SHARE フォルム・木村浩一建築研究所による”寡黙な家”
photo©Takumi Ota
フォルム・木村浩一建築研究所が設計した滋賀県栗東市の住宅”寡黙な家”です。
以下、建築家によるテキストです。
寡黙な家
この住宅は、間口18mの三角形状の敷地に建っている。
クライアントの要望は、特徴的な敷地形状を活かし、プライバシーの保護と開放感を兼ね備えた住宅であった。
建物は、敷地形状に沿った雁行形に連続するヴォリュームと高さのある壁で構成されている。
外観の特徴である、敷地の長さを活かした横に長いファサードが、水平方向に伸びやかに広がり、見る人の視線も水平方向への流れを意識させるものとなっている。
内部空間においても敷地の長さを活かした計画がなされている。
1階では、玄関ホールを中心にその両側に和室と変形敷地によって生まれた空間を坪庭として配置している。
視線が抜ける長さを最大限に生み出すことで、内部空間に視覚的な広がりをもたらし、開放感を得られる空間が実現されている。
2階は、リビングとバルコニーを両端に配置し、それに加えてリビングの天井を他よりも高くすることで視覚的な広がりを深めた。
又、リビング上部の開口部やベンチが備え付けられたバルコニーのガラス壁も開放感を演出するエレメントの一つである。
この住宅では、敷地形状を考慮しながら開口部を選定し、視線をコントロールすることで、周囲に対して閉じながらも開放感のある空間が実現されているのである。
■ 建築概要
所在地;滋賀県栗東市
構造;木造在来
規模;地上2階
敷地面積;162.29㎡
延床面積;135,59㎡
竣工;2010