SHARE 田中裕之建築設計事務所による”doors”
photo©太田拓実
平面図
以下、建築家によるテキストです。
doors
戸は動くことのない建築にあって、動くことを許されている数少ない部位です。
日本建築における戸はもともと、軽く、薄い、動的な閾の仕組みであり、それらの工夫をすることで日本の風土に根ざした、しつらえをつくってきました。
ここでは必要な室、収納等のプランを整理し、戸がひとつの立面として並ぶように配列しなおすことで新しい室内風景と閾の問題に取り組むこととしました。
室(収納も)の配列が全て一立面によって可能となる構成はトランプを並べたようになっていますが、このようなわかりやすいプランとすることと同時に、ディテールにおいてはLGSを仕上げとして反復させた梁やメンテナンス用TVコンセントカバーに写真を埋込む等、一見するとアイロニーやジョークともとれるような手法をとることによって、より重層化された建築として成立することを目指しました。
建築概要
所在地:東京都世田谷区
主要用途:住宅
主体構造:RC
延床面積:60sqm
竣工:2009年6月
設計:田 中 裕 之 建 築 設 計 事 務 所
担当 田中裕之、陣内裕子
施工:セットアップ 福元成武
写真:太田拓実写真事務所
アートワーク協力:山極満博