SHARE 渡辺隆建築設計事務所による、静岡・磐田市の、プロサッカークラブ・ジュビロ磐田のための施設「Jubilo Clubhouse・Athlete Center」
渡辺隆建築設計事務所が設計した、静岡・磐田市の、プロサッカークラブ・ジュビロ磐田のための施設「Jubilo Clubhouse・Athlete Center」です。
「Jubilo Clubhouse・Athlete Center」は、ユース選手など育成世代のトレーニング・宿泊のための施設です。計画地は、豊かな自然に囲まれたジュビロ磐田のトップチームのメイン練習場とクラブハウスがあるヤマハ大久保グラウンド内。ここにはトップチームの施設のほかにラグビーチームのクラブハウスと練習グラウンドがあり、市営のサッカー場「スポーツ交流の里・ゆめりあ」も隣接する、トップチームを目指す若手選手がさまざまに学びながらサッカーに没頭することができる最適な環境です。
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以下、建築家によるテキストです。
「Jubilo Clubhouse・Athlete Center」は、ユース選手など育成世代のトレーニング・宿泊のための施設です。計画地は、豊かな自然に囲まれたジュビロ磐田のトップチームのメイン練習場とクラブハウスがあるヤマハ大久保グラウンド内。ここにはトップチームの施設のほかにラグビーチームのクラブハウスと練習グラウンドがあり、市営のサッカー場「スポーツ交流の里・ゆめりあ」も隣接する、トップチームを目指す若手選手がさまざまに学びながらサッカーに没頭することができる最適な環境です。
大久保グラウンドの入り口付近に用意された建設エリアは少し特殊で、元野球場の芝生外野席の斜面(ジュビロ磐田の練習グラウンドは、野球場の形状をそのままにサッカーに転用しています)。1・2階、各階の中廊下を挟んで南側と北側、4つに分節された細長いボリュームが、この外野席の斜面をなぞるように緩やかなカーブを描き、配置されます。4つのボリュームのずれによって生まれた段差には採光と換気を兼ねた窓を設置し、すべての室内において自然換気と自然採光が可能な室内環境としています。
浴室・食堂などがある1階は、斜面を背負っていること,様々な来場者が行き交うグラウンド入り口付近であること、敷地内道路に面していることなどから、閉じた構成の鉄筋コンクリート造に、選手の個室・居間・トレーニングルームのある2階は、目の前にトップチームの練習場があること、豊かな自然に囲まれていること、個室が多く耐力壁なる間仕切り壁を多く設けることができることなどから、開いた構成の在来木造としています。また練習場に面した開口部にはシューズの干場等として利用することができるバルコニーが設置されています。このバルコニーには防球のための縦ルーバーが取り付けられており、5号サイズのボールが通過しないことを最低条件に、外部(至近距離)からの視線を遮りつつもトップチームの練習を身近に、森に囲まれた豊かな自然環境を感じることのできる視線の抜けを確保したピッチに設定されています。
ユース世代を大切に育てるための空間、磐田の環境に馴染む構成、スポーツ施設らしいのびやかなフォルム、ジュビロ磐田のこれからを示す建築になればと設計しました。
この建築から将来トップチームや日本代表で活躍する選手がたくさん生まれること、その選手たちによってジュビロ磐田により良い結果がもたらせることを、一地元ファンとしても楽しみにしています。
(渡辺隆建築設計事務所 渡辺隆)
■建築概要
名称:Jubilo Clubhouse・Athlete Center
所在地:静岡県磐田市
主要用途:ユース選手のためのクラブハウス
・トップ選手部屋(1人部屋11室)・ユース選手部屋(2人部屋18室)、
・ミーティングルーム・トレーニングルーム、
・ラウンジ・治療室・食堂・浴室・スタッフルーム・管理人室 等
発注者:株式会社 ジュビロ
設計
建築・監理:渡辺隆建築設計事務所
担当:渡辺隆 寺田尚人 増田航平
構造:イーエス工房一級建築士事務所
担当:川口達次 伊藤祐太
電気設備:エスエスシー
担当:齊藤隆幸
機械設備:PLAN-Gエンジニアリング
担当:後藤利基
施工
建築:石川建設
担当:山田日出光
空調・衛生:大建
担当:夏目祐生
電気:鈴木電工
担当:伊藤昭仁
規模
敷地面積:82,990.53m2
建築面積:1,350.49m2
延床面積:1,346.78m2
1階:520.66m2
2階:826.12m2
建蔽率:5.16%(許容:60.00%)
容積率:6.07%(許容:200.00%)
階数:地上2階
寸法
最高高:9,230mm
軒高:2,400mm
天井高:2,300mm~3,600mm
主なスパン:2,800mm
敷地条件
地域地区:市街化調整区域 法22条区域
道路幅員:南10.8m
構造
主体構造:混構造 (1階:鉄筋コンクリート造、2階:木造)
杭・基礎:直接基礎(一部 浅層地盤改良)
工程
設計期間:2016年05月〜2017年2月
施工期間:2017年03月〜2017年12月