SHARE GENETOによる、東京都港区のオフィス「AFT office」
all photos©近藤泰岳
GENETOが設計を手掛けた、東京都港区のオフィス「AFT office」です。
ART FAIR TOKYOを運営するaTOKYOの新オフィスの計画である。
場所は東京都港区飯倉の交差点に面したビルの4階で、約100㎡のワンフロアー空間に3つの箱状空間(ミーティングルーム・社長室・理事長室)を挿入することと、それによって生まれる残余空間(スタッフ執務室・応接室)との4つの空間を作り出した。
必要とされた諸室を確保した上で、我々はオフィスというプログラムに対し、日々ルーティーンワークに追われるその場所で巻き起こるコトをアート化できないかと考えた。
コトのアート化とは、人や物をその空間の中で等価に扱うことにより、日常に溢れる事物の存在を特別な存在として見つめなおそうという試みである。
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以下、建築家によるテキストです。
Art fair tokyo コトのアート化
ART FAIR TOKYOを運営するaTOKYOの新オフィスの計画である。
場所は東京都港区飯倉の交差点に面したビルの4階で、約100㎡のワンフロアー空間に3つの箱状空間(ミーティングルーム・社長室・理事長室)を挿入することと、それによって生まれる残余空間(スタッフ執務室・応接室)との4つの空間を作り出した。
必要とされた諸室を確保した上で、我々はオフィスというプログラムに対し、日々ルーティーンワークに追われるその場所で巻き起こるコトをアート化できないかと考えた。
コトのアート化とは、人や物をその空間の中で等価に扱うことにより、日常に溢れる事物の存在を特別な存在として見つめなおそうという試みである。
挿入された3つの箱は、内部の用途が閉じすぎない閉じ方を求められた。そこで、外部壁面を額縁で切り抜き、その先の景色を切り取る壁とした。額縁は透明な硝子、鏡、壁面と3つの要素で構成しており、この曖昧に間仕切る開口部が、内部への視認性を作ると同時に、外部への視認性も作り出している。
つまり、箱の内外で起きているコトを同時に経験することができる。
また挿入された箱の内部同士も開口部が幾つも存在する壁面で構成しており、内部からの視線はいくつもの開口部を通過して残余空間や屋外の景色へと繋がる。
額縁を持つ開口部と壁面を切り取っただけの開口部の存在は、大きさは同じであるがかなり違ったモノの捉え方を互いに与えてくれる。
すなわち、開口がランダムに明けられた壁面が、各部屋を結びつけ、屋外とも結びつける特殊なフィルターとなる。
コトをアート化するということは、一日の大半を過ごすオフィス空間に於いて、何気ない日々の行動が特別な発見や、記憶になることを期待している。
■建築概要
所在地:東京都港区麻布台1-9-12 飯倉台ビル4F
用途:オフィス
規模:103㎡
仕上げ:
〈スタッフルーム/ラウンジ/パントリー〉
天井:既設解体 LGSむき出し
壁:既設クロス(補修塗装)
床:既設維持
〈ミーティングルーム〉
天井:既設維持(補修塗装)
壁:木毛セメント板 横張り
床:ラーチ 塗装仕上げ
〈社長室〉
天井:既設維持(補修塗装)
壁:木毛セメント板 横張り
床:ラワン 塗装仕上げ
〈理事長室〉
天井:既設維持(補修塗装)
壁:木毛セメント板 横張り
床:コルク仕上げ
〈コピースペース〉
天井:既設維持(補修塗装)
壁:ラワン塗装仕上げ(シルバー)
床:既設維持
写真クレジット:近藤泰岳