



矢野寿洋+青山えり子 / 矢野青山建築設計事務所が設計した、愛媛・松山市の「だんだんPARK」です。
カーディーラーの建替計画です。建築家は、自動車を取巻く“環境の変化”に向き合い、用途の提案まで行って多目的ホール等を内包する“公共的な場”を志向しました。そして、様々な用途の入る“5つのBOX”がズレながら重なる構成の建築としました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
愛媛県内でカーディーラーを運営するネッツトヨタ愛媛の本店を建て替えるプロジェクト。
今治店(2017)や新居浜店(2020)の計画時から、いずれ本店を建替えるときいていたので約7年かけて実現したプロジェクトである。敷地は空港と松山市内を結ぶ空港通りに面し、業務施設を中心に多様な用途が立地する準工業地域で、交通量が多い上に緑やオープンエリアが少なく、立ち寄りにくいエリアであった。
クライアントの要望は自動車を取り巻く環境変化を見据え、単なるショールームではなく、これまでにない魅力化・複合化を図り、今治と新居浜の知見を活かして集客と地域活性化に繋げてほしいということであった。
そのため、私たち設計者が建築計画と並行して複合用途の検討・提案を行い、ハードとソフトの両面において、複合化による相乗効果を生み出し、それによって民間ならではの公共的な場をつくりだすことを意図した。
用途の検討にあたって、多様な顧客に対する魅力維持、継続的な情報発信、新規来客獲得、相乗効果という観点から、飲食・ホール・キッズスペース・コワーキングスペースを特徴づけて複合化することとし、コンセプト・空間・運営方法まで検討・提案した。
複合する用途が固まってきた段階で、ハードとソフトの両方に繋がるコンセプトとして、「このエリアに不足する公園のような自由な場所」が「多様に積み重なって複合施設として地域に貢献する」がふさわしいと考え、「だんだんPARK」というコンセプトを考案した。
「だんだん」は地域の方言で「ありがとう」という意味があり、地域に貢献する場を屋内外につくりだすことを現している。
愛媛県に象徴的なみかん畑を意識しただんだん形状にボリュームを徐々にセットバックさせ緑化することで、良好な景観をつくりだし回遊性を高めている。「PARK」は駐車場と公園の両方の意図を込め、各階テラスを公園のようにつくるだけでなく、車がテラスに横付けできるように斜路を計画し場の賑わいと利用の幅を広げている。場の多様性と相乗効果を生み出す最適なだんだん形状のあり方を検討し、内部の用途を現した5つのBOXがずれながら積み上がり、各階に車が上れるスロープとの間に多様なシーンをつくりだす全体構成とした。







