SHARE 田辺雄之建築設計事務所による、静岡・熱海市の店舗「Organic Box」
田辺雄之建築設計事務所が設計した、静岡・熱海市の店舗「Organic Box」です。お店の場所はこちら(GoogleMap)。
静岡県熱海市の海へと繋がる熱海銀座通り商店街に面するオーガニックカフェ。間口が5mほどの既存店舗は、熱海の芸者さんが通った小間物屋(椿油や白粉等を扱う)がルーツの調剤薬局。今回はその1/4ほど(間口2.5mx奥行き5m)をオーガニックカフェへと改装した。
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以下、建築家によるテキストです。
静岡県熱海市の海へと繋がる熱海銀座通り商店街に面するオーガニックカフェ。間口が5mほどの既存店舗は、熱海の芸者さんが通った小間物屋(椿油や白粉等を扱う)がルーツの調剤薬局。今回はその1/4ほど(間口2.5mx奥行き5m)をオーガニックカフェへと改装した。通りに面した店頭販売を主としているが、厨房裏のカウンター席、テーブル席、長手方向の木フレームを利用したロングカウンターと様々な客席を用意。薬局との仕切りには網入り型板ガラス霞クロスを用いることで互いの光と気配を感じることができる。またこのガラスは18cm幅の横桟毎に、湯けむりが立ち上るが如く垂直方向の角度を振ることで、薬局側では商品棚のスペース、カフェ側ではカウンタースペースをつくりだしている。この角度の異なるガラスには、カフェの照明の反射光はもちろんのこと、薬局側の様々なカラーの化粧品サインがぼやけて透けたり、通りを走る車のライトやアーケードの光が交差する。単層の仕切りでありながら湯けむりのような多層で複雑なひろがりをつくりだしている。コストを抑えるために天井には極力手を加えないこととした。よって既存の空調機や照明を利用するために仕切り壁の上部は金網となっている。厨房内の壁に掛けられた雲のような棚や照明フードは茅ケ崎在住の彫刻家である岡田健太郎氏によるもので、線による印象的な陰影を空間に与えている。厨房の壁はアルミで覆い、光る目玉を二つ通り側に設けることで商店街の賑わいに参加している。
■建築概要
店名:Organic Box
用途:飲食店
場所:静岡県熱海市銀座町10-18
設計監理:田辺雄之建築設計事務所 担当/田辺雄之、小室周起
施工:川口建築
床面積:13.55m2
雲棚、照明フード:岡田健太郎
照明、什器コンサルタント:Queue
竣工:2019年8月