭の計画。腐朽の為やむなく伐採された大樹の蘇生を意図し、シェル構造の屋根架構を考案して部材として活用。参拝者を包み込み瞑想を導く空間をつくる
  10. 子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る
  11. 菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・墨田区の飲食店「PENITENT」。コロナ禍で計画。在宅が叫ばれる中でのカフェの意義を模索し、個人の営為の尊重と他者と時間等を共有する喜びが併存する空間を志向。“ビッグテーブル”で様々な活動を許容し“アートスクリーン”で不均一な体験を作る
  12. 二俣公一 / ケース・リアルによる、神奈川・三浦郡の「葉山の家」。元々この地に住む施主の為の建替計画。家族と来客の為の“中心となるキッチン”の要望に、キッチンから住まい全体を見渡せる関係性と通路のない連続性を構築。前住居を参照し大らかな空間の中に親密さのある居場所も作る
  13. 篠﨑竜大+篠﨑千恵美 / LIGHTHOUSE設計による、長崎・壱岐島のシェアオフィス「ACB Living」。オフサイト研修も行う施設の一棟。“まちと共に成長する”建築を目指して、様々な機能を与えた小さなスケールの建物を街中に分散配置する方法を考案。本棟には屋外空間を最大化した周辺と緩やかに繋がる“広場”を配備
  14. 高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる建築展「SESSIONS」が、愛知淑徳大学で開催。学生が建築家と協働して作り上げる展覧会。o+hの大西麻貴と百田有希をゲストに迎えた講演会も企画
  15. 加藤吉宏アトリエによる、岐阜・可児市の「岐阜医療科学大学 ラーニングスペース」。新設学部の生徒が勉強する為の空間。学びを触発させる空間を目指して、広さの異なる多目的利用可能な半個室を組合わせる構成を考案。現代の傾向を考慮し隠れた要望に応えて校舎内での学習を促す
  16. MADによる、中国の「アランヤ・クラウド・センター」。2023年の完全竣工を目指す複合施設。雲の形等を参照して構想され、コアからのキャンチで白いヴォリュームが“浮遊”する建築を実現。無柱空間は可動壁との組み合わせで多様な用途にも応える
  17. ヤン・イェリム+片山豪 / 文生堂による、東京・豊島区の住戸改修「雑司が谷の豪邸」。設計者の自邸。既存要素を活かした計画を目指し、入口からルーフバルコニーまでを土間で接続し生活の中心とする構成を考案。“開放的な外部”を取り込んで“量”を目的に作られた空間を“質”を孕む場に変える
  18. 坂田裕貴 / a.d.pと山田哲也 / ヤマダアトリエによる、東京の「世田谷 谷の家」。谷間の様な印象の建て込む旗竿地に計画。開放感と安心感の両立を目指し、周囲と呼応する“斜面の様な”量塊と“視線の抜けと止まり”を操作する開口を考案。意識から外部を消し穏やかに過ごせる空間を作る
  19. 緒方洋平+緒方春 / OGATAYOHEIによる、東京・豊島区の住宅「Honest house」。狭小敷地において、各空間を立体的に配置することで視線が抜け、空間を広く知覚させる。構成上求められた構造体のバットレスは日射負荷抑制にも寄与
  20. 高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる建築展「SESSIONS」の会場写真。愛知淑徳大学で開催され、建築家と学生が協働して作り上げた展覧会。オンライン会場も同時公開

【ap job更新】 末光弘和+末光陽子 / SUEP.が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)と事務スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子 / SUEP.が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)と事務スタッフを募集中
【ap job更新】 末光弘和+末光陽子 / SUEP.が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)と事務スタッフを募集中ミドリノオカテラス

末光弘和+末光陽子 / SUEP.の、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)と事務スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

末光弘和+末光陽子 / SUEP.では、新規に3名の設計スタッフを募集しております。

現在、TOTOギャラリー間で個展を開催中のSUEP.は、地球環境をテーマに設計活動する建築家ユニットです。
SUEP.では、現在、国内外で様々な面白いプロジェクトが進行しており、国内では、国定公園内の小さなミュージアム、分解移築できる地域拠点、木質バイオマス利用したウィスキー蒸留所、ゼロエネルギーの集合住宅、産業資源を再利用したオフィスビル、環境活動家のためのオフグリッド建築、環境配慮型の個人住宅など、海外では、樹齢100年の木と共生するオフィスのプロジェクトが進行しております。

また、現在開催中のギャラリー・間のSUEP.展に続き、秋からは北九州のTOTOミュージアムでの展覧会も控えており、昨今の地球環境への意識の高まりとともに、我々の取り組みに対する社会の中で理解や期待を強く感じています。

このような私たちの考え方に共感し、一緒に建築を楽しんで設計していくスタッフを募集しています。チーム性でフラットな議論を進めるのもSUEP.の特徴になります。興味のある方は、是非ご連絡ください。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。