

all photos©長谷川健太
松島潤平建築設計事務所が設計した、東京の住居・料理教室スペース「TETOTETO」です。
長さ12.5m・高さ2.4mに及ぶ巨大な壁面収納のほか、間仕切り壁と建具も造作家具工事で製作されている。材料自体はラワン製の合板と有孔ボードという安価でラフなものであるが、家具工事ならではの非常に丁寧な細工が施されている。物だけでなく各個室も棚のなかに納まっているようなデザインとして、建物というよりも家具のなかに入り込んだような、繊細なスケールを持った居住空間をつくった。
リノベーションにおける家具・什器製作は、工事費削減のため家具業者ではなく大工仕事による内装工事となることが多い。しかしむしろ内装工事をできるかぎり圧縮し、家具工事を内装の範疇までシステマティックに肥大化させることによって、経済性のバランスを取りながら、工芸品に近しい高精度の住空間を実現した。






