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2025.12.08Mon
2025.12.07Sun
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案
photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton

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architecture|fashion|feature
会場構成重松象平OMAソウル韓国
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Trunkscape(トランクスケープ) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案ランタンの様な巨大なトランクのインスタレーション photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Music(ミュージック) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Fashion(ファッション) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton

OMA / 重松象平が空間デザインを手掛けた、タイでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」です。
老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示です。建築家は、過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想しました。そして、11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案しました。
アーキテクチャーフォトでは、OMA / 重松象平が手掛けた、タイでの「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」展と、大阪での「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」展も特集記事として掲載しています。


こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

OMA / 重松象平による、ルイ・ヴィトン ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウルが、新世界にて開幕

ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウルは、新世界「ザ・リザーブ」にて開幕しました。本展は、ルイ・ヴィトンが展開する小売、食、文化を融合させた新たな多層的体験の一環として行われます。OMAの設計による本展では、テーマごとに構成された空間において、200点以上の作品が展示されています。それは、クラフツマンシップ、革新性、そしてメゾンの多様な創造性を際立たせる、永続する遺産を示しています。

ソウル、2025年11月28日 ― バンコクの「LV ザ・プレイス」(ゲイソーン・アマリン、2024年)および上海の「ザ・ルイ」(タイクー・フイ、2025年)での「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」に続き、ソウル展は刷新された旗艦体験の一環として開催される最新のエディションです。「LV ザ・プレイス ソウル」の文化的中核として、本展はルイ・ヴィトンの歴史的および現代的なアイデンティティを、演出された旅を通じて伝えるように設計されています。

新世界百貨店本店の複数のフロアを占める「ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウル」は、小売に特化した歴史的建築物内でこれほど大規模に展開される初の展覧会エディションです。本展は、今回初公開となるものを半数含む11のテーマ別ギャラリーと、2つのインスタレーションで構成されており、6階建ての百貨店内にわたる約1,300㎡の空間で展開されています。展示は、ルイ・ヴィトンの過去と現在を捉える4つの相互に関連した視点――歴史、ライフスタイル、クラフツマンシップ、そしてコラボレーション――を広く紹介しています。

OMAパートナーの重松象平は次のように述べています。「ソウルでは、ヴィジョナリー・ジャーニーズが初めて歴史ある百貨店に入り、買い物、文化体験、ホスピタリティを融合させるルイ・ヴィトンのアプローチの中核を担う存在となっています。この展覧会は、小売空間と公共空間をつなぐコネクターとして構想されています。明確なテーマを持つ環境が歴史的な階段アトリウムに開かれ、ルイ・ヴィトンの多様な創造性の一端をダイナミックに垣間見せます」

展覧会の序章として、地上階にはサイトスペシフィックなインスタレーションが設けられています。それは、270個の「Boite Chapeau(ハットボックス)」で構成されたアーチ状の「トランクスケープ」で、ルイ・ヴィトンの店舗へと誘う没入型の入口を形成しています。ヴィジョナリー・ジャーニーズは、5層目のフロアにあるOrigins(起源)から始まります。そこでは、ブランドの歴史が、韓国の伝統的な屏風を想起させる多面体の木製フレーム上に、資料や文書、切り抜きが雲のように集積するかたちで表現されています。

いくつかの展示では、メゾンの進化の過程が探求されています。先駆的なトランクの創造的な再解釈から、多様なライフスタイルに対応する革新に至るまで。Watches(ウォッチズ)では、ルイ・ヴィトンが手がけたタイムピースが中央のスペースに時系列で展示されており、ウォッチ・トランクのモチーフがパネルやスクリーンとなって部屋全体を包み込んでいます。Picnic(ピクニック)では、来場者は“屋外”のように演出された空間に現れます。そこでは、ポータブル・トランクやテーブルウェア、キャンピングカーが芝生の上に展示されています。Personalization(パーソナライゼーション)では、トラベルファッションにおける個性が強調されます。カスタマイズされたトランク群を分解し、ギャラリーのようなアーカイブとして創造することで、唯一無二の表情を持つ各トランクが展示されています。

続くギャラリーでは、過去にトランクがどのように作られていたか、そして現在もどのように作られているかが明らかにされ、ルイ・ヴィトンの卓越したクラフツマンシップが際立たせます。Workshop(ワークショップ)では、アスニエールのアトリエが再現されており、職人による実演のためのセットであると同時に、スケッチや道具を展示するギャラリーでもあります。Test(テスト)では、さまざまなバッグに対して強度と耐久性を測る実演テストが機械によって行われ、ラボの様子が来場者に公開されています。

品質と適応力の両方に対する献身は、先駆的な作品や素材の進化を並置して見せることで表現されています。Icons(アイコンズ)では、時代を超えて生み出されてきたアイコニックなレザーグッズが、床から天井まで続くショーケースによる万華鏡のような空間の中に展示されています。Monogram(モノグラム)では、動物の形をしたバッグや航海にまつわる小物、その他意外性のあるオブジェなど、遊び心あふれる多様なフォルムが、部屋をぐるりと囲む床から天井まで続くモノグラムの壁から切り抜かれたテンプレートとして表現されています。

中央のアトリウムでは、そびえ立つ光の構造物が来場者を展覧会の4番目のフロアへと導きます。モノグラム模様の韓紙を使った“トランク”が、さまざまな形に縦に積み重ねられ、内部から照らされることで、天井から吊るされた柱のようなランタンを形づくっています。

4番目のフロアにあるギャラリーでは、ルイ・ヴィトンが常に新たな芸術表現のかたちを生み出すプラットフォームであることが探求されています。Music(ミュージック)では、無響室の中で、ルイ・ヴィトンがデザインした楽器、ケース、スピーカーが際立っています。Collaborations(コラボレーションズ)では、アーティストがデザインしたバッグがメリーゴーラウンドのように回転し、それぞれのアートワークがデジタルスクリーンに拡大表示されるとともに、ミラーバッグが並ぶ壁に反射して、空間が変幻自在なキャンバスへと変貌します。Fashion(ファッション)は、歴代のクリエイティブ・ディレクターたちが築いてきた世界観の集大成です。ルックのスナップ写真、ムードボード、セットデザイン、ランウェイの様子が、スプリットフラップディスプレイに次々と映し出されます。

これまでの「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」は、会場内の限られた専用エリアに展開されていましたが、今回の会場では、百貨店本来の構成を活かし、小売フロアやカフェ、新世界の公共通路にまで開かれた形での展開が可能となりました。展示構造の一部は、ショップの“ファサード”のように外向きに表現されており、複数の入り口が他の展示室やプログラムへの視線を生み出すことで、来場者は一方向に進む線的な動きから自由に逸脱できるようになっています。選ばれたギャラリーは、展覧会の長期開催期間中に今後のコンテンツやイベントを受け入れられるよう、柔軟性をもって設計されています。これは、ルイ・ヴィトンの革新性と文化的な柔軟性の精神に応えるものです。

本プロジェクトは、重松象平を中心に、ジェシー・カタラーノ(Jesse Catalano)とともに主導されました。


以下の写真はクリックで拡大します

OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案 photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Trunkscape(トランクスケープ) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
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OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Workshop(ワークショップ) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
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OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案Music(ミュージック) photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton
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OMA / 重松象平の空間デザインによる、韓国・ソウルでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」。老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示。過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想。11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案ストア photography by Kwa Yong Lee, courtesy Louis Vuitton

以下、リリーステキストです。


OMA / SHOHEI SHIGEMATSU’S LOUIS VUITTON VISIONARY JOURNEYS SEOUL OPENS AT SHINSEGAE

Visionary Journeys Seoul has opened at Shinsegae “The Reserve” as part of Louis Vuitton’s new, multi-level experience merging retail, food, and culture. Designed by OMA, the exhibition features over 200 pieces across themed rooms that highlight an enduring heritage of craftsmanship, innovation and diverse creativity of the House.

Seoul, November 28, 2025 — Following Visionary Journeys in Bangkok’s “LV The Place” at Gaysorn Amarin (2024) and Shanghai’s “The Louis” at Taikoo Hui (2025), the Seoul show is the latest edition to open as part of a reimagined flagship experience. As the cultural anchor of “LV The Place Seoul”, the exhibition is designed to communicate both historical and contemporary identities of Louis Vuitton through a scenographic journey.

Occupying several floors of Shinsegae’s main branch, Visionary Journeys Seoul is the exhibition’s first edition to inhabit such a large footprint within a historic building dedicated to retail. The show encompasses eleven themed galleries, half of which debut here for the first time, and two installations, unfolding across 1,300 square meters of the six-story department store. Exhibits broadly present four interrelated lenses into Louis Vuitton’s past and present: history, lifestyle, craftsmanship, and collaborations.

Shohei Shigematsu, Partner, OMA: “In Seoul, Visionary Journeys enters a historic department store for the first time as a core part of Louis Vuitton’s approach that blends shopping, cultural experience, and hospitality. The exhibition is conceived as a connector between retail and public space. Distinct thematic environments open onto the historic stair atrium, revealing a dynamic glimpse into the multiplicity of Louis Vuitton’s creativity.”

A prelude to the exhibition is a site-specific installation on the ground level, a vaulted Trunkscape constructed from 270 Boite Chapeau (hat box) that forms an immersive portal into the Louis Vuitton store. Visionary Journeys begins on the fifth floor with Origins, where the brand’s history coalesces as a cloud of artifacts, documents, and cutouts on a faceted wood armature that evokes traditional Korean screens.

Several exhibits explore an evolution of the House, from creative reinventions of its seminal trunk to innovations for diverse lifestyles. Watches features a chronological display of Louis Vuitton-designed timepieces in a central brand, and motifs from the watch trunk become an array of panels and screens wrapping the room. In Picnic, visitors emerge “outdoors,” where portable trunks, tableware, and camping car are staged on a lawn. Personalization highlights individuality in travel fashion, disassembling the luggage to create a gallery-like archive showcasing one-of-a-kind faces from a collection of customized trunks.

Continuing galleries reveal how trunks were and continue to be made today, to foreground Louis Vuitton’s exceptional craftsmanship. Workshop recreates the Asnieres atelier as both a set for live demonstrations by craftspeople and a gallery of sketches and tools. In Test, machines perform live tests on various bags for strength and durability, bringing the lab into public view.

A dedication to both quality and adaptability is conveyed by juxtaposing the development of seminal pieces and materials. Icons presents iconic leather good creations over time in a kaleidoscopic field of floor-to-ceiling vitrines. Monogram, captures a playful array of forms – bags in the shape of animals, nautical ephemera, and other unexpected objects – as templates cut out from a floor-to-ceiling Monogram wall wrapping around the room.

In the central atrium, towering structures of light guide visitors down to the fourth floor of the exhibition. Monogram hanji “trunks” are vertically stacked in different configurations and lit from within, creating column-like lanterns suspended from the ceiling.

Fourth floor galleries explore Louis Vuitton as a platform that constantly generates new modes of artistic expression. Music highlights Louis Vuitton-designed musical instruments, cases, and speakers in an anechoic chamber. In Collaborations, artist-designed bags revolve on a carousel as their artworks are amplified on a digital screen and reflected on a wall of mirrored bags transforms the room into a mercurial canvas itself. Fashion is a compilation of the worlds built by successive creative directors – snapshots of looks, mood boards, set designs, and runways flicker across a split-flap display.

While past Visionary Journeys were deployed into contained, designated areas of venues, here, the existing department store configuration allowed for a level of openness, to the retail floors and cafe as well as the public corridors of Shinsegae. Exhibition structures are at times expressed outwards like a shop “facade”, multiple entries into the exhibition generate views into other rooms and programs and allow visitors to break from a linear procession. Select galleries are designed for adaptability to accommodate future content and events over the exhibition’s extended duration, a response to Louis Vuitton’s spirit of invention and cultural agility,

The project was led by Shohei Shigematsu with Jesse Catalano.

■建築概要

Client: Louis Vuitton
Location: Seoul, Korea
Site: Shinsegae The Reserve
Curation: Louis Vuitton Malletier
Creative Concept & Scenography: OMA New York
Partner-in-Charge: Shohei Shigematsu
Project Leader: Jesse Catalano
Team: Benedetta Gatti, Blake Kem, Eugene Kim, Niccolo Baldi, Francesca Parmiggiani, Titouan Chapouly,
Vicky Cao
Identity & Graphics: Special Offer
Executive Production: Space Sai Seoul Activation & Events
Cartels/Production: ARC
Lighting Design: Lucea
A/V: White Agency
Stands/Mounting: Version Bronze
Art Handling (Korea): Dongbu Art
Art Handling (Paris): Chenue

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    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開
    photo©Nigel Young Foster+Partners

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    architecture|culture|feature
    図面あり美術館・博物館ノーマン・フォスターアラブ首長国連邦
    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開 photo©Nigel Young Foster+Partners
    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開 photo©Nigel Young Foster+Partners
    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開 photo©Nigel Young Foster+Partners
    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開 photo©Nigel Young Foster+Partners

    フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」です。
    国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設です。建築家は、環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案しました。また、内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開しています。


    こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

    アブダビのザイード国立博物館が完成

    ザイード国立博物館は一般の人々にその扉を開きました。アブダビのサディヤット文化地区の中心に位置するアラブ首長国連邦(UAE)の新しい国立博物館は、最初期の人類居住の証拠から、UAEの文化とアイデンティティを形作った文明まで、その歴史をたどります。この歴史は、UAEの建国の父である故シェイク・ザイード・ビン・スルタン・アール・ナヒヤーン(Sheikh Zayed bin Sultan Al Nahyan)の価値観に根ざしています。この建物の形状は、砂漠環境での生活を持続させるという課題と、UAEの強固な文化的伝統に対応しています。

    フォスター+パートナーズの創設者兼エグゼクティブ・チェアマンであるノーマン・フォスターは次のように述べました。「ザイード国立博物館は、シェイク・ザイードによる首長国連邦の建国と、砂漠を緑化するという彼の構想を含む、その多面的な遺産の物語を伝えています。この建物自体が持続可能性を表現しており、5つの空気力学に基づいた翼は環境システムの不可欠な一部であり、熱煙突としての役割を果たし、公共スペースに冷たい空気を引き込んでいます。それらの翼はまた、シェイク・ザイードが伝統的なスポーツである鷹狩りを愛していたことの象徴でもあり、都市のスカイラインにおける目印となっています」

    アブダビ文化観光局の議長であるモハメッド・ハリファ・アル・ムバラク(Mohamed Khalifa Al Mubarak)閣下は次のように述べました。「ザイード国立博物館は、我が国の物語に恒久的な拠り所を与えています。私たちの国立博物館は、過去を保存し共有すると同時に、世代と世代をつなぐ役割を果たしています。ここは、私たちの子どもたちや孫たちが、この国を築いた価値観――団結、謙虚さ、開かれた心、そして伝統への敬意――を見出す場所です。これらは私たちを導き続けている原則です。そして、世界中からの来訪者がこれらのギャラリーを歩くとき、彼らはアラブ首長国連邦の過去、現在、そして未来について、より深い理解を得ることになるでしょう」

    フォスター+パートナーズのスタジオ責任者であるジェラード・エヴェンデン(Gerard Evenden)は次のように述べました。「このプロジェクトによって、私たちは建築と持続可能なデザインに関する多くの課題を、大規模な形で実現することができました。これらの課題は、何十年にもわたり私たちの活動の中心となってきたものです。このような先見の明のある関係者と協働できたことは、大きな喜びでした。彼らの地域に関する深い知識が、私たちの仕事の基盤となりました」

    博物館の5つの軽量なスチール製の翼は、自然換気システムの一部です。タワーの頂上にある通気口が開き、輪郭の風下側に生じる負圧を利用してアトリウムから熱い空気を排出します。その際、翼の先端に蓄積した熱による熱的効果が補助的に働きます。砂漠の地中深くに埋められたパイプを通って自然に冷却された空気は、その後、低位置の換気システムを通じてアトリウムへと流れ込みます。これらの翼にはガラスが施されており、下のギャラリーに自然光を導くようになっています。また、それぞれが個別に調整可能です。

    • 残り48枚の写真と建築家によるテキスト
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    図面あり美術館・博物館ノーマン・フォスターアラブ首長国連邦
    2025.12.08 Mon 07:15
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    最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/1-12/7]

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    architecture|feature
    最も注目を集めたトピックス
    最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/1-12/7]

    アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/12/1-12/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


    1. 岩手の「新花巻図書館」設計プロポで、昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所 JVが最優秀者に選定。提案書とプレゼン動画も公開。二次審査には、C+A・木村設計A・T JV、キッタン・スタジオ・ウエスト JV、マル・アーキテクチャ、FULL POWER STUDIO、西澤・畝森 JVが名を連ねる
    2. 若林拓哉 / ウミネコアーキによる、神奈川の「新横浜食料品センター」。60年代から続く“地域の食の拠点”の“動的保存”計画。各々の商店が個別に認識される状況に着目し、個が並存しつつ群として全体を作る在り方を志向。メガストラクチャーに戸建サイズの量塊が集まる建築を考案
    3. 吉岡徳仁による、京都市の店舗「HaaT / KYOTO」。市内の商業エリアでの計画。既存町家を継承しつつ、“異なる時間の融合と対比”でつくりあげる空間を志向。内部ではアルミニウム金属を日本の伝統を感じさせる“桜色”に染め上げて用いる
    4. 細尾直久による、京都市の「洛和会京都看護学校」。“不規則で特徴のある輪郭”の敷地。風景との“滑らかで密接な繋がり”を求め、土地の形を“建築を構成する線”として導入。道路側から中庭まで層を作る様に諸機能を配置して“学びの場に必要な静けさ”も生み出す
    5. HUNEによる、東京・品川区の住宅「大森の幕屋」。神の住まいでもあったテント式の小屋“幕屋”を参照した計画。其々が趣味を楽しめる住まいを求め、様々な用途のフロアを“離散的”に積層させる構成を考案。全体を“布の様な屋根”で覆って内外の距離も適切に保つ
    6. 福田俊 / オフィススグルフクダによる、東京・東村山市の住宅「OVERLAP」。空間境界の“オーバーラップ”が生む関係を主題に計画。均質4分割の“単純な平面”ながら、全体を見通せず視線が奥へと流れ“奥行きを想像”させる構成を考案。確かにある“気配”が“現実を超える広がり”を生む
    7. パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展ver.3.0」が開催。スキーマ建築計画出身の西原将が企画監修手掛ける、“現し”をテーマとした展示。次なる展開として“壁”と“床”に注目し、“配線方法”を検討。ver.2.0で製作した“現し天井標準化マニュアル”等も出品
    8. 【ap Masterpiece】MVRDVによる、オランダ・アムステルダムの集合住宅「WoZoCo」(1997年)
    9. VUILDによる、山梨・北杜市の「White Loop」。清春芸術村の中の“こどものための建築”。“イサム・ノグチ”と“バーバ・パパ”から着想と影響を受け、樹脂3Dプリンターで作る滑り台を考案。子供達の為にメビウスの輪の様な形で“滑ると登る”をシームレス化
    10. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
    11. 西沢立衛・妹島和世・藤本壮介が登壇して、宮田裕章がモデレータを務めたトークセッション「共鳴と森 – 突き破る塔 (1970) から開かれる空 (2025) へ」の動画。2025年10月に万博会場で行われたもの
    12. MVRDVによる、シンガポールの集合住宅「アーウェル・ヒル・レジデンス」。同国で普及する“プレハブ型モジュール建築”をアップデートする計画。繰り返しで単調になりがちなファサードを変える為に、各ユニットを“1つのピクセル”として扱って金属フレームで凹凸をつくるデザインを考案
    13. フランク・ゲーリーさんが亡くなりました。96歳でした
    14. 小林敬政による、大阪市の「K邸」。施主家族が40年以上暮らした住まいの建替。既存を建物を超えた“記憶の器”と捉え、刷新ではなく“継承”する設計を志向。旧家屋の間取りを参照して“再構築”した平面構成で“空間体験”を通して記憶を喚起する
    15. 竹山聖 / 設計組織アモルフによる、さいたま市の「双恵幼稚園」。“子供が世界に触れる場所”として構想された施設。思い掛けない出会いの創出も意図し、保育室群の中心に“外と内の二つの中庭”を配置する構成を考案。子供達の可能性の拡大を願って宇宙を感じる要素も散りばめる
    16. 21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「デザインの先生」。ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスを“デザインの先生”と捉えて、活動の軌跡を改めて振り返る
    17. 坂茂が、アメリカ建築家協会より送られる「2026年 AIA ゴールドメダル」を受賞。日本人建築家としては、日本人の建築家としては、丹下健三、安藤忠雄、槇文彦に次ぎ4人目の受賞
    18. トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の「濤 TOH」。隠れ家的な環境にあるリスニングバー。音楽を楽しむ様々な状況をイメージして、DJカウンターを囲むVIP席・重心の低いソファ席・発光天板のカウンター席を用意。音響面では“伝統と最先端の同居”も意図する
    19. 「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」展が、東京都現代美術館で開催。入場チケットをプレゼント。20世紀後半を代表するアーティストの、日本の公立美術館における初の個展。“ウォール・ドローイング”などの代表作を通じて、作家の思考の軌跡をたどる
    20. 熊谷組と石上純也事務所を中心とした設計企業体による「徳島文化芸術ホール(仮称)」の、東京都庭園美術館での企画展示の会場写真。プロポーザル時の提案を大型模型や映像等で紹介、妹島和世が館長に就任した事を機に企画

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    最も注目を集めたトピックス
    2025.12.08 Mon 07:01
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    2025.12.06Sat
    • 坂茂による講演「作品づくりと社会貢献の両立を目指して」の動画。2025年10月に行われたもの。(2026/2/10までの限定公開)

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