SHARE 興津俊宏による、大阪市の住宅「みんか2020」
興津俊宏が設計した、大阪市の住宅「みんか2020」です。
大阪市内、上町大地のエッジにある入り組んだ住宅街に建つ夫婦+子3人のための住宅。
家族の団欒と子供の成長に対応できる大らかな空間を目指し、昔の民家のような大屋根に包まれたみんなの大きな居場所と、少しワクワクする屋根裏のような小さないくつかの居場所を持つ構成とした。敷地は、風致地区に指定されており建蔽率40%、隣地境界から1mセットバックが必要。かつ準防火地域のため、木現しの架構にしようとすると、準耐火構造とする必要のない2階建てとなる。この敷地条件をそのまま形にすると、同平面形状の1,2階、5 人家族には少し足りない床面積(89.76 ㎡)、かつ隣地との間に使えない1mの隙間をもった住宅となってしまう。
そこで、軒を1階まで下ろし、屋根・2 階外壁、軒までを大屋根として捉え、1階に大屋根に包まれたみんなの居場所を、大きな屋根裏となる2階にいつくものレベルの違うパーソナルな居場所をつくり、家族の成長や日々の多様な暮らしに対応できる間仕切りのない大らかな構成とするとともに、面積に入らない高さの低い空間で床面積を補った。
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以下、建築家によるテキストです。
大阪市内、上町大地のエッジにある入り組んだ住宅街に建つ夫婦+子3人のための住宅。
家族の団欒と子供の成長に対応できる大らかな空間を目指し、昔の民家のような大屋根に包まれたみんなの大きな居場所と、少しワクワクする屋根裏のような小さないくつかの居場所を持つ構成とした。
敷地は、風致地区に指定されており建蔽率40%、隣地境界から1mセットバックが必要。かつ準防火地域のため、木現しの架構にしようとすると、準耐火構造とする必要のない2階建てとなる。この敷地条件をそのまま形にすると、同平面形状の1,2階、5 人家族には少し足りない床面積(89.76 ㎡)、かつ隣地との間に使えない1mの隙間をもった住宅となってしまう。
そこで、軒を1階まで下ろし、屋根・2 階外壁、軒までを大屋根として捉え、1階に大屋根に包まれたみんなの居場所を、大きな屋根裏となる2階にいつくものレベルの違うパーソナルな居場所をつくり、家族の成長や日々の多様な暮らしに対応できる間仕切りのない大らかな構成とするとともに、面積に入らない高さの低い空間で床面積を補った。
また、外断熱されたコンクリート基礎を腰壁まで上げ、室内の熱容量を大きくすることで、蓄熱による安定した室内熱環境をつくっている。冬場には2階天井に上がった暖かい空気をダクトファンで地下まで下ろし、躯体への蓄熱・床面吹出できる循環機構を設けた。中間期には一階の木製建具と吹抜け最上部のテラス窓を開放することで重力換気を行う。
風致条例により1mセットバックされた犬走りは軒を下げたことで、玄関庇、物干スペース、薪置場、自転車置場等として有効に活用できる生きた空間として最大限利用している。
間仕切りのない多様なレベルのワンルームで、子供たちが走りまわり、段差に腰をかけ本を読み、見え隠れする隙間から家族と声を掛け合い、いきいきと育っていくことを願っている。
■建築概要
所在地:大阪府大阪市
設計:興津 俊宏
施工:杢工舎
造園:土屋作庭所
敷地面積:112.31㎡
建築面積:44.88㎡
延床面積:89.76㎡
構造規模:木造地上2階
竣工:2020年7月
撮影:母倉知樹
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | |
外装・壁 | 外壁 | |
外装・建具 | 建具 | |
外装・その他 | 軒樋 | |
内装・床 | 1階床 | |
内装・壁 | 壁1 | 珪藻土 大地の息吹(田川産業) |
内装・壁 | 壁2 | ラワン合板 |
内装・キッチン | 混合水栓 | |
内装・浴室 | 浴槽 | |
内装・水廻り | 脱衣室 | 洗面器:CATALANO ADF70-2603(大洋金物) |
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