花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、道路から見る。 photo©益永研司写真事務所
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、食堂から居間側を見る。 photo©益永研司写真事務所
花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、主寝室 photo©益永研司写真事務所
花本大作建築設計事務所が設計した、広島・呉市の「広本町の家」です。
様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地に計画されました。建築家は、周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案しました。それによって、街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出されました。
計画地は小さな街の商店街にある。
この住宅においては強い全体性を与えないことで周辺環境と連続する場を生み出す事を目指した。
敷地の周りには小売店、飲食店、医院、遊技場、集合住宅など様々な用途や規模の建物が建ち並んでいる。各建物はそれぞれが求めに応じ異なる論理により計画され不揃いで統一感はないが商店街としては連々たる建築の集合体となり街の新陳代謝を体現している。
当初はそうした雑多さから切り離し敷地内のみで快適な空間を完結させる求心的な手法も考えられたが、そのリジッドさが集合体との乖離や逆に生活を窮屈にしてしまう可能性も否めなかった。そのため周囲に広がる複雑多様な関係性を引き込んだ設計を行うことで街との連続的な関係を築くと同時に伸びやかで生き生きとした住環境を得られるのではないかと考えた。
具体的には必要諸室と外部環境とのつながりを確保する外室を一度バラバラのボリュームに分解し、建築主との話し合いによりそれらを再構築していくことで中心性の弱い構成とした。設計途中の追加要求機能も街に見られるような偶発的な空間変化として受け入れ、そのまま計画に継ぎ足し過度にコントロールすることを控えた。
その結果、いろいろな気積や特徴を持つ場が複雑に絡み合い街の中を歩いているように小さな場面が連続していく変化に富んだ内部空間となった。また、ボリューム同志のずれや外室越しに街の風景や空などを身近に感じることで周辺環境とのつながりを感じることが出来る。
以下の写真はクリックで拡大します

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、隣地から見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、隣地から見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、道路から見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、道路から見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す1階、玄関、窓越しに外室1が見える。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す1階、子供室 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、食堂 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、食堂から居間側を見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、居間 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、居間から食堂側を見る。 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、居間 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す2階、主寝室 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、夕景 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、夕景 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す外観、夜景 photo©益永研司写真事務所

花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の「広本町の家」。様々な用途や規模の建物が並ぶ商店街の敷地。周囲の“雑多さ”と連続する在り方を求め、必要諸室を分解して“再構築”した“中心性の弱い構成”の建築を考案。街を散策する様な小さな場面が連続する空間を生み出す平面図 image©花本大作建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
街の複雑多様性を引き込む
計画地は小さな街の商店街にある。
この住宅においては強い全体性を与えないことで周辺環境と連続する場を生み出す事を目指した。
敷地の周りには小売店、飲食店、医院、遊技場、集合住宅など様々な用途や規模の建物が建ち並んでいる。各建物はそれぞれが求めに応じ異なる論理により計画され不揃いで統一感はないが商店街としては連々たる建築の集合体となり街の新陳代謝を体現している。
当初はそうした雑多さから切り離し敷地内のみで快適な空間を完結させる求心的な手法も考えられたが、そのリジッドさが集合体との乖離や逆に生活を窮屈にしてしまう可能性も否めなかった。そのため周囲に広がる複雑多様な関係性を引き込んだ設計を行うことで街との連続的な関係を築くと同時に伸びやかで生き生きとした住環境を得られるのではないかと考えた。
具体的には必要諸室と外部環境とのつながりを確保する外室を一度バラバラのボリュームに分解し、建築主との話し合いによりそれらを再構築していくことで中心性の弱い構成とした。設計途中の追加要求機能も街に見られるような偶発的な空間変化として受け入れ、そのまま計画に継ぎ足し過度にコントロールすることを控えた。
その結果、いろいろな気積や特徴を持つ場が複雑に絡み合い街の中を歩いているように小さな場面が連続していく変化に富んだ内部空間となった。また、ボリューム同志のずれや外室越しに街の風景や空などを身近に感じることで周辺環境とのつながりを感じることが出来る。
外形についても内部の関係性をそのまま表出させ、ある固有のスタイルを持った住宅としてまとめることを避けることで、立ち姿は用途不詳で見る角度によって表情が刻々と変化していきこの界隈の建物と調和がとれ集合体の一部となっている。
■建築概要
建物名称:広本町の家
所在地:広島県呉市
主要用途:専用住宅
設計監理:花本大作建築設計事務所
施工:株式会社 平田組
構造設計:金子武史構造設計事務所
規模:地上2階建
構造:木造
建築面積:117.09㎡
建築面積:82.91㎡
延床面積:149.99㎡
竣工年:2020年
撮影:益永研司写真事務所
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外構・植栽 | 植栽 | アオダモ、ハイノキ、ジューンベリー、イロハモミジ、ヤブラン、フッキソウ、トキワホウチャクソウ、ベニシダ
|
外装・壁 | 外壁 | ジョリパッド(アイカ)
モルタルクリア塗装
|
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリュウム鋼板縦ハゼ葺き
|
内装・床 | 床 | ナラフローリング(イクタ)
|
内装・壁 | 各室壁 | プラスターボードAEP塗装
|
内装・天井 | 各室天井 | プラスターボードAEP塗装
|
内装・天井 | 居間天井 | 構造用合板
|
内装・天井 | 食堂天井 | ラワン合板クリア塗装
|
内装・キッチン | キッチン | オーダーキッチン(松岡製作所)
|
※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません