2024.10.26Sat
ビャルケ・インゲルス率いるBIGの、自社設計の本社ビル「BIG HQ」を紹介している動画。2024年10月に公開されたもの

ビャルケ・インゲルス率いるBIGの、自社設計の本社ビル「BIG HQ」を紹介している動画です。2024年10月に公開されたもの。デンマーク・コペンハーゲンの湾岸に建つ建築です。こちらのページで写真などの閲覧が可能です。

2024.10.25Fri
府中市美術館での展覧会「小西真奈 Wherever」の入場チケットをプレゼント。現代日本において“風景画の可能性を拡張する”画家の展示。2000年代の代表作から新作まで絵画約100点を公開
府中市美術館での展覧会「小西真奈 Wherever」の入場チケットをプレゼント。現代日本において“風景画の可能性を拡張する”画家の展示。2000年代の代表作から新作まで絵画約100点を公開展覧会ポスター(表面) image courtesy of 府中市美術館

府中市美術館での展覧会「小西真奈 Wherever」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
現代日本において“風景画の可能性を拡張する”画家の展示です。2000年代の代表作から新作まで絵画約100点を公開します。
会期は、2024年12月14日~2025年2月24日まで。展覧会の公式サイトはこちら
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年11月29日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

小西真奈は、現代の日本において、風景画の可能性を拡張しているひとりです。アメリカの美術大学で学んだ後、帰国して描いた作品が、2006年のVOCA賞を受賞します。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得ました。写真にも似た客観的描写は、個人的な思い入れなど感じさせず、穏やかに人々の記憶に語りかけます。

2010年代に生じた変化は、2020年代頭コロナ禍の時期に決定的になります。隔離生活を余儀なくされた時期に小西真奈は、自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室、あるいは近所を流れる小川を訪れ、それらの風景を描きました。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれます。絵を見るわたしたちの緊張を解くような、軽やかさとやさしさが魅力です。

本展は、小西真奈の美術館での初の大規模個展となります。2000年代の代表作を精選し、また近作と新作をたっぷりと展示します。どこででもあり、どこででもないような場所を描いた風景画を、どうぞご堪能ください。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

篠原一男の展覧会が、TOTOギャラリー・間で2025年4月-6月に開催。2025年7月-10月には「(仮)1980年以降生まれの建築家展」が行われる
篠原一男の展覧会が、TOTOギャラリー・間で2025年4月-6月に開催。2025年7月-10月には「(仮)1980年以降生まれの建築家展」が行われる篠原一男 提供:東京科学大学奥山信一研究室

篠原一男の展覧会が、TOTOギャラリー・間で2025年4月-6月に開催されます。また、2025年7月-10月には「(仮)1980年以降生まれの建築家展」が行われます。

(仮)篠原一男展
2025年4月17日—6月22日
キュレーター=奥山信一/貝島桃代/セン・クアン
アシスタントキュレーター=小倉宏志郎

(仮)1980年以降生まれの建築家展
2025年7月24日—10月19日
監修=平田晃久
アドバイザー=藤本壮介
出展者(予定)=井上 岳、棗田久美子、齋藤直紀 [GROUP]、大西麻貴、百田有希 [大西麻貴+百田有希/o+h]、桐 圭佑 [KIRI ARCHITECTS]、工藤浩平[工藤浩平建築設計事務所]、隈 翔平、エルサ・エスコベド [KUMA&ELSA]、小林広美、竹村優里佳、大野 宏[Studio mikke+Yurica Design and Architecture+Studio on_site]、小俣裕亮[小俣裕亮建築設計事務所/new building office]、小室 舞[KOMPAS JAPAN]、金野千恵[t e c o]、斎藤信吾、根本友樹、田代夢々[斎藤信吾建築設計事務所+Ateliers Mumu Tashiro]、佐々木 慧[axonometric]、佐藤研吾[一般社団法人コロガロウ/佐藤研吾建築設計事務所]、鈴木淳平、村部 塁、溝端友輔 [HIGASHIYAMA STUDIO+farm+株式会社NOD]、野中あつみ、三谷裕樹[ナノメートルアーキテクチャー]、服部大祐、新森雄大[Schenk Hattori+Niimori Jamison]、浜田晶則[AHA 浜田晶則建築設計事務所]、萬代基介[萬代基介建築設計事務所]、三井 嶺[三井嶺建築設計事務所]、山田紗子[山田紗子建築設計事務所]、米澤 隆[米澤隆建築設計事務所]

山縣洋建築設計事務所による、山梨・南都留郡の別荘「KM」。別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画。地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案。床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作る
山縣洋建築設計事務所による、山梨・南都留郡の別荘「KM」。別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画。地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案。床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作る外観、敷地内の南側より見る。 photo©Forward Stroke
山縣洋建築設計事務所による、山梨・南都留郡の別荘「KM」。別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画。地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案。床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作る外観、敷地内の南側より見る。 photo©Forward Stroke
山縣洋建築設計事務所による、山梨・南都留郡の別荘「KM」。別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画。地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案。床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作る2階、書斎側からダイニングとテラスを見る。 photo©Forward Stroke
山縣洋建築設計事務所による、山梨・南都留郡の別荘「KM」。別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画。地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案。床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作る2階、左:リビング、中央手前:ダイニング、中央奥:テラス、右:ホール photo©Forward Stroke

山縣洋建築設計事務所が設計した、山梨・南都留郡の別荘「KM 河口湖の森の家」です。
別荘が建ち並ぶ地域の開けた傾斜地に計画されました。建築家は、地形自体の“美しさ”に着目し、斜面と呼応する緩やかな勾配屋根をもつ“シンプルな直方体”を浮遊させる建築を考案しました。そして、床のレベル差と開口の配置で様々な雰囲気の場も作りました。

敷地は川口湖の近くの別荘地内にある。
別荘地の入り口から入り豊かな森を抜けて敷地に近づくと急に視界が広がる。周囲の別荘は豊かな森の中に点在しているイメージだが、この敷地だけは整地されていて南の端部に20mぐらいの高さの針葉樹が一本だけ生えていた。周囲の道路から視線を遮る樹木がないので、無条件に周囲に開放することは難しかった。

建築家によるテキストより

U字型にカーブした道路に囲まれた敷地は3.8mほどの高低差があり、すり鉢状に少しへこんだゆるやかな傾斜地となっている。初めて訪れた際にこの敷地の地形自体がとても美しいと感じた。なるべくこの地形の美しさを活かすことを考えながら設計を進めた。

建築家によるテキストより

敷地の北側に東西方向に長いシンプルな直方体が斜面に接して浮いているイメージが浮んだ。次に斜面に沿うように床にレベル差を設けて、最後に屋根も斜面と同じ方向に緩やかな勾配をつけた。平面形状もわずかに傾いた台形となっているため、見る方向により表情が変化する不思議な外形となっている。

1階のピロティー部分には2台の車が停められ、玄関、水回り、納戸がある。内部空間は最小限に抑えられ、建物のフットプリントは小さい。2階の空間はドアがなく、ワンルームの空間となっているが床のレベル差で空間は分節されながら、開口の開け方によりそれぞれ雰囲気の異なる場がつくられている。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 新しい視点で“不動産を発見”して紹介する「鎌倉R不動産 株式会社」が、建築設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 新しい視点で“不動産を発見”して紹介する「鎌倉R不動産 株式会社」が、建築設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 新しい視点で“不動産を発見”して紹介する「鎌倉R不動産 株式会社」が、建築設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中鎌倉団地 -withバスケ- 1期 [設計][施工][リノベーション]

新しい視点で“不動産を発見”して紹介する「鎌倉R不動産 株式会社」の、建築設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

鎌倉R不動産は、「東京R不動産」提携のもと、新しい視点で不動産を発見し紹介するサイトです。

現在、当社では「建築設計スタッフ」を募集しています。

業務内容は、主に鎌倉・葉山・逗子・湘南エリアの、建物の改修工事の提案や設計、図面作成、見積作成、予算管理、現場管理などです。

鎌倉R不動産で手掛ける建築の多くは、私たちがWebサイトで紹介する個性的な物件のリノベーションやリフォーム工事です。物件が個性的であれば、そんな物件に惹かれて来られるお客様も、多様な魅力と発想力をもった方々ばかり。お客様と物件を内見しながら、そこでの暮らしを形作る改修プランを、一緒に妄想することからはじめてみませんか。

建設会社の設計や施工管理の業務をされていて、一つ一つの建築に責任をもちながらもっと広く関わりたいと思われている方は、楽しく仕事ができるかもしれません。元ハウスメーカーの設計者なども活躍しています。これまでの建築業務のご経験を活かして、物件探しから建築までを楽しみたい方からのご応募をお待ちしています。

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」。湾岸沿いの敷地での計画。店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案。様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」。湾岸沿いの敷地での計画。店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案。様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図 image©Atchain
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」。湾岸沿いの敷地での計画。店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案。様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図 image©Atchain
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」。湾岸沿いの敷地での計画。店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案。様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図 image©Atchain
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」。湾岸沿いの敷地での計画。店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案。様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図 image©Atchain

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、カタールの集合住宅「ザ・グローブ」です。
湾岸沿いの敷地での計画です。建築家は、店舗が並び“交流の中心となる遊歩道”のある、先進的な冷却技術で“屋外でも快適に過ごせる”建築を考案しました。また、様々な再生可能エネルギーを取入れてラグジュアリーと持続可能の両立も意図されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です

JMJグループホールディングが、ZHAによるザ・グローブを発表
カタール、カタフィバン島北部

293戸の住居から構成され、ケタイファ湾とルサイルのスカイラインのパノラマビューを望むザ・グローブは、コミュニティの中心にウォーターフロントの遊歩道を配置して設計されています。

パッシブデザイン戦略と、現地の再生可能エネルギーによる先進的な冷却技術を組み合わせることで、住民や来訪者は、年間を通じて近隣のウォーターフロントプロムナードで屋外での生活、食事、レクリエーションを楽しむことができます。

この開発のユニークな幾何学形状を定義するファサードは、グローバル・サステイナビリティ・アセスメント・システム(GSAS)の目標であるガラス面積50%未満を満たすように設計された、垂直と水平の「くぼみ」の相互作用によって特徴づけられています。

カタールのJMJグループ・ホールディングは、ケタイファン・プロジェクツとの共同事業として、ザハ・ハディド・アーキテクツによる新しい海辺の地区とマリーナ「ザ・グローブ」を発表しました。この施設は、最高水準のデザインと持続可能性を組み込んでいます。

293戸の1~4ベッドルームのアパートメントで構成され、ケタイファ湾とルサイルのスカイラインのパノラマビューが楽しめるザ・グローブは、コミュニティの中心的存在としてウォーターフロントの遊歩道が設計されています。海岸沿いの緑の多い歩行者専用道路、ザ・グローブのウォーターフロントプロムナードには、地元のカフェやレストラン、そして地元のショップやブティックが組み込まれる予定です。これらは、世界中の魅力的な地域の活気を豊かにするものです。

パッシブデザイン戦略と先進的な冷却技術を組み合わせることで、居住者や来訪者は、年間を通じて近隣のウォーターフロントプロムナードで屋外での生活、食事、娯楽を楽しむことができます。現地の再生可能エネルギーを利用し、最適効率の為に開発されたこのシステムでは、建物から抽出された空気を事前に冷却し再利用することで、暖かい季節には遊歩道を冷やし、快適性を向上させます。

ザ・グローブの再生可能エネルギーの潜在能力を最大限に引き出しつつ、消費を最小限に抑えることで、この開発の冷房エネルギー需要は、統合された日除けと、建物から熱を逃がすように設計された基礎を含む低炭素コンクリート構造の高い熱容量によって削減されます。最適化された建物の外壁に設置された太陽光発電パネルは、高効率の地熱ヒートポンプシステムから供給されるエネルギーによって補完されます。

雨水の貯水と、その土地に適応した植物のためのマイクロ灌漑システムを併用することで、水の需要を削減することができます。また、遊歩道全体にわたって設置された太陽光発電「ツリー」のネットワークは、屋外の快適性を高め、日陰、雨水貯水、照明、再生可能エネルギー生産を組み合わせることができます。

2024.10.24Thu
鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開 image©日建設計
鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開 image©日建設計
鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開 image©日建設計

鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定されています。
計画案のコンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」です。また提案のイメージも公開されました。その他の応募者には、石本建築事務所 横浜事務所、内藤廣・松田平田設計共同企業体、隈研吾建築都市設計事務所・梓設計共同体が名を連ねていました。

※提案書の画像も追記しました(2024/10/24)

市と共に、新庁舎の基本設計を進める事業者(人・チーム)を選定するため、令和6年(2024年)9月1日(日曜日)に「新庁舎等基本設計者等選定審査会」を開催し、一次審査を通過した4者の提案について、二次審査(プレゼンテーションを含む)を実施した結果、総合的に高い評価を得た「株式会社日建設計」を最優秀提案者に決定しました。

以下に、その他の画像と審査公表を掲載します。

髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする
髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする居住前、左:ダイニング、右:リビング。 photo©大竹央祐
髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする居住前、左:寝室1・寝室2・寝室3、中央手前:リビング、中央奥:キッチンとダイニング photo©大竹央祐
髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする居住後、リビングからダイニング越しにキッチンを見る。 photo©大竹央祐
髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」。二面を外気に面した区画。開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案。用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にする居住後、ダイニングから寝室3と寝室2を見る。 photo©大竹央祐

髙濱健嗣建築設計事務所による、兵庫の住戸改修「T Flat」です。
二面を外気に面した区画での計画です。建築家は、開放的な家との要望に、水廻り等の機能を“木の箱”に集約して大きなワンルーム空間を確保する構成を考案しました。また、用途に応じてカーテンで間仕切れる仕様とし“家族の距離感”の調整も可能にしています。

築39年の鉄筋コンクリート造の3LDKのマンション一室のリノベーション。

夫婦と子供2人の家族が求めるのは、開放的な家。
開けた眺望を持つ2面採光の区画に対して、各窓から外の空気が感じられるようなカタチを想像した。

建築家によるテキストより

機能を詰め込んだ木の箱と、手掛かりとなる木の壁を配置し、そこにカーテンを引くことで、それぞれの場所を生み出すカタチ。そのカタチは、ワンルームであり、4LDKでもあるような距離感を作り出す。回遊性のあるカタチは、行き詰まりを無くし、声や気配、匂いや光を届けてくれる。

朝目覚めると、キッチン・リビングに気持ちの良い朝日が入り込み、「おはよう」の声がカーテン越しに寝室から聞こえ、洗面所から「おはよう」の声が返ってくる。お出かけして帰ってくると、窓から入り込む自然光が、玄関の方まで伸びている。お昼ごはんが出来れば、キッチンからの声や匂いが書斎に届き、みんなで食卓を囲む。「おやすみ」と先に眠る子供たちは、カーテン越しに感じる気配に安心して眠りにつく。

カーテンは遮光性の高いものとし、光のコントロールや、空調のコントロールに寄与すると共に、ほどよく音もコントロールしてくれる。

建築家によるテキストより

上階が屋外バルコニーとなっている部分には、断熱材を据え天井を仕上げることが必要となるが、木板張りや木毛セメント板、コンクリート打ち放しなど、異なる個性を持つ天井が、システマチックな十字の構造体の存在をより強調し、住居内の空間を支える力強い大黒柱のような存在へと転換される。仕上げの異なる各天井は、新しいカタチのゾーニングとリンクし、各室の性格付けの役割も果たす形式となっている。

建築家によるテキストより
2024.10.23Wed
【ap job更新】 “ローカリティと先端技術の融合”を掲げ、所属者の才能をいかした活動を心掛ける「高池葉子建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 “ローカリティと先端技術の融合”を掲げ、所属者の才能をいかした活動を心掛ける「高池葉子建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 “ローカリティと先端技術の融合”を掲げ、所属者の才能をいかした活動を心掛ける「高池葉子建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中コムレジ赤羽 photo©Kai Nakamura

“ローカリティと先端技術の融合”を掲げ、所属者の才能をいかした活動を心掛ける「高池葉子建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

みなさんこんにちは!
 

私は2008年に慶應義塾大学大学院(妹島和世研究室)を卒業し、伊東豊雄建築設計事務所で7年間働いた後(「川口市めぐりの森」「今治市岩田健母と子のミュージアム」東日本大震災の復興プロジェクト「宮城野区のみんなの家」含め計3軒の「みんなの家」などを担当)、自身の建築設計事務所を設立しました。

当所の建築コンセプトは、「前進し続ける建築」です。

初めて設計した「目黒八雲の長屋」で、「第46回東京建築賞」新人賞を受賞。2020年に公共建築プロポーザルにて選定された「陸前高田市ピーカンナッツ産業振興施設」は、2022年に完成し、震災復興や地域活性化に貢献したいという思いを新たにしました。

当事務所では、所属しているメンバーそれぞれの才能と特色を活かすことを、目指しています。そのため、作品発表時に、担当者と連名にすることがあります。

本年秋にSDレビュー展にて「ローカリティと先端技術の融合」をテーマに展示を行います。我々はRhinocerosやgrasshopperを用いて設計を行い、近年3Dデータを施工会社に渡し、施工図チェックも3Dで行うプロジェクトが増えています。先端技術を上手に使うことで、地方の土着の大工さんでも複雑な建築の施工が可能となります。同時に、大工さんからその土地固有の技術を教えていただき、それを設計に反映するというフィードバックを通して、新しい建築のあり方、新しい地方と都市の関係性を模索しています。

さらに、今後めざすものとしては、
「まち全体を活性化するにはどうしたらいいか?」「この土地をどんな風に活かしたらいいか?」といった、企画から提案するプロジェクトなども考えています。
建築のみならず、まちづくり・地域活性化の生の経験ができます。

事務所見学や不明な点はお気軽にお問い合わせください!

田根剛による、フランスでの建築展「Tsuyoshi Tane: Archaeology of the Future」。“考古学的リサーチ”を掲げる建築家の展覧会。フランス国立建築・遺産博物館を会場として、“エストニア国立博物館”を含む3つの美術館に焦点を当てる内容
田根剛による、フランスでの建築展「Tsuyoshi Tane: Archaeology of the Future」。“考古学的リサーチ”を掲げる建築家の展覧会。フランス国立建築・遺産博物館を会場として、“エストニア国立博物館”を含む3つの美術館に焦点を当てる内容 photo©Atelier Tsuyoshi Tane Architects

田根剛による、フランスでの建築展「Tsuyoshi Tane: Archaeology of the Future」です。
“考古学的リサーチ”を掲げる建築家の展覧会です。フランス国立建築・遺産博物館の近現代建築ギャラリーを会場として、“エストニア国立博物館”を含む3つの美術館に焦点を当てる内容となっています。会期は、2025年11月3日までを予定。展覧会の公式ページはこちら

Atelier Tsuyoshi Tane Architectsは、このフランス国立建築・遺産博物館より依頼を受けて、「エストニア国立博物館」の模型を寄贈しました。これを記念し、同館の近現代建築ギャラリーにて、ATTAの展覧会「Tsuyoshi Tane: Archaeology of the Future」を開催いたします。

リリーステキストより

「エストニア国立博物館」(2016年)、「弘前れんが倉庫美術館」(2020年)、「アルサーニ・コレクション財団・美術館」(2021年)の3つの異なる場所と歴史を持つ美術館に焦点を当て、場所の記憶を掘り下げ、建築を未来に向け創る思考のプロセス「考古学的リサーチ」と共に展示をします。

リリーステキストより

コンセプトリサーチ、スタディ模型とプレゼンテーション模型、そして竣工後の映像を通して、記憶とは過去のものではなく未来をつくる原動力だと考える「Archaeology of the Future-未来の記憶」を提示します。

リリーステキストより
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す外観、南側の道路より見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す外観、公園より南側ファサードを見る、夜景 photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す2階、ワークエリア(製造部・経営企画室) photo©小川重雄
キー・オペレーションとパーク・コーポレーションによる、富山市の「十全化学本社社屋」。医薬関係の製造企業の新社屋。自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案。四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出す4階、ルーフテラス photo©小川重雄

キー・オペレーションパーク・コーポレーションが設計した、富山市の「十全化学本社社屋」です。
医薬関係の製造企業の新社屋の計画です。建築家は、自由な交流の尊重を意図し、“集中”と“交流”の切替が可能となるゾーニングの建築を考案しました。また、四周のバルコニーは環境調整や気分転換の役割に加えて“陰影のあるファサード”も生み出しています。施主企業の公式サイトはこちら

十全化学は医薬原薬の受託製造などを行っている1950年に創業された富山市の企業で、神通川と富岩運河の間に位置する工業団地の中に各種プラントのある4つの工場棟、研究棟等が展開されていた。将来の事業展開の為に各建物の機能を整理し、散らばっていた事務機能、会議室、食堂を集約した新社屋が計画された。

富山は、南北にのびる本州の中央北部に位置し、立山連峰などの急峻な山岳地帯から流れ込む豊かできれいな水と、日本海に面した富山湾は豊かな自然の恵みと、漆器、薬、ガラスなど多種多様な文化と産業を生み出している。豊かな森林資源と豊かな水がもたらした北前船の水運によって「富山の売薬」を生み出した薬文化が形成された。

建築家によるテキストより

新社屋の設計を始める前に十全科学の各部署から年齢性別が多様な社員が集まり、数回に及ぶワークショップを重ねて、今回の新事務所のテーマは何か、現状の事務所の問題点、どのように改善していきたいか、新しい働き方のモデルを考えた。ワークショップで十全化学の重要なカルチャーとして認識されたのは、様々な部門の社員が自由な交流を大切にしていることだった。

しかし現状では交流を培うため場所が足りないこと、また個人が集中して作業できる場も足りないことも分かった。そのため新社屋では「集中(solo)」、「交流(collaboration)」 の「切り替え(switch)」が出来る場が実現できるようにオフィス全体のゾーニングを構築していった。

建築家によるテキストより

周りの工場群は、機能上、窓のない高い壁で覆われている。そのためそれぞれの工場の間は配管で繋がれるものの、ヒューマンスケールで繋がる空間はほとんどない。この社屋は工場棟とは対照的にガラスファサードとして周辺の工場群全てを見渡せるようにして、職員が働いている工場群と空間的に繋ぐことを試みている。さらには西側の神通川、東側の立山連峰とも視覚的に繋げて、富山全域との連続性を感じられるようにした。

ガラスファサードの前にはバルコニーを設け、仕事の合間に外に出てリフレッシュできるようにした。その結果、平滑なファサードの工場群とは対照的な陰影のあるファサードとなり、ペリメーターゾーンの環境調整装置としても機能している。バルコニーは庇のように夏の室内への日射を遮断するが、日射角度が低くなる冬は日射を取得して、冬の暖房負荷を下げる事ができる。西日が入る階段部分にはグリーンスクリーンを設置して、日射を遮るようにしている。また火災時に2つある階段に何かしらの問題があった場合でも、この全周にあるバルコニーからの救助が可能である。

建築家によるテキストより
2024.10.22Tue
【ap job更新】 商業施設を中心に、様々な用途の建築を手掛ける「NONSCALE株式会社」が、デザイナー(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 商業施設を中心に、様々な用途の建築を手掛ける「NONSCALE株式会社」が、デザイナー(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 商業施設を中心に、様々な用途の建築を手掛ける「NONSCALE株式会社」が、デザイナー(既卒・経験者)を募集中SUGOMORI

商業施設を中心に、様々な用途の建築を手掛ける「NONSCALE株式会社」の、デザイナー(既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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国内外のプロジェクトを手掛けるノンスケール株式会社が、デザイナー、シニアデザイナーを募集中

デザインが好きでデザインから実装までこだわる仲間を募集します。

誰もが利用でき人々が集う商業施設を中心に、まちづくり、オフィス、ホテル、集合住宅などの幅広い分野において、国内および海外で事業を展開する設計事務所。 「コミュニティが新しい価値と出逢うために」をミッションにデザインを探求し、あたらしい建築と空間をプロデュースする。東京本社のほか、台湾にオフィスがあり、台湾、マレーシアといった海外での案件にも携わっています。

ノンスケールという事務所名には、設計アプローチ、表現方法、デザインに至るまで、一般的な尺度にとらわれず、自由な発想で考えることが出来るような事務所にしたい、という思いが込められています。また国内外のコンペにも積極的に参加しており、ロンドンで行われた国際コンペや、東京メトロ主催の駅デザインコンペなどで最優秀賞を受賞しました。パビリオンのサイズから大型商業施設まで、スケールを問わず設計しています。

自分の仕事はこれだという枠を設けることなく、積極的にさまざまな業務に関わり、自ら学ぶことのできる、明るく好奇心旺盛な方々のご応募をお待ちしております。

【ap job更新】 味わい深く人が使いこなせる、“良い塩梅”な建築を目指す「DOG一級建築士事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 味わい深く人が使いこなせる、“良い塩梅”な建築を目指す「DOG一級建築士事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 味わい深く人が使いこなせる、“良い塩梅”な建築を目指す「DOG一級建築士事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中8.5ハウス

味わい深く人が使いこなせる、“良い塩梅”な建築を目指す「DOG一級建築士事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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DOG一級建築士事務所では設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集しています。

DOGではこれまで、味わい深く人が使いこなせる「良い塩梅」な建築・都市の設計を目指し、新しい事象、過去の知識を常に意識し、日々更新していく設計集団として活動してきました。

現在は、住宅(東京 / 神奈川 / 宮城)をはじめ、長屋(東京)、保育園(栃木 / 鳥取)、幼稚園(宮城)、福祉施設(神奈川 / 鹿児島)、オフィスビル(宮城)など、さまざまなプロジェクトが進行中です。

この度、事務所の業務拡大に伴い新たなメンバーを募集します。
経験年数によらず、能力と熱意に応じて担当を決めていくので、能動的に実務を学びやすい環境で働けるかと思います。またプロポーザルにも積極的に取り組みますので、意欲のある明るい方のご応募をお待ちしております。

【代表/齋藤隆太郎】
1984 東京都生まれ
2006 東京理科大学工学部建築学科卒業
2008 東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修了
2008-2014 株式会社竹中工務店設計部
2014 株式会社DOG一級建築士事務所設立
2015-2022 日本工学院非常勤講師
2021 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士後期課程修了 博士(工学)
2021-2022 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 特任研究員
2022-2024 東北工業大学建築学部建築学科 講師
2022-2024 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 客員研究員
2024- 東北工業大学建築学部建築学科 准教授

一色暁生建築設計事務所による、東京・新宿区の「上落合の家」。都市部の約10坪の敷地。建て込む環境を“ひと繋がりの岩山のような塊”と感じて、積上げるのではない“住宅を削り出す”ような設計を志向。シンプルな量塊の中に諸室を配置して環境と呼応する大小の窓を配置する
一色暁生建築設計事務所による、東京・新宿区の「上落合の家」。都市部の約10坪の敷地。建て込む環境を“ひと繋がりの岩山のような塊”と感じて、積上げるのではない“住宅を削り出す”ような設計を志向。シンプルな量塊の中に諸室を配置して環境と呼応する大小の窓を配置する外観、北側の道路より見る。 photo©薄田直樹
一色暁生建築設計事務所による、東京・新宿区の「上落合の家」。都市部の約10坪の敷地。建て込む環境を“ひと繋がりの岩山のような塊”と感じて、積上げるのではない“住宅を削り出す”ような設計を志向。シンプルな量塊の中に諸室を配置して環境と呼応する大小の窓を配置する1階、玄関から居間を見る。 photo©薄田直樹
一色暁生建築設計事務所による、東京・新宿区の「上落合の家」。都市部の約10坪の敷地。建て込む環境を“ひと繋がりの岩山のような塊”と感じて、積上げるのではない“住宅を削り出す”ような設計を志向。シンプルな量塊の中に諸室を配置して環境と呼応する大小の窓を配置する1階、居間から2階への階段を見る。 photo©薄田直樹

一色暁生建築設計事務所が設計した、東京・新宿区の「上落合の家」です。
都市部の約10坪の敷地での計画です。建築家は、建て込む環境を“ひと繋がりの岩山のような塊”と感じて、積上げるのではない“住宅を削り出す”ような設計を志向しました。そして、シンプルな量塊の中に諸室を配置して環境と呼応する大小の窓を配置しました。

初めてこの場所を訪れた時、そこには古い2階建ての家が建っていた。10坪の敷地めいっぱいに建てられたその家は3方を住宅に囲まれ、隣家との間に隙間はほとんどなく、どこからどこまでが一つの家か分かりにくい。周囲を見渡してみると、同じように道の両側には建物がひしめき合っている。まるで岩山のように、多様な形の建物がひと繋がりのかたまりとなって、でこぼこと続いているように見えた。

これを東京にとっての自然の姿(ネイチャー)と捉え、このネイチャーにノミを入れて大きな岩から削り出すように住宅をつくれないだろうか。何かを足して積み上げていくというのではなく、必要なものを削り出していくように。この厳しい敷地条件と限られた予算の中では、そう考えた方がうまくいくんじゃないかと思った。

建築家によるテキストより

その時思い出すのは、インドで見たエローラ遺跡のこと。
さらに言うと16窟のカイラーサ寺院のこと。巨大な一つの岩山をくり抜いて造られたその寺院は、周りにコの字形の空隙を挟みながら、3方を残された岩山に囲われている。その途方もない手仕事の結実を前にして、灼熱の太陽の下、自分が今目の当たりにしているものが果たして現実なのか幻想なのかよく分からなくなった時のことを思い出す。
その当時の技術では材料を積み上げていくより岩をくり抜く方がつくりやすかったのだろうが、こうしてできた寺院は人工物でありながら、同時に自然そのものでもあった。

この家はカイラーサ寺院のようにつくろう。もちろんそれは比喩でしかないのだけれど。実際は、一度更地にして、基礎を造って、躯体を建てて、外壁を張って、と足して足して造っていくのだけれど。でも、建て替えられた新しい家は、都市という岩山を削り出したものであるように意識した。

建築家によるテキストより

そう考えると形態はごくシンプルになる。削り出されたボリュームの内側に空間をつくり、部屋を割り当てていく。室内の随所にアールをつけ、性質の異なる空間が滑らかにつながるようにする。そして、室内から外へ向けて窓を穿っていく。北側の通りから少し東に角度を振った壁面に大きな窓をあけて空への抜けを確保する。南側には、隣家の屋根の上から光が射すように高めの位置に窓を設ける。地面に近い場所、隣家の植木が見える場所には、室内に緑の安らぎと涼やかな風を届ける地窓をつくる。

建築家によるテキストより
2024.10.21Mon
【ap job更新】 万博のプロジェクト等を手掛け、様々なアワードも受賞する佐々木慧の「axonometric」が、設計スタッフ(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 万博のプロジェクト等を手掛け、様々なアワードも受賞する佐々木慧の「axonometric」が、設計スタッフ(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 万博のプロジェクト等を手掛け、様々なアワードも受賞する佐々木慧の「axonometric」が、設計スタッフ(既卒・経験者)を募集中

万博のプロジェクト等を手掛け、様々なアワードも受賞する佐々木慧の「axonometric」の、設計スタッフ(既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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現在、axonometric株式会社では国内外で家具や住宅から商業施設まで多様な規模・用途のプロジェクトに取り組んでいます。〈2025年日本国際博覧会ポップアップステージ〉〈NOT A HOTEL FUKUOKA〉など話題のプロジェクトを手がけています。一緒に新しいものを追求する、チャレンジ精神溢れる仲間を募集します。

【代表経歴】
佐々木 慧(ささき けい)
建築家 / axonometric主宰
1987年長崎県生。九州大学卒業後、東京藝術大学大学院修了。藤本壮介建築設計事務所を経て2021年にaxonometric株式会社を設立。九州大学や九州産業大学の非常勤講師を歴任。

石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」。小さな集落の教会に隣接する敷地。維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案。島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図する
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」。小さな集落の教会に隣接する敷地。維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案。島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図する外観、東側より見る。 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」。小さな集落の教会に隣接する敷地。維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案。島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図する外観、南側より見る。 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」。小さな集落の教会に隣接する敷地。維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案。島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図する蒸留室 photo©大竹央祐
石飛亮 / WANKARASHINによる、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」。小さな集落の教会に隣接する敷地。維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案。島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図する蒸留室から開口部越しに回廊と外部を見る。 photo©大竹央祐

石飛亮 / WANKARASHINが設計した、長崎・福江島の「五島つばき蒸溜所」です。
小さな集落の教会に隣接する敷地での計画です。建築家は、維持管理をする“教会守”の様な生産所を目指し、蒸溜室を中庭に見立てて“修道院のような回廊”で囲む建築を考案しました。また、島内の素材を建材に用いて“風土や歴史”への接続も意図されました。施設の公式サイトはこちら

五島列島福江島の小さな集落に、この地域のボタニカルを使用したクラフトジンの蒸溜所をつくるプロジェクト。

建築家によるテキストより

敷地は島の中でも奥地にある半泊という集落であり、かつては潜伏キリシタンが生活していた場所であったが、現在は5世帯のみが静かに暮らしている。その名残としてこの地には、祈りの場所であるカトリック半泊教会が建っており、そこに隣接するように蒸溜所をつくる。当初は大勢いた信徒も今ではたった1人になってしまい、教会の存続も難しい状況になってしまっている。

建築家によるテキストより

ジンは元々、イタリアの修道院で薬用として生み出されたという歴史から、また隣接する教会を維持管理する教会守として寄り添うように生産を行っていくことを目指し、蒸溜室を生産の中庭と見立てて、修道院のような回廊式の建築とした。

敷地には車が1台やっと通れるような狭く険しい山道でしか辿り着けないため、大型車での材料の搬入は非常に厳しい条件であった。
一方で、蒸溜スペースには巨大な蒸留器やたくさんのタンクを収容する必要があり、柱のない気積の大きな空間が求められた。そこで、現場に搬入可能な小径材を挟み梁のようにしてアーチ状に現場で組み立てることで、プレカット工場のない島内において、できるだけ地元建材を用いながらも天井高の高い無柱空間をつくることを実現した。

また潮風に耐えるための焼杉の外壁や、地域の石を用いた教会の塀と連続する石積み壁、島内の職人によって製作されたステンドグラス、蒸留器の輸送梱包材を転用したボトルショーケースなど、可能な限り島内で自活できるような素材を使用しつつ、この地域の風土や歴史に接続した物語を包含するようなつくり方を心がけた。

建築家によるテキストより

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