SHARE 五十嵐淳建築設計事務所と藤森泰司アトリエによる、パヴィリオン「内と外の間/家具と部屋の間」
all photos©永井杏奈
五十嵐淳 / 五十嵐淳建築設計事務所と藤森泰司 / 藤森泰司アトリエ、パヴィリオン「内と外の間/家具と部屋の間」です。2016年のHouse Vision展の為に設計された作品です。
「窓」について考えた時、「窓」の「断面」には無限の可能性があるのでは、と考え、窓の構成から改めて考察してみることにした。窓は物理的な役割がその構成の決定要素になっていることが、観察すると見て取れるが、内(建築空間)と外(地球空間)の境界である「窓」を「断面」として捉え、その「断面」を顕微鏡で覗き込むように注視し観察すると、そこには「縁側」のような「居場所」を沢山、見つけることが出来る。縁側という居場所は、内(建築空間)と外(地球空間)を繋ぐ大切な役割があるのと同時に、「人と建築を」「人と地球を」そして「人と人を」繋ぐ大切な居場所である。
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以下、作品に関するテキストです。
「窓」について考えた時、「窓」の「断面」には無限の可能性があるのでは、と考え、窓の構成から改めて考察してみることにした。窓は物理的な役割がその構成の決定要素になっていることが、観察すると見て取れるが、内(建築空間)と外(地球空間)の境界である「窓」を「断面」として捉え、その「断面」を顕微鏡で覗き込むように注視し観察すると、そこには「縁側」のような「居場所」を沢山、見つけることが出来る。縁側という居場所は、内(建築空間)と外(地球空間)を繋ぐ大切な役割があるのと同時に、「人と建築を」「人と地球を」そして「人と人を」繋ぐ大切な居場所である。
今回、住宅スケールの入口ドアを開け、リビングルームのような部屋へ入ると、そこには「窓」が設えられている。その「窓」には断面を拡張したような「奥行き」があり、多様な「居場所」が存在する。そこは内と外の「あいだ」であり、「家具」と「建築」の「あいだ」となる。窓の中に入ってゆくと、そこには居場所があり体験する。そんな不思議な空間が設えられ広がっている。
「窓」の「断面」が多様な「居場所」となることで、単に内(建築空間)と外(地球空間)の「境界」でしかなかった窓が、全く新しい概念に生まれ変わる。内から外へ、外から内へ、穏やかなグラデーションをもつ新しい「窓」の概念が生まれる。
この新しい窓の概念が、既に世界中に蔓延している「窓」に伝染するウイルスのようなアイデアとなり、世界に広がると、地球の状態を刷新できるのではないか考える。
そんな発明を「良きウイルス」とよび、「良きウイルス」が蔓延した未来の世界を想像してほしい。
■建築概要
題名 : 内と外の間/家具と部屋の間
設計:五十嵐 淳/五十嵐淳建築設計事務所
藤森 泰司/藤森泰司アトリエ
担当:五十嵐 淳+藤森 泰司
住所:東京都江東区
主用途:パヴィリオン
施工:株式会社 ハセベ
階数:平家建て
床面積:77.85㎡
構造:木造枠組壁構法
竣工:2016年7月
写真:永井杏奈