


西久保毅人 / ニコ設計室による、プリズミックギャラリーでの建築展「それはあなたの言葉から 世界をHAPPYにするちいさな建築」です。
施主の発した“言葉を定規に設計”してきた建築家の展示です。建築家は、自身の手掛けた建築の“小ささ”を意識させる為に、会場の中心に“大きな猫”のオブジェを配置しました。また、子ども達でも楽しめるように“ごろごろできる”場も作りました。開催期間は、2024年10月19日まで(期間中休廊日あり)。入場無料です。展覧会の公式ページはこちら。
展示のテーマのひとつ目は、言葉です。
これまでそれぞれの建主さんに頂いたたくさんの素敵な言葉を定規に設計をしてきました。それは要望というよりも、ちょっとした雑談の際にこぼれ落ち、僕が拾い集めた言葉達です。たとえば「敷地は地球のものだと思うんですよ!」「家を作る事でご近所に貢献したいんです!」「えんがわって素敵ですね、縁のある側っていう言葉も!」「家には無駄なところもたくさん欲しいんです!」「街の子ども達が立ち寄りたくなる家にしたいんです!」などなど。
ふたつ目のの展示のテーマは、「大きいはちいさい ちいさいは大きい」です。
ちいさな建築、とは言うものの、実際はちいさな建築だって人間からしたら随分大きな存在です。そして一般的な建築の展覧会は実物を展示不可能なため、模型、写真、図面、説明文での構成になってしまいます。そこで会場の中心には、大きな猫を作りました。僕たちの暮らしや街の中で、一番身近でちいさな存在の動物である猫を、ギャラリーで一番大きな存在として拡大して作る事で、体感縮尺を反転させ建築がとてもちいさな存在に見えるといいなと考えました。
最後にみっつ目のテーマは、子ども達も楽しめるギャラリー空間です。
ギャラリーや美術館に子ども達を連れて行くと、すぐに「帰るー、もう帰るーつまんなーい」の大合唱がはじまります。僕も3人の子供達を連れて行ったギャラリーで何度イラッとされた事か。そりゃそうですよね!真っ白な音の響く空間で、大人の目線に作品が飾られ、ちょっとでも声を出したり、触ると怒られますから。座る場所も、ごろごろする場所もない。寝転んだらまた怒られる。
今回、そんな一般的なギャラリーとは真逆の空間を作りたいと思いました。