SHARE 大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.による、東京・墨田区の、映画館「Stranger」。カフェ併設型として計画。“現代的にアップデートした鑑賞体験”を主題とし、動線上に境界線を無くした街を引き込む様な交流空間を考案。家具類の配置で“人だまり”を作り自然な歓談や情報交換を促す
大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.が設計した、東京・墨田区の、映画館「Stranger」です。
カフェ併設型として計画された施設です。建築家は、“現代的にアップデートした鑑賞体験”を主題とし、動線上に境界線を無くした街を引き込む様な交流空間を考案しました。また、家具類の配置で“人だまり”を作り自然な歓談や情報交換も促します。施設の公式サイトはこちら。
東京都墨田区菊川に開業したカフェ併設型の映画館である。
「現代的にアップデートされた映画鑑賞体験を生み出すこと」をテーマに掲げ、作品を鑑賞するだけでなく気軽に意見を交わし合ったり、作品以外に関心のある情報をシェアし合ったり、集まる人たちが文脈や視点を共有してコミュニケーションできる空間を求められた。
専有面積の半分は劇場で使用することに加え、劇場に関する法規での制限もあり、カフェを含むコミュニケーション可能な空間は限られていた。そのため、前面道路と結び付けられた軒下空間、さらに劇場入口までの道筋を境界線を作らずに奥へと引き込みながら街の領域を拡張していくようなプランとした。その領域の中にポツポツと現れる家具の周りに人だまりを作るような配置計画とし、動線と交わりながら自然とコミュニケーションが生まれるような設計とした。
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以下、建築家によるテキストです。
東京都墨田区菊川に開業したカフェ併設型の映画館である。
「現代的にアップデートされた映画鑑賞体験を生み出すこと」をテーマに掲げ、作品を鑑賞するだけでなく気軽に意見を交わし合ったり、作品以外に関心のある情報をシェアし合ったり、集まる人たちが文脈や視点を共有してコミュニケーションできる空間を求められた。
専有面積の半分は劇場で使用することに加え、劇場に関する法規での制限もあり、カフェを含むコミュニケーション可能な空間は限られていた。そのため、前面道路と結び付けられた軒下空間、さらに劇場入口までの道筋を境界線を作らずに奥へと引き込みながら街の領域を拡張していくようなプランとした。その領域の中にポツポツと現れる家具の周りに人だまりを作るような配置計画とし、動線と交わりながら自然とコミュニケーションが生まれるような設計とした。
通路幅を広く取ることで生まれた余剰空間がユーザーの能動性を引き出すことに寄与し、カフェの使われ方は自由度の高いものにしたいというオーナーの要望に応えている。今後、ポップアップなどの商業的な使われ方から地域との関係を意識したコミュニティ作りなど、さまざまな事象を許容する場になっていくであろう。
■建築概要
店舗名:Stranger
所在地:東京都墨田区菊川3丁目7-1 菊川会館ビル1階
用途:カフェ併設型映画館
クライアント:アートアンドサイエンス株式会社
担当:岡村忠征
設計:大嶋励+小阿瀬直+山田優/SNARK Inc.
担当:大嶋励、馬屋原真実、椚座ロマン
協力:映画館設営コンサルティング/アテネ・フランセ文化センター
施工:ICHIDAI
什器製作:MACRI、gambit
延床面積:148.50m2
設計:2022年3月〜2022年6月
工事:2022年6月〜2022年9月
竣工:2022年9月
写真:新澤一平
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・壁 | 外壁 | ラスカットボードの上、モルタル左官仕上げ |
外装・屋根 | 天井 | ラスカットボードの上、モルタル左官仕上げ |
外装・その他 | ベンチ兼階段 | コンクリート |
内装・壁 | 壁 | 亜鉛めっき鋼板 |
内装・天井 | 天井 | AEP塗装 |
内装・造作家具 | 造作家具(木工) | ラーチ合板 クリアラッカー塗装 |
内装・造作家具 | 造作家具(スチール) | St PL 焼付塗装 |
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This is a movie theater with a cafe located in Kikugawa, Sumida-ku, Tokyo.
With the theme of “creating a modern and updated movie-viewing experience,” the project called for a space where people can not only see films, but also casually exchange their opinions, share information of interest beyond films, and communicate with each other by sharing context and perspectives.
Since half of the area was to be used as a theater, and since the law requires theaters to have two entrances and a 1.2-meter-wide evacuation line, the space available for communication purposes, including the cafe, was limited. Therefore, the plan was designed to draw people in from the space under the eaves facing the front street to the path leading to the theater entrance without creating boundaries. We created a layout plan that allows people to gather around the furniture. By doing so, we made it possible for people to naturally communicate with each other as people’s gathering places and flow lines intersected.
The extra space created by the wide aisle allows people to move around, and meets the owner’s request that they wants to use the cafe area in any way. In the future, the cafe will become a place that allows for a variety of events, from commercial uses such as setting up a pop-up store to community events that create connections with the local community.