SHARE 藤村龍至を含む5名が審査する、埼玉県主催の「まちなかリノベ賞」が応募作品を募集中。埼玉県内(さいたま市を除く)のプロジェクトを対象とし、賞金総額は200万円
小野裕之(greenz.jp)、加賀崎勝弘(PUBLIC DINER)、寺井元一(まちづクリエイティブ)、藤村龍至(建築家)、齋藤邦裕(埼玉縣信用金庫)の5名が審査する、埼玉県主催の「まちなかリノベ賞」が応募作品を募集しています。埼玉県内(さいたま市を除く)のプロジェクト(事業)を対象とし(活動拠点が埼玉になくても応募可能)、賞金総額は200万円です。応募締め切りは2020年10月16日(金)まで。【ap・ad】
優れたリノベーション事例を募集します!
このたび、埼玉県では、商店街及び中心市街地の活性化を図るため、リノベーションという手法・考え方を通じて、地域にある空き店舗や空き地等に新たな価値を生み出す事業プランのコンペを行う「まちなかリノベ賞」の募集を開始しました。
地域のにぎわい創出や地域の魅力向上につながる優れたアイデアを表彰し、他の地域への波及を目指します。コンペ参加費は無料です。是非御応募ください。
※本事業におけるリノベーションの定義
空き店舗や空き地等を活用・改修することで、単なる修繕にとどまらず、商店街及び中心市街地の活性化につながる機能やデザインを加えた「新たな価値の創造」を、広く「リノベーション」といいます。
□まちなかリノベ賞 概要
【賞】最優秀賞100万円(1件) 優秀賞25万円(2件) 奨励賞5万円(10件)
【募集期間】2020年8月28日(金)~10月16日(金)
【募集要項】埼玉県のウェブサイトをご確認ください
【申し込み】専用のフォームからお申し込みください
【facebook】https://www.facebook.com/machinakareno/
以下に、より詳細な情報を掲載します。
以下の写真はクリックで拡大します
応募要件
(1)対象事業
①商店街及び中心市街地にある空き店舗や空き地等(遊休資産)を活用していること。
②地域のにぎわいを創出し、地域の魅力向上に貢献していること。
③リノベーションにより実施する事業の業種が小売業・飲食業・サービス業等で次のいずれにも該当しないこと。
ア 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に定める風俗営業を行おうとするもの。
イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号の暴力団に関係するもの。
ウ 中小小売商業振興法(昭和48年法律第101号)第4条第5項に定める連鎖化事業(いわゆるチェーン店事業)を行おうとするもの。
エ 法令及び公序良俗に反する事業であるもの。(2)対象者
平成23年4月1日から令和3年3月31日までの間に、埼玉県内(さいたま市を除く)にて、リノベーション事業を開始(又は開始を予定)する小売業・飲食業・サービス業等(企画・設計・施工業者等を含む)の事業を営む中小企業者(※)、又は団体。なお、個人事業者を含む。
(平成30年度、令和元年度の「空き店舗ゼロリノベーションコンペ事業」にて入賞した者を除く。)
※中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条に規定する者。
<審査を務める、藤村龍至と加賀崎勝弘がこのアワードをテーマに行った対談も公開中>
また、審査を務める、藤村龍至と加賀崎勝弘がこのアワードをテーマに行った対談の内容「変化の先端で起こる『イメージ』のリノベーション」がこちらのページで公開されています。
以下に、その一部を紹介します。
藤村 このコンペには「まちなか」という名前が付けられていますが、まちなかって、ネットワークをつくったり、人を育てる場所だと思うんです。商店街も、公園やストリートのような公共空間も、そこで人が出会い、育っていくようなことを取り戻していくべきなんだろうなと思うんですよね。
加賀崎 なるほど。
藤村 たとえばアーバンデザインセンター大宮がここ4年ほど実施している「おおみやストリートテラス」というプロジェクトは、大宮らしい新たな生活に向けたストリートでの社会実験。都市計画道路予定区域や隣接するスペースに飲食スペースや販売スペースを設置して、人が集えるようにして。
加賀崎 まちなかという言い方だと、街全体を「まちなか」と「まちなか以外」に分けるような印象がありますが、人が集っている場所はむしろ、「まちなか以外」とのつながりが強いところなんですよね。全体が融合してこそ活性化する、そういう場所をいかに多くつくれるかという気がします。
藤村 私のニュータウンでの取り組みの場合は、今のところは少し外からというか、あまり利害が対立しない形で関わっていますね。ただ、ここから先は一か八かというところがあるんです。つまり、そこに引っ越すとか、不動産を投資するとか。自分が実際にやってみせて先行事例をつくれば、他の事業者さんも続いてくれるかもしれない。
加賀崎 今回のコンペにも、地域に根づいて地道に頑張っている人が応募してくれたらいいですよね。「埼玉県全63市町村のキーマン」でも、有名かどうか、大きいか小さいかではなく、未来に向かって広がりのある活動をしていて、それが結果的に街に賑わいを生んでいるような人を取り上げました。自ら楽しんでやっていることが、実は街のためになっているような。
藤村 「埼玉県全63市町村のキーマン」、面白そうですね。
加賀崎 まちなかでのリノベーションという目線で言うと、角田テルノさんの活動は、とんでもなくとんがっていますよ。ほかにも、工場跡地をリノベーションした飯能市のシェアアトリエ「AKAI Factory」も最高です。あとは東松山市の土曜日だけ開くギャラリー「comeya」で、街の人に聞き書きをして歴史を残す取り組みをしていたり。ほんの一例ですが。
藤村 「まちなか」は中心市街地という意味合いが強いと思うんですが、加賀崎さんがおっしゃるような「まちなか以外」の人にも応募してほしいですね。中心駅以外の商店街の取り組みとかにチャレンジしている人も多いですから。
加賀崎 たとえば、どんなところですか?
藤村 川越なら中心市街地の長屋や古民家のリノベーションプロジェクト以外にも郊外の商店街でいろいろな動きがありますし、所沢でも、駅周辺だけでなく隣の西所沢駅あたりに新しい活動が生まれていて、コミュニティ・マルシェがある鳩山町の周辺ではもともとあったネットワークが活性化してきていますね。
加賀崎 面白そうですね。ぜひこういった活動を、今回のコンペが後押しできたら。
藤村 「リノベーション」という言葉を、新しい価値の発見とか、新しい使い方の発見とか、それくらい広く捉えたいと思っています。もっと言えば、「意味」や「あり方」のリノベーション。新しい空間の使い方を通じて、今までのようなベッドタウンとしての埼玉とは異なるイメージを発見している人たちを応援したいですね。