玉上貴人 / タカトタマガミデザインによる、大阪の、賃貸型物流施設の託児所・休憩ラウンジ・売店「レッドウッド南港DC2 KLÜBB エリア」です。本体設計は、前田建設工業。
2016年に竣工した賃貸型物流施設「レッドウッド南港DC1」に続き2期工事として隣地に建てられた「レッドウッド南港DC2」である。DC1同様、通販会社や運送会社をはじめメーカー等様々な業態が入居需要として見込まれている。
eコマース市場の急成長により物流施設へのニーズが高まる中、クライアントは効率重視、物中心の施設づくりから舵を切り、「HUMAN CENTRIC DESIGN」の理念を掲げた。人に優しい快適な労働環境として託児所や売店、休憩ラウンジの整備を進めKLUBBエリアという名称でブランディングしている。その空間設計をDC1同様我々が設計を手がけた。
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以下、建築家によるテキストです。
2016年に竣工した賃貸型物流施設「レッドウッド南港DC1」に続き2期工事として隣地に建てられた「レッドウッド南港DC2」である。DC1同様、通販会社や運送会社をはじめメーカー等様々な業態が入居需要として見込まれている。
eコマース市場の急成長により物流施設へのニーズが高まる中、クライアントは効率重視、物中心の施設づくりから舵を切り、「HUMAN CENTRIC DESIGN」の理念を掲げた。人に優しい快適な労働環境として託児所や売店、休憩ラウンジの整備を進めKLUBBエリアという名称でブランディングしている。その空間設計をDC1同様我々が設計を手がけた。
DC1、2を通じて追求したのは人の感性とスケールに馴染む佇まいである。開口の少ない倉庫で働く人にとって港ならではのドラマティックな環境は安らぎや親しみの対象になると考え積極的に外部へ開いた。
DC2の休憩ラウンジでは背の高い列柱によって港のパノラマを垂直に分割し壮大に借景した。列柱廻りの一部は半屋外化することで景色だけでなく汽笛の音や海風を感じられるインナーテラスである。列柱のアイデアは西洋建築のロッジアに範をとった。これはDC1の低い軒と床によって水平に景色を切り取り和建築的な借景手法をとったラウンジに呼応したものである。
1階の託児所から売店、メインエントランスにかけては外壁面をセットバックさせピロティとした。これもまた港を感じられる半屋外空間に人の往来を促す仕掛けである。
休憩ラウンジ、託児所の内部はいずれも同素材の床・壁・天井が連続する1枚の「面」に包み込まれたような空間とした。物量を優先した巨大な環境のなかでは優しく包まれた空間が人の集う場として相応しいと思ったからである。その「面」は自然と腰掛けたくなる段差や子供達の遊ぶ滑り台へ、さらには高床や傾斜天井へと変化しヒューマンスケールの様々な居場所をかたちづくる。
■建築概要
物件名:レッドウッド南港DC2 KLÜBB エリア
所在地:大阪府住之江区
工事種別:内装、外装、外構工事(新築工事の共用部)
設計協力:Architectural Design Office 【hyphen】
本体設計:前田建設工業
施工:前田建設工業
主要用途:託児所、休憩ラウンジ、売店
敷地面積:69,899.58
床面積:503.06
(本体延床面積 ) 158,052.80
構造:鉄骨造
規模:地上4階
竣工:2018/2/28
Photographer:
吉村昌也 / Masaya Yoshimura
山崎浩治 / Koji Yamazaki