関祐介 / YUSUKE SEKI Studioが設計した、奈良・西吉野の住宅「西吉野の家」です。
またこの住宅のクライアントは奈良と大阪でフルーツドリンクショップ「堀内果実園」を運営しているとの事。
価値と技術そして文化のアップサイクルは常に考えていることであり、 この住宅計画においても体現できたことは誇りに思っている。
このプロジェクトは、奈良県西吉野の山の果樹園所有者の家族のための家の改修。 元の建築は鉄骨造で一階が倉庫、二階が住居として使用されていた。
まず目が行くのが高床式倉庫を彷彿させる増築部だろう。
所在地が奈良ということもあり、正倉院からインスピレーションを得ているのは言うまでもない。
隣接されていた100年も経つ小屋の構造体を一度解体し、腐敗または不安定な要素を接ぎ木し、上部にのばすことで増築部の構造体として再び組み立て直す。
以下の写真はクリックで拡大します
こちらは既存建物等の写真。
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以下、建築家によるテキストです。
価値と技術そして文化のアップサイクルは常に考えていることであり、 この住宅計画においても体現できたことは誇りに思っている。
このプロジェクトは、奈良県西吉野の山の果樹園所有者の家族のための家の改修。 元の建築は鉄骨造で一階が倉庫、二階が住居として使用されていた。
まず目が行くのが高床式倉庫を彷彿させる増築部だろう。
所在地が奈良ということもあり、正倉院からインスピレーションを得ているのは言うまでもない。
隣接されていた100年も経つ小屋の構造体を一度解体し、腐敗または不安定な要素を接ぎ木し、上部にのばすことで増築部の構造体として再び組み立て直す。
その結果、廃棄物の量が最小限に抑えられた構造的な更新が行われ、再利用可能なものが保持され、新しい生命が与えられる。 バスルームと新たなストレージが配置されており、もともとの外壁がインテリアとして取り込まれているのも特徴的な要素である。2つのマスターベッドルームは、建物の中央る独立したボリュームに配置されており、部屋を中心に回遊できるプランとなる周囲には通路のような部屋のような空間が発生し、事実二人の子供たちの部屋として角を境目にして使用されている。横に伸びる玄関の土間は、スニーカー好きのクライアントのディスプレイゾーンにもなり、来客者と居住者の動線を2分する要素を併せ持ち、来客者は玄関の目の前の階段から招きいれられ、居住者は玄関扉から奥周りに出入りする。シャッターを撤去し取り付けられた開口は自然光を内部に取り込み、改築前の暗い倉庫のイメージをクライアントから払拭するだろう。
2階は、屋根裏部屋全体が開かれ、調理/生活/ダイニングスペースを形成。
寛大でロフトのようなプロポーションは、山の中でちょっとした都市生活を体験できるスペースを求めるクライアントの要望に応えています。
また、家のさまざまなポイントで、増築部の構造体の接ぎ木の痕跡に誘発されるかのごとく、従来の家の構造コンポーネント(外壁、フローリング、断熱材)がむき出しになっており、居住者に住んでいる場所の蓄積された歴史を想起させる。西吉野の家は、インテリアデザインの視点で作られた建築プロジェクトであり、すでにあるものの品質を引き出し新しいものを生み出しているのである。
■建築概要
西吉野の家 House in Nishiyoshino
所在地:奈良県西吉野,
主要用途:専用住宅,
家族構成:夫婦+子供二人
住居周辺で果実園を経営。
奈良市、大阪市内に「堀内果実園」というフルーツドリンクショップを経営。
https://www.horiuchi-fruit.shop
設計:YUSUKE SEKI Studio
施工:今西工務店 担当/今西 唯志
建具・家具:今井商店 担当/今井智仁
増築部構造・工法:木造軸組工法(構造体既存利用)
規模:地上2階
増築部建築面積32㎡
母屋建築面積76.6㎡
竣工:2016年5月
写真:長谷川健太