牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る エントランス photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホールからテーブルCとテーブルBの方を見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルE、右:テーブルD photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所 が設計した、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」です。
飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店の計画です。建築家は、競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案しました。そして、内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る事も意図されました。店舗の公式ページはこちら 。
大森駅のほどちかく、飲食店が軒を連ねるテナントビルの一画における焼肉店舗の計画である。
多くの飲食店が並ぶ賑やかな雰囲気のこの街にはすでに多くの競合店が営業をしており、この計画では他店との差別化を図るべく全席を半個室とした店舗とすることとした。
既存の内装を解体するとGLボンド跡や残ったコンクリートの躯体や荒々しいコンクリートブロックが露出した。
限られたスペースを有効に使うためにもこの躯体には手を加えずそのまま活用、新設内装仕上げには既存躯体に負けない素材感のあるタイルを選定した。
タイルには素材そのものである土のような質感を求め、表面の釉薬を削り取るように1枚1枚丁寧に研削加工を施した。
黒色のタイルを選び研削加工をすると、同じタイルでも加工前と同じ黒色と黄色味斑目色に分かれたため、ホールには黒色を、個室には温かみのある黄色斑目色を分けて使用している。
平面計画はビルファサードデザインによるジグザクを手掛かりとしながら、H2.1mの間仕切りを一筆書きのように蛇行させることで客室を設けた。客室出入口は躙口(にじりぐち)のような不等辺三角形の開口とし、オープンでありながら視線を抑えるよう検討を行った。
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牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る エントランス photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホール photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホールからテーブルCとテーブルBの方を見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルD、右:テーブルC photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホールからテーブルDを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホールからテーブルDを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルD photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルE、右:テーブルD photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルF photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルF photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルFからホールを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルFからホールを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る ホールからテーブルCを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルC、中:テーブルB・右:テーブルA photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルB、テーブルA photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルB photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルBからホールを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルB、テーブルA photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルAをのぞく。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルAから見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 左:テーブルC、中:テーブルB・右:テーブルA photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルC photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルC photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る テーブルCからホールを見る。 photo©鳥村鋼一
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 平面図 image©牧野恭久建築設計事務所
牧野恭久建築設計事務所による、東京・大田区の飲食店「ぼんぼり」。飲食店が並ぶ賑やかな地域の焼肉店。競合との差別化を目指し、“にじり口”の様な三角形の出入口を持つ“半個室”が並ぶ空間を考案。内装に研削したタイルを用いて“力強さ”と“柔らかさ”に包まれる場を作る 断面図 image©牧野恭久建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
大森駅のほどちかく、飲食店が軒を連ねるテナントビルの一画における焼肉店舗の計画である。
多くの飲食店が並ぶ賑やかな雰囲気のこの街にはすでに多くの競合店が営業をしており、この計画では他店との差別化を図るべく全席を半個室とした店舗とすることとした。
既存の内装を解体するとGLボンド跡や残ったコンクリートの躯体や荒々しいコンクリートブロックが露出した。
限られたスペースを有効に使うためにもこの躯体には手を加えずそのまま活用、新設内装仕上げには既存躯体に負けない素材感のあるタイルを選定した。
タイルには素材そのものである土のような質感を求め、表面の釉薬を削り取るように1枚1枚丁寧に研削加工を施した。
黒色のタイルを選び研削加工をすると、同じタイルでも加工前と同じ黒色と黄色味斑目色に分かれたため、ホールには黒色を、個室には温かみのある黄色斑目色を分けて使用している。
平面計画はビルファサードデザインによるジグザクを手掛かりとしながら、H2.1mの間仕切りを一筆書きのように蛇行させることで客室を設けた。客室出入口は躙口(にじりぐち)のような不等辺三角形の開口とし、オープンでありながら視線を抑えるよう検討を行った。
店内は照度を落とし、スポットライトにてタイル面のボリュームが浮かび上がるような照明計画としている。
光に照らされたタイルは丁寧な手仕事の研削跡と素材の持つおおらかさを表現している。
焼肉というシンプルな料理に相応しい、土の持つ力強さや柔らかさに包み込まれる洞穴のような空間を目指した。
■建築概要
計画名:ぼんぼり
計画地:東京都大田区大森1-8-11 紅屋ビル2F B
用途:飲食店
計画種別:内装設計
施主:K&F
設計者:牧野恭久建築設計事務所
施工者:正建
計画面積:49.91m2
完成:2022年7月
写真撮影:鳥村鋼一
This is a plan for a yakiniku restaurant in a tenant building near Omori Station, where there are many restaurants.
In this bustling neighborhood with many restaurants, there are already many competing restaurants, so we decided to make all seats semi-private in order to differentiate the restaurant from others.
When the existing interior was dismantled, traces of GL bond and remaining concrete frame and rough concrete blocks were exposed.
In order to make effective use of the limited space, we chose to use the existing frame without modifying it, and for the new interior finish, we selected tiles with a material feel that is as good as the existing frame.
The tiles were carefully ground one by one to remove the glaze from the surface, in order to give the tiles an earth-like texture, the very material itself.
The black tiles were ground to reveal their original color and yellowish tint.
The black color is used separately for the hall and the warm yellowish mottled color for the private rooms.
The guest rooms are located by meandering the H2.1m partition like a stroke of a pen, while the floor plan takes its cue from the zigzag design of the building façade.
The guest room entrances and exits were made in the form of short “nijiriguchi”-like inequilateral triangular openings, creating an open yet highly private space.
The interior is illuminated with spotlights to bring out the volume of the tiled surfaces.
The tiles illuminated by the light express the grinding marks of careful handiwork and the generosity of the materials.
The aim was to create a cave-like space that envelops the simple dish of grilled meat with the strength and softness of the earth.
bonbori Restaurant
Project name: bonbori Restaurant
location: 1-8-11-2B Omori Ota-ku Tokyo Japan
client: K & F
architecture studio: Yasuhara Makino Architect & Associates
constructor: SEIKEN
completion: 2022.07
area: 49.91m2
photographer: Koichi Torimura