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大松俊紀アトリエによる「PENG-01」。建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。“椅子という束縛”から離れた存在を求め、“脚・座面・背板”という構成要素を曖昧にするデザインを志向。素材の特性を最大限に生かした形状を模索
大松俊紀アトリエによる「PENG-01」。建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。“椅子という束縛”から離れた存在を求め、“脚・座面・背板”という構成要素を曖昧にするデザインを志向。素材の特性を最大限に生かした形状を模索 photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる「PENG-01」。建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。“椅子という束縛”から離れた存在を求め、“脚・座面・背板”という構成要素を曖昧にするデザインを志向。素材の特性を最大限に生かした形状を模索 photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる「PENG-01」。建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環。“椅子という束縛”から離れた存在を求め、“脚・座面・背板”という構成要素を曖昧にするデザインを志向。素材の特性を最大限に生かした形状を模索 photo©大松俊紀

大松俊紀アトリエが設計した「PENG-01」です。
建築家が継続的に探究するアルミ製椅子の一環として作られました。建築家は、“椅子という束縛”から離れた存在を求め、“脚・座面・背板”という構成要素を曖昧にするデザインを志向しました。また、素材の特性を最大限に生かした形状も模索されました。

背板のないスツール以外では、椅子は基本的に、脚、座面、背板という三つの部分が存在することが多い。
この三つの関係が曖昧になればなるほど、椅子は椅子という束縛から離れていく。

建築家によるテキストより

今回最初に思いついたのが、脚と背板が連続し「r」を描いたような断面形状であった。
そしてこの形が三つ集まり、「r」の形の窪みの部分だけで座面を支えることで、脚、座面、背板という三つの形が曖昧に連続し、力の流れがすぐには理解できないような一見した限りでは不安定に見える椅子がデザイン出来ないかと考えた。また同じ形が三つ集まることで、背板であった部分は肘掛けにもなり、柔らかに人を包み込むような形となった。

建築家によるテキストより

アルミニウムの溶接において、厚みを3mm以下にすると歪みの問題が生じることが経験上分かってきたので、薄くしても4mm厚を使用することが多い。今回の形状は前面の座面下が開いており、構造的な不安が残っていた。最初に図面化した際に、側板をとりあえず5mm厚で設定し、試作を作りながら厚みを上げていくことを考えていた。

しかし、色々な製作方法の検討を重ねることで、当初の5mm厚で構造的に全く問題なく出来ることが分かった。
また意外なことに、今までデザインしてきたアルミニウム製の椅子の中で構造的に最も強い形状の一つとなり、100kgの体重が掛かっても全く問題なかったのは驚きであった。

建築家によるテキストより
ザハ・ハディド事務所による、ドア「Keller Pivotal Door」。チャリティーオークションの為の製品。事務所の特徴的な建築言語と、抽象と反復のコンセプトを融合させデザイン。金属製の象眼が流動的な幾何学的形状を際立たせる
ザハ・ハディド事務所による、ドア「Keller Pivotal Door」。チャリティーオークションの為の製品。事務所の特徴的な建築言語と、抽象と反復のコンセプトを融合させデザイン。金属製の象眼が流動的な幾何学的形状を際立たせる photo courtesy of ZHA
ザハ・ハディド事務所による、ドア「Keller Pivotal Door」。チャリティーオークションの為の製品。事務所の特徴的な建築言語と、抽象と反復のコンセプトを融合させデザイン。金属製の象眼が流動的な幾何学的形状を際立たせる photo courtesy of ZHA

ザハ・ハディド・アーキテクツがデザインした、ドア「Keller Pivotal Door」です。
チャリティーオークションの為の製品です。建築家は、事務所の特徴的な建築言語と、抽象と反復のコンセプトを融合させデザインしました。また、金属製の象眼が流動的な幾何学的形状を際立たせる事も意図されました。このプロダクトのオークションサイトはこちら

こちらはリリーステキストの翻訳です

ザハ・ハディド・アーキテクツによるケラーのための特注ピボット・ドアが、乳がん研究支援のためにオークションに出品される

ケラー社は、ザハ・ハディド・アーキテクツがデザインした特注のピボット・ドアのオンライン・オークションを開催しています。このチャリティーオークションは2023年2月28日まで入札が可能で、乳がん研究機関を支援する予定です。

実質的にフレームレスの窓やドアを製造しているケラー・ミニマム・ウィンドウは、専門職人による長年の製品イノベーションとプロジェクト経験で培われた高度なエンジニアリングと技術で設計されています。

ザハ・ハディド・アーキテクツのアソシエイト・ディレクターであるファビアン・ヘッカーは説明します。
「このユニークなデザインは、当スタジオの特徴的な建築言語と抽象および反復のコンセプトを統合し、ケラーのフレームレス・ピボット・システムの特性を最適化して、回転することで外観が変化する立体的なパネルを作り出したものです。ドアの彫刻的なレリーフに含まれる豊かな金属製の象眼は、デザインの流動的な幾何学的形状を際立たせています」

このエクスクルーシブなザハ・ハディド・アーキテクツによるデザインへの入札は、2023年2月28日(火)午後8時(※中央ヨーロッパ時間)まで、ケラー・チャリティーオークションのウェブサイトからオンラインで行うことができます。

2023年2月28日、オークションの最後の60分間がライブ配信され、最高入札者がザハ・ハディド・アーキテクツが設計した特注ピボット・ドアの落札者として発表される予定です。落札者は、このユニークなデザインを新居の玄関ドアとして設置したり、自宅の壁面レリーフとして飾るかを選択することができます。

ルクセンブルクに拠点を置くヴァルフィダス社とアルクグループの一員として、ケラー社は落札金額の全額をルクセンブルク癌財団に寄付する予定です。

大松俊紀アトリエによる、椅子「ARK01」。自身設計のアルミ椅子の“木製”ヴァージョン。経験の中でアルミ材料の木材への“置き換え”の可能性に気づき、合板の厚みや細部の調整で実現。座面の裏側の塗装で“浮遊感”を増し円弧の存在を強調
大松俊紀アトリエによる、椅子「ARK01」。自身設計のアルミ椅子の“木製”ヴァージョン。経験の中でアルミ材料の木材への“置き換え”の可能性に気づき、合板の厚みや細部の調整で実現。座面の裏側の塗装で“浮遊感”を増し円弧の存在を強調 photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる、椅子「ARK01」。自身設計のアルミ椅子の“木製”ヴァージョン。経験の中でアルミ材料の木材への“置き換え”の可能性に気づき、合板の厚みや細部の調整で実現。座面の裏側の塗装で“浮遊感”を増し円弧の存在を強調 photo©大松俊紀
大松俊紀アトリエによる、椅子「ARK01」。自身設計のアルミ椅子の“木製”ヴァージョン。経験の中でアルミ材料の木材への“置き換え”の可能性に気づき、合板の厚みや細部の調整で実現。座面の裏側の塗装で“浮遊感”を増し円弧の存在を強調 photo©大松俊紀

大松俊紀アトリエが設計した、椅子「ARK01」です。
自身設計のアルミ椅子の“木製”ヴァージョンとして計画されました。建築家は、経験の中でアルミ材料の木材への“置き換え”の可能性に気づき、合板の厚みや細部の調整で実現させました。また、座面の裏側の塗装で“浮遊感”を増し円弧の存在を強調する事も意図されました。アーキテクチャーフォトでは、元となったアルミ椅子「After Dark」も特集記事として紹介しています。

2022年に発表したAfter Darkの木製ヴァージョンである。

建築家によるテキストより

アルミニウムで椅子をデザインし始めて6年目となるが、椅子の形状によっては、少し厚みを変えるだけで、合板でも同じデザインが成り立つことが次第に分かってきた。特に「After Dark」のように、平板が中心の形状や、曲面を使用していても二次曲面であり、その接合部が金属溶接のように一体化しなくてもよい場合、合板に置き換えやすい。

建築家によるテキストより

それに、アルミニウムの椅子をデザインしている際も、形状を最終決定する前に、毎回のように合板で実物大のモックアップを作っている。「After Dark」のモックアップを制作していた際、アルミニウムを前提とした合板の厚みでは、揺れが大きいものの、少し厚みを変えれば、合板で成り立つであろうと予測はしていた(合板のモックアップは、2022年3月の個展で展示している)。また、アルミニウムでは得ることが出来ない多少の揺れも、合板の特徴だと感じていた。

建築家によるテキストより
吉岡徳仁による、東京・銀座の店舗「ISSEY MIYAKE GINZA / 442」。イッセイミヤケの為にデザイン。“未来的なイメージ”の空間で、ブランドの“革新的な服作り”と“フィロソフィー”を表現。環境に配慮した“リサイクルアルミニウム”を特殊な製造技術で成形して使用
吉岡徳仁による、東京・銀座の店舗「ISSEY MIYAKE GINZA / 442」。イッセイミヤケの為にデザイン。“未来的なイメージ”の空間で、ブランドの“革新的な服作り”と“フィロソフィー”を表現。環境に配慮した“リサイクルアルミニウム”を特殊な製造技術で成形して使用 photo courtesy of 吉岡徳仁デザイン
吉岡徳仁による、東京・銀座の店舗「ISSEY MIYAKE GINZA / 442」。イッセイミヤケの為にデザイン。“未来的なイメージ”の空間で、ブランドの“革新的な服作り”と“フィロソフィー”を表現。環境に配慮した“リサイクルアルミニウム”を特殊な製造技術で成形して使用 photo courtesy of 吉岡徳仁デザイン
吉岡徳仁による、東京・銀座の店舗「ISSEY MIYAKE GINZA / 442」。イッセイミヤケの為にデザイン。“未来的なイメージ”の空間で、ブランドの“革新的な服作り”と“フィロソフィー”を表現。環境に配慮した“リサイクルアルミニウム”を特殊な製造技術で成形して使用 photo courtesy of 吉岡徳仁デザイン

吉岡徳仁がデザインした、東京・銀座の店舗「ISSEY MIYAKE GINZA / 442」です。
イッセイミヤケの為にデザインされました。デザイナーは、“未来的なイメージ”の空間で、ブランドの“革新的な服作り”と“フィロソフィー”を表現する事を意図しました。また、環境に配慮した“リサイクルアルミニウム”を特殊な製造技術で成形して使用しています。
開店日は、2023年2月3日(※予約制での入店とのこと)。店舗の公式ページはこちら

空中を浮遊する衣服。
空間を突き抜ける帯状のアルミニウムウォール。

デザイナーによるテキストより

未来的なイメージを表現したこの空間は、イッセイミヤケの革新的な服作りとフィロソフィーを表している。
まるで衣服が空中に浮遊するように、帯状にはりめぐらされたアルミニウムウォールが空間を突き抜けるようなデザイン。

デザイナーによるテキストより

環境に配慮されたリサイクルアルミニウムを特殊な製造技術で成形することによりデザインされたこの空間は、ミニマムでありながらも造形的で未来を感じさせる空間を生み出している。

デザイナーによるテキストより
トーマス・へザウィックが、2022年にTEDで行った講演「『退屈な建築』が台頭するいま、人間性あふれる建築を擁護する」の動画(日本語字幕付)

トーマス・へザウィックが、2022年にTEDで行った講演「『退屈な建築』が台頭するいま、人間性あふれる建築を擁護する」の動画です。日本語字幕付です。

かつての建物の凹凸はどこに消えたのか?街の建物は一体いつからこうも、、凡庸になってしまったのか?都市にはなぜ想像を掻き立てる建物が必要かについて話す デザイナーのトーマス・ヘザーウィックが、都市の単調さという沈滞状態を抜け出す道筋と、人々が何世紀にも渡って大切にするであろう、感情のこもった建物で満たされた都市の構想を提案します。

妹島和世による、腕時計「オクトフィニッシモ 妹島和世 限定モデル」。ブルガリの為にデザイン。“人と環境の繋がりを作る”という建築思想を反映させ、使用する人や状況によって表情が変わるプロダクトを志向。全面研磨でのミラー効果とドットパターンが特徴
妹島和世による、腕時計「オクトフィニッシモ 妹島和世 限定モデル」。ブルガリの為にデザイン。“人と環境の繋がりを作る”という建築思想を反映させ、使用する人や状況によって表情が変わるプロダクトを志向。全面研磨でのミラー効果とドットパターンが特徴 photo courtesy of ブルガリ
妹島和世による、腕時計「オクトフィニッシモ 妹島和世 限定モデル」。ブルガリの為にデザイン。“人と環境の繋がりを作る”という建築思想を反映させ、使用する人や状況によって表情が変わるプロダクトを志向。全面研磨でのミラー効果とドットパターンが特徴 photo courtesy of ブルガリ
妹島和世による、腕時計「オクトフィニッシモ 妹島和世 限定モデル」。ブルガリの為にデザイン。“人と環境の繋がりを作る”という建築思想を反映させ、使用する人や状況によって表情が変わるプロダクトを志向。全面研磨でのミラー効果とドットパターンが特徴 photo courtesy of ブルガリ

妹島和世による、腕時計「オクトフィニッシモ 妹島和世 限定モデル」です。
ブルガリの為にデザインされました。建築家は、“人と環境の繋がりを作る”という建築思想を反映させ、使用する人や状況によって表情が変わるプロダクトを志向しました。全面研磨でのミラー効果とドットパターンが特徴となっています。

「オクト フィニッシモ 妹島和世 限定モデル」は、素材と透明性、そして見えるものと見えないものとのコントラストに着目し、氏の作品に共通する美的なスタイルを映し出します。強いミラー効果を放つサファイアクリスタルのダイアルが配され、妹島氏がデザインしたドットパターンが豊かな表情を添えます。ポリッシュ加工が施されたステンレススティール製のケースとブレスレットが、その魅力をさらに高めます。

リリーステキストより
吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」。東京駅前の商業施設の出入口に計画。平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作。太陽光・夕日・夜景を反射し多様に輝きが変化
吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」。東京駅前の商業施設の出入口に計画。平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作。太陽光・夕日・夜景を反射し多様に輝きが変化 photo©Kaku Ohtaki
吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」。東京駅前の商業施設の出入口に計画。平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作。太陽光・夕日・夜景を反射し多様に輝きが変化 photo©Kaku Ohtaki
吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」。東京駅前の商業施設の出入口に計画。平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作。太陽光・夕日・夜景を反射し多様に輝きが変化 photo©Kaku Ohtaki

吉岡徳仁による、東京ミッドタウン八重洲での作品「STAR」です。
東京駅前の商業施設の出入口に計画です。デザイナーは、平和への願いを込めて構想し、2000を超えるテンレスミラーのロッドを集結させて制作しました。そして、太陽光・夕日・夜景を反射し多様な輝きの変化も意図しました。東京ミッドタウン八重洲は、2022年9月17日から一部施設がオープンするとの事。

日本の玄関である東京駅。
その東京八重洲に計画されているTOKYO MIDOWN YAESUに、吉岡徳仁の新作「STAR」が設置公開されます。

デザイナーによるテキストより

10mに及ぶこの巨大な彫刻は、まるで結晶化するように、ステンレスミラーのロッドを集結させ、輝きを放つ“光の彫刻”を生み出しています。

デザイナーによるテキストより

8角形に型どられた、2000を超えるのステンレスミラーのロッドは、太陽の光をランダムに反射し環境と一体化することで、日中には太陽光を反射し、夕日の中では美しい琥珀色に、また夜景の光をも映し出すことで、多様に輝きが変化する彫刻です。

この光輝く一つ星には、世界が一つになるよう、平和への願いが込められています。

デザイナーによるテキストより
深澤直人へのインタビュー「良いデザインの定義」の動画(日本語)。ルイジアナ美術館が制作公開するシリーズの一環で、仕事のプロセスや哲学に加えデザインの良し悪しについて語る

深澤直人へのインタビュー「良いデザインの定義」の動画です。ルイジアナ美術館が制作公開するシリーズの一環で、日本語で視聴可能です。

(翻訳)
「人と物、あるいは環境との関係性を引き受け、また光を当て、適切かつ最適な解決策を見出すことが私の仕事です」日本のデザインのパイオニアである深澤直人が、仕事のプロセスや哲学、デザインの良し悪しについての考えを語ります。

もちろん、深澤直人は子どもの頃から絵を描いていました。しかし、電気技師の父のもとで育った彼は、常にさまざまな道具に囲まれ、絵だけでない創造の世界を広げてきました。そして、進路を決めるとき、深澤はプロダクトデザイナーになることを決意します。「最初の10~15年は、良い形、美しい形をつくることが自分の仕事だと思っていました」「デザインは、人の好みで変わるものだと言われました。私はそう思っていません」と深澤は言い、詳しく説明します。「人の意見やセンスを聞くより、静かに観察している方がいい。きっと、すべての人に気に入ってもらえるものがあるはずです。それを普遍的と言えるかどうかはわかりません。でも、私は敢えてその直感を使って、形を与えようと思っています。黙って見せようとすることが、デザインの本質なんです」

ミニマリスティックな美学で知られる深澤は、日本を代表するライフスタイルショップ「無印良品」をはじめ、名だたる企業のプロダクトをデザインしてきました。深澤は、デザインにおけるシンプルさについて、「シンプルとは、単に形の問題ではなく、調和の問題です」と語っています。彼にとって、最高のデザインのプロダクトは、必ずしも目立つ必要はありません。「必要なときに、迷惑をかけずそこにいてくれればいいのです。静かにしていることが一番の愛情表現なのです」それをデザインで達成するために、深澤は同じ方法を用います。「人やその周り、空間、モノを観察することは、私の自然な習慣になっています」

「デザイナーがエンジニアと一緒に構造を考えると、実はこの『デザイン思考』がやりやすいんです」深澤直人のデザインプロセスで欠かせないのが、熟練した職人や技術者とのコラボレーションです。「インダストリアルデザイナーとして、デザインから工場までの工業生産プロセス全体の知識は非常に重要です」と言い、こう続けます。「デザインとは、皆が好むものを感じ取り、理解する力を持つこと。そして、それを職人や技術者に理解させること。ただ感じるだけではダメなんです。それをどう実現するかということも、デザイナーは正確に知っていなければならなりません」

(原文)
”To take the relation between people and things or the environment and shed light on it to find suitable and optimal solutions is my job.” Japanese design pioneer, Naoto Fukasawa, shares his work process, philosophies, and thoughts on good and bad design.

Of course, Naoto Fukasawa drew as a child. But growing up with a father who was an electrician, he was also constantly surrounded by different tools that opened a world to create that went beyond drawings. When the time came to choose what to study, Fukasawa decided to become a product designer. “The first ten to fifteen years, I thought that the making of good forms or beautiful forms was my job,” he explains. “I was told that designs differ according to peoples’ taste. I don’t think so,” Fukasawa says and elaborates: “Instead of asking the opinion or sense of people, it’s better to be quiet and observe. I am sure that there are things that all people will like. I don’t know if you could call it universal. But I deliberately use this intuition and try to give it a form. To keep quiet and try to show is the essence of design.”

Known for his minimalistic aesthetics, Fukasawa has designed products for several respected companies, including the iconic Japanese lifestyle store, MUJI. When talking about simplicity in design Naoto Fukasawa says: “Simple is not just a question of form, but also of harmony.” To him, the best-designed products needn’t necessarily be noticeable: “They just have to be there when you need them, without causing trouble. They show their love best by being quiet.” To achieve this in his design, Fukasawa uses the same method: “To observe people, their surroundings, space, and things have become a natural habit of mine.”

“If a designer thinks about structure together with an engineer, it’s actually easier to do this ‘design thinking’.” An essential part of Naoto Fukasawa’s design process lies within his collaboration with skilled craftsmen and engineers: “As an industrial designer, the knowledge of the whole industrial production process from design to the factory is very important,” he says and continues: “Design is to have the power to feel and understand what everybody will like. And make sure this is understood by the craftsmen or the engineers. It’s not just something you should feel. The designer should also know precisely how to realize it.”

トラフ建築設計事務所による、DIYキット「ISHINOMAKI ELEPHANT KIT」。石巻工房の為にデザイン。木製ピースでつくる“ゾウ”をモチーフにしたオブジェで、紙やすりでカスタムも可能。売上の一部は基金への寄付を通じて野生動物の保護活動に役立てられる
トラフ建築設計事務所による、DIYキット「ISHINOMAKI ELEPHANT KIT」。石巻工房の為にデザイン。木製ピースでつくる“ゾウ”をモチーフにしたオブジェで、紙やすりでカスタムも可能。売上の一部は基金への寄付を通じて野生動物の保護活動に役立てられる photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、DIYキット「ISHINOMAKI ELEPHANT KIT」。石巻工房の為にデザイン。木製ピースでつくる“ゾウ”をモチーフにしたオブジェで、紙やすりでカスタムも可能。売上の一部は基金への寄付を通じて野生動物の保護活動に役立てられる photo©小川真輝
トラフ建築設計事務所による、DIYキット「ISHINOMAKI ELEPHANT KIT」。石巻工房の為にデザイン。木製ピースでつくる“ゾウ”をモチーフにしたオブジェで、紙やすりでカスタムも可能。売上の一部は基金への寄付を通じて野生動物の保護活動に役立てられる photo©小川真輝

トラフ建築設計事務所による、DIYキット「ISHINOMAKI KOALA KIT」です。
石巻工房の為にデザインされました。木製ピースでつくる“ゾウ”をモチーフにしたオブジェで、紙やすりでカスタムも可能です。また、売上の一部は基金への寄付を通じて野生動物の保護活動に役立てられます。商品の公式サイトはこちら

木製ピースでつくるゾウのオブジェ、ISHINOMAKI ELEPHANT KIT。BIRD、KOARA、PENGUINに続く石巻工房による動物をモチーフにしたDIYキットです。

建築家によるテキストより

付属の紙やすりで思い思いに丸みをつけ、好きな色を塗れば、世界に一つだけのゾウができあがります。また、使い方に合わせて頭の角度を自由に変えることができます。

好みのポージングをとらせれば、木の温かみとゾウの多様な表情が楽しめます。

建築家によるテキストより

売り上げの一部は基金への寄付を通じて、地球温暖化に伴う野生動物の保護活動に役立てられます。

建築家によるテキストより
沖津雄司 / YUJI OKITSUによる、インテリアオブジェ「FOCUS」。モビール状に吊ったレンズに照明を組み合わせた製品。場の光・空気・風景の再構築を行い、変化に呼応した新たな光景を生成。商品化にあたりディテールを洗練させコンセプトを強化
沖津雄司 / YUJI OKITSUによる、インテリアオブジェ「FOCUS」。モビール状に吊ったレンズに照明を組み合わせた製品。場の光・空気・風景の再構築を行い、変化に呼応した新たな光景を生成。商品化にあたりディテールを洗練させコンセプトを強化 photo©DCW editions PARIS
沖津雄司 / YUJI OKITSUによる、インテリアオブジェ「FOCUS」。モビール状に吊ったレンズに照明を組み合わせた製品。場の光・空気・風景の再構築を行い、変化に呼応した新たな光景を生成。商品化にあたりディテールを洗練させコンセプトを強化 photo©DCW editions PARIS

沖津雄司 / YUJI OKITSUによる、インテリアオブジェ「FOCUS」です。
モビール状に吊ったレンズに照明を組み合わせた製品です。建築家は、場の光・空気・風景の再構築を行い、変化に呼応した新たな光景を生成する事を意図しました。また、商品化にあたりディテールを洗練させコンセプトを強化しました。ミラノサローネサテリテ2018に出展した際の記事はこちら


ミラノサローネサテリテ2018で世界初公開したオリジナルのFOCUSはモビール状に吊った複数の薄く軽い平らなレンズにLED照明を組み合わせたインテリアオブジェとして発表しました。

建築家によるテキストより

FOCUSはその場の環境を織りなす光・空気・風景の各要素に改めて焦点を当て、再構築することで、環境の変化に呼応した新たな光景を絶えず空間に作りだします。

建築家によるテキストより

DCW editions PARISとYUJI OKITSUがコラボレーションすることでプロダクトとして新たに発表するにあたり、再度検討したディテールはオリジナルよりも洗練され、さらにコンセプトが際立つ仕上がりとなりました。

建築家によるテキストより
武田清明建築設計事務所による、照明器具「石のライト」。石を無加工で用いたプロダクト。個性をもった唯一無二の製品を目指して、自然がつくる形・色・手触りに着目し構想。設置個所を“小さな石庭”に変える
武田清明建築設計事務所による、照明器具「石のライト」。石を無加工で用いたプロダクト。個性をもった唯一無二の製品を目指して、自然がつくる形・色・手触りに着目し構想。設置個所を“小さな石庭”に変える photo©浜田昌樹
武田清明建築設計事務所による、照明器具「石のライト」。石を無加工で用いたプロダクト。個性をもった唯一無二の製品を目指して、自然がつくる形・色・手触りに着目し構想。設置個所を“小さな石庭”に変える photo©浜田昌樹

武田清明建築設計事務所による、照明器具「石のライト」です。
石を無加工で用いたプロダクトです。建築家は、個性をもった唯一無二の製品を目指して、自然がつくる形・色・手触りに着目し構想しました。また、設置場所を“小さな石庭”に変える事も意図されました。暮らしの石から受注生産で販売されており、2022年7月3日に展示会が行われます(本記事末尾に詳細を掲載)。

現代わたしたちは、同じ質の物を生みだそうとするプロダクトに囲われて暮らしています。
「暮らしの石」が目指したのは、ひとつひとつ個性をもった唯一無二のプロダクト。

建築家によるテキストより

そこで着目したのが、自然がつくりだす、形、色、手触り。
どれも不揃いだからこそ個性あるものに出会う楽しさ、喜びがあります。

建築家によるテキストより

石は無加工。石のもつ“重さ”という機能で、ポール型のスタンドライトに載せるだけで場所に固定。点灯すると、陰影によって石の形の凹凸が浮き彫りになり、玄関、書斎、ラウンジの片隅、床の上、テーブルの上に、ほのかに明るい“小さな石庭”をつくりだします。

建築家によるテキストより
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Jonathan Banks
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Raquel Diniz_Heatherwick Studio
ヘザウィック・スタジオによる、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」。女王の在位70周年記念行事の為に計画。世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案。アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈 photo©Raquel Diniz_Heatherwick Studio

ヘザウィック・スタジオが設計した、イギリス・ロンドンの「Tree of Trees」です
エリザベス女王の在位70周年記念行事の為に計画されました。デザイナーは、世界中で植樹を行ってきた女王を称える為に、350本の樹木を用いた高さ21mの彫刻を考案しました。また、アルミ製の鉢と樹木は記念祭後に全国の植樹家達に贈呈されます。

こちらはリリーステキストの抄訳

バッキンガム宮殿の外には、2022年6月に行われる女王のプラチナ・ジュビリー(※70周年記念行事)の目玉として、350本のイギリス原産の樹木を使った高さ21メートルの壮大な「Tree of Trees」の彫刻が制作されます。

ヘザウィック・スタジオがデザインしたこの彫刻は、「クイーンズ・グリーン・キャノピー(QGC)」の一環として、2021年10月から2022年3月までの最初のシーズンに100万本以上の植樹を促し、全米を席巻した記念祭の楽しい植樹を反映したものです。

この彫刻は、70年の在位期間中に世界中で1,500本以上の木を植えた女王陛下を称え、この歴史的な節目の中心に木と自然の重要性を据えることを目的としています。

350本の木は、女王陛下の紋章が刻印されたアルミニウム製の鉢にセットされます。記念祭の週末が終わると、樹木は選ばれたコミュニティグループや団体に贈られ、その活動を称えるとともに、全国の次世代の植樹家たちを刺激することになります。樹木は夏の間、慎重に保管され、10月の植樹シーズンに向けて配布される予定です。選考方法の詳細については、追ってお知らせします。

クイーンズ・グリーン・キャノピーは、都市の緑化、田園地帯の再生、コミュニティの団結を支援するために活動しています。パートナーとの協力のもと、クイーンズ・グリーン・キャノピーの主要な要素として、社会経済的な困窮度が高く樹冠被覆率の低い地域での都市緑化プロジェクトを支援するプログラムがあります。トーマス・ヘザウィックとそのチームは、木と自然をデザインの中心に据えており、このテーマを忠実に反映したクリエイティブなアプローチをとっています。

この彫刻は、クリーブランド、ハル、ケンブリッジシャー、ホーブなど、地元のサプライヤーから材料と専門知識を得て、再生鋼材と新鋼材で作られています。クイーンズ・グリーン・キャノピーは、慈善事業として行われています。彫刻「Tree of Trees」は、ブルームバーグ・フィランソロピーズの支援を受けています。

トーマス・ヘザウィックは次のように述べています。
「『Tree Of Trees』を制作できることは、私たちにとって名誉なことです。350本のイギリス原産の木とリサイクルされたスチールから作られたこの構築物は、文字通り国の風景を変えようとしている素晴らしいコミュニティキャンペーンの一環として、国中の工房や苗床から集まってきています」

狩野佑真とイッセイ ミヤケのコラボによる「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」。狩野の代表作“錆の収穫”を発展。ジーンズの型を刻んだ金属パネルを様々な環境で錆びさせ、予期せぬ錆模様を発生させ“収穫”。スキャンしてデータ化の後にジャカード織で表現
狩野佑真とイッセイ ミヤケのコラボによる「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」。狩野の代表作“錆の収穫”を発展。ジーンズの型を刻んだ金属パネルを様々な環境で錆びさせ、予期せぬ錆模様を発生させ“収穫”。スキャンしてデータ化の後にジャカード織で表現Untitled (Some Rust Ⅲ #279), 2022 © Gottingham Image courtesy of Issey Miyake Inc., Studio Yumakano and Studio Xxingham photo©Gottingham
狩野佑真とイッセイ ミヤケのコラボによる「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」。狩野の代表作“錆の収穫”を発展。ジーンズの型を刻んだ金属パネルを様々な環境で錆びさせ、予期せぬ錆模様を発生させ“収穫”。スキャンしてデータ化の後にジャカード織で表現Untitled (Some Rust Ⅲ #100), 2022 © Gottingham Image courtesy of Issey Miyake Inc., Studio Yumakano and Studio Xxingham photo©Gottingham

狩野佑真イッセイ ミヤケのコラボレーションによる「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」です。
狩野の代表作“錆の収穫”を発展させたプロダクトです。デザイナーは、ジーンズの型を刻んだ金属パネルを様々な環境で錆びさせ、予期せぬ錆模様を発生させ“収穫”しました。そして、デジタルスキャンしてデータ化の後にジャカード織で表現しました。

異分野や異業種との出会いからさまざまな「ABLE」を生み出すA-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、新進気鋭のデザイナー狩野佑真氏と取り組んだ実験的なプロジェクト「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」を発表します。

宮前義之率いるエンジニアリングチームによるブランドA-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、A-POCが20年余にわたり追究してきた独自のものづくりを継承し、さらに発展させています。異分野や異業種とのワクワクするような巡り会いや発見から、A-POCの可能性をさらに引き出したい。「ABLE」ということばには、そんな思いが込められています。

ものづくりの長い歴史の中で悪者とされてきた錆。よく見ると、さまざまな色が複雑に混ざり合い、とても美しい模様を作り上げていることに気づきます。本来であれば誰もが見落としてしまう錆の模様に、狩野氏の視点と発想が加わることにより、新たな価値が生まれました。

そんな狩野氏の代表作「Rust Harvest|錆の収穫」は、錆びた金属板から錆のみをアクリル樹脂に転写する斬新な手法を用いた、オリジナルプロジェクトです。日光・雨・土・海水などの自然要素を用いて自身の手で金属板の錆を育て、そこから錆のみを剥がした金属板を再び錆びさせて、新たな錆を作り出す。まるで農作物を生産するサイクルのように錆の模様を“収穫”していきます。

今回のプロジェクトでは狩野氏の代表作「Rust Harvest|錆の収穫」からアイデアを発展させた、唯一無二のジーンズが登場します。

私たちの現代生活に欠かすことのできない存在となったジーンズは、履くたびに生地が柔らかくなり、色の変化が生じる衣服です。その変化は決してネガティブなものでなく、着用者それぞれが積み重ねてきた時間や経験を改めて振り返り味わうことのできる、価値のある変化です。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、狩野氏が錆にもたらす新たな価値とジーンズとの高い親和性を見出し、今回のプロジェクトが結実しました。

リリーステキストより
長谷川豪による、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」。ベルギーのMANIERAの為にデザイン。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、デザインの対象として軽視されている事への疑問から構想が始められたプロダクト。身の回りにある慣習的な要素に再考を促す
長谷川豪による、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」。ベルギーのMANIERAの為にデザイン。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、デザインの対象として軽視されている事への疑問から構想が始められたプロダクト。身の回りにある慣習的な要素に再考を促すAluminium, polished and varnished, L36xW45xH66cm; Seat H45cm photo©Jeroen Verrecht
長谷川豪による、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」。ベルギーのMANIERAの為にデザイン。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、デザインの対象として軽視されている事への疑問から構想が始められたプロダクト。身の回りにある慣習的な要素に再考を促すCable (silver or bronze), electrical fittings, D33xH12cm photo©Jeroen Verrecht
長谷川豪による、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」。ベルギーのMANIERAの為にデザイン。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、デザインの対象として軽視されている事への疑問から構想が始められたプロダクト。身の回りにある慣習的な要素に再考を促す photo©Jeroen Verrecht

長谷川豪がデザインした、椅子「Seatless Chair」と照明「Lamp Cable Lamp」です。
ベルギーのMANIERAの為にデザインされました。デザイナーズチェアの脚、照明のケーブルが、対象として軽視されている事への疑問から、長谷川はプロダクトの構想を始めました。これらの作品は、我々の身の回りにある慣習的な要素に再考を促します。

MADのマー・ヤンソンによる椅子「デュナーミク・チェア」と「スレッド・チェア」。サワヤ&モローニの為にデザイン。前者は、動きと流動性に詩的な焦点を当てた椅子で、座るための彫刻として構想。後者は、アルミ棒を束ねるだけで作られ、金属素材そのものを芸術表現に変えようと構想
MADのマー・ヤンソンによる椅子「デュナーミク・チェア」と「スレッド・チェア」。サワヤ&モローニの為にデザイン。前者は、動きと流動性に詩的な焦点を当てた椅子で、座るための彫刻として構想。後者は、アルミ棒を束ねるだけで作られ、金属素材そのものを芸術表現に変えようと構想デュナーミク・チェア photo courtesy of MAD
MADのマー・ヤンソンによる椅子「デュナーミク・チェア」と「スレッド・チェア」。サワヤ&モローニの為にデザイン。前者は、動きと流動性に詩的な焦点を当てた椅子で、座るための彫刻として構想。後者は、アルミ棒を束ねるだけで作られ、金属素材そのものを芸術表現に変えようと構想スレッド・チェア photo courtesy of MAD

MAD・アーキテクツのマー・ヤンソンがデザインした椅子「デュナーミク・チェア」と「スレッド・チェア」です。
イタリアのサワヤ&モローニの為にデザインされたプロトタイプです。前者のデュナーミク・チェアは、動きと流動性に詩的な焦点を当てた椅子で、座るための彫刻として構想されました。後者のスレッド・チェアは、アルミ棒を束ねるだけで作られ、金属素材そのものを芸術表現に変えようと構想されました。

こちらはリリーステキストの翻訳

2022年のミラノデザインウィークのオープニングに、MADアーキテクツのプリンシパルパートナーであるマー・ヤンソンが、サワヤ&モローニと「未来への回帰」をテーマにした2つのプロトタイプ「デュナーミク・チェア」と「スレッド・チェア」を発表しました。

デュナーミク・チェア
座るための彫刻。動き続ける空間の凍結した形。動きと流動性に詩的な焦点を当てた椅子。まるでオブジェのように、加速度と強度の痕跡を残す。エアロダイナミックで、なめらかで、カリスマ的。中空の金属製の支持脚は、彫刻を強さと均衡のとれた状態にします。肘掛けは、シンプルな曲面によって、スピード感のある前傾姿勢を作り出します。このチェアは、動き、エネルギー、空間の変化をそのフォルムに取り込んでいます。

スレッド・チェア
アルミニウムの棒を束ねるだけでつくられるスレッドチェアは、その構造と素材から有機的なフォルムと美的価値を引き出しています。不用意なラインの曲がりやユニークなカーブが、全体のフォルムに自然な形を与え、優しく繊細な網の目のようです。スリムで有機的、かつ複雑なフォルム。チェア全体が風に吹かれるようなダイナミックなポーズをとっています。金属という素材そのものを芸術的な表現に変える試みです。

この新作は、2022年ミラノデザインウィーク期間中の2022年6月7日から12日まで、ミラノのサワヤ&モローニのショールームで展示されています。著名なデザインの祭典にMADが参加するのは今年で3年目。MADが過去にデザインした「グ・チェアー」は、パリのポンピドゥー・センターのパーマネント・コレクションに収蔵されています。

ザハ・ハディド事務所によるラグコレクション。イルリアン社の為の製品。ファームの建築に関する研究と実践とメーカーの素材と製造工程に関する調査を発展させてデザイン。糸の太さや織りの工程によってもデザイン要素を表現
ザハ・ハディド事務所によるラグコレクション。イルリアン社の為の製品。ファームの建築に関する研究と実践とメーカーの素材と製造工程に関する調査を発展させてデザイン。糸の太さや織りの工程によってもデザイン要素を表現‘Perspective 01’ rug within the ‘Architectural’ collection. Photograph by Iwan Baan. Courtesy of Fondazione MAXXI.
ザハ・ハディド事務所によるラグコレクション。イルリアン社の為の製品。ファームの建築に関する研究と実践とメーカーの素材と製造工程に関する調査を発展させてデザイン。糸の太さや織りの工程によってもデザイン要素を表現‘Perpective 01’ rug within the ‘Architectural’ collection

ザハ・ハディド・アーキテクツによるラグコレクションです。
イルリアン社の為の製品です。建築家は、ファームの建築に関する研究と実践と、メーカーの素材と製造工程に関する調査を発展させてデザインしました。また、糸の太さや織りの工程によってもデザイン要素を表現しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)の新しいラグコレクションは、ヒマラヤのウールとシルクのハンドメイドで作られており、イルリアンの天然素材と織り方の複雑なクラフトマンシップと、ZHAの建築における視点、形、空間の操作性を表現しています。

コレクションのデザインを依頼されたZHAは、イルリアンのラグの素材感を追求しました。織り込まれたシルクの糸は光沢を放ち、ヒマラヤ産ウールのマットな質感と相互作用して、光の条件や視点の変化に応じてダイナミックな相互作用を生み出します。また、微妙な太さの違いにより、デザイン要素間のヒエラルキーも表現しています。

これらのコレクションは、ZHAの建築に関する研究と実践、そしてイルリアンのハンドメイドラグの素材と製造工程に関する調査から発展してきました。

「ナチュラル・フィールド」コレクションは、ヒマラヤのウールとシルクが、原毛から糸を紡ぎ、ラグを織り上げるまで、熟練の職人によって行われる過程を再解釈しています。イルリアンは、この変容を「混沌とした繊維の集合体を純粋なアートに変える」と表現しています。ZHAのデザインは、この適応から生まれ、自然界に見られる緻密で起伏に富んだネットワークを模した一連のパターンとして現れています。

「アーキテクチュラル」コレクションは、複数の伸縮する視点を用い、結び目、押し、引き、伸ばしといった織りのプロセスの物理性を探求し、最終的にそれぞれの構成を定義しています。デザインは、これらの視点を明確にし、レリーフを取り入れることで立体的な錯覚をもたらします。

「ナチュラル」と「アーキテクチュラル」というフレームワークの中で考案されたこれらの新しいコレクションは、イルリアンとザハ・ハディド・アーキテクツの作品とのコンセプト上の親和性を表現しています。

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