ハンナ(HANNAH)による、ニューヨーク州の、3Dプリントコンクリートとデジタルファブリケーションの技術で作られた、その工法の特徴を意匠に生かした小屋「Ashen Cabin」の写真が10枚、dezeenに掲載されています。建築家のサイトには図面を含む12枚の画像が掲載されています。
architecture archive
竹中大工道具館が、期間限定で常設展示の内容を動画で公開・解説しています。2020年8月31日までの限定公開だそう。新型コロナウイルス感染症予防対策による臨時休館中の企画のようです。
永山祐子建築設計が入居している杉並区のオフィスを、居抜きでの借主を募集しています。2020年6月末までに契約を締結できる方に限るようです。写真なども紹介されています。
※タイトルが誤認しやすいとの指摘を頂き修正しました
ご紹介するのは4Fにある一室で、現在は著名な建築家、永山祐子氏のオフィスとして使われている空間。ぐるっとガラスで囲われる円弧の間取りと、抜群の眺望という、元々のポテンシャルも高い作りだが、その空間をさらにうまく使いこなしていた。空間からその先の景色への意識も高めるように、入り口の方から外に向かって走る家具のレイアウトや、目線の流れと合わせた蛍光灯の配置。家具も低く抑えられ、打ち合わせスペースもガラスで仕切ることで、空間の抜けの良さを損なわれていない。色のトーンを家具と天井を揃えることで、全体の気配を繋げており、外の景観と空間の特性を最大限に生かしたプランニングだと感じた。北向きの窓なので、日中もカーテンなどで閉じる必要もなく、常にこの開放的な風景を眺めながら仕事は気持ち良いだろう。夕方には遠くの地平線に沈む夕日がとても美しく、昼夜問わず、ずっといても飽きない居心地のいい空間だった。

飯塚哲平+ハーシュ・ジェイン+サウラブ・ジェイン / STUDIO JUGGERNAUT(スタジオジャガーナント)が設計した、インド・グルガオンによる事務所「Architecture Office」です。飯塚は隈研吾建築都市設計事務所を経てSTUDIO JUGGERNAUTを共同主宰する建築家。
デリーに近接するグルガオンに計画された、空間デザインにおける「レイヤーとシステムの関係性」をテーマとした実験的プロジェクト。

古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「九州産業大学」です。
九州産業大学における開学50 周年記念事業の一環として行われた、キャンパスの再整備事業である。
九州産業大学のキャンパスにはランダムに配置された校舎、高低差のある地形、キャンパスを分断する水路といった与件があり、それらを積極的に活かしたランドスケープを提案したいと考えた。


齋藤慶和+中尾彰宏 / STUDIO MOVEが設計した、大阪・八尾市の美容室「hair terrace sooH」です。お店の公式サイトはこちら。
この場所の魅力はRC造の強い構造体と、本来この場所がもっていた唯一無二の空間。
かつて施されていた厚化粧をそぎ落としてみると、魅力的な状態が目の前に出現し、すでに残っているもの、新たに創造するもの含め、未完成でありながらも骨格となる完成形がそこにはありました。
このポテンシャルを活かすことが新たな生活を生み出し、想いを創出し、思想的な空間になるのではないかと考え計画しています。


小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、京都の既存住宅の改修「大山崎の住居」です。
1968年に建築された鉄筋コンクリート造テラスハウスのリノベーションである。
この住宅地は1966年に造成を開始し、10年をかけ連棟のテラスハウスが建ち並んだ。大山崎町の発展に大きな役割を果たしたが、現在では、床面積獲得のための増改築を繰り返し行った建物がいたるところで見受けられる。
この住宅も同様に、追加された居室なのか廊下なのか曖昧な部屋が連続し、囲まれた部屋は採光できず薄暗かった。しかしそれ故に回遊性があり新築住宅にはないプランとなっていた。.
鉄筋コンクリート造の建物は構造となる耐力壁が多く、その壁は簡単に撤去したりすることが困難である。
そこで耐力壁は撤去せず、もともとある回遊性を生かす方向、いくつかの目的地をつなぐための動線ではなく、動線そのものが切り分けられない生活の場としてプランを矯正することを試みた。



永松淳建築事務所が設計した、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」です。
家族4人のための住居である。
人が集まる事のできるゆったりしたスペースと中庭がある事をご要望された。
私たちの国で作られてきた“モダンリビング”の象徴となったような中庭住居は、屋外空間である中庭を屋内に見立てるように扱われてきたものが多い。
この住宅ではその逆、屋内が屋外のように感じられる中庭住居を目指して、複数の中庭が生活空間を囲う構成をとり、それらによって生活空間に見え隠れのあるシーンの連続を生むべく意図した。


OHA+MOVE設計共同体が設計した、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」です。施設の公式サイトはこちら。
京都にあるホテルという場所について、現代における価値と京都の歴史を交えた上でのプログラムについて考えることからはじめました。
京都の生活は、ひと昔前は道中で商売を行いご近所同士での井戸端会議が行われ、地域の人々が子供の面倒を見るという習慣があったとされています。そこには、「道」という場所の余白が公共の場所として存在していたのだと思います。近年、多くのビルディングタイプが機能性や合理性により均質な空間を追求された結果、場所の固有性や特別感というものが消え、町の日常から乖離された場所となっています。改めて、生活の延長について考える必要があるのではないでしょうか。
「できごと」の舞台となるような、社会の変化に対応しうる多様性を受け入れる器となるホテルであること、建築の在り方を捉えなおすことが必要と考え計画しています。


株式会社吉田裕一建築設計事務所の、設計監理スタッフ・アルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
設計スタッフ募集のお知らせ。
株式会社吉田裕一建築設計事務所では、プロジェクトの増加に伴い、私たちと一緒に働いてくれる設計監理スタッフ及びアルバイトを募集しております。
私たちは建築を通して人やまちとどのような関わり方ができるのかをいつも考えています。
クライアントはじめ、プロジェクトに関わる全ての人との対話や、与条件・未条件を徹底的に分析・検討し、潜在的な新しい視点や関係性を見出すことで、生きるのが楽しくなるような建築を創造したいと日々励んでいます。個人住宅、店舗、鉄道・駅関連施設を中心に、集合住宅、商業施設、医療福祉施設、オフィス、宿泊施設など、用途や新築・改修に関わらず設計監理業務を行っています。
プロジェクトによってはプログラムからの企画、プロダクトデザイン等、さまざまなデザイン業務全般も含みます。
経験者はもとより、新卒の方もできるだけ早い時期に担当プロジェクトを持ってもらい、実践する中で成長していける環境です。また、今後は設計と施工、そして流通を含めた建築のサイクルにおける新しいあり方に興味があり、既存の職能にとらわれない、これからの時代に求められる働き方を共に作り出そうという熱意のある方も歓迎します。


桐山啓一 / Airhouseが設計した、愛知の住宅「豊橋の家」です。
愛知県豊橋市における住宅の計画。
南と西はコンビニやその駐車場、北は住宅が隣接した東接道の敷地である。ここでは、どのようにプライバシーを確保しながら明るく開放的な住空間を確保できるかを考えた。
菊竹清訓の「旧都城市民会館」を3次元スキャンしたデータから制作したモデルを、ARでリアルタイムに切断して断面表示する様子の動画が、twitterに投稿され2000以上のいいねが付くほど話題になっています。藤原龍が投稿したものです。この試みは、弊サイトでも紹介したgluonによる、「旧都城市民会館」を3次元スキャンで記録するプロジェクトを発展させたものと思われます。デジタルでの保存観点のみならず、建築を伝える新たな方法としても興味深いテクノロジーと言えるでしょう。
1億ポリゴンなAR、出来てしまった。
地下から屋根裏まで、
全部入りな旧都城市民会を輪切りに。#AzureRemoteRendering の力すごい。#HoloLens2 pic.twitter.com/jssuHyirZ4— 龍 lilea (@lileaLab) May 12, 2020
また、こちらのページでは、同モデルの内装情報込みのARの3Dモデルが新規に公開されていて、スマートフォンを使って、旧都城市民会館の内部の様子も閲覧できます。

※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。
ペンから筆へ
日本や世界の他の国々と同じように、スイスでも新型コロナウイルスの影響で、3月中旬から多くの経済活動が停滞し、外出はできるだけ自粛するよう要請されています。学校やスポーツ施設、文化施設は一ヶ月以上、閉まったままです。
人に会う際には社会的距離(2m)を保ちながら、それが難しい場合にはマスクを着用することが推奨されています。
今月11日からは、休校になっていた学校が再び始まりますが、まだまだ気の抜けない日々が続きそうです。この状況に憂うことなく、こうして社会が変化していく時に、何か今後のきっかけになるような物事ができないかとポジティブに捉え、模索しているところです。(2020年5月4日現在)
僕たちズントー事務所はといえば、全スタッフが9箇所のワークスペースにプロジェクト毎に分かれて配置され、それぞれ3人程度の小さなチームで作業をしています。
僕自身も新しく決まったワークスペースにパソコンを運び入れ、プロジェクトの縮尺1/10模型をチームメイトが作り上げていくのを傍目に、図面を描きながら、オンラインミーティングをしている日々です。
PC画面の図面を共有しながら、イメージを見せながらの設計作業は、参加している全員が限られた情報(ディスプレイ)に集中することができるので、慣れてしまうとそれはそれで効率がよくなっていくのを感じています。
そんな日々を送っていますが、今回は3つの事務所建築を時系列に追いながら、ズントーの変化について考えていこうと思います。
«アトリエを行き来して生活する»
今、ハルデンシュタイン村にある事務所の前面道路の大工事が行われています。
昨年、村の中心にあるお城の傍に2棟の新築集合住宅が建ちました。その地下に建てられたDistrict heating (地域熱供給)に村全体がアクセスできるように、いたるところで道路下のパイプ工事が行われているのです。
普段事務所へ通っている道が封鎖され、木造アトリエの隣にあった空き地に臨時駐車場ができ、そこから事務所へ向かうことになりました。簡単にいえば、今までは上の道から向かってきたのが、下の道から登ってくるようになった。ということになります。
以下の写真はクリックで拡大します
それは、とても新鮮な出来事でした。
今まで見てきた、通ってきた道が変わるだけで、こんなにも周りの景色が変わって見えるのか。
毎日歩く見慣れている景色の中では、些細な変化に目が行き、色々な発見をすることができますが、実は今回のように全く別の角度からの大きな変化に対しては、その存在すらなかなか気づくことができません。
道を挟んで点在する3つの事務所建築をある地点から同時に眺めることができたのは、この工事のおかげと言ってもいいくらい。1つ目の事務所から30年の月日を経て、結果としてできた3つの分棟が合わせて一つの事務所を作り上げています。
(写真の真ん中左にあるのが新アトリエ、写真中央のVWビートルの上にある黒い建物が木造アトリエ。そして写真真ん中右にあるのがコンクリートアトリエです。)

吉田昌弘 / KAMITOPENが設計した、大阪の店舗「nana’s green teaグランフロント大阪店」です。お店の場所はこちら(Google Map)。
茶の湯では、四畳半以上を広間、四畳半以下を小間と言いい、四畳半は広間にも、小間にもなりうる広さである。
小間は、台子をはじめ一切の棚物を用いないで、運び点前で使う茶室で、飾りの場所は床だけに限定されるに対し、広間では台子をはじめ種々の棚物を飾って点前をすることができる。いわば小間はわび茶の世界であり、広間は書院の世界である。
nana’s green teaうめきたグランフロント店では、四畳半以下の広さのブースを点在させ、中に入ると飾り気のない小間の空間を感じられ、外から見ると点在しているブースが広間の装飾品に見え、広さの異なる二種の茶室を感じられる空間構成を行い、現代の茶室空間を表現した。
また、今回は2013年に施工した物件の改装のため、既存のコンセプトを残しつつ、仕上げ材を変更し過去と未来をつなぐデザインを試みた。

下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsが設計した、大分・日田市の「大原参道ビル」です。
透明性の高い空間の周囲に、コンクリート格子梁によって持ち出され建築を上から包み込むような「帯」をまわして緩衝空間を設けた。物理的には屋外である緩衝空間には密に樹木が植わり、光が降り注ぐ。内部からは豊かな緑と共に、質感の強い斫り仕上のな「帯」に光の陰影が移ろい、流行によって刹那に変わりゆく服を惹き立てるための背景となる。外部から視た「帯」は雨風に晒され黒ずんでゆき、それに護られたコンクリート躯体とショップ空間がより際立っていくと考えている。建築が服の背景と化す一方、この建築の世界観に惹き込む力強い造形が内外連なるコンクリート格子梁である。その水平方向への伸びやかさと圧倒的な量感を、アプローチとなるピロティに足を踏み入れた時から体感することになる。