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杉山純一+飯泉洋紀 / ssideによる、東京・杉並区の住宅「相交差」。限られた敷地内に“余白”をつくる事を目指し、住宅要素を用途毎に整理し分割した2つの直方体をずらし平面を構成、そこで生まれた吹抜空間が季節の移ろいや家族の気配を感じさせる
杉山純一+飯泉洋紀 / ssideによる、東京・杉並区の住宅「相交差」。限られた敷地内に“余白”をつくる事を目指し、住宅要素を用途毎に整理し分割した2つの直方体をずらし平面を構成、そこで生まれた吹抜空間が季節の移ろいや家族の気配を感じさせる外観 photo©石井雅義
杉山純一+飯泉洋紀 / ssideによる、東京・杉並区の住宅「相交差」。限られた敷地内に“余白”をつくる事を目指し、住宅要素を用途毎に整理し分割した2つの直方体をずらし平面を構成、そこで生まれた吹抜空間が季節の移ろいや家族の気配を感じさせる吹き抜け photo©石井雅義
杉山純一+飯泉洋紀 / ssideによる、東京・杉並区の住宅「相交差」。限られた敷地内に“余白”をつくる事を目指し、住宅要素を用途毎に整理し分割した2つの直方体をずらし平面を構成、そこで生まれた吹抜空間が季節の移ろいや家族の気配を感じさせるLDK photo©石井雅義

杉山純一+飯泉洋紀 / ssideが設計した、東京・杉並区の住宅「相交差」です。限られた敷地内に“余白”をつくる事を目指し、住宅要素を用途毎に整理し分割した2つの直方体をずらし平面を構成、そこで生まれた吹抜空間が季節の移ろいや家族の気配を感じさせる計画です。

住宅の要素を用途ごとに整理し分割した2つの直方体をスライドさせて平面を構成することで、限られた敷地内に余白を生み出しました。

建築家によるテキストより

余白部分は、光や風を室内に積極的に取り込むことはもちろん、周囲の視線を遮ることのできる壁を設けることでプライバシーが守られる空間を確保しました。この構成により外部は室内の延長となって床面積以上の広がりをもたらし、室内にいても季節の移ろいを感じとることができることを想定しました。

建築家によるテキストより

また、この住宅を構成する各室が階層によって分断されないような断面構成としました。
吹抜けとスキップフロアで立体的に交差させることで、リビング部分に核となる空間容積を確保し、開放感と一体感を得ることが可能となりました。

建築家によるテキストより
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、東京・港区のテナントオフィス「ROPPONGI TERRACE」。床面積確保と住空間の様に快適な事務所との要望に、地上階での採光等を考慮し公園側に開くようスラブを傾け積層、天井面を滑るように光風が室内を抜ける“テラスのような建築”をつくる
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、東京・港区のテナントオフィス「ROPPONGI TERRACE」。床面積確保と住空間の様に快適な事務所との要望に、地上階での採光等を考慮し公園側に開くようスラブを傾け積層、天井面を滑るように光風が室内を抜ける“テラスのような建築”をつくる photo©中村絵
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、東京・港区のテナントオフィス「ROPPONGI TERRACE」。床面積確保と住空間の様に快適な事務所との要望に、地上階での採光等を考慮し公園側に開くようスラブを傾け積層、天井面を滑るように光風が室内を抜ける“テラスのような建築”をつくる photo©中村絵
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、東京・港区のテナントオフィス「ROPPONGI TERRACE」。床面積確保と住空間の様に快適な事務所との要望に、地上階での採光等を考慮し公園側に開くようスラブを傾け積層、天井面を滑るように光風が室内を抜ける“テラスのような建築”をつくる photo©中村絵

赤松佳珠子+大村真也 / CAtが設計した、東京・港区のテナントオフィス「ROPPONGI TERRACE」です。床面積確保と住空間の様に快適な事務所との要望に、地上階での採光等を考慮し公園側に開くようスラブを傾け積層、天井面を滑るように光風が室内を抜ける“テラスのような建築”をつくることが目指されました。

敷地は、六本木の中心地にありながら、小さな住宅や集合住宅が肩を寄せ合うように立ち並ぶ一角。細長い路地の奥に建ち、東側に公園に面する。最大限床面積を確保しながら、住空間に近い快適性をもった12のテナントオフィスが求められた。

建築家によるテキストより

公園側は、開けた視界の向こうに大きなビルが立ち並ぶ大きな風景が、反対側は敷地ギリギリまで小さな建物が隣接し、東京の下町のような小さな風景が広がる。都心に空いたヴォイド(公園)の開放感を最大限に取り入れ、このふたつの風景を接続し、視線、風や光が通り抜ける、全体がテラスのような建築を目指した。

建築家によるテキストより

公園と敷地の高低差により、地上レベルは、ほとんど日照や風通しは期待できず、密集するこの環境に埋没してしまう。そこで、大きな風景へと向かうようにスラブを傾け、ふたつの風景を接続し、各階の空間が断面的広がりを持つように斜めのスラブを積層させた。そこに開放的な建具を組み合わせ、コンクリート打ち放しの天井面を滑るように光や風が室内に取り込まれ、反対側まで通り抜けていく。

建築家によるテキストより
山田陽平 / OYYによる、埼玉の事務所「005-office」。印刷工場内の床半分を事務所に改修する計画、既存の“無機質すぎる空間”に機能的要素を強調し他の意味も発見できるデザインを与え、合理性と自由さを同時にもつ建築を目指す
山田陽平 / OYYによる、埼玉の事務所「005-office」。印刷工場内の床半分を事務所に改修する計画、既存の“無機質すぎる空間”に機能的要素を強調し他の意味も発見できるデザインを与え、合理性と自由さを同時にもつ建築を目指す photo©山田陽平(OYY)
山田陽平 / OYYによる、埼玉の事務所「005-office」。印刷工場内の床半分を事務所に改修する計画、既存の“無機質すぎる空間”に機能的要素を強調し他の意味も発見できるデザインを与え、合理性と自由さを同時にもつ建築を目指す photo©山田陽平(OYY)
山田陽平 / OYYによる、埼玉の事務所「005-office」。印刷工場内の床半分を事務所に改修する計画、既存の“無機質すぎる空間”に機能的要素を強調し他の意味も発見できるデザインを与え、合理性と自由さを同時にもつ建築を目指す photo©山田陽平(OYY)

山田陽平 / OYYが設計した、埼玉の事務所「005-office」です。印刷工場内の床半分を事務所に改修する計画、既存の“無機質すぎる空間”に機能的要素を強調し他の意味も発見できるデザインを与え、合理性と自由さを同時にもつ建築が目指されました。

印刷工場内2Fの半分程度をオフィスとする計画。

必要とされたのは、 (A)営業・経理部門の事務室、(B)技術部門の事務室、(C)大型印刷機の作業室を2つ、である。2Fへの階段を上がってすぐに(A)の事務室を配置した。もともとある大きな作業室を分節し2つの作業室(C)とし、ここに(B)の事務室を隣接させることで、スムーズな連携が取れる室配置を意図した。

建築家によるテキストより

機能的な要件から決められた空間は工場の素っ気なさや無骨さに対してうまく馴染む一方で、デスクワークをする空間としては少し無機質すぎるように感じていた。そこで、いくつかの機能的要素をピックアップし、それらの形・大きさ・材質・色・取り付き方などを強調するようにデザインし再配置していった。

建築家によるテキストより

形は機能や意味と一対一の関係ではなく、形自体が無数の意味を発している。機能や目的に対してシンプルに応答した形を事後的に読み替え強調していくことで機能をオブジェクト化し、これによって空間を装飾することを試みている。機能を利用した装飾は合理的であると同時にステッカーをペタペタと貼り足していくような、付け足していくことの自由さも感じていた。

全くの別物へと作り直すのではなく、オブジェクトの付け足しによって空間の見え方を変えていくよう意識した。単一の機能や目的だけでは決定しきれない形で遊ぶようにして設計し、合理性と自由さを同時にもつ建築を目指した。

建築家によるテキストより
矢萩智 / SYAとkamikamiによる、岐阜・瑞浪市のカフェ「蜜や」。養蜂園運営のカフェとして計画、店舗内から採蜜現場を見学できる空間を構想し既存壁を取り除き新しい窓を設置、加えて“採蜜の風景”を思い描き蜜蜂が訪花する樹種の板が浮かぶ天井をデザイン
矢萩智 / SYAとkamikamiによる、岐阜・瑞浪市のカフェ「蜜や」。養蜂園運営のカフェとして計画、店舗内から採蜜現場を見学できる空間を構想し既存壁を取り除き新しい窓を設置、加えて“採蜜の風景”を思い描き蜜蜂が訪花する樹種の板が浮かぶ天井をデザイン photo©長谷川健太
矢萩智 / SYAとkamikamiによる、岐阜・瑞浪市のカフェ「蜜や」。養蜂園運営のカフェとして計画、店舗内から採蜜現場を見学できる空間を構想し既存壁を取り除き新しい窓を設置、加えて“採蜜の風景”を思い描き蜜蜂が訪花する樹種の板が浮かぶ天井をデザイン photo©長谷川健太
矢萩智 / SYAとkamikamiによる、岐阜・瑞浪市のカフェ「蜜や」。養蜂園運営のカフェとして計画、店舗内から採蜜現場を見学できる空間を構想し既存壁を取り除き新しい窓を設置、加えて“採蜜の風景”を思い描き蜜蜂が訪花する樹種の板が浮かぶ天井をデザイン photo©長谷川健太

矢萩智 / SYAとkamikamiが設計した、岐阜・瑞浪市のカフェ「蜜や」です。養蜂園運営のカフェとして計画、店舗内から採蜜現場を見学できる空間を構想し既存壁を取り除き新しい窓を設置、加えて“採蜜の風景”を思い描き蜜蜂が訪花する樹種の板が浮かぶ天井をデザインしました。店舗の公式サイトはこちら

岐阜県の東農地方を拠点とする養蜂園の蜂蜜カフェ。

建築家によるテキストより

カフェと採蜜室がシームレスにつながることで、採蜜の現場を見学できる空間にするために、既存の車庫を採蜜室とし、事務所と車庫の間の壁を取り除き、新しい窓を挿入した。ガラスに木板が反射することで、虚が連続して拡張するように高さを調整した。

建築家によるテキストより

天井と壁面の板は、1mと2mの長さの無垢材と耳付き板、木繊維ボードで構成している。板を均一に並べるのではなく、ずらしたり、高さを変えたりして、4列を基本ユニットとして、天井に覆いつくしていった。耳付き板は、曲がり方に違いがあったものの、森の不揃いをイメージさせる。それらを飛騨の工房で1枚1枚並べて、配置を検討した。

建築家によるテキストより
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、京都市の「吉田の町家」。市内中心部の準防火地域に建つ町家の建替え計画で、周囲に残る生活の延長としての路地空間を参照しそれを立体的に引き込むよう設計、家族間の交流を誘発する建築を目指す
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、京都市の「吉田の町家」。市内中心部の準防火地域に建つ町家の建替え計画で、周囲に残る生活の延長としての路地空間を参照しそれを立体的に引き込むよう設計、家族間の交流を誘発する建築を目指す photo©塩谷淳
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、京都市の「吉田の町家」。市内中心部の準防火地域に建つ町家の建替え計画で、周囲に残る生活の延長としての路地空間を参照しそれを立体的に引き込むよう設計、家族間の交流を誘発する建築を目指す photo©塩谷淳
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureによる、京都市の「吉田の町家」。市内中心部の準防火地域に建つ町家の建替え計画で、周囲に残る生活の延長としての路地空間を参照しそれを立体的に引き込むよう設計、家族間の交流を誘発する建築を目指す photo©塩谷淳

奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureが設計した、京都市の住宅「吉田の町家」です。市内中心部の準防火地域に建つ町家の建替え計画で、周囲に残る生活の延長としての路地空間を参照しそれを立体的に引き込むよう設計、家族間の交流を誘発する建築が目指されました。

京都中心部の準防火地域に建つ町家の建替え。

両隣は4階建のビルに挟まれ、北側には路地が残るような町家風景の名残だけを有している地域である。京都にはこのような雑多ではあるが生活の延長としての路地が多数あり、ささやかなコミュニティを有している場合が多い。

建築家によるテキストより

この路地空間を立体的に引き込むことで、家族のコミュニケーションを誘発するような空間構成を考えた。
玄関はあえて路地の奥に設け、3層吹き抜けの垂直路地空間(路室)を建物中央へ、少しずらした位置に中庭を配置することで路室に多様性を与えた。このずれた路室と中庭を介して、他の室が斜めにつながり、お互いの気配を感じることができる。

建築家によるテキストより

構法的には、開放的な空間にするために鉄骨造とし、必要な鉄骨、デッキプレート、PBなどを丁寧に施工し、素地仕上げとすることで、木造的な繊細さとコストを合わせもつ”鉄骨立てっぱなし”の家とした。これは木造の準防戸建3階に変わる新しい選択肢になると考えている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」がバックオフィスメンバーを募集中
【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」がバックオフィスメンバーを募集中
【ap job更新】 建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」がバックオフィスメンバーを募集中瀬戸内醸造所 / AXIS web magazine / 商店建築2021年8月号 / Archidaily (web magazine) 記載など

建築設計・地域拠点の運営・ブランディングまでを手掛ける、菅原大輔率いる「SUGAWARADAISUKE建築事務所」の、バックオフィスメンバー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

SUGAWARADAISUKE建築事務所は、「物語る風景」を合言葉に、地域性を発見・継承し、新しい世界観を提示する建築事務所です。代表の菅原が経験した欧州の雇用体系に倣い、新型コロナウィルス感染拡大以前から、フレックスやリモートワークなど設計業界でも先駆的な待遇を切り開いてきた建築事務所です。

ウィズコロナ時代やポスト資本主義に求められる新時代のプロトタイプを創造するため新しい仲間を募集しています。今回は、総務・経理・広報業務をサポートしてくれるバックオフィスメンバーを募集します。

僕らの建築と社会の未来像に共感し、ダイナミックな時代に応答する実践で共に成長する、そんな思いを持った人たちと一緒に仕事がしたいです。また、社会復帰を希望する女性建築設計者や、育児等により業務ブランクのある主婦の方にとって働きやすい労働環境づくりにも力を入れています(現在、子育て後に社会復帰した方を含む3人の女性スタッフ・アルバイトが働いています)。

加えて、事務所で運営するコミュニティカフェ「FUJIMI LOUNGE」をスタッフが割引価格で利用できたり、手作りまかないランチ制度などの仕組みをつくるなど、福利厚生の充実にも力をいれています。

海外経験が豊富なスタッフ(フランス等からの外国人スタッフ・パートも在籍)と一緒に、未来の世界を「物語る風景」をつくっていきましょう。

ご応募お待ちしております。

ボウアヤド・ガリによる、インスタレーション「ポストデジタル時代の装飾建築は、装飾に非ず」。東京藝大博士課程の研究作品で、装飾とパターンの重要性を示す理論的研究を基にし、建築を意図的に難しく非効率的な体験とし消費可能な空間性の回避を意図
ボウアヤド・ガリによる、インスタレーション「ポストデジタル時代の装飾建築は、装飾に非ず」。東京藝大博士課程の研究作品で、装飾とパターンの重要性を示す理論的研究を基にし、建築を意図的に難しく非効率的な体験とし消費可能な空間性の回避を意図 photo©GBAARA
ボウアヤド・ガリによる、インスタレーション「ポストデジタル時代の装飾建築は、装飾に非ず」。東京藝大博士課程の研究作品で、装飾とパターンの重要性を示す理論的研究を基にし、建築を意図的に難しく非効率的な体験とし消費可能な空間性の回避を意図 photo©GBAARA
ボウアヤド・ガリによる、インスタレーション「ポストデジタル時代の装飾建築は、装飾に非ず」。東京藝大博士課程の研究作品で、装飾とパターンの重要性を示す理論的研究を基にし、建築を意図的に難しく非効率的な体験とし消費可能な空間性の回避を意図 photo©GBAARA

ボウアヤド・ガリによる、インスタレーション「ポストデジタル時代の装飾建築は、装飾に非ず(Postdigital Ornamented Architecture Is Not Ornamented)」です。東京藝術大学大学院博士後期課程の研究作品で、装飾とパターンの重要性を示す理論的研究を基にし、建築を意図的に難しく非効率的な体験とし消費可能な空間性の回避が意図されました。

この展示されたパビリオンでは、日本の型紙の幾何学的なトポロジーが人間の活動のホストとなり、活動を実行し、空間を整理するために使用されています。
この装飾品は、三次元のオブジェクトに変換され、スケールアップされると、構造的な機能と建築的な機能の両方を達成します。このフレームワークでは、人体は新しいモノリシックな大質量の建築物と直接、触覚的に関わります。オーナメントは、単なる表面の多層構造の外殻ではなく、建築のボリュームと構造になります。

建築家によるテキストより

このパビリオンでは、オーナメントとポストデジタルが、オーナメントとオブジェクト、構造、建築との関係を修復し、再び結びつける上で、いかに大きな役割を果たすかを示す理論を紹介し、これらが同じ物語の下で一緒になることができると推測しています。この理論的な研究において、私は、社会でうまく成文化された場合に、人間と環境との間に結びつきを生み出すオーナメントとパターンの重要性とその力について論じています。

建築家によるテキストより

地味であることを前提に、私は感覚や影響の連続的な流れを生み出すような装飾を拒否する。建築は消費主義のモニュメントであってはならない。特に現代社会では、いかに早く新しい情報を吸収できるかが重要視されています。そのために、私は空間実験と美学のルーツに戻ることを主張したいと思います。建築を意図的に難しく、非効率的な体験にすることで、訪問者にゆっくりと考えさせるようにし、即座に消費可能な空間性を避けるのです。この理論では、オーナメントが媒介の役割を担っています。ここでは、三次元に翻訳された装飾品は抽象化され、装飾品である建築物を「新しいものの衝撃」に基づく体験から遠ざけ、深さを表面に置き換えるポストモダン建築が提供する表面的な状態から遠ざけている。

建築家によるテキストより
高松伸が1991年に完成させた、東京・渋谷区の地下に埋設されたオフィスビル「アーステクチャー・サブワン」が、11億円で販売中

高松伸が1991年に完成させた、東京・渋谷区の地下に埋設されたオフィスビル「アーステクチャー・サブワン」が、11億円で販売されています。写真等が21枚掲載されています。2019年2月に売りに出された時の価格は約5.2億円でした。高松の公式サイトにも作品ページがあり竣工写真が掲載されています。

最も注目を集めたトピックス [期間:2022/1/24-/1/30]
最も注目を集めたトピックス [期間:2022/1/24-/1/30]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/1/24-/1/30)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 蘆田暢人建築設計事務所による、東京の住宅「世田谷の浮居」。水害被害を受けた敷地に建つ建築で、対策として居住空間を約1m浮かせ接地面積を減らすよう計画、内部では4層続く階段ヴォイドが生む垂直の奥行きにより現代都市住宅の原型を模索
  2. 杉山幸一郎による展覧会“スイスのかたち、日本のかたち”のレビュー「師の影響を素直に受け入れた上で生まれる建築家の個性」
  3. 多田正治アトリエ+ENDO SHOJIRO DESIGNによる、京都市の、住宅改修「丸太町の町家」。築120年以上の京町家の改修で、“通り土間”等の伝統的構成の復元を意識しつつ機能的諸室を点在させ残余部分を家族空間として設計、日々の寝食や生活変化にも柔軟に対応できる建築を目指す
  4. 藤本壮介による、岐阜・飛騨市の共創拠点施設。2024年竣工を目指す建築で、商業・教育・住居等の機能を都市景観を参照した路地空間で繋ぎ、緑化された大屋根広場が多様な活動が会する舞台となる計画
  5. 中本剛志+田中裕一 / STUDIO YYによる、千葉市の「丘の幼稚園」。団地内の敷地で隣接する緑地を手掛かりに設計、地面まで延びる“片流れ屋根の丘”を構想し遊びの場の創出と共に通風等の快適な室内環境を実現、在来工法の採用で短工期の条件もクリア
  6. 佐藤伸也建築設計事務所と嶋田世紀 / ranmaによる、大阪の住宅「八尾の家」。長くこの地に住む施主の人々が遊び訪れる場との要望に、平面を二分し其々に“公”と“私”の性質を与え更に“街からの距離”で諸機能を調整、様々な関係性の来客を招き入れが可能な空間をつくる
  7. ICADA / 岩元真明による、福岡市の住戸改修「桜坂の自宅」。家族の変化に合わせ平面形式を変えられる住戸を構想し、可動書架を間仕切りに用ることで実現、素材とディテールでの実用性と即物性の追求と共に熱シミュレーションに基づく断熱施工も行う
  8. 水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す
  9. 下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる
  10. 杤尾直也 / to-rippleによる、福島・西白河郡の店舗兼工房「大堀相馬焼松永窯」。拠点地が帰宅困難地域から解除されない為に移転計画が開始、施主が作る陶器の二重構造を参照し家型が重なる構成で余白空間が諸機能を担うよう構想、空間体験から陶器への理解を促す
  11. 宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催
  12. マット仕上げ・シンプルなデザイン・静音設計を特長とした“設計者の意図に沿う”パナソニックの配線器具「SO-STYLE」
  13. カーシフ・チョウドリ / URBANAによる、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞を受賞。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応
  14. 武田清明建築設計事務所による、東京・練馬区の住宅「鶴岡邸」のレポート。周辺環境の自然と対話する建築の在り方を躯体のもつ質感で実現
  15. 木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、大阪・堺市の、三住戸の改修「茶山台団地のリノベーション」。既存躯体と両面採光という環境の再解釈が重要だと捉え、躯体に対して挿入する要素の素材感やスケール感を操作、新要素を通し眺める団地環境がより肯定的に感じられる空間を構想
  16. 白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ
  17. 玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第4回「タイヤ花壇」
  18. 特集”宇野友明建築事務所” 羽黒の家 / 2006
  19. 髙木貴間建築設計事務所による、北海道の既存農家を改修した「富良野の異形屋根」と論考「北海道民家のマニエリスム」
  20. MVRDVによる、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う

スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴
スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴 image courtesy of Snøhetta
スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴 image courtesy of Snøhetta
スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴 image courtesy of Snøhetta
スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴 image courtesy of Snøhetta

スノヘッタによる、スウェーデン・メルンリュックの複合施設「レイクハウス」。採石場を持続可能な居住地域へ開発する計画の一環として設計、地域の為に事務所・飲食・店舗等の機能を提供する施設で、地形に沿う形状・緑化された屋根・自然素材の使用も特徴としています。2024年の完成を目指し着工しました。

こちらはリリーステキストの翻訳

スノヘッタとスウェーデンのネクストステップグループによるヴェンデルストランド(Wendelstrand)開発の最初の起工式が行われました。2024年の完成を目指す待望のプロジェクトは、スウェーデンのヨーテボリ郊外にある古い採石場を、持続可能な新しい居住・生活エリアへと変貌させます。

2017年からスノヘッタは、スウェーデンのヨーテボリ郊外にあるメルンリュックで、古い採石場を環境的にも社会的にも持続可能な地域へと変えるプロジェクトに取り組んでいます。その野望は、ヴェンデルストランドの新しい建物を、環境に優しい住宅コンセプトと社会のサステナビリティの先導的な手本にすることでした。地面の傷を癒し、周囲の自然を再生させるという誇らしいコンセプトでスタートしたこのプロジェクトは、現在、あらゆる家族に適した多様な住宅タイプを持つガーデンシティとして姿を現しています。

ウェンデルストランドは、多様なパブリックエリアと、開発区域を蛇行する公園を提供し、その頂点は、ウェンデルストランドに住み、訪れるすべての人が利用し、楽しむことができる共同建築であるレイクハウスの屋上景観となります。

革新的な住宅のモデル

スノヘッタのシニアアーキテクトのリカード・ヤウキス(Rikard Jaucis)は述べます。
「私たちが目指したのは、従来の地域を超え、伝統的な住宅の類型を打ち破るものを作ることでした。レイクハウスは、建物の中、上、そして周りに人を招き入れるように設計されています。建物の中に入らなくても、その一部となることができるのです。私たちは、レイクハウスが地域の熱気や魅力、結束力を生み出す重要な触媒となり、地域全体にとって魅力的な目的地となることを期待しています。さらに、このプロジェクトは、スウェーデンだけでなく北欧全域で、木材を建材とした革新的でサステナブルな住宅開発のモデルとなり、カーボンフットプリントを削減できると信じています。」

数年にわたる計画と再開発を経て、レイクハウスはついに着工し、2024年の夏には完成する予定です。この多機能建物は、この町の最初の新住民に、最高級レストラン、カフェ、ショップ、イベントスペース、オフィススペース、ジム、ウェルネスセンターを提供し、これらはすべて共通の緑の屋根の下に設置される予定です。レイクハウスでは、働く、汗をかく、読む、食べる、飲む、踊る、歌うを1日でこなせます。

MVRDVによる、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う
MVRDVによる、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う image©MVRDV
MVRDVによる、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う image©MVRDV
MVRDVによる、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う image©MVRDV

MVRDVが計画している、台湾・彰化県の、政府系電力会社のオペレーション施設「サン・ロック」。台湾のグリーンエネルギーへの移行を見越して計画、建物全体を太陽光パネルで覆い形状や角度を最適化すべく解析で決定、その存在が企業のマニフェストを伝える役割も担う。2024年の完成を予定しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

MVRDVの「サン・ロック」は、タイパワー社のカーボンフリーな未来のための建てられたマニフェストです。

MVRDVは、台湾の政府系電力会社タイパワー社のオフィス、メンテナンスワークショップ、ストレージスペース、パブリックギャラリーを含むオペレーション施設「サン・ロック」を公開しました。台湾で計画されているグリーンエネルギーへの移行を見越し、サン・ロックの建物の形状からファサードまで、できるだけ効率的に太陽エネルギーを発生させることに重点を置いているのが特徴です。そのため、この建物は、タイパワー社の目標を一般に伝えるための決定的な意思表示であり、「建物の中のマニフェスト」のような役割を担っています。

台中近郊の彰化沿海工業園区に位置するこのビルの主な用途は、持続可能なエネルギー設備の保管とメンテナンスです。そのため、サン・ロックの丸みを帯びた形状は、太陽光を最大限に活用できるように設計されています。南側は緩やかに傾斜しており、日中は太陽に直接当たる面積が大きくなっています。北側は、ドーム型の形状により、朝夕の日射面積を最大化します。

ファサードは、太陽光発電パネル(必要に応じて窓と混在)を上面に支える一連のプリーツによって、この太陽光のポテンシャルを最大限に高めています。このプリーツの角度はファサードのあらゆる部分で調整され、ソーラーパネルが生み出すエネルギーを最大限に活用できるようになっています。これは85トンの原油を燃やすのに相当するエネルギー量であり、完全な自給自足となります。さらに、より大きな面積の太陽光発電パネルを設置する設計も検討されており、計算上は年間最大170万kWhを発電し、電力網に供給することが可能です。

MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「もちろん、私たちはすべてのプロジェクトを可能な限りサステナブルにすることを目指しています。しかし、私たちは、プロジェクトが単にサステナブルであることだけにとどまらないことを理解しています。このプロジェクトは、ユニークで魅力的な可能性を秘めています。」
「ユーザーがエネルギー会社であるため、通常よりも多くのことを行うことができました。ファサード全体を太陽光発電で覆い、エネルギーを最大限に活用することで、自給自足が可能になるだけでなく、このビルがエネルギー生産のツールとなり、残りのグリッドに電気を輸出することができるのです。これは、パネルを最大限に効率よく配置することで実現されます。そのため、私たちのデザインは完全にデータ駆動型です。解析をデザインの決定要素にすると、いつも結果が出るのが楽しいですね。」

建物の中心には、タイパワー社のオペレーションや再生可能エネルギーの発電量に関するデータをリアルタイムで表示するデータルームがあり、吹き抜けになっています。1階のギャラリースペースからはメンテナンス工場が見え、ソーラーパネルから巨大な風力発電機のブレードまで、サステイナブルエネルギーを実現するマシンを間近に見ることができます。最上階には展示用のギャラリーがあり、屋上にはソーラーパネルのドームの下に、来場者とタイパワー社の従業員がくつろげる木々のあるテラスがあります。

サン・ロックは、持続可能なエネルギー生成機能を備えているため、単なる運用・保守施設ではなく、実用的な空間を巧みに組み合わせたデザインになっています。ギャラリースペース この建物は、タイパワー社が環境に優しい未来への野心を公に示す重要なコミュニケーションツールでもあるのです。

下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる
下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる photo©藤井浩司
下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる photo©藤井浩司
下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる photo©藤井浩司
下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の住戸改修「六本松の家」。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせる photo©藤井浩司

下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、福岡市の、住戸改修「六本松の家」です。山を望み南と東に開けた状況下で“光”を主題とし設計、逆光の中に輪郭が浮かぶような印象的な光をつくる為に各種素材を選定、光の満ち引きを通じ季節や時間の移ろいを感じさせることが意図されました。

照葉樹林が自生する大休山(おおやすみやま)を望むマンション一室の改修計画。
南と東に開けた場所で、光を主題とした空間である。

建築家によるテキストより

黄昏時のひとときに街並みがはっきりと姿を現すように、或いは真っ白な光のなかにそのシルエットをおぼろげに見せる影絵のように、逆光の中で輪郭が浮かび上がるような印象的な光をつくりたいと考えた。

建築家によるテキストより

床に敷き詰められた陶板は全て本計画のためにひとつの登窯でつくられたものだが、偶発的な窯変で焼き締められたもの、灰が溶けて自然釉薬となったもの、藁の跡が残ったもの、それぞれに特徴をまとい、質感も色も一枚として同じものはなく表情を違えている。

板中央を柔らかくむくらせた陶板は、南からの光を受け、そのフォルムを浮かび上がらせる。
差し込む光に対して四半敷きとすることで、光を留めることなく室の奥へ奥へと柔らかく繋いでいる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 木下昌大率いる「キノアーキテクツ」が、東京オフィスでの建築設計スタッフ(新卒既卒・経験者)と学生アルバイトを募集中
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木下昌大率いる「キノアーキテクツ」の、東京オフィスでの建築設計スタッフ(新卒既卒・経験者)と学生アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

キノアーキテクツは、建築家の木下昌大を中心に「東京」と「京都」の2拠点で活動する建築設計事務所です。今年で14期目を迎え、2021年には私たちが設計監理した東京オフィスが竣工しました。今回は、その新東京オフィスで働くスタッフを募集します。

キノアーキテクツがめざすのは「サスティナブルな社会を、最適化する建築で育む」こと。使う人や住む人に最適な環境を提供するだけでなく、周りまで最適化する建築でありたい。そう願って、保育園、図書館、大学施設、墓所、集合住宅など、暮らしに関わる建築を手がけてきました。

社員の働き方も「最適化」しています。離職率が低く、一級建築士取得率が高い、それが私たちの自慢です。勉強したり、家族との時間を大切にしたり、趣味の時間をつくったり。他の職種では当たり前のことを、建築設計事務所でも実現できるように心がけています。

東京オフィスは目白駅から徒歩圏内、緑あふれる気持ちのいい空間です。意欲的でフレッシュな方に仲間になっていただければ幸いです。ご応募お待ちしています。

カーシフ・チョウドリ / URBANAによる、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞を受賞。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応
カーシフ・チョウドリ / URBANAによる、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞を受賞。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応 photo©Asif Salman Courtesy of URBANA
カーシフ・チョウドリ / URBANAによる、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞を受賞。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応 photo©Asif Salman Courtesy of URBANA
カーシフ・チョウドリ / URBANAによる、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞を受賞。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応 photo©Asif Salman Courtesy of URBANA

カーシフ・チョウドリ / URBANAが設計した、バングラデシュの病院「フレンドシップ・ホスピタル」が2021年の王立英国建築家協会国際賞(RIBA International Prize 2021)を受賞しています。サイクロン被害を受けた地域に医療を提供する施設で、持続可能で低コストで建てられ、海面上昇の影響を受けた環境条件にも対応しました。

こちらはリリーステキストの翻訳

バングラデシュの病院が、世界で最も優れた新しい建築物に贈られる「2021年RIBA国際賞」を受賞

バングラデシュ南西部のベンガル地方の水を湛えた風景の中に建つ、カーシフ・チョウドリ(Kashef Chowdhury / URBANA)が設計した遠隔地コミュニティ病院が、優れたデザインと社会的影響に与えられる建築界の世界最高賞「RIBA国際賞2021」を受賞しました。

持続可能で低コストのこの病院は、バングラデシュ南部地域のサトキラの地域コミュニティに不可欠な医療サービスを提供し、2007年の大型サイクロンで大きな被害を受けた沿岸部の数千人の人々に医療ライフラインを提供しています。この建物は、海面上昇の影響を直接受け、壊れやすくダイナミックな環境であるベンガル地方の厳しい環境条件に革新的に対応するもので、設計の中心にある配慮と人間性が評価されました。

この病院は、長年のNGO・フレンドシップの協力のもと、遠隔地の農村地域を強化し、力を与えるという組織の使命の一環として建設されました。かつては穀物畑に囲まれていた農地は、海水面の上昇によりエビ漁に転用されています。そのため、この病院では水が設計の中心となっています。敷地内には運河が縦横に走り、入院患者と外来患者を分離しています。施設内のあらゆる場所で降った雨水を排水し、新設のタンクに貯めています。塩分を含んだ地下水は実用的な用途にはほとんど使用できず、絶え間なく降る雨で排水する必要があるため、不可欠な資源でありツールです。この水路は、耐え難い暑さの夏の微気候冷却にも役立ち、エネルギー消費の高いエアコンの必要性を回避することができます。

NGOの永続的な社会変革への取り組みを反映し、カーシフ・チョウドリのデザインは、訪問者や患者、医療従事者に高揚感と心地よい体験をもたらし、健康や癒しと一致する穏やかな環境を作り出しています。親密な中庭は、病棟に光と自然換気をもたらし、患者や訪問者が自然を眺めながら休息できる空間を提供しています。病院内の繊細なエリアは、遮蔽された廊下や二重のアーチによって熱帯の直射日光から保護されています。病院内は、耐久性とコストに優れた地元の煉瓦を使用し、煉瓦の開口部には日陰を作り、自然冷房を導入しています。

RIBA国際賞の審査委員長であるオディール・デックは、次のように述べています。
「フレンドシップ・ホスピタルは、社会的革新を通じてコミュニティに尊厳と希望を与えるというNGO・フレンドシップの慈善的使命を反映し、人間性と保護に満ちた建築を体現しています。カーシフ・チョウドリは、周囲の環境と巧みに融合し、地元の伝統的な工芸品を用いた人間味あふれるデザインの建物を実現しました。この病院は、医療への不平等なアクセスや、気候変動が脆弱なコミュニティに与える深刻な影響など、世界的に重要な課題に関連しています。この病院は、比較的低予算で、困難な状況下で、優れたデザインによって美しい建築を実現できることを証明しています。この病院は、人間に捧げられた建築物の祝典なのです。」

RIBA会長のサイモン・オールフォードは、次のように述べています。
「フレンドシップ・ホスピタルは、重要で大規模な建物を控えめな予算で建設し、地域社会や自然環境に配慮した、思慮深く創造的な設計の模範となるものです。カーシフ・チョウドリは、革新的で明快、洗練され、経済的で楽しい、社会的インパクトのある建築を創り出しました。地方に不可欠な医療サービスを提供し、増大する気候変動の緊急事態に対処しています。この作品が2021年の国際賞受賞者として祝われることを嬉しく思います。」

カーシフ・チョウドリは述べています。
「RIBAと審査員は、世界の周辺地域から、建築談義の中心へと導き、世界で最も重要な賞の対象となるプロジェクトを特定したのです。私は、このことが、資源や手段が限られているにもかかわらず、あるいは限られているからこそ、人類と自然の両方に配慮した建築に取り組み、今日我々が直面している惑星規模の緊急事態に集団で立ち向かおうとする、より多くの人々を鼓舞することになると確信しています。クライアントであるフレンドシップとその創設者であるルナ・カーン(Runa Khan)氏の絶え間ない支援と理解、そして、私たちの社会、文化、そして最も愛する自然へのコミットメントという厳しい四半世紀を共に過ごした多くの建築家、エンジニア、コンサルタントに、私は心から感謝しています。」

玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第4回「タイヤ花壇」
玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第4回「タイヤ花壇」

建築家でありアトリエ・ワンのパートナーを務める玉井洋一は、日常の中にひっそりと存在する建築物に注目しSNSに投稿してきた。それは、誰に頼まれたわけでもなく、半ばライフワーク的に続けられてきた。一見すると写真と短い文章が掲載される何気ない投稿であるが、そこには、観察し、解釈し、文章化し他者に伝える、という建築家に求められる技術が凝縮されている。本連載ではそのアーカイブの中から、アーキテクチャーフォトがセレクトした投稿を玉井がリライトしたものを掲載する。何気ない風景から気づきを引き出し意味づける玉井の姿勢は、建築に関わる誰にとっても学びとなるはずだ。
(アーキテクチャーフォト編集部)


タイヤ花壇

玉井洋一による連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第4回「タイヤ花壇」 photo©玉井洋一
text:玉井洋一

 
 
娘のお迎えで保育園に行った時に見つけた花壇。

まだ家に帰りたくない園児たちが無造作に置かれた花壇の間を走り抜けるのを眺めていて、不意にそれがタイヤを鉢に見立てた花壇であることに気づいた。花壇に対してどことなく違和感をもっていたのだが、横にあった同じくタイヤでつくられた遊具がその気づきを促してくれたのかもしれない。

花壇の黒い表面は、元々タイヤであったことを隠すように色鮮やかなペンキで塗装されていたが、独特のひび割れ模様が古い絵画のような趣で何とも言えない味わいがあった。

一旦目の前にある花壇がタイヤであると認識されるとこれまであった違和感は消える。
そして、タイヤが持っている特性が花壇としてどのように引き出されて利用されたのか?といった異なるモノ同士の見えなかった関係性に対する興味へと繋がる。

タイヤは中空の輪っかだから切れ目を入れてひっくり返せば鉢植えのような形になる。
タイヤは角がなく柔らかいので、ぶつかっても痛くないし割れることはない。
タイヤは真ん中が空洞だから雨が降ったり花に水やりをしても排水は問題ない。
タイヤは人が運べる重さだからイベント時の移動も簡単そうだ。
などなど。

水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す
水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す photo©Ken'ichi Suzuki
水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す photo©Ken'ichi Suzuki
水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す photo©Ken'ichi Suzuki
水上哲也建築設計事務所による、千葉・野田市の「のだのこども園」。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築を目指す photo©Ken'ichi Suzuki

水上哲也建築設計事務所が設計した、千葉・野田市の「のだのこども園」です。施主運営の幼稚園に隣接した敷地に計画、既存園庭がもつ豊かな風景等を未来に引継ぐ為に、樹木等を残し内外の空間や新旧の園舎が一体になった環境の構築が目指されました。

千葉県野田市に建つ保育所型認定こども園。

隣地には43年前に開園した同一運営の幼稚園があり、園庭を介して繋がっている。敷地は国道16号線に近い、森を徐々に切り開き、無計画に都市化が進んだ郊外の風景の中にあり、一見すると固有性を見出しづらく肯定的には捉えがたい環境にある。

建築家によるテキストより

既存園は、園児の増加に伴い増築してきた色も形も異なる3つの外廊下形式の園舎が園庭を囲む。園庭は築山やカラフルな遊具、樹齢100年の樹木など様々な種類と年代のものが混在し、子供達の多様な活動を受け入れる園のシンボルである。

このような既存園も計画性を持たない敷地周辺と同じ成り立ちにも見えるが、子供たちが過ごす園庭を中心にした外部風景は大変魅力的で、大らかさと力強さが共存し、この地の本質を体現しているように感じた。本計画では幼稚園が培ってきた豊かな風景とコミュニティを引き継ぎ、未来に繋いでいくことが求められた。

建築家によるテキストより

新しい園舎は、既存園舎の持つ外廊下形式を踏襲し、既存の園庭や樹木をそのまま残し建築に取り込み、隣接する幼稚園に大きく開き接続する計画とした。内外の空間が一体になり、新しい園舎と既存園舎が一体になった環境をつくり出したいと考えた。

建築家によるテキストより

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