SHARE 二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の住宅「城崎の家」
二俣公一 / ケース・リアルが設計した、兵庫・豊岡市の住宅「城崎の家」です。
目の前に一級河川を臨む敷地での木造住居の計画。
川は勾配が非常に小さく流れが緩やかで、施主はこの川を眺められるような住まいを望んでいた。また一方でこの河川には洪水など水害の歴史があり、私たちはこれらを考慮した上で計画を進める必要があった。そこでまず、住居の機能配置としては1階に倉庫や水回りなどを、2階に寝室やリビングダイニング、テラスといった機能を設け、水害時の安全を確保しながら平常時に景色の良さを感じられる住まいを考えた。
そしてテラスから景色を眺められることはもちろん、ダイニングテーブルの向かいにも大きな開口部を設け、生活の中心に川の風景があるような構成とした。2階上部には、一日を通して安定した光を取り入れられるよう北側にハイサイドライトを計画。さらに自然光の入射部分を深さのある断面形状とすることで、上部から滲み出るような、柔らかな光を取り入れることを意識した。
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以下、建築家によるテキストです。
目の前に一級河川を臨む敷地での木造住居の計画。
川は勾配が非常に小さく流れが緩やかで、施主はこの川を眺められるような住まいを望んでいた。
また一方でこの河川には洪水など水害の歴史があり、私たちはこれらを考慮した上で計画を進める必要があった。そこでまず、住居の機能配置としては1階に倉庫や水回りなどを、2階に寝室やリビングダイニング、テラスといった機能を設け、水害時の安全を確保しながら平常時に景色の良さを感じられる住まいを考えた。
そしてテラスから景色を眺められることはもちろん、ダイニングテーブルの向かいにも大きな開口部を設け、生活の中心に川の風景があるような構成とした。2階上部には、一日を通して安定した光を取り入れられるよう北側にハイサイドライトを計画。さらに自然光の入射部分を深さのある断面形状とすることで、上部から滲み出るような、柔らかな光を取り入れることを意識した。
その結果、南北に沿って配置したリビング、ダイニング、キッチンという長さのあるひとつながりの空間の中に、様々な光の入り方によってリズムをつけることが可能になった。
また、内外部の仕上げは全体を通して白を基調に選定。壁や天井、収納などの造作をはじめ、屋根やサッシ、外壁に用いた塗料に至るまで、同色ながらも微妙に異なるそれぞれの白を用い、計画地のある豊岡盆地の霧立った白色の山間風景と調和するような建築を目指した。
■建築概要
城崎の家(2020年/兵庫)
計画種別:新築
用途:住宅
計画地:兵庫県豊岡市
設計:ケース・リアル 二俣公一 平原聖元
設計協力・施工:川嶋建設
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
建築面積:84㎡
延床面積:155.4㎡(1F/77㎡、2F/78.4㎡)
敷地面積:263.7㎡
構造:木造
規模:地上2階
計画期間:2019年6月~2020年11月
写真:水崎浩志
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板 ホワイト 立ハゼ葺 |
外装・壁 | 外壁 | ラスモルタルのうえシリケート塗料仕上 |
内装・床 | 床 | オーク複合フローリング貼 オイル塗装仕上(東京工営) |
内装・床 | 水廻り床 | 塩ビタイル貼:モルタライク(タジマ) |
内装・壁 | 壁 | PB12.5+9.5 AEP白 ツヤ消し |
内装・天井 | 天井 | PB9.5+9.5 AEP白 ツヤ消し |
内装・建具 | 建具 | 木製フラッシュ組のうえシナ合板貼 白塗装 3分ツヤ有 |
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A project for a wooden house on a site facing a grade one river. The client requested a house facing this gently running river with a low gradient. However, this river had a history of flooding and other water disasters, so it was essential for us to take these factors into consideration when developing the plan. Thus, we designed a functional layout to ensure safety in case of flooding, where the storage and water facilities were placed on the ground floor, while maintaining the outside view on the floor above, which included the bedrooms, living and dining rooms, and terrace. In addition to the view from the terrace, a large opening was made facing the dinning table to create a lifestyle centered around the scene of the river. On this upper floor, high side lights were placed on the north side to provide stable light throughout the day. In addition, by creating a deep cross-sectional shape for the sunlight to enter the building, we aimed to bring in the light softly as if it were pouring from above. As a result, various ways of light entering the living room, dining room, and kitchen, which were arranged along the north-south axis, created a rhythm within the long, connected space. White was chosen as the base color for the interior and exterior finishes for the entire house. From the walls and ceilings, to the roof, sashes, and the exterior walls, the paint was used in a gradual color scheme while maintaining the same palette aiming to create a space where each white color harmonizes with each other as well as the mountain sceneries of the Toyooka Basin where this project site is located.
HOUSE IN KINOSAKI (Hyogo, Japan, 2020)
Type of Project: Newly build
Use: House
Period: Jun 2019 – 2020
Structure: Wood frame
Scale: 2 Story
Building Area: 84m2
Floor Area: 155.4m2(1F/77m2, 2F/78.4m2)
Site area: 263.7m2
Location: Hyogo, Japan
Design: Koichi Futatusmata, Kiyomoto Hirabaru(CASE-REAL)
Design Cooperation, Construction: Kawashima Co., Ltd.
Lighting Plan: Tatsuki Nakamura(BRANCH LIGHTING DESIGN)
Photo: Hiroshi Mizusaki