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最も注目を集めたトピックス [期間:2022/4/11-4/17]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/4/11-4/17]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/4/11-4/17)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 葛島隆之建築設計事務所による、静岡・浜松市の、農業用倉庫「Pergola」。山々に囲まれた自然豊かな敷地に計画、施主の暮らしに呼応する建築を求めて周囲の木々との関係性と求められる機能性を手掛かりに形態を決定、建てる事で環境を肯定する在り方を目指す
  2. 齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う
  3. 隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発
  4. 深江康之建築設計事務所による、愛知・安城市の「安城の家」。70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出す
  5. 遠藤隆洋建築設計事務所による、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」。山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる
  6. DDAAとSOUP DESIGN Architectureによる、長崎・波佐見町の「HIROPPA」。企業が立ち上げた広場・店舗・カフェからなる施設で、“自然な賑わいが生まれる場”の要望に対して様々に解釈可能な“地面”をデザイン、特殊なランドスケープも組み合わせ“原っぱ”と“遊園地”の両立を試みる
  7. 若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる
  8. 川西敦史建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」。周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事を意図
  9. ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置
  10. 清水忠昭一級建築士事務所による、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指す
  11. 伊藤孝紀 / タイプ・エービーによる、愛知・蟹江町の、コミュニティ施設「CULVERT PARK」。施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作る
  12. 江藤健太アトリエによる、大分の住宅「別府の家」。地域の特色の石垣が残る細長い敷地に計画、適度な距離感で二世帯住宅の利点を享受できる空間を目指して建物を貫く土間ホールを設計、限られた面積内で各諸室の延長となり緩衝と交流の役割を担う
  13. 蔵楽友美 / FIVESによる、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」。既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくる
  14. 堤庸策 / arbolによる、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」。周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる
  15. 工藤浩平建築設計事務所による、東京・世田谷区の住戸改修「J邸」。70年代の坂倉事務所設計の住戸を改修、壁構造で間仕切りも変更不可な条件に対し施主固有の“暮らしの軌跡”を解像度高く抽出し設計する方法を考案、断片的な生活の集まりで全体の空間をつくる
  16. 神戸市が「建築家との協働による空き家活用促進事業」の概要を公開。補助金の上限は500万円とのこと
  17. 加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・横浜市の住宅「HOUSE-NN」。母屋に子世帯の住まいを増築する計画、生活の営みをポジティブに許容する建築を目指して“要素の多さ”を意識し設計、限られた面積の中に二つの庭と吹抜をつくり開放性も生み出す
  18. 森岡寿起 / SO-ANによる、兵庫・神戸市の店舗「NUTS LAB」。歴史ある企業が創業地に新業態店舗を作る計画で、ラボ併設型でコンセプトの“化学”を表現する為に無機と有機の異素材を組合せ設計、厨房をオープンとしてライブ感を価値として提供
  19. 徳本賢洛 / TOK205による、新潟・北蒲原郡の住宅「聖籠35」。農村に建つ平屋の建替で集落文化に興味を持ち計画、過去から続く平面や配置を観察分析して設計に反映、地域住居の特徴の張り出す玄関を残し転用する事でも集落の固有性を継承
  20. スノヘッタによる、アメリカ・ニューハンプシャー州の、ホプキンス芸術センターの改修と拡張。大学敷地内の地域の舞台芸術と映画の拠点施設で、構内の表玄関として人々の集う場となるべく都市構造や近隣の自然を参照し計画、既存建築を補完しながら現代的な表現創造の場をつくる

OMA NYの公式アカウントで、「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」のトロフィーが紹介
OMA NYの公式アカウントで、「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」のトロフィーが紹介 photo courtesy of OMA NY

OMA NYのinstagram公式アカウントで、ap賞のトロフィーが紹介されました。
「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」は、弊サイトが8年前から行っているアワードで、年間のユニークユーザー数を元にランキングを制作し、上位10作品を表彰いたします。OMA NYは、建築作品「天神ビジネスセンター」にて2021年のap賞に入賞しました。
トロフィーに関して、その形態が「初期のコンセプトに驚くほど似ている」と、コメントしています。

Thank you @architecturephotonet for the honor and trophy with an uncanny likeness to an early project concept.

ap賞は、弊サイトに掲載された特集記事の建築作品が対象となります。
特定の審査員の判断によらない事を特徴としネットメディアならではの特性を生かし運営されています。今後も皆様の作品投稿をお待ちしています。

TOTO通信『2022年春号 特集:主屋を変革する増築』のオンライン版

TOTO通信『2022年春号 特集:主屋を変革する増築』のオンライン版が公開されています。宮城島崇人村山徹+加藤亜矢子増田信吾+大坪克亘平井充+山口紗由の増築作品の写真と図面を掲載しています。

誰かが五・七・五の上の句を詠んだ後にまた別の人が七・七の下の句を詠む。そしてさらに別の人が上の句を付け加えるというように、人を変えながら、言葉がつながっていく連歌。どう下の句を詠むかによって、上の句の感じ方がすっかり変わる。それと同じように、過去の人から受け継いだ建築に、新たに増築をするとき、主屋の建築のあり方を生まれ変わらせるようなアイデアがある。ただの機能の付け足しではない、既存の建築を変革するような増築を特集する。

堤庸策 / arbolによる、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」。周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる
堤庸策 / arbolによる、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」。周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」。周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる photo©下村康典
堤庸策 / arbolによる、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」。周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる photo©下村康典

堤庸策 / arbolが設計した、兵庫・丹波市の住宅「丹波の家」です。
周囲への眺望よりもプライバシー確保や世界観への没入との要望に、外部から隔てた庭とガラス張りのリビングにより“暮らしの風景”を構築、建築の内と外の異なる風景を循環する生活の空間をつくる事が意図されました。

立地は兵庫県の丹波市。天然記念物の巨大な杉と、川が流れる長閑な田園風景の山内に位置する。
子どもが生まれ家族が増え、先代から受け継いだ土地に根付いた暮らしを送りたいとご相談を受けた。

建築家によるテキストより

郊外の住宅設計の特徴として、建築家の多くは“美しい景色を室内へいかに切り取るか”の「借景」をメインに考えがちで、今回も計画当初はそう考えていた。しかし、仕事で海外を飛び回る施主にとって、この周辺の風景を眺める暮らしは単調に感じるご経験がおありであること、かつ、プライオリティーが高い要素として「プライバシーの確保」のご要望があった。

建築家によるテキストより

豊かな自然環境の良さを生かしつつ都会にいるような、住み手の世界観に入り込める、洗練されて快適な暮らしを送りたい。その他にヒアリングで出てきた重要視する項目を順に並べると、「室温の快適性」「広く開放的なリビング」「各場所の広さ」「収納力」「プライバシー確保」の5つになった。

建築家によるテキストより
遠藤隆洋建築設計事務所による、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」。山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる
遠藤隆洋建築設計事務所による、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」。山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる photo©中山保寛写真事務所
遠藤隆洋建築設計事務所による、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」。山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる photo©中山保寛写真事務所
遠藤隆洋建築設計事務所による、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」。山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる photo©中山保寛写真事務所

遠藤隆洋建築設計事務所が設計した、神奈川の住宅「北鎌倉ハウス」です。
山の上の古い閑静な住宅地に計画、地域との関係を重ねられる建築を目指して住人の活動がファサードとなる様な構成を考案、各要素の在り方を丁寧に見直してこの場所に相応しい形をつくる事も意図されました。

敷地は北鎌倉の山の上にあり、雨戸やカーテンを締め切った住宅が目立つ古い閑静な住宅地である。

建築家によるテキストより

閉じられた開口部は、周辺環境や地域との関係を持つことを拒む意思表示のように感じられ、結果として住宅が地域に対して背を向けているかのような寂しい雰囲気を生み出してしまう。あらたに建築をそこにつくることで、その地域が少し賑やかに、少し明るくなるきっかけとなり、またそれが継続されていくためにはどうすればいいかを考えた。

建築家によるテキストより

具体的には寝室を内側に、それ以外の食べる・くつろぐ・読む・仕事をするなどの場所を外側に配置した。
その外側の場所を「みんなのための場所」と呼ぶ。「みんなのための場所」は動線を兼ねて一階から二階まで立体的に連続していく。内側には「ひとりのための場所」を配置する。寝室・便所・風呂などがそれにあたる。さらに内側には「光庭」を配置する。

建築家によるテキストより
川西敦史建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」。周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事を意図
川西敦史建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」。周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事を意図 photo©田中克昌
川西敦史建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」。周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事を意図 photo©田中克昌
川西敦史建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」。周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事を意図 photo©田中克昌

川西敦史建築設計事務所が設計した、兵庫・川西市の住宅「鶯の家」です。
周囲に閉じた家々が並ぶ郊外住宅地に計画、住まいを複数の庭で分解して再構築する事で多彩な居場所を生成、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根により生活環境を外に開く事が意図されました。

周囲の環境に表の2つの庭と内側の3つの庭でつながる住宅である。

建築家によるテキストより

住まいを庭で分解し、再構築することで、たくさんの居場所を形作りながら、互いに距離を取り、環境に緩やかに開いていく。木造L型の平屋と2階建てが少しズレて噛み合い、その間に風が抜け、光が差し、緑の影が揺らめく。

春に鶯が鳴く、昭和50年代に山を切り開き開発された郊外の住宅地はシルバータウン化した時代を経て代替わりが進み、かつての活気を取り戻しつつある。

建築家によるテキストより

間口いっぱい前面道路に迫り出した庇下の庭では近所の子供たちが遊び、腰掛に座り、DIYや薪作りスペースとなる。風を導く南角の庭は作物を育て、夏には河川敷に花火が上がり、遠くに大阪中心部を望む。内側3つの庭は表の庭と内部をつなぐバッファーとなる。

周辺の街並みは二階建てと庭、それらを囲む塀といった典型的な郊外の住宅地の装いで互いに閉じている。そのような周辺環境に対して大きな緩勾配の平屋の屋根を架けることによって、環境を取り込む庇と庭を立体化する屋根というプラットフォームをつくることを考えた。

建築家によるテキストより
齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う
齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う photo©中山保寛
齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う photo©中山保寛
齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う photo©中山保寛
齋藤隆太郎 / DOGによる、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」。施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担う photo©中山保寛

齋藤隆太郎 / DOGが設計した、東京・世田谷区の「代田の屏風長屋」です。
施主邸を含む4戸の木造長屋計画、住戸間遮音を考慮し境界沿いに建物を配置した上で南側を平屋とし中庭への採光を確保、中庭を規定する“ジグザグ屏風壁”は公私の調整・景観向上・構造安定の役割も担います。

本計画は、世田谷区代田に建つ、オーナー邸を含む4戸の長屋計画である。元々北側隣地を含めて200坪の土地に建っていた幼稚園を解体し、分割相続したことで100坪のまとまった比較的整形の敷地を手に入れ、自宅兼賃貸住宅を建てることとなった。

建築家によるテキストより

容積率を食い切る必要がなかったことと、木造長屋の弱点ともいえる住戸間遮音の観点から、敷地ペリメータに建物を配置し、かつ建物南側を平屋建てとすることで、各戸へのアプローチ空間でもある中庭空間に十分な光が差し込む構成とした。

建築家によるテキストより

また敷地に自生している金木犀や銀木犀、枇杷や柿の木などを避けながら、各戸のボリュームを一筆描きのジグザグ屏風壁でなぞることで、構造的な安定を付与しながらも、ジグザグ屏風型による中庭への開閉操作が、住戸のパブリック・プライベートと同期する。さらにグリッド的ではなく、角度のついた配置が中庭の景観に味わいを与えるとともに、延焼線に掛からないよう開口部位置を調整しつつ(防火設備回避)、東京都安全条例による「2m以上の有効避難通路幅」を確保し、「3戸を超えて避難経路(今回は中庭)を共有すると準耐火建築」を回避するなど、法条例的側面にも一役買っている。

建築家によるテキストより
伊藤孝紀 / タイプ・エービーによる、愛知・蟹江町の、コミュニティ施設「CULVERT PARK」。施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作る
伊藤孝紀 / タイプ・エービーによる、愛知・蟹江町の、コミュニティ施設「CULVERT PARK」。施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作る photo©吉村昌也
伊藤孝紀 / タイプ・エービーによる、愛知・蟹江町の、コミュニティ施設「CULVERT PARK」。施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作る photo©吉村昌也
伊藤孝紀 / タイプ・エービーによる、愛知・蟹江町の、コミュニティ施設「CULVERT PARK」。施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作る photo©吉村昌也

伊藤孝紀 / タイプ・エービーが設計した、愛知・蟹江町のコミュニティ施設「CULVERT PARK」です。
施主建設会社が求める“地域に親しまれる建築”に応える為、地域の声を聴き要件から整理して子供が身体を使い遊べて人々が集える空間を構想、土木製品転用による“スケールのズレ”で様々な居場所を作りました。施設の公式サイトはこちら

クライアントは、愛知県蟹江町に本社をおく建設会社である。
建築・土木工事に加え、ビオトープや環境学習をおこなうなど、積極的に地域へと働きかける活動をおこなっている。創業110周年を記念して、創業地に土木の技術力や魅力を伝え、地域に親しまれる建築をつくりたいという依頼があった。

建築家によるテキストより

そこで、子育て世代の主婦層を中心に、WSをおこない、地域に求められている機能を整理した。
子ども達に思う存分、砂場や芝生など身体を使って遊ばせたいという要望に加え、集うことができるカフェのような空間、家事の一助となるランドリーやパンの販売などの機能が望まれた。これらに加え、多目的スペースや建設会社のサテライトオフィスとしての役割も担う。

建築家によるテキストより

with/after コロナで望まれる、店舗(民地)の賑わいが軒先から歩道や公園(公地)に滲み出す、まちづくりの空間(ウォーカブル推進)のように、土木環境を建築空間に転化する試みである。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 予算規模の大きい住宅や別荘等を手掛け、多くの建て主に賛同される「Tai and Associates」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 予算規模の大きい住宅や別荘等を手掛け、多くの建て主に賛同される「Tai and Associates」が、設計スタッフ(経験者)を募集中
【ap job更新】 予算規模の大きい住宅や別荘等を手掛け、多くの建て主に賛同される「Tai and Associates」が、設計スタッフ(経験者)を募集中

予算規模の大きい住宅や別荘等を手掛け、多くの建て主に賛同される「Tai and Associates」の、設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

Tai and Associatesは、建築家としてのキャリアアップを目指す、意欲あるスタッフを募集します。

社会・環境・技術が大きく変動する今日、建築もその在り方を問われています。
いまこの世界を吹き荒れる世界情勢と社会基盤の変化も百年遺る建築を作る我々にとっては考慮すべき時間的リスクです。
環境変動はこれからさらに厳しさを増すでしょう。

情報技術革新はIoT、スマートホームという言葉にも見て取れる通り、建築にも強い影響を与え始めています。

そのような建築を取り巻く変化の渦の中にあってTai and Associatesが寄って立つのは何にも増して建築設計におけるビジョンとスタイルです。弊社スタッフにも自らビジョンを持ってキャリア構成をし、独自のスタイルを構築することを希望します。

弊社案件は比較的建築予算規模の大きい住宅建築や、リゾート・景勝地におけるリゾートレジデンス・別荘などが特徴的です。
通常の住宅建築にはあまり見られない独特の建築条件は近年ますます一般住宅設計との乖離が見られ、独自の市場を構成しています。

幸いなことに多くの建て主様にご賛同いただき、Tai and Associatesの事業規模は拡大し続けています。
そのため、今回実務経験者中心にスタッフの拡充をいたします。
年齢、性別の制限はありません。

建築家のスタイルを「個性」と言ってしまうのは容易いですが、個性だけでは建築は完成しません。
建築家の「個性」とは、数多くの経験と努力、失敗と成功の積み重ねの上に成り立つものです。
もしあなたがいずれ「建築家」を目指すのであれば、私たち Tai and Associatesはあなたのスタイルを拡げ、磨き、確立する機会となるでしょう。

皆様の応募をお待ちしています。

蔵楽友美 / FIVESによる、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」。既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくる
蔵楽友美 / FIVESによる、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」。既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくるデスクは長さ3.18m。見付40mm甲板に見付70mmの浅い引出しを付属させ、薄いノートや筆記用具を引出し内に収納できるようにした。棚下灯は光の方向が手前になるよう、通常の逆向きに設置してある。デスクライトを追加しなくても、読み書きに支障がないデスク面の照度を確保した。 窓際のOA吸気口はもともと高い位置にあり、冷えた空気が体にあたらないようになっていたが、もう一工夫した。壁内にチャンバーボックスを仕込みOAの室内取込み口の位置を2つにわけ、棚の中にまぎれて存在感を薄く見せている。 photo©中村絵
蔵楽友美 / FIVESによる、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」。既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくる洗面脱衣・乾燥室は複数人が同時に活動しても困らない充分な広さ。リネン・下着収納の造作家具は横幅1.6mあり、上段は棚板方式でリネン用、下段は引出しで下着類を収納できる十分な大きさとなっている。「脱いで、洗って、干して、しまって、また着る」がこの部屋だけで完結する。 洗面台はルミシス(リクシル)、甲板・シンク一体型で掃除がしやすいタイプ。住設メーカーの既製品をうまく取り入れた機能的で美しい空間を目指した。 床材はキッチンと同じボロン(ビニル織物床材)。耐久性に優れ、素足で歩いても足裏の質感が良く、見た目も美しいため、たびたび採用している。 photo©中村絵
蔵楽友美 / FIVESによる、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」。既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくる二段ベッドコーナーは寝るだけではなく個室的にも利用できるよう、暗い場所でごそごそと活動する雰囲気にならぬよう、壁への間接照明で明るさ感を確保した。DLと組み合わせて上部からの直接光で平面部分も明るく使えるように工夫してある。 枕元の家具は個々人の私物収納 兼 小物置台 兼 ヘッドボード。子どもたちそれぞれがパーソナルスペースを持つ喜びを得、管理の責任も育む。 photo©中村絵

蔵楽友美 / FIVESが設計した、近畿地方の住戸改修「A-HOUSE」です。
既存の一般住戸に不満と疑問をもつ施主の為に計画、様々な“住まいの機能改善”の要望に綿密なやり取りを重ねて問題を整理、機能と美観を両立した小さなデザインの集積で空間をつくっています。

この住まいのクライアントは共働きのご夫婦と3人の子どもたち(小児・幼児・乳児)です。
一般的な3LDKの間取りのマンションにおける毎日の生活の中で、現状の間取りに大きな不満と疑問を感じておられました。

建築家によるテキストより

クライアントご夫婦は現住まいの問題点を明確にご認識されており、この「洗濯問題」に加え、キッチン/食卓をどのようにしたいか、子どもたちの教育のために必要なこと、大人が快適に生活するために必要なことなど、家族の生活スタイルに合わせた「住まいの機能改善」を最優先事項とされました。
売却、賃貸に向くような一般性は一切考えず、我が家にだけ合う空間が欲しいということ、そして、小さな子どもを育てる時期であっても美観や質感も暮らしに欠かせない大事な要素とお考えであり、その点については私に自由な提案をしてほしいとご依頼をいただきました。

建築家によるテキストより

こうして「いかに家事をこなすか」「いかに美しく暮らすか」の工夫を込めたリノベーションプロジェクトが始まりました。
何案かのラフプランをお見せしながら、それぞれのスペースのあり方をクライアントと一緒にじっくり考え、

●洗面脱衣・乾燥室には窓を確保して、床面積を広くとる。複数人が同時に活動しても困らない広さ。洗濯物を乾かすための気積を確保。リネンと下着はこの部屋の中に納まるように。
●キッチン、洗面台、ユニットバスには日本の住設メーカーが長年培った「かゆいところに手が届く」工夫がされた製品もしっかり取り入れたい。メーカー品と造作家具を組み合わせて美しくまとめる。
●生活スペース(L.D.K.)に子どもが3人同時に使える大きなデスクと、壁一面の本棚をつくる。生活スペースの壁がモノで埋め尽くされて息苦しく見えないように、何もない白い壁(余白)も確保する。
●子どもが明日の持ち物と服を自分で準備できる(させる)ランドセル置き場。
●置き家具は多方向の自由度を備えたものを選定する。
●二段ベッドは寝るだけの場所ではなく、昼間は遊びのスペースになり、将来的には区切って個室化できるようにしたい。
●WICは天井スラブぎりぎりまで内部空間として、天袋収納までスペースを有効利用する。
●床暖房はどうしても入れられない箇所以外は最大限ビッチリいれる。

等々の具体的な方向が定まっていきました。

建築家によるテキストより
深江康之建築設計事務所による、愛知・安城市の「安城の家」。70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出す
深江康之建築設計事務所による、愛知・安城市の「安城の家」。70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出す photo©母倉知樹/母倉写真事務所
深江康之建築設計事務所による、愛知・安城市の「安城の家」。70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出す photo©母倉知樹/母倉写真事務所
深江康之建築設計事務所による、愛知・安城市の「安城の家」。70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出す photo©母倉知樹/母倉写真事務所

深江康之建築設計事務所が設計した、愛知・安城市の「安城の家」です。
70代夫婦の終の棲家として計画、家族の為の部屋の集合でなく“個”に焦点をあて個室とその延長となる空間を二組つくり積層、吹抜を介し気配を繋ぐ事で適度な距離感の“添う”感覚も生み出しました。

この地で永く生活を送る、子育てを終えた70代を迎える夫婦の終の棲家。

建築家によるテキストより

明治用水の豊かな水に恵まれた農業先進都市の歴史があり、南に流れる矢作川と豊かな田園風景に周囲を巡る安城市桜井地区。

豊田市や碧南市の工業都市と隣接し、工業とリンクする住宅団地や人口増による駅前商業の発展により都市化が進んできた。進むまちづくりの中で、駅前再開発に係る道路拡張のため、整形区画された換地へ移転せざる得なくなった。換地先は、今までの状況であった不整形な住宅密地と狭路が多く残る環境から、南面に面した至極当然な空間と形状が整理された敷地となった。

建築家によるテキストより

家族のための部屋を集めるのではなく個人のための部屋を拡張するため、共有空間のリビングダイニングを無くし、「個室」と身体感覚という領域を拡大した「個室の延長」を配置する。
個のために、「個室」と「個室の延長」の1組をつくる。個と個には、1棟内に2組配置が必要となる。また夫婦というカテゴリーのため、最低限お互いを確認しあえる空間でなければならない。

「個室の延長」を上下に積層させ、吹き抜けを通リ介することで気配をつなげた。道路沿いのファサードを大きく占める開口部からの採光と日射熱もまた、気配をつなぐための機会とし、積極的に取り込んだ。

建築家によるテキストより
清水忠昭一級建築士事務所による、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指す
清水忠昭一級建築士事務所による、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指す二棟の外観 photo©日暮雄一
清水忠昭一級建築士事務所による、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指す二棟の間の庭 photo©日暮雄一
清水忠昭一級建築士事務所による、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指すS邸の内観 photo©日暮雄一

清水忠昭一級建築士事務所が設計した、東京・杉並区の、二棟の住宅「姉弟の庭」です。受け継いだ土地を分割し二つの住宅を建てる計画、二棟が一体に見える様な屋根勾配の操作に加えて建物間に共用庭を設置、相続という条件を利用し新たな場づくりを目指しました。

親から受け継いだ土地を姉と弟で分割し、姉世帯・弟世帯それぞれの住宅を設計した。

建築家によるテキストより

設計の意図は、
①2棟が何となく1棟に見える事、
②姉弟といえどもそれぞれの世帯のプライバシーを確保しつつ、開放的な空間にしたい、
③2棟で何かを共有したい。
という3つの事をテーマとした。

建築家によるテキストより

土地の相続は誰でも起こりうる事であり、それを利用して新たな場を作りたかった。

建築家によるテキストより
若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる
若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる photo©中山保寛
若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる photo©中山保寛
若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる photo©中山保寛
若松均建築設計事務所による、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる photo©中山保寛

若松均建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の住宅「富ヶ谷路地の家」です。数十年変わらない雰囲気も残る住宅密集地に計画、この場の建築の在り方を求め周辺の時を経た家々に寄せた佇まいの外観を考案、内部は対照的に小さな敷地の“余白”として空間をつくる事が意図されました。

敷地は起伏に富んだ地形の高台に位置し、近辺は迷路のような狭い路地で形成された密集住宅地である。
一方で、新旧の家屋が混在し職住近接の家や小さな店舗など、多様な暮らしを受け入れる場所柄でもある。車の進入ができない路地特有の静けさと古びた電柱や街灯、家々の植木鉢が混然と置かれるなど、袋小路の奥で数十年変わらずに培われた雰囲気が維持されている。

建築家によるテキストより

そのような敷地に建つあり方として、階高・軒高を低く抑えた外観、新建材を使わずに湿式モルタル左官仕上げの外装材と木製窓や玄関扉とするなど、経年劣化というより時間を経た奥行きのある隣家に寄せた佇まいが好ましいと感じた。

建築家によるテキストより

建物は準耐火建築物として建蔽率を緩和し敷地目一杯の木造総2階建てとする。
敷地に沿わせた平面形に、テント小屋のように中央に細い柱を2本立てて無理のない架構とし、おおらかなヴォリュームをつくる。1階の諸室と屋上テラス、地上と上空から規定されてできた抑揚のある空間は、ただただ「大きなひとつの気積」であり、周囲に寄せた外観とは対照的に、路地の「地」に対する、小さな敷地の白い「余白」である。

建築家によるテキストより
隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発
隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発 photo©Vincent Hecht
隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発 photo©Vincent Hecht
隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発 photo©Vincent Hecht
隈研吾建築都市設計事務所とCCHEによる、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ学生寮。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いも誘発 photo©Vincent Hecht

隈研吾建築都市設計事務所CCHEが設計した、スイス・ジュネーブの公共的機能を持つ「Student Dormitory Grand Morillon」です。寮に加え図書館等の機能を内包する施設で、地上階に公的機能を上層階に宿舎機能を配置した上でゾーニングにグラデーションを設定、地上から屋上までを繋ぐ“プロムナード”により住人同士の出会いの誘発も意図されました。写真の撮影はビンセント・エシテです。

このコンペでは、700床の学生寮にくわえて、アパートメント、共用キッチン、ランドリー、スポーツ施設、図書館、学習エリア、カフェテリアなどの多種多様な公共的な機能が要求された。

建築家によるテキストより

これをうけて まずは地上階に公共性の強い機能、上層階にアパートメントの機能を付置しゾーニングにグラデーションを持たせることにした。そして、建物のヴォリュームをそれに並行してはしるプロムナードで地上階から屋上まで繋ぐことによって、エレベータに大きく依存した通常の垂直的なプログラムの解体を試みた。

建築家によるテキストより

すべてのフロアに歩行者がアクセスできるよう、このプロムナードには必要とされるすべての公共的なプログラムが併存している。歩くことを重点におき、住む人同士の出会いを誘発するライフスタイルをかたどった建築が実現した。

建築家によるテキストより
ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置
ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置 photo©Fabian Ong
ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置 photo©Fabian Ong
ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置 photo©Fabian Ong
ネリ&フーによる、シンガポールの住宅「The House of Remembrance」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置 photo©Fabian Ong

ネリ&フーが設計した、シンガポールの住宅「The House of Remembrance Singapore Residence」。永眠した母を記憶する空間と愛着ある既存屋根形状の継承という要望に、中国伝統の中庭の家“四合院”を最解釈した構成と勾配屋根を組み合わせ設計、中央に設けた母の為の庭を囲むよう生活空間を配置しています。

こちらは建築家によるテキストの翻訳です

中国の伝統的な中庭の家、四合院は、儒教の理想を示すものとしてよく知られており、何世代にもわたる家族が一つ屋根の下で暮らすというものです。同じ屋根の下に住むということは、一緒に暮らすということです。この比喩は、特に親密な状況におけるコミュニティという概念を、このプロジェクトのために作られた形を結び付けるものです。この個人住宅の依頼で、ネリ&フーは、クライアントから次のようなユニークな要求を受けました。それは、新しく建てる家には、成人して共同生活をしていた3人の兄弟全員が住めること、亡くなった母親のために庭という形で小さなメモリアルスペースを設けること、そして最後に、子供の頃の家を特徴づける勾配屋根の記憶を新しい建築でも残すこと、です。以前の家は、イギリス植民地時代のバンガロー様式で、雨よけのための深い軒やヴィクトリア朝のディテールなど、マレーの伝統的な家屋の要素をハイブリッドに取り入れた建築でした。ネリ&フーは、屋根の機能的重要性とクライアントの屋根形状への思い入れを理解し、勾配屋根の象徴的な性格を受け入れ、中庭の家の再解釈と組み合わせました。

このプロジェクトでネリ&フーは、共同生活や集合的な記憶といった概念をどのように空間的に表現できるかを探りました。元の敷地には豊かな縁があり、周辺に自然な緑のバッファーを形成していました。そして、設計者はその特徴をそのまま生かしました。新しい2階建ての住宅は、中央の庭を中心にすべての共同スペースを構成し、中庭は家長のためのメモリアルガーデンとして機能しています。地上階は外向的な性格を持ち、広大なガラスの壁がすべての空間を敷地の端にある庭園とつないでいます。リビングルーム、オープンキッチン、ダイニングルーム、書斎といった共用スペースからの視線の抜けを最大にし、1階からは、家を囲む鬱蒼とした植物に包まれながら、中央のメモリアルガーデンを眺めることができるようにしました。大きなガラス戸はスライドして開くことができ、最適な気温条件のもとでは相互換気と庭園への直接アクセスが可能になります。

上階では、庇の役割を果たすだけでなく、公私の区別をする要素としての勾配屋根のアイデアを追求しています。内向的な上層階に位置するプライベートな寝室はすべて屋根の急勾配の破風の中に納められ、外観は平屋の寄棟屋根のバンガローの様相を呈しています。天窓と大きなガラスの壁は、ベッドルームのバルコニーにつながり、外周のガーデンスペースまで見渡せます。また、3つの二層吹き抜けエリアを設け、共用部分と上階の廊下とを繋いでいます。これらの空間は、プライベートな空間からパブリックな空間を覗き込むことができるように、垂直方向に視覚的なつながりを持たせています。

神戸市が「建築家との協働による空き家活用促進事業」の概要を公開。補助金の上限は500万円とのこと

神戸市が「建築家との協働による空き家活用促進事業」の概要を公開しています。補助金の上限は500万円とのこと。

建築家と協働で空き家を活用し、”地域の抱える課題”や”withコロナ時代における社会課題”といった様々な課題の解決に取り組む事業を募集します。
建築の専門家としての知識・経験を活かし、ライフスタイルや地域コミュニティまでデザインできる「建築家」が、空き家の活用に関わることで、空き家がより魅力的に生まれ変わることを期待しています。

対 象 者 : 空き家の所有者または借主(予定を含む)
対象物件 : 神戸市内にある空き家(一棟の建築物または長屋の一住戸)
補助金額 : 補助対象経費の合計の1/2 上限500万円

募集開始     令和4年4月8日(金曜)
質問期限     令和4年4月15日(金曜)
応募期限     令和4年5月9日(月曜)17時30分まで
選定審査会    令和4年5月18日(予定)
選定結果の通知  令和4年5月下旬(予定)
※採択事業者は選定結果通知後、補助金交付申請の手続きが必要です。

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