
高池葉子建築設計事務所 / 高池葉子+尾野克矩+草野佑による、愛知の住宅「豊田の家」です。高池は、伊東豊雄建築設計事務所出身の建築家です。
また2020年1月25日に、高池が設計した渋谷区代々木のオフィスビルの内覧会(予約不要)があり、その情報も末尾に掲載します。
愛知県豊田市に建つ、夫婦と小学生2人の子どもたちが住む家。
特徴は、内と外が移ろう通り土間と、4枚の屋根。ご主人は、映画や音楽が趣味であり、音響空間を楽しむことができる「窓のないリビング」を望んだ。
窮屈な空間にならないよう、この部屋を「蔵」と呼び、趣のある空間として考え、映画鑑賞にふさわしい暗い色の左官壁で塗り込みつつ、小さな窓を一つだけ設けた。
「蔵」は、土間を介してアクセスすることで、ほかのスペースとは独立させた。設計の段階で、一番の楽しみは子どもたちとの対話であった。
子どもたちから、こちらがはっとさせられるような意見が出て、その感性の鋭さに感心した。
上の子は、家の中に自分の家があるような独立した空間を望み、下の子は、遊び心のある空間を望んだ。
子ども部屋へはテラスを介してアクセスするようにして、「こどもの家」として独立させるようにした。子ども部屋や蔵の間に挿入された通り土間の空間は、内と外が切り替わっていくことで、内と外の「間」の空間として体験できる。
この空間は、環境や個人のプライバシーを調整できる緩衝空間となっている。
この家には、いわゆる「リビングルーム」はないが、大テーブルを設えたダイニングは、主婦と子どものための昼間の居場所、夜は家族の憩いの場になる。前面に大きくせり出した庇の下の空間は、アウトドアリビングのように使うことができる。
ここで餅つきやバーベキューを楽しんだり、子どもたちや飼い犬が走り回る。
4枚の屋根が寄り添う佇まいが、「個」のつながりという、この家族の形を表している。












