SHARE 田邉雄之建築設計事務所による、軽井沢のワーケーション施設等に設置される「カラマツパーティション」
田邉雄之建築設計事務所が設計した、軽井沢のワーケーション施設等に設置される「カラマツパーティション」です。設置されるワーケーション施設施設の名前は「WORK x ation Site 軽井沢」で、こちらも田邉による設計です。アーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介しています。
突如訪れたコロナ禍において、我々の生活の中に飛沫を防ぐ目的で浸透したパーティション。
今回はそんなパーティションの土台に、信州の山々で育ったカラマツの丸太を使用した。カラマツは信州のような寒さが厳しい環境でも育つことから、戦後に数多く植林された。カラマツは強風や積雪など厳しい環境でも育つように捻じれながら成長する。その捻じれが乾燥した際には暴れとなり、厚みのある無垢材にて使用することは避けられてきた。しかし近年の機械乾燥技術の進歩により、暴れを抑えることが可能になりつつある。木目はスギなどに比べると真っすぐで、フローリング材や外壁材としての需要も高まっている。
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以下、建築家によるテキストです。
突如訪れたコロナ禍において、我々の生活の中に飛沫を防ぐ目的で浸透したパーティション。
今回はそんなパーティションの土台に、信州の山々で育ったカラマツの丸太を使用した。
カラマツは信州のような寒さが厳しい環境でも育つことから、戦後に数多く植林された。カラマツは強風や積雪など厳しい環境でも育つように捻じれながら成長する。その捻じれが乾燥した際には暴れとなり、厚みのある無垢材にて使用することは避けられてきた。しかし近年の機械乾燥技術の進歩により、暴れを抑えることが可能になりつつある。木目はスギなどに比べると真っすぐで、フローリング材や外壁材としての需要も高まっている。
また製材に適さない部分は、近年再評価されている薪ストーブの燃料としても親しまれている。とはいえ戦後約75年が経ち、先人が財産にと後世に残したカラマツの山々が、その価値の下落から手付かずとなり荒廃が進んでいることも事実である。これはそんな信州のカラマツを使用した小さな地産地消プロジェクト。
設置先は信州軽井沢のワーケーション施設であり、県外からも多数の人が訪れることから、この取り組みがより広がる可能性を含んでいる。中央のアクリル板を立てるスリットは鋸を底面から当てることで設け、丸太を感じさせる半円形の断面を可能とした。そしてコロナが終焉した暁には、薪として暖を与える役割を担う。
カラマツの積極的な活用は信州の山を救うサイクルとなる。
■建築概要
設計:田邉雄之建築設計事務所
製作者:林友ハウス工業、田邉雄之建築設計事務所
企画:三菱地所、田邉雄之建築設計事務所
設置場所:WORK x ation Site 軽井沢、三菱地所本社
サイズ:w1400 x d180 x h600
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・造作家具 | 材料 | カラマツ[長野県南佐久郡南相木村日向区栃山産] |
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