SHARE スペイシャルプラクティスによる、ブルガリアのヴァルナ公立図書館国際設計競技の3等案
香港の建築設計事務所スペイシャルプラクティスによる、ブルガリアのヴァルナ公立図書館国際設計競技の3等案です。
計画地ヴァルナは、世界最古の黄金の宝物が発見された場所で、オスマン期には数多くの木造建築が立ち並び、ブルガリアの「海の首都」と呼ばれる場所です。
今日、仮想デジタルの影響はソーシャルメディアと他のメディア によって度々称賛され、我々は様々なメディアにつながり、露出することを切望する世界に住んでいます。 その中で公共空間の役割はますます再定義され、もはや単体のプログラムを内包する古典的な空間ではなく、都市空間の中で常に何かが起こ り、日常の一部として生活に溶け込む本当の意味でのプラットフォームとなることが求められています。
我々の提案は、図書館の構成のあり方を再構築し、この地域に根 付いた歴史を尊重すると共に、現代の「都市のアゴラ」をつくだすことです。それは、市民が彼ら自身のプライベート空間を図書館に拡張する のを許容するのと同時に、訪問客に出会い、知識の交換、促進を提供するまちに開かれた図書館です。
※以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
この度、スペイシャルプラクティスは、ヴァルナ(ブルガリア) 公立図書館国際設計競技において、370の応募者から3等賞に選出されました。
計画地ヴァルナは、世界最古の黄金の宝物が発見された場所で、オスマン期には数多くの木造建築が立ち並び、ブルガリアの「海の首都」と呼ばれる場所です。
今日、仮想デジタルの影響はソーシャルメディアと他のメディア によって度々称賛され、我々は様々なメディアにつながり、露出することを切望する世界に住んでいます。 その中で公共空間の役割はますます再定義され、もはや単体のプログラムを内包する古典的な空間ではなく、都市空間の中で常に何かが起こ り、日常の一部として生活に溶け込む本当の意味でのプラットフォームとなることが求められています。
我々の提案は、図書館の構成のあり方を再構築し、この地域に根 付いた歴史を尊重すると共に、現代の「都市のアゴラ」をつくだすことです。それは、市民が彼ら自身のプライベート空間を図書館に拡張する のを許容するのと同時に、訪問客に出会い、知識の交換、促進を提供するまちに開かれた図書館です。
ヴァルナ図書館は基本的に3の要素から構成されます。
1. 断面的L字型に構成されるヴァルナのこれまでの歴史とコレク ションを内包するコンクリートのボリューム。
2. その硬いボリュームをあたたかく包み込む木製マリオンのかご
3. 2つのボリュームの間にできた都市のアゴラ。
先の曲がった木製マリオンは、伝統的な木造建築と金を象徴する 屋根にインスパイアされ、暖かさ、優雅さと柔らかさで内部空間を優しく包み込みのと同時に、質素なコンクリートでできた近隣の街並みと対 比した新しいランドマークとなります。 洞窟状に切り取られたファサードは、周辺環境とビジターを内部空間へ引き込むのと同時に、海を眺め、風を感じる木のぬくもりに覆われたテ ラス空間提供します。また、先の曲がった木製マリオンは、見る角度によって存在を消失させ、規則正しく柔軟性の高い大きなプラットフォー ムとは対照的に建物に彩りとゆらぎを与えます。その上、アトリウム空間は、アゴラ空間を垂直につなげ、図書館として必要な3つの区画を機 能的に分割し、隣接したホールと視覚的、動線的に直接接続しています。
木造建築から時代を経てコンクリート建築へと移行したヴァルナ の都市の歴史を内包し、既存の緑に覆われたパブリックスペースをそっと包み込むように、様々な人が気軽に利用できる”半透明な図書館”の 提案です。