五十嵐太郎による、地方の現代建築を紹介する連載「反東京としての地方建築を歩く」の1回目「現代建築のまち、黒部」が公開されています。紹介している建築の写真も多数掲載されています。
architecture archive

五十嵐淳建築設計事務所による、インスタレーション「SAPPORO ART STAGE 2018 出展作品」です。札幌駅地下歩行空間での展示の為に設計された作品です(※展示は終了しています)。
真っ白なロール紙を30メートルの距離で、両端の高さを1メートル、真ん中で70センチになるように吊り橋のように渡します。70センチの辺りに椅子を置くとテーブルのようになり、椅子に小さな階段をつけると床になり、その床に小さな椅子とテーブルを置くと部屋になります。白いロール紙にキッカケを作ることで縮尺を横断した空間が現れます。それを体験することで普段無意識に生活している自分の街や地球のスケールを意識するキッカケの展示です。
古澤大輔 / リライト_D+日本大学理工学部古澤研究室が設計した、東京の住宅「古澤邸」の動画です。


森田一弥建築設計事務所が設計した、京都・左京区の資料館「“Lattice-Pod” 朝田善之助記念館」です。施設の見学方法や場所はこちらのページで紹介されています。アーキテクチャーフォトではこの建築の構造体の様子が良くわかる現場写真も特集記事として紹介していました。あわせてご覧ください。
京都市左京区に建設された公益財団法人のための資料館である。創設者である朝田善之助の蔵書など、人権運動に関する資料の収蔵と、一般市民への資料の閲覧機会の提供を目的として建設された。社会的弱者の連帯という財団法人のアイデンティティを、小さくて弱い木材を寄せ集めた「格子」のような軸組を主体構造とすることで、建築的にも表現している。
山林で伐採されても通常は規格外のため流通しない、安価な9センチ角のヒノキ材のみを用いて、最大スパン5.4mの木造二階建ての架構を構成した。材の断面欠損を避けるため、木材どうしの接合にはあえてホゾ加工を行わず、構造用長尺ビスのみを用いて固定している。
長さの短い3~4mのヒノキ材を組み合わせているため多数の継ぎ手が生じるが、木材を何重にも重ねて用いることで継ぎ手の位置を分散させ、構造的な冗長性を高めている。と同時に、積層された大量の木材が生み出す空間の重厚さがこの建築の空間の特徴となることも期待している。

北村直也建築設計事務所が設計した、愛知・額田郡の「幸田町の住宅」です。
計画地は名古屋南方の幸田町、幹線道路から離れた静かで落ち着いた街区にあり近隣は小さいながらも庭を持つ木造2階の住宅が多く建ち並ぶ。周りを囲まれた旗竿地が敷地で夫婦と子供2人のための平屋建の住まいが求められた。そういった条件のもと閉鎖間を感じさせない空間をつくりたいと考えた。
僕は休みの日は時計を見ながら過ごす。時計を見ないで過ごす休日はテレビを見ながらゴロゴロして一日が終わってしまう。そんなことからせわしなく急いだりはしないが、時計を見ながらだとペースを掴むことができて自分にとっては充実して一日を過ごせる。
この住宅にとっての決まったリズムは1.82mとし柱で緩く空間を分けることで限られた空間を多様なものにしている。1.82mつまり1間はおなじみの日本の伝統的な人体モジュールとは言うものの、この建築においては場所によっては窮屈なくらいである。4人掛けのダイニングと掃出し窓の縁側スペース、座った高さの畳スペースと大きな空間となるLDKの関係など、柱により分けられたスペースがひしめき合って混じり合うことで、この住宅の個性的な空間の広がりと暮らしの賑やかさをつくりだしている。
篠原一男が設計した「東京工業大学百年記念館」と住宅の様子なども紹介したり、東工大・塩崎太伸に話を聞いている動画です。製作は中国のメディア・一条です。
スキーマ建築計画の長坂常とグラフィックデザイナーの色部義昭に、東京都現代美術館のリニューアルについて聞いたインタビュー記事と写真がpenのサイトに掲載されています。
以下は、美術館公式の改修に関するリリーステキスト。
館内外のサインを一新
目の前に広がる木場公園。その続きのように普段使いをしてもらえる美術館をコンセプトにパブリックスペースを整備しました。各施設やカフェ&ラウンジ、美術図書室などを隅々まで楽しんでいただけるよう、サインと一体的にデザインされた什器を設置し、まちに開かれた美術館を目指します。
サイン什器設計:建築家 長坂常(スキーマ建築計画)
サイン計画:アートディレクター 色部義昭
(株式会社日本デザインセンター色部デザイン研究所)
藤村龍至による、妹島和世設計の「西武鉄道 新型特急車両001系 “Laview”」に乗車した感想がtwitterに投稿されていましたのでまとめて紹介します。
妹島さん設計で話題の西武線特急ラビューに乗ってみた。入選しただけでみんな大喜び、テンション上がってる。 pic.twitter.com/oZuHXyu7Ex
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) May 5, 2019
窓台の高さが新鮮。スイスの登山電車でこういう窓を見たことがあるが、日本の日常の風景の中で見ても思ったほど不自然じゃない。室内の納まり、特に空調と照明、棚、カーテンの納まりに関しては全ての寸法に無駄がなく、心地よい。 pic.twitter.com/KcAxXTAPJc
— Ryuji Fujimura (@ryuji_fujimura) 2019年5月5日
木村松本建築設計事務所が、1924年竣工の京都の「本野精吾邸」を新事務所にすることを公表しています。本野精吾邸の写真はこちらのページなどで閲覧できます。本野についてより詳しく知りたい方は、こちらのPDFに詳細にまとまっているので閲覧をお勧めします。

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2019/4/29-5/5)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページ右下の「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
1、「新・前川國男自邸:新しい住まい手を募集しています」(住宅遺産トラスト)
2、手塚貴晴+手塚由比 / 手塚建築研究所のウェブサイトがリニューアル
3、大西麻貴+百田有希、能作淳平、魚谷繁礼、増田信吾+大坪克亘を取り上げた、TOTO通信2019年春号「客を招く間取り」のオンライン版
4、菅原大輔 / SUGAWARADAISUKE 建築事務所が運営する、調布の「FUJIMI LOUNGE」が5/24にオープン予定
5、ジャン・ヌーベルによる、キプロス大学の新しい学習資料センターの写真
6、大西麻貴+百田有希 / o+hの設計で完成した、滋賀の「多賀町中央公民館」の写真
7、納谷建築設計事務所による東京・武蔵野市の集合住宅の改修「武蔵野リノベーションプロジェクト」の写真
8、乾久美子と中山英之によるトークイベント「建築のそれからにまつわるArchitects」が開催
9、秋田を拠点とし35年前から環境負荷の少ない住宅に取り組む建築家・西方里見を囲む座談会「寒冷地の建築実践から考えるエコロジー」
10、中川エリカの、詳細な建築模型の写真も閲覧可能な新サイトが公開
11、中川エリカによる提案とテキスト「もしも交差点がパブリック・キッチンになったら」
12、ランドスケープデザイナーの熊谷玄へのインタビュー「ランドスケープデザインに求められるおおらかさと謙虚さ。」
13、塚本由晴と中谷礼仁の対談『生環境の環を歩きながら 「地球の声」に耳を澄ます』の内容
14、建築家・美術研究者の砂山太一へのインタビュー「多様性の対極にあるデータを、寛容にならざるを得ない建築といかに接続させるか。」
15、長坂常 / スキーマ建築計画による、京都左京区南禅寺草川町の「ブルーボトルコーヒー京都カフェ」
16、髙田浩一 / KOICHI TAKADA ARCHITECTSによる、ヌーベルのカタール国立博物館内のショップの写真
17、日埜直彦へのインタビュー「サバイバルから生まれる建築の規則性」
18、藤本壮介が津田塾大学のマスタープラン策定業務の「マスターアーキテクト」に選定
19、青木淳による東京藝大での講義「表面の論理」の参加者達の感想
20、西澤俊理 / NISHIZAWAARCHITECTSによる、ベトナムの多世帯住宅「チャウドックの家」
ジャン・ヌーベルが設計した、キプロス大学の新しい学習資料センターの写真が20枚、designboomに掲載されています。
以下は、建設中の建物を空撮した動画。
髙田浩一 / KOICHI TAKADA ARCHITECTSによる、ヌーベルのカタール国立博物館内のショップの写真がarchidailyに掲載されています
オーストラリア・シドニーを拠点とする髙田浩一 / KOICHI TAKADA ARCHITECTSが設計した、ジャン・ヌーベル設計のカタール国立博物館内のショップの写真が19枚、archidailyに掲載されています。髙田の日本語でのインタビュー記事はこちらに。
以下はプロジェクトを解説する動画。
秋田を拠点とし35年前から環境負荷の少ない住宅に取り組む建築家・西方里見を囲む座談会「寒冷地の建築実践から考えるエコロジー」が建築討論に掲載されています。座談会の参加者は西方里見・能作文徳・吉本憲生・川井操・辻琢磨。
西方里見
1951年秋田県能代市生まれ。建築家。1975年室蘭工業大学建築工学科卒業。1975年青野環境設計研究所を経て、1981年西方設計工房開所。1993年西方設計に組織変更。2008年「サスティナブル住宅賞」国土交通大臣賞、「東北建築賞」作品賞受賞(設計チーム木)、「JIA環境建築賞」優秀賞(設計チーム木)他受賞。主な著書に『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』、『「外断熱」が危ない!』、『プロとして恥をかかないためのゼロエネルギー住宅のつくり方』(ともにエクスナレッジ社)など。
建築家のリズ・オグブによるTEDでのトーク「ジェントリフィケーション(地域の高級化)が、住民の追い出しではなく癒しであったら?」の動画です。
リズ・オグブは「空間の公正さ」の実現に取り組んでいる建築家です。「空間の公正さ」とは、公正の判断には地理的要素があり、資産やサービスを平等に配分するのは基本的人権であるという考え方を指します。彼女はサンフランシスコで、「ジェントリフィケーション(地域の高級化)」が原因で起こる、開発と発展により地域から貧しい人が追い出されるという、よくあリすぎる話に異議を唱えます。彼女はこう問いかけます。「何故 文化の抹消と経済的手段を喪失することは免れぬことされるのでしょう?」そして開発業者や建築家、政策立案者にこう訴えます。「人々がこの地域、自分の家やコミュニティーといった、自分らしさを感じる場所で暮らし続けられるように、全力で取り組んでほしい」と。
建築家・美術研究者の砂山太一へのインタビュー「多様性の対極にあるデータを、寛容にならざるを得ない建築といかに接続させるか。」がAGCのウェブサイトに掲載されています。
砂山 太一 すなやま たいち
1980年京都府生まれ。2004年多摩美術大学彫刻学科諸材料専攻卒業、同年渡仏。建築学校にてコンピュータプログラミングを介して建築形態をつくりだす研究を行うとともに、建築設計事務所Jakob + Macfarlaneや構造設計事務所Bollinger + Grohmannで勤務・協働し、2011年帰国。2016年東京藝術大学大学院美術研究科建築(構造計画)研究領域博士後期課程学位取得。現在、東京と京都に設計制作スタジオをかまえつつ、京都市立芸術大学芸術学研究室において「芸術と社会」ゼミの他、現代芸術論、デザイン論講義を担当するなど理論的展開を行っている。