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タイプ・エービーと橋本組による、静岡・焼津市のオフィスビル「B.B.BOX やいづ」。建設会社の新社屋の計画。社員全員のプロジェクトへの関与を目指し、意見交換での与件整理や技能に合わせた作業分担で設計施工するプロセスを考案。街への貢献も意図して地上階を地域の人々に向けて開放する
タイプ・エービーと橋本組による、静岡・焼津市のオフィスビル「B.B.BOX やいづ」。建設会社の新社屋の計画。社員全員のプロジェクトへの関与を目指し、意見交換での与件整理や技能に合わせた作業分担で設計施工するプロセスを考案。街への貢献も意図して地上階を地域の人々に向けて開放する外観 photo©吉村昌也 コピスト
タイプ・エービーと橋本組による、静岡・焼津市のオフィスビル「B.B.BOX やいづ」。建設会社の新社屋の計画。社員全員のプロジェクトへの関与を目指し、意見交換での与件整理や技能に合わせた作業分担で設計施工するプロセスを考案。街への貢献も意図して地上階を地域の人々に向けて開放する1階、「Umi-Yume Hall」(エントランスホール) photo©吉村昌也 コピスト
タイプ・エービーと橋本組による、静岡・焼津市のオフィスビル「B.B.BOX やいづ」。建設会社の新社屋の計画。社員全員のプロジェクトへの関与を目指し、意見交換での与件整理や技能に合わせた作業分担で設計施工するプロセスを考案。街への貢献も意図して地上階を地域の人々に向けて開放する3階、左:コミュニケーションエリア、奥:作業エリア photo©吉村昌也 コピスト

伊藤孝紀 / タイプ・エービー橋本組一級建築士事務所が設計した、静岡・焼津市のオフィスビル「B.B.BOX やいづ」です。
建設会社の新社屋の計画です。建築家は、社員全員のプロジェクトへの関与を目指し、意見交換での与件整理や技能に合わせた作業分担で設計施工するプロセスを考案しました。また、街への貢献も意図して地上階を地域の人々に向けて開放しました。
基本設計とデザイン監修をタイプ・エービーが、基本設計と実施設計を橋本組一級建築士事務所が手掛けています。

静岡県に拠点を置く建設会社の本社オフィス計画。
設計から施工までを自社で行った。社員全員が社屋新築計画に関与できるよう、基本設計時から施工時まで部署の垣根を越えて参加できる仕組みとした。

建築家によるテキストより

基本設計時には、意見交換ワークショップを実施し、女性をはじめとした多様な人材が働きやすい環境づくりに必要な視点や、新社屋が地域に貢献できることを整理した。また、新社屋が位置する焼津市の魅力をアンケート(全社員を対象)で収集し、社員が地域に愛着を持てるよう、地域の魅力をデザインテーマに反映した。

施工段階では、ボルト締めから家具組立てまで、各々の予定や技能に合わせた作業を分担し、全社員が建設の一部に関わることのできる施工計画とした。

建築家によるテキストより

新社屋は、焼津駅前商店街と市役所、港を結ぶ動線上に位置している。

2020年頃から駅前商店街では空き店舗を活用したカフェや私設図書館が開設し、2022年には子育て施設「ターントクルこども館」が開業し、若者や子育て世代を中心とした賑わいが生まれ始めている。

その賑わいを定着させ、まちの魅力を増強させる拠点として新社屋1階を開放し、イベント等の利用にとどまらず、地域の方が自由に使える場を創出した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、建築設計・不動産事業推進・研究・広報に関わるスタッフとアルバイトを募集中
【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、建築設計・不動産事業推進・研究・広報に関わるスタッフとアルバイトを募集中
【ap job更新】 既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」が、建築設計・不動産事業推進・研究・広報に関わるスタッフとアルバイトを募集中神田錦町オフィスビル再生計画 ©楠瀬友将

既存ストック活用とエリア再生に特化した「再生建築研究所」の、建築設計・不動産事業推進・研究・広報に関わるスタッフとアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

再生建築研究所は「建築の不可能を可能に」をビジョンに掲げ、2012年に創業しました。

既存ストックの活用設計を手掛け、取り壊すしかないと言われた建築を多く残し、その場所に欠かすことができない場所として再生し、新築には生み出すことができない価値を生み出してきました。現在では、行政や企業と連携して建物のみならず周辺地域を活性化させる「エリア再生」にも力を入れ、再生建築を文化に根付かせることを目指しています。

20世紀に多く生み出されたストックは都内でも8割と言われており飽和状態にあります。新築が難しい昨今、このストックたちを負の遺産として更新するのではなく、再生により次の100年に繋ぐ新しい建築のあり方を追求しています。特殊と言われている既存ストック活用のノウハウは近い将来、職能としても必須項目となります。

建築業界はもちろんですが、古いものへの価値付けが難しい日本の不動産市場においてサイセイという新しい価値を確立するため、一緒に創造できるメンバーを広く募集します。

【体制】
プロジェクトマネージャーを筆頭にチーム制をとっています。
現在では4名のプロジェクトマネージャーのもと、4チームで業務にあたり、チームごとに複数プロジェクトを担当しています。さらに、意匠、品質、再生、構造、設備の各専門領域スタッフが統括して全プロジェクトのピアチェックを行っており、特殊な再生建築を学ぶ環境により、経験に応じて適材適所で活躍できる体制をとっています。

なお、現在では、建築の領域を超えて、土地取得やブランディング、コンサルティングといった、仕組みや運営に携わるプロジェクトも増えてきました。鉄道・不動産など異業種との提携、金融機関や大学機関と連携しながら地域創生プロジェクトや、再生を手掛けたミナガワビレッジの運営を通じたコミュニティ形成、会社の経営や組織・働き方改革等、プロジェクトチームとは別に部門を立ち上げて幅広く取り組んでいます。

そういった分野にも興味をもち、設計業務をしながら未来を見据えた新しい都市更新のあり方を探求していきたいと考える熱意のある方、いずれは独立を視野に、中長期的にパートナーとして活動していただけるような、意欲的な方を歓迎します。

ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成
ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成母屋の外観、舗装路の左側には、第2期工事として仕事場が建設される予定。 photo©高野ユリカ
ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成母屋の外観、手前の広場には、第3期工事として三軒長屋が建設される予定。 photo©高野ユリカ
ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成母屋の1階、玄関からホールを見る。 photo©高野ユリカ
ツバメアーキテクツによる、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」。山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落。移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想。第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成母屋の1階、ホールからワークスペースを見る。 photo©高野ユリカ

ツバメアーキテクツが設計した、神奈川・相模原市の「虫村 第一期工事」です。
山間部の“移住をサポートする実験場”としての集落の計画です。建築家は、移住にまつわる諸問題を解決する存在を目指し、母屋・三軒長屋・仕事場を中心とする場を構想しました。また、第1期の完成した母屋は多様な人々を迎えるホールをメインに構成されました。

虫村は、複数の住居と仕事場が同じ敷地内にある。多様な営みのある開かれた生活場をつくると同時に、地域の移住をサポートする実験場として藤野に計画中だ。母家、仕事場、三軒長屋の三棟からなり、現時点では母家が竣工しこれから他棟の工事が始まる。

建築家によるテキストより

自らも移住を検討する中で移住先探しの壁に直面した施主は、この地に家主として定住するとともに、移住初期の足掛かりとなる三軒長屋を敷地内に併設することにした。ここで移住希望者は2-3年の仮住まいをしながら、次のステップへと備える。さらにはなれとしてつくる共有の仕事場は、都市部からの短期滞在やワーケーション拠点としても使えるように計画している。都市的な暮らしと農的な暮らしの移行段階のバランスを、村を通して探っていく枠組みだ。

建築家によるテキストより

1期工事で竣工した母屋は、友人や仕事先の人を含めいろいろな人が頻繁に訪れることから、部屋の中心に大きなホールを設け、レベル差によっていくつかのまとまりが隣り合う構成とした。
ホールの端部には南北を横断するように外部から土間が入り込み、こどもたちが中庭-ワークスペース-裏の畑と行き来する遊び場をつくる。

母屋、長屋、仕事場の3棟には、共通して泥部屋と呼ばれる半屋外を設ける。泥部屋は敷地内で採れた収穫物を洗ったり干したりする農作業場であり、道具を共有する工房であり、食事や団欒など日常的な活動の場でもある。広大な杉林に囲まれた屋外にはベリーや野菜、ハーブ畑、生活排水を微生物の力で浄化するバイオジオフィルター、アウトドアキッチン、堆肥小屋等を徐々に計画中である。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/12/18-12/24]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/12/18-12/24]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/12/18-12/24)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案する
  2. 阿部悠子設計アトリエによる、熊本市の二世帯住宅「本山の自邸」。住宅等が建て込む地域に計画。近隣との距離の確保を求め、“閉じた家型のヴォリューム”の中に設けた“細長い中庭”を中心に生活が展開する構成を考案。環境との繋がり方を操作した中庭で雑多な状況も美しく見せる
  3. 井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す
  4. 諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える
  5. NOIZによる、京都市の宿泊施設「ABiz Hotel」。歴史的風情と現代の賑わいを併せ持つ地域に計画。新旧の性質の共存を求め、伝統建築の要素を抽象化して再構成したファサードを持つ建築を考案。縦格子等に“川面の揺らめき”を思い描いたデジタルパターンも用いる
  6. 佐藤信 / 青木茂建築工房による、大分の、住宅の改修「だぶるすきんの家」
  7. BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想される
  8. スキーマ建築計画の長坂常へのインタビュー「予算から自由になるための創意」。“デザイン手法”から“事務所の運営”までも語る内容。聞き手をCHArの連勇太朗が務める
  9. ザハ・ハディド事務所による、チェコ・プラハの複合ビル「マサリチカ」。歴史的な駅と一体化し公共広場も提供する建築。旧市街の建築や都市と呼応するファサードを備えると共に、ホームや駅周辺の様々な場所への交通路を再編。上層のオフィスでは各フロアから屋外テラスへの出入りも可能
  10. OMA / デイヴィッド・ジャーノッテンによる、オランダのオフィスビル「アポロラーン171」。近代的なビルと歴史的な住宅が混在する緑豊かな大通り沿いの敷地。近隣との結びつきを求め、ファサードに“ガラス”と“レンガ”を用いた二面性を持つ建築を考案。既存建物の基礎を活用し廃棄量を最小限にも抑える
  11. 三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都市の「西ノ京の家」。様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅。限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案。“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能とする
  12. 石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能
  13. 徳野由美子建築設計事務所による、福岡市の住戸改修「梅光園の家」。団地の正方形に近い形状の区画。外部環境の享受を求め、間口幅を活かしたバルコニーに面する“家族のくつろぎの空間”から光と風が住戸全体に行渡る構成を考案。明確なゾーニングは家族に必要な距離感の創出も意図
  14. 村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る
  15. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  16. 倉俣史朗の椅子「ミス・ブランチ」が、サザビーズのオークションのデザイン製品として、史上最高額で落札
  17. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
  18. 徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」。旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画。巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向。既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保
  19. 佐藤陽+馬場亮平+和田彦丸 / OOOarchitectureによる、東京・北区の「CAT TOWN GREEN HOUSE」。“最低”高さ制限のある短冊敷地に建つ“二階建”住宅。与条件となった“気積”を主要素として、施主の望んだ“猫と植物が幸せに暮らせる”空間を志向。天井高の配分と開口部の配置で“光に満ちた空間”を作り出す
  20. 原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る

バルクリシュナ・ドーシへのインタビュー動画「What is Architecture?」。プリツカー賞受賞建築家にコルビュジエの話や自作について聞いた内容。英語字幕付

バルクリシュナ・ドーシへのインタビュー動画「What is Architecture?」です。2018年のプリツカー賞受賞建築家にコルビュジエの話や自作について聞いた内容です。M+の制作で2023年12月に公開されたものです。ドーシは、2023年1月に95歳で亡くなりました。動画は英語字幕付です。

(翻訳)
故バルクリシュナ・ヴィタルダス・ドーシ(1927-2023)は、20世紀を代表するインド人建築家のひとりです。2018年プリツカー建築賞を受賞したドーシは、建築をダイナミックに進化する実践として捉え、生活を豊かにし、変革する可能性を持ち、物理的な形だけでなく、その中に埋め込まれた根本的なアイデア、意図、意味についても表現する手段を提供しました。

スイス系フランス人の建築家、都市計画家、デザイナーであるル・コルビュジエの指導を受け、ドーシは自分の建築活動に対する緻密なアプローチを培いました。2人はアーメダバードのミルオーナー協会のプロジェクトや、インドのチャンディーガルの都市計画と設計で協力することになりました。

ドーシが手がけた注目すべき設計のひとつに、アーメダバードにある学術機関CEPTのキャンパスがあります。キャンパスは、自然換気を促進し、堂々としたドアのない自由な空間を作ることで交流を育むように設計されました。キャンパスデザインに自然を取り入れるというドーシの献身は、敷地内の隅々まで樹木を配置したことに示されています。このキャンパスについて、ドーシはこう語っています。「敷地内には30~40本のマンゴーの木がありましたが、ニームの木に植え替えました。グアバの木もありました。私は、学生たちが昼食にその果物を食べることを想像していました。庭にいるような気分になるべきです。人々は木に登るべきです」

ドーシのデザインに対するユニークなアプローチは、芸術家M.F.フセインの作品を収めた地下ギャラリー、アムダバド・ニ・グーファにも表れています。このプロジェクトで、ドーシは伝統を否定し、流動性を受け入れ、光、形、構造が融合する体験的空間を作り出しました。アムダバド・ニ・グーファのデザインは、地下の洞窟や階段井戸からインスピレーションを得ており、ドーシはここで反射光を用いてソフトで優美な輝きを生み出し、彼のデザインにおいて光が中心的な役割を担っていることを強調しています。

ドーシは、建築とは単なる厳格な定義以上のものだと考えています。彼の考えでは、建築とは空間、光、ボリュームを混ぜ合わせたシンフォニーなのです。そのデザインの方法によって、彼は自然と建築の間につながりを築き、生命そのものとのつながりを表現し、人間の経験の媒体としての役割を果たしているのです。

スキーマ建築計画の長坂常による講演「Re-think」の動画。上海のイベント“Festival of Design 2023”の一環で2023年11月に行われたもの。日本語で視聴可能

スキーマ建築計画の長坂常による講演「Re-think」の動画です。上海のイベント“Festival of Design 2023”の一環で2023年11月11日に行われたものです。日本語で視聴可能です。イベントの公式サイトはこちら

【ap job更新】 “人々の心や時間を豊かにする建築”を目指す「佐藤宏尚建築デザイン」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “人々の心や時間を豊かにする建築”を目指す「佐藤宏尚建築デザイン」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “人々の心や時間を豊かにする建築”を目指す「佐藤宏尚建築デザイン」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中〈Machiya Office〉Photo : Koichi Torimura

“人々の心や時間を豊かにする建築”を目指す「佐藤宏尚建築デザイン」の、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【新たな挑戦を】
佐藤宏尚建築デザインは、新たなことにチャレンジするエネルギーに溢れた人材を募集しています。
弊社は、住宅から大規模複合施設まで、多種多様な建築を手がけ、国内外で数多く受賞するなど、高い評価を頂いてきました。
また、建築で培った思考を活かし、家具やプロダクト、新たなビジネスモデルの構築に至るまで、幅広い挑戦を行なっています。
数年前には、レザープロダクトブランド「SYRINX」を設立。ミニマルなデザインと高い機能性は、世界三大デザイン賞に輝くなど大きな注目を頂いております。

【Our Mission】
私たちは「人々の心や時間を豊かにする建築」を目指しています。
ご要望はもちろん、場所、気候、地歴、法規、予算など、複雑な課題に真摯に向き合い、奇をてらわず、論理的で誠実なアプローチを心がけています。
論理的なほど、一般的なデザインになると思われるかもしれません。
しかし、当たり前だと思っていることに対しても深く検証することで、その建築ならではの個性を創造します。
研ぎ澄まされた唯一無二の個性が、特別な体験・記憶となる建築。
それを実現すべく日々精進しています。

【Work in the forest】
私たち自身を取り巻く環境は、とても大切だと考えています。
執務空間は、素材や快適さにこだわり、東京タワー目前の便利な立地で、周囲は芝公園の豊かな緑に囲まれています。
また、ストレスなく作業できるようにハイスペックな機材も充実しています。
何より、年齢や経験に関わらず、優れたアイデアが生まれる自由闊達な社風を目指しています。

【Update ourselves】
労務環境の改善に積極的に取り組んでいます。近年、残業時間は大幅に低減し、初任給は30万円~と大幅に増額しました。

【Now in progress】
案件の多くは、設計コンペやこれまでご縁をいたいだいたクライアント様からリピートで頂いています。
現在は、高輪ゲートウェイの新築ビル、公共会館、大規模複合施設、リゾートホテル、ショッピングセンターのフルリニューアルなど、多数の刺激的でユニークな案件が進行しています。

徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」。旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画。巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向。既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」。旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画。巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向。既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保エントランスからラウンジを見る。 photo©鈴木淳平
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」。旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画。巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向。既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保ラウンジからルームF側を見る。 photo©鈴木淳平
徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEによる、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」。旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画。巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向。既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保デスクスペース photo©鈴木淳平

徳山史典+弓削純平 / UNQUOTEが設計した、宮城・仙台市のシェアオフィス「STUDIO 080 [extend]」です。
旧工場の未着手の大空間に施設を拡張する計画です。建築家は、巨大機械が主役だった場に対し、“人のための空間”へ転用する設計を志向しました。そして、既存の中に執務機能を収めた箱を“入れ子状”に配置する構成とし効率的に必要性能も確保しました。元の施設もUNQUOTEが手掛けており、特集記事として紹介しています。施設の公式サイトはこちら

仙台のコワーキングスタジオの拡張工事。
入居希望者増大につき、手つかずになっていた幅44m、奥行き13.5m、天井高15mの大空間を対象に、17室の貸事務室、貸会議室、オンライン会議のためのブース、バーカウンターのあるラウンジを新設した。

建築家によるテキストより

対象エリアは、新聞印刷用の巨大な輪転機が設置されていた機械のための空間で、オフィス空間として使うには過大、且つ、性能不足であった。2019年に完了した1期工事と同様に、「物のための空間」を「人ための空間」へ転用する事を考えた。

建築家によるテキストより

排煙、換気、採光用の窓の新設を除いて、外壁を含め大空間全体を改修する事は行わず、入れ子状に執務のための箱を計画することで、効率的に貸事務室に必要な断熱・防音性能を確保する計画とした。給排水・空調を必要とするゾーンの床を200mm上げたOAフロアとすることで、配線・配管が更新可能な設備スペースを確保した。

建築家によるテキストより
BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想される
BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想される上空からエリアを見る。 image©BRICK VISUAL
BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想されるヘルスケア施設の外観 image©ATCHAIN
BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想されるヴァジラヤーナセンターの外観 image©BRICK VISUAL
BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」。1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画。国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向。国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想されるダムの外観 image©BRICK VISUAL

BIGによる、ブータン・ゲレフーの、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」です。
1000km2を超えるエリアに新たな経済拠点を作る計画です。建築家は、国の文化や精神性に基づいた建築を目指し、地域の建材や様式を参照する建築を志向しました。そして、国際空港・水力発電ダム・人が住める橋などが構想されています。


こちらはリリーステキストの翻訳です

BIGがブータン王国ゲレフーの「マインドフルネス・シティ」を公開

3万人の聴衆を前にした第116回建国記念日の演説で、ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王陛下は、世界初のカーボンネガティブ国であるブータンの新たな経済拠点に関するビジョンを発表しました。ブータン南部のゲレフーに位置し、BIG、アラップ、シストリによる「マインドフルネス・シティ」と題された1000平方キロメートル超のマスタープランは、ブータンの文化、国民総幸福量指数(GNH)の原則、そしてブータンの強い精神的遺産に基づいています。

インドとブータンの国境に位置する未来のゲレフー特別行政区は、その立地と南アジアおよび東南アジアへの接続性を活かし、グリーンテクノロジー、教育、インフラへの投資を通じて、国の将来の成長の基礎を築き、国民に経済的機会を創出します。BIGのランドスケープとアーバンデザインチームによってデザインされたマスタープランには、新国際空港、鉄道接続、水力発電ダム、公共スペース、そして、GNHの9つの領域(心理的ウェルビーイング、健康、教育、生活水準、時間利用、生態系の多様性と回復力、良好な統治、文化の多様性と回復力、コミュニティの活力)に基づく地域の建築タイポロジーのための言語が含まれています。

山、森、川に挟まれたブータンは、国土の70%を森林が占める世界最後の生物多様性ホットスポットのひとつです。マインドフルネス・シティは、敷地内を流れる35の川や小川の流れによって形作られる、相互につながった生態系と活気ある近隣の鮮やかなタペストリーとして出現することで、この国の豊かな生物多様性を増幅させることを目指しています。その結果、リボン状の近隣地域は水田のようになり、丘から谷へと流れ落ちる都市型段丘を形成しています。街は、農村的でレクリエーションが盛んな高地から、都市的で密集した低地へと密度を増していきます。

BIGの創設者兼クリエイティブ・ディレクターであるビャルケ・インゲルスは述べます。
「ゲレフーのマスタープランは、ブータンの自然と文化に立脚しつつ、成長と革新の揺りかごになる都市を創造するという国王陛下のビジョンを具体化するものです。私たちはマインドフルネス・シティを、他のどこにもない場所として想像しています。自然が強化され、農業が統合され、そして伝統が保存されるだけでなく進化し、生き生きと息づいています。水路によって形作られたゲレフーは、自然と人々、過去と未来、ローカルとグローバルをつなぐ架け橋の土地となります。伝統的なゾン(※仏教僧院)と同様に、これらの居住可能な橋は文化的なランドマークとなり、交通インフラと市民施設を兼ね備えています。これらのうち、サンコシュ・テンプル・ダムは、都市の基本的価値を階段と踊り場からなる滝のようなランドスケープに埋め込んだもので、21世紀のタイガース・ネスト(※渓谷の高所にあるチベット仏教の寺院)のように、地球上に持続可能な人間が存在する神聖な可能性を示す人工的な記念碑となります。エンジニアリングを芸術に変え、自然の力をエネルギーに変えるのです」

【ap job更新】 地域に根を生やし、公共施設から住宅までを手掛ける「株式会社 三省設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 地域に根を生やし、公共施設から住宅までを手掛ける「株式会社 三省設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 地域に根を生やし、公共施設から住宅までを手掛ける「株式会社 三省設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中神話の里トイレ ©Fujinari Miyazaki

地域に根を生やし、公共施設から住宅までを手掛ける「株式会社 三省設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社三省設計事務所では設計スタッフ「経験者、一級建築士の有資格者」を募集します。

弊社は長崎県長崎市を拠点に、GA JAPANに掲載された「神話の里トイレ」をはじめとして、公共施設、福祉施設、住宅など大小さまざまな建築の設計・監理を手掛けています。設計プロポーザル・コンペにも積極的に参加しており、PFI事業へも参画しております。本年度も様々な公共案件の設計・監理が進行中です。業務増大に伴い新規スタッフの募集を行います。

弊社は長崎県長崎市という地方都市に拠点を置き、地元に根をしっかりと生やし、地元ならではの独特の地形や気候へ真摯に向き合うことを心掛け建築をつくってきました。小規模住宅から大規模な公共建築まで、幅広い知識・技術を習得し、基本設計から竣工までの一連の建築設計の仕事を経験できます。

長崎は海と山に挟まれた土地が多く、港から発展したまちです。一町を除いてすべての市町村が海に面し、島の数も日本一であり、港町の風景が生活の一部となって溶け込んでいます。また長崎には「和華蘭」というごちゃまぜ感が魅力のちゃんぽん文化があり、多彩で多様な文化が交わって形成された独特の街並みも数多くあります。

代表の田中健一郎は「INTERMEDIA」で設計経験を積み、2010年三省設計事務所に入所後、取締役を務め、県立ろう学校や口之津港ターミナルビル、南島原市学校給食センターの設計プロポーザルでは最優秀賞を受賞しました。現在は設計活動と同時に長崎総合科学大学建築学コースにて非常勤講師を務めています。

これからの建築を共に考え、実現し、議論していけるような意欲的な人と一緒に仕事がしたいと思っています。意欲と熱意にあふれた方々を歓迎いたします。

村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る1階、エントランスからホールを見る。 photo©橋原大典
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る2階、ショールーム photo©橋原大典
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る2階、ショールーム photo©橋原大典
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵」。伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画。既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向。新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作る2階、ショールーム photo©橋原大典

村上譲+菊田康平 / Buttondesignが設計した、東京・渋谷区のギャラリー「編阿弥庵 / AMUAMI-AN」です。
伝統と前衛を融合させるブランドの為に計画されました。建築家は、既存躯体に可能性を見いだし、施主の理念と共鳴する“新旧や素材の質の違いを融合”させる空間を志向しました。そして、新規仕上は黒和紙と白塗装に限定して不完全な状態を意図的に作りました。ギャラリーの公式ページはこちら

伝統技術ディレクター立川裕大によるプロダクトブランド「AMUAMI」。

AMUAMIは、素材に宿る命を尊重し、異なる要素を組み合わせて新しいものを生み出します。伝統と前衛を融合させ、職人の技術と最先端の技術が交わる場であり、使い手の想像力と共鳴し、共に「未来の骨董」を編んでいくことを目指すものづくりをしています。

編阿弥庵はその作品のためのギャラリーです。

建築家によるテキストより

ギャラリーとなる築50年RC造ビルの一室は、小ぶりな空間ながら2層のフロアに分かれたメゾネットタイプのつくりになっています。ビル全体で各部屋がズレた断面計画の建築になっており、限られた面積の室内にも広がりをもたらしています。解体前の視察の時点でも新築当時の設計の熱量を感じました。

幾度となくリフォームされてきた室内の解体を進めていくと純粋な構造体がむき出しとなり、当時のコンクリート型枠のズレや木レンガの埋め込み、墨出しの痕跡ですら一つの記憶としてインテリアの美しさに昇華できる可能性を感じました。

これを受けて設計を大きく変更した経緯があります。現れた躯体を再現できない唯一無二なデザイン要素と捉え、ブランドが持つコンセプトや作品と共鳴するような新旧や素材の質の違いを融合させることが今回の設計の要と考えました。

建築家によるテキストより

新たに内装に使用する素材は、大きく分けて黒い和紙と白い塗装のみとしました。この二つを床壁天井の境なく、かつ不規則に混在させる事で、不完全な状態を作為的に作り出し、それ自体をデザインの軸としています。

建築家によるテキストより
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能外観 photo©迎崇 迎写真事ム所
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能1階、エントランス photo©迎崇 迎写真事ム所
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能2階、カフェ photo©迎崇 迎写真事ム所
石嶋寿和 / 石嶋設計室による、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」。事業規模の拡大に対応する増築計画。意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案。配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能2階、ラウンジからスカイラボを見る photo©迎崇 迎写真事ム所

石嶋寿和 / 石嶋設計室が設計した、石川・小松市の「山崎設備設計新社屋」です。
事業規模の拡大に対応する増築計画です。建築家は、意思疎通の活性化での“知的生産性の向上”を求め、上階の大半をカフェやジムなどの交流空間とした建築を考案しました。また、配管等が露出された天井は“設備計画の学習素材”としても機能しています。施主企業の公式サイトはこちら

山崎設備設計は、WEBを活用した戸建住宅の設備設計業務を早期から行い、毎年業績を拡大してきた。
現在では、様々な用途にも進出し、更なる事業規模の拡大が見込まれている。今回の増築工事は、社員数の増加への対応と、社員同士のコミュニケーションの活性化による知的生産性の向上を目的としている。

建築家によるテキストより

2階は社員同士のコミュニケーションの場。スキップフロアや天井の変化で状況に応じた環境を提供する。カフェ、バー、ラウンジは、栄養満点の食事を提供する社員食堂やグラスを傾けながら熱い議論を交わす場としても利用され、スポーツジムで共に汗を流すことで、健康経営の推進や社員同士の交流が促進され、更なる業績向上寄与すると考えた。吹抜上部に浮かぶ四周ガラス張りのスカイラボは、社屋内を一望できるとともに、白山連峰の景色を同時に享受できるこの社屋一の場であり、象徴的につくりあげた。

建築家によるテキストより

均等スパンのスケルトン天井は、構造の美しさが際立ち、設備計画の学習素材としても活用している。通常は天井内に隠れてしまう、配線や配管のルート、接合方法等、実物を見て学べる設計とした。

建築家によるテキストより
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す外観 photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す1階、リビング photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」。日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画。与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案。大きな気積で家族間の“心地よい距離感”も生み出す2階、廊下2からリビングを見下ろす。 photo©渡邊聖爾

井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioが設計した、神奈川・鎌倉市の「木洞窟の住居」です。
日照が懸念される“谷”の様な敷地に計画されました。建築家は、与件の下に“明るい空間”を求め、建面を限度まで使ったヴォリュームの上階に3つの吹抜を設けて採光する構成を考案しました。また、大きな気積で家族間の“心地よい距離感”を生み出すことも意図されました。

鎌倉の古い分譲地の1区画の建替え計画である。古家付きの土地を購入し、古家を解体してからの新築計画となった。施主は、小さな子供3名と夫婦の5人家族。遊びたい盛りの活発な男の子3名が住むこと、元々庭付きのマンションで暮らしていたこともあり、庭をつくること、そして鎌倉の風致地区を満たすように敷地の周囲に空地と植栽を植えていくことが必須条件であった。

建築家によるテキストより

土地は、ゆったりと2階建てが建てられる程度に広く、角地であったため採光に関しては比較的有利であったが、南側に行くほど土地が高く、南の隣地地盤面は、計画宅地よりも約2m程度上がっていたので、1階における南側からの採光は難しい状況にあった。また、東西方向には、少し離れると小高い丘と木々があり、計画地は、谷の下にあるような状態であったため日照時間が短いことも予想された。

建築家によるテキストより

谷のような立地に明るい空間をつくりたい。そんな想いで計画はスタートした。計画としては、敷地に対する建築面積を目いっぱいにとりながら、2階には大中小の穴(吹抜)を設ける計画とした。

吹抜上部の窓を介して下階へと心地よい光を入れることで、採光面で不利な状況を解決しつつ、住空間の気積を増やして5人家族が同じ空間にいても心理的に心地よい距離感を生み出そうと考えた。

建築家によるテキストより
稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案する
稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案する外観、緑道側から見る。 photo©鳥村鋼一
稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案する1階、ダイニングからリビングを見る。 photo©鳥村鋼一
稲山貴則建築設計事務所による、神奈川・逗子市の「緑道の家」。奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画。豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築。緑道と共に過ごす生活を提案するロフト階、リビングとダイニングを見下ろす。 photo©鳥村鋼一

稲山貴則建築設計事務所が設計した、神奈川・逗子市の「緑道の家」です。
奥側で“緑道”に面する旗竿敷地に計画されました。建築家は、豊かな環境を最大限に導入する空間を求め、床レベルと窓配置等の操作で歩行者の視線を意識せず“自然を眺められる”内外の関係性を構築しました。また、緑道と共に過ごす生活を提案することも意図されました。

神奈川県逗子市の「緑道」に面した敷地に建つ家族4人のための住宅。

敷地は旗竿地で、緑道にはシダレザクラをはじめとする沢山の木々が生え、夏には蛍も飛び交う小さな小川も流れている。この緑道の環境を目一杯室内に取り込むことと、休日はハイキングに向かう人などで人通りのある緑道というパブリックな場所に配慮することを同時に検討し設計を進めた。

建築家によるテキストより

具体的には、緑道に隣接するリビングのレベルを1FLより1450mm上げ、その下には1FLより720mm下げた和室を挿入し、1FLのダイニング・キッチンとスキップフロアの関係をつくる。この床のレベル差により室内と緑道を歩く人との視線をずらし、ダイニングからはリビングと和室がバッファーとなり緑道を歩く人からの視線を遮りながら緑道の緑を眺めることのできる関係をつくった。そして南側には家の中心と少し軸をずらした三角形の大きな出窓のような空間をつくり、緑道への別の視線とハイサイド窓からの採光を獲得する。

建築家によるテキストより

「緑道」という環境に対して、床のレベル差や窓の配置、窓の向きによって程よい緑道との距離を保ちながら緑道と共に過ごす生活の提案。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “やわらかい公共性”を志向し、環境と繋がる様々な建築を手掛ける「TA+A」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “やわらかい公共性”を志向し、環境と繋がる様々な建築を手掛ける「TA+A」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “やわらかい公共性”を志向し、環境と繋がる様々な建築を手掛ける「TA+A」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中湖の駅さめうらカヌーテラス ©Shigeo Ogawa / 新建築2020年11月号 日経アーキテクチュア 2021年10月号特別版

“やわらかい公共性”を志向し、環境と繋がる様々な建築を手掛ける「TA+A」の、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

私たちTA+Aは2014年に創業し、今年で10年目を迎えました。「その先の出来事を生む建築」をテーマに、様々な用途の建築や空間を作ってきました。

特に近年は「やわらかい公共性」について意識しています。
規模の大小や使われ方も様々な建築が、まちや都市と緩やかに繋がる過程について日々考えています。中山間地の場所の魅力、長く使われるための事業性、再生が生む建築への愛着、元あった自然の継承や風景との対話など、一つ一つの建築を生み出す時に眼前にあるそういった事象たちが波紋の様に滲みあい広がりまちや都市に繋がることを、日々の些細なやりとりの中の気づきを繊細に感じながら設計をしています。

また代表は京都芸術大学大学院で地域デザインスタジオを主宰し、地域の自律性や他律性について学生と一緒にフィールドワーク等を経て考えながら日々設計業務に取り組んでいます。

建築の設計と同時に、ブランディングなどを扱い、事業や生活の仕組みを考えて提案するプロジェクトも手掛けています。その場所の持つ社会性や経済性についてクライアントとの対話を通じて、バリューを建築として見える形にし、後世に引き継ぐことを目指しています。

今年の2月にも募集をさせていただき、意欲のある若いスタッフを3名採用しました。
新卒のスタッフが殆どでしたが早速色々なプロジェクトを伸び伸びと担当してくれ、頼もしく成長しています。今年はチームで提案した兵庫県の道の駅再整備計画のプロポーザルで特定され、地域に通いながら取り組むことも経験しました。

三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都市の「西ノ京の家」。様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅。限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案。“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能とする
三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都市の「西ノ京の家」。様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅。限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案。“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能とする外観、夜景 photo©エスエス大阪 土出将也
三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都市の「西ノ京の家」。様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅。限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案。“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能とする1階、居室兼倉庫から食事場を見る。 photo©エスエス大阪 土出将也
三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所による、京都市の「西ノ京の家」。様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅。限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案。“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能とする1階、屋外デッキからサニタリールーム(離れ)を見る。 photo©エスエス大阪 土出将也

三野貞佳 / アリアナ建築設計事務所が設計した、京都市の「西ノ京の家」です。
様々な使い方を想定した“うなぎの寝床”に建つ住宅です。建築家は、限られた敷地の有効活用を求め、空間を分断しない“Y字の門型トラス”で支える建築を考案しました。また、“三枚の扉”を導入して用途に合わせた繋がり方の調整も可能としています。

場所は京都の西ノ京円町。東西にのびる丸太町通りを北へ一本入った、静かな住宅地にぽかりと取り残された小さな敷地がある。
近くに暮らすクライアントが、増えてきた自身の愛用品を収容する倉庫を建築するために買い増した敷地である。

建築家によるテキストより

敷地面積はわずか17坪。間口4m、奥行14mのうなぎの寝床。
ここに倉庫の機能に加え、寝泊まりが可能な住宅設備一式を備えた小さな住宅を建築した。また小売業を営むクライアントが気ままにワーケーションをしたり、不定期の販売イベントの開催なども想定した多様な空間のあり方を考えた。

建築家によるテキストより

主体構造は狭小地での施工性、建築コストなどを考慮し木造で建築することになった。
しかし、間口が狭く一般的な軸組構造では耐力壁により荷物を置くと使い道が限定されるだけでなく、小さな空間を分断し、より閉塞感を生んでしまう。そこで、1階の居室(+倉庫)と一部2階の一室を包括する切妻屋根で覆い、Y字に組んだ門型トラスで支える架構を考えた。

方杖がリズミカルに連続する母屋を抜けるとアウトドアキッチンを備えた中庭、そして、その奥の離れ(風呂、洗面、トイレを配備)へとつづく。この空間は3枚の扉により自由に内外を仕切り、また、開放することができる。いずれも防火袖壁又は防火塀により隣地からの延焼を防ぐことで、高い開放性を実現することができた。

建築家によるテキストより

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