木元洋佑建築設計室が設計した、東京・渋谷区の「旬゛喫茶パンエス」です。
広い共用部に面した区画のビルオーナー直営の店舗です。建築家は、諸条件を読み解き、専有部に加え“移動できる小さな小屋”の客席が共用部に並ぶ構成を考案しました。また、配列の変化で様々な人数の訪問にも対応可能となっています。店舗の公式ページはこちら。
原宿明治通り面する商業ビルの一階に入る喫茶店の計画です。
テナント区画に広い屋外共用通路と中庭が面している点、屋内客席数が確保しにくい点、広い共用スペースがあるビル、ビルオーナー直営の店舗でビルの共用部分の利用がしやすいなどの条件から、テナント区画内の専有部に留まらず共用部にも移動できる小さな小屋が並ぶ店舗を計画しました。
店舗は屋内部分と屋外部分からなり共に家形の客席が並びます。家形が並ぶ店内は、家の中が客席や、厨房、開口部が商品棚やレジ台やテーブルになっています。店舗のさまざまな要素が家の一部となり一つの街並みを作っています。
屋外の家形客席は1つの小屋に4人程度が座れ、7つ配置されています。小屋の足元に滑車がついており、移動可能な設えとなっています。通常営業時は、屋内から連なる一列の配置とし、店内も合わせた一つの大きなお家の店舗となります。また、一列配置とすることで大人数、少人数などさまざまなタイプのお客様に対応できる客席計画としています。
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以下、建築家によるテキストです。
街並みをつくる喫茶店
原宿明治通り面する商業ビルの1階に入る喫茶店の計画です。
テナント区画に広い屋外共用通路と中庭が面している点、屋内客席数が確保しにくい点、広い共用スペースがあるビル、ビルオーナー直営の店舗でビルの共用部分の利用がしやすいなどの条件から、テナント区画内の専有部に留まらず共用部にも移動できる小さな小屋が並ぶ店舗を計画しました。
店舗は屋内部分と屋外部分からなり共に家形の客席が並びます。家形が並ぶ店内は、家の中が客席や、厨房、開口部が商品棚やレジ台やテーブルになっています。店舗のさまざまな要素が家の一部となり一つの街並みを作っています。
屋外の家形客席は1つの小屋に4人程度が座れ、7つ配置されています。小屋の足元に滑車がついており、移動可能な設えとなっています。通常営業時は、屋内から連なる一列の配置とし、店内も合わせた一つの大きなお家の店舗となります。また、一列配置とすることで大人数、少人数などさまざまなタイプのお客様に対応できる客席計画としています。
気候の良い時は隣接する中庭に小屋を移動、個別配置する事で、明るく気持ちが良い、より個室感の強い客席となります。イベント時には、中庭に円弧状に小屋を配置する事で、個別のブースとして使用する事が可能です。ひとつはパン売り場、ひとつはコーヒー豆売り場などイベントブースの様な使い方が可能な計画にもなります。季節や場面に合わせた座席を提供し、さまざまな街並みが現れる計画となっています。
将来的には小屋ごとのテナント貸しを予定しています。貸出時にはビル内の共用部分の好きな場所に設置可能な条件で貸し出し、ビルの色々な場所に店舗が出店できる計画も考えています。
いちテナントの内装だけではなく、ビル全体の活性化にも寄与した計画を目指しました。
■建築概要
題名:旬゛喫茶パンエス
所在地:東京都渋谷区神宮前6-28-5 宮崎ビル101
用途:飲食店舗
工事:改修
設計:木元洋佑建築設計室一級建築士事務所
担当:木元洋佑、柴野夏初
施工:万美堂
構造:RC造
店舗面積:46.23㎡
中庭+屋外共用通路面積:58.42㎡
設計:2021年4月~2021年8月
工事:2021年8月~2021年11月
竣工:2021年11月
写真:アトリエあふろ 糠澤武敏
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 内装・床 | 客席 床 | モルタル金鏝仕上げ コンクリート防塵塗装
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内装・壁 | 客席 壁 | PB EP塗装
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内装・壁 | 客席 天井 | PB EP塗装
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外構・造作家具 | 屋外の家形客席 屋根 | ラーチ合板 ウレタン塗装
マツ羽目板 EP塗装
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外構・造作家具 | 屋外の家形客席 外壁 | ラーチ合板 ウレタン塗装
マツ羽目板 EP塗装
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内装・造作家具 | 屋外の家形客席 内壁 | ケイカル板 ウレタン塗装
ケイカル板 EP塗装
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内装・造作家具 | 屋外の家形客席 天井 | ケイカル板 ウレタン塗装
ケイカル板 EP塗装
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外装・照明 | 中庭・照明 | 屋外用フレキシブルLED照明 FXE-LED-WP(DNライティング)
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