SHARE 堤由匡建築設計工作室による、中国・杭州市の飲食店「料亭松子」
広島にも事務所を開設した、堤由匡建築設計工作室が設計した、中国・杭州市の飲食店「料亭松子」です。
杭州西湖湖畔の三階建古民家全体を日本食のへと改修した。落ち着いた雰囲気の2~3階は独立の入り口を持つ日本食の料亭へと改修した。
料亭の玄関は天井の低い二階に計画となるため、アイキャッチとなる壁面を重点的にデザインした。玄関正面の透かし格子は伝統的な麻の葉模様を菱形と正三角形の2レイヤーに分割、再構成している。認識者は正面から見たとき視覚の中心に麻の葉を認識し、周縁につれパターンがずれていく。下足箱には名栗加工を施し美しい陰影の表情をつけた。
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以下、建築家によるテキストです。
杭州西湖湖畔の三階建古民家全体を日本食の飲食店へと改修した。落ち着いた雰囲気の2~3階は独立の入り口を持つ日本食の料亭へと改修した。
料亭の玄関は天井の低い二階に計画となるため、アイキャッチとなる壁面を重点的にデザインした。玄関正面の透かし格子は伝統的な麻の葉模様を菱形と正三角形の2レイヤーに分割、再構成している。認識者は正面から見たとき視覚の中心に麻の葉を認識し、周縁につれパターンがずれていく。下足箱には名栗加工を施し美しい陰影の表情をつけた。
二階客席の半分は個室となり、仕切りは太鼓張りの障子とし、二重格子のシンプルな背景となるようにしている。残りの半分はホール席となり、テーブル後ろに二重の麻の葉格子を設置した。開口部は採光を確保しつつ外部の現実的な風景を遮り、かつベランダの植栽を感じられるように雪見障子となっている。
三階は全て個室を配置して落ち着いたフロアとした。屋根裏の高い天井高さを活かすように、床の間の違い棚を高い天井までダイナミックに展開し、間接照明を仕込んだ。これは修学院離宮の霞棚の参照である。
■建築概要
料亭松子
住所:中国杭州市
面積:260.2㎡
設計:堤由匡建築設計工作室 (堤由匡、洪秀秀、羅師鵬、※彭瑶君,※張斯朗) ※インターン
照明デザイン:リュースデザイン (石岡真己子)
設備設計:北京東洲斎技術諮詢有限公司(石川星明、竹林克宣、山崎隆司)
施工:杭州豊元装飾設計工程有限公司
写真:Sensor見聞影像
竣工:2020年5月
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 個室廊下床 | 木下地、縁なし畳t30(Shanghai Shengyi Industry Co;Ltd,) |
内装・床 | 個室内 | 木下地、床暖房畳t20(Shanghai Shengyi Industry Co;Ltd,) |
内装・床 | 玄関床・ホール席床 | モルタル下地、花崗岩バーナー仕上げt20 |
内装・床 | 上がり框 | チェリー無垢材クリア塗装(Shanghai Shengyi Industry Co;Ltd,) |
内装・床 | 1-2階階段 | モルタル下地、花崗岩バーナー仕上げt12 |
内装・床 | 2-3階階段 | 鉄骨下地、ホワイトオーク集成材クリア塗装 |
内装・壁 | 1階エントランス壁 | モルタル下地、花崗岩バーナー仕上げt12 |
内装・壁 | 個室壁1 | PBt12下地、塩化ビニル樹脂系クロス貼 |
内装・壁 | 個室壁2 | PBt12下地、珪藻土塗装 |
内装・壁 | トイレ壁 | モルタル下地、タイル貼 |
内装・天井 | 玄関天井・廊下天井・ホール席天井 | PBt9.5下地、珪藻土塗装 |
内装・天井 | 寿司カウンター天井・個室天井・トイレ天井 | ラワンベニヤ下地、竹網代シート貼り |
内装・造作家具 | 格子壁 | ホワイトオーク機械加工 二重格子(VINTAGE TIMBER CRAFT) |
内装・造作家具 | 下足箱 | ホワイトオーク機械加工 波型名栗加工(VINTAGE TIMBER CRAFT) |
内装・造作家具 | 床の間・違い棚 | ホワイトオーク化粧合板 |
内装・造作家具 | 寿司カウンター | 無垢ヒノキ材 クリア塗装(Shanghai Shengyi Industry Co;Ltd,) |
内装・照明 | 照明 | (VF lighting) |
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