
「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。
廣瀬隆志建築設計事務所「DORM INOKASHIRA」
廣瀬隆志さんが設計したカフェ「DORM INOKASHIRA」と、そこで行われている廣瀬隆志建築設計事務所の展示「関係をつむぐ」を拝見した。(会期は終了しています)
井の頭公園の南側のエリアにある、小さな商店街にあるカフェ。また、このカフェの並びに廣瀬さんの事務所(ご自身で設計)もある。ご近所かつ自身の設計した空間で展示ができるということは、幸せなことだろうと思う。
廣瀬さんは、日本設計に長く勤務した後に独立した建築家だ。展示を拝見していると、住宅も手掛けておられるが、中規模の幼稚園などの保育系の施設も多数設計されている。
カフェの店主さんとお話ししていたところ、廣瀬さんに電話をしてくださり、ちょうど事務所で仕事をされていた廣瀬さんがお店まで来てくれて、展示を解説してくれたり、お話ができて、非常に楽しい時間を過ごした、、、!
廣瀬さんの建築作品は、ご自身もおっしゃっていたのだけれど、建築家的なアイデアと事業性や合理性を適切なバランスが特徴的。僕自身も、分譲マンションや店舗などの建築の設計に従事していたこともあり、事業性と意匠性をどのように融合させていくのか、ということは非常に興味のあるトピックだ。
僕自身が、大小の設計事務所に勤務して様々な用途に関わった経験から、建築家のスタンスには様々なものがあり、歴史の先端を切り開く空間性を実現することも重要であるし、意匠性と事業性を融合して様々な価値のバランスを取りながら建築をつくることも等しく重要な仕事であると考えている。
廣瀬さんと話しながら、改めてそのようなことを思った。







