SHARE 稲山貴則建築設計事務所による、山梨の住宅「Tab House」
稲山貴則建築設計事務所が設計した、山梨の住宅「Tab House」です。
若い夫婦と小さな子供の3人家族が東京から八ヶ岳の麓、山梨県北杜市への移住するための住宅。
都会からの移住者にとって地域との関わりはとても重要な要素である。
施主のふるまいを地域に開くことで、周辺の住民や周囲の自然と接するきっかけが増えると考え、大きな縁側や展望台、出窓や物干しなど地域と接する「のりしろ空間」を住居と地域との間のバッファーとして配置した。
すると「のりしろ空間」を介して庭や地域と接する機会が増え、普段の生活がよりきっかけに満ちたものになるだろう。
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以下、建築家によるテキストです。
若い夫婦と小さな子供の3人家族が東京から八ヶ岳の麓、山梨県北杜市への移住するための住宅。
都会からの移住者にとって地域との関わりはとても重要な要素である。
施主のふるまいを地域に開くことで、周辺の住民や周囲の自然と接するきっかけが増えると考え、大きな縁側や展望台、出窓や物干しなど地域と接する「のりしろ空間」を住居と地域との間のバッファーとして配置した。
すると「のりしろ空間」を介して庭や地域と接する機会が増え、普段の生活がよりきっかけに満ちたものになるだろう。
内部空間はどこにいても外部空間とよりダイレクトにつながるように立体的なワンルームとした。
大きな空間の中で家族全員が共に過ごす時間を共有し、お互いが別のことをしていても一体感のある広場やカフェのような公共空間に近い状態を目指した。また、大きなワンルームは室内環境も共有することができエネルギーを効率的に使用することにもつながる。
寒冷地ということで暖房のシステムには特に配慮し、エアコン1台で床下空間を温め床のスリットから暖気を放出することで室内温度を均一にし、少ないエネルギーで家全体を温めるシステムとしている。
構造は南北に緩やかに傾斜する敷地に対してツーバイ材で門型のフレームを組み、敷地南側の庭と北側の森をつなげるように配置した。
東西の壁と屋根を構成する門型フレームは現しとし、南北の壁は在来工法で構成し大壁とした在来工法とツーバイ工法のハイブリットのような構造となっている。
すでに住み始めてから地域の人から野菜をもらったり、造園のアドバイスをもらったりと「のりしろ空間」を介した地域との交流が生まれている。
移住という大きなハードルを越えるためにこの家が少しでも寄与できればと考えている。
■建築概要
敷地面積:687.68m2
建築面積:73.58 m2
延床面積:103.00m2
構造:木造
規模:地上2階建
用途:専用住宅
設計監理:稲山貴則建築設計事務所
構造設計:大原和之+高橋修一/BSI
施工:巧光建設
撮影:鳥村鋼一