SHARE 久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、群馬の「伊勢町公衆トイレ」
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久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所が設計した群馬の「伊勢町公衆トイレ」です。
群馬県中之条町の中心市街地の公衆トイレを建て替えるプロジェクト。敷地は林昌寺という中之条に古くからあるお寺の駐車場の一角である。アートの町に相応しい町のシンボルになるようなものであると同時に、公衆トイレの陰気な雰囲気をなくし明るく快適なトイレとすることが望まれていた。
男子トイレと多目的トイレ兼女子トイレの2つを円弧形状にし、S字型につなぐことで適度な距離感を作り出し、歩道側と駐車場の2方向からの人の動線を受け止める形にもなっている。
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以下、建築家によるテキストです。
伊勢町公衆トイレ
清潔感をつくる曲面の壁
群馬県中之条町の中心市街地の公衆トイレを建て替えるプロジェクト。敷地は林昌寺という中之条に古くからあるお寺の駐車場の一角である。アートの町に相応しい町のシンボルになるようなものであると同時に、公衆トイレの陰気な雰囲気をなくし明るく快適なトイレとすることが望まれていた。公衆トイレという性格上メンテナンスの問題から木材を多用するといった方法ではうまくいかない。そこで、空間の陰影をデザインすることで陰気さを取り払うことを考えた。通常の矩形のトイレでは、空間の角に影ができそこに水や汚れ、時には蜘蛛の巣がはって陰気な雰囲気をつくりだす。この角をなくし、トップライトからの自然光が室内の壁をやわらかく照らすことで、明るく快適な空間が公衆トイレでも実現できると考えた。
人の流れと距離感を作るかたち
男子トイレと多目的トイレ兼女子トイレの2つを円弧形状にし、S字型につなぐことで適度な距離感を作り出し、歩道側と駐車場の2方向からの人の動線を受け止める形にもなっている。また曲面壁は道路から駐車場への人と車の流れをスムーズに導くことができる。10㎡にも満たないとても小さな建物であるが、敷地周辺の人や車の流れ、建物の中の快適性、町の中でのシンボル性といった様々な要素を統合するかたちとなった。
■建築概要
所在地:群馬県吾妻郡中之条町伊勢町
主要用途:公衆トイレ
建主:(発注者,事業主体,クライアント) 伊勢町睦会
設計監理:久保都島建築設計事務所(久保秀朗+都島有美)
構造:田村愛
施工:かんな
コーディネーター:古賀大起
建築面積:13.68m2
延床面積:8.87m2
階数:地上1階
最高高:3,000mm
軒高:2,975mm
天井高:2,720mm
主体構造:木造
設計期間:2014年8月〜2015年2月
施工期間:2015年7月〜2015年9月
■設計者プロフィール
久保秀朗(くぼ・ひであき)
1982年 千葉県生まれ
2006年 東京大学工学部建築学科卒業
2006~07年 Sint Lucas Architectuur (Belgium)
2008年 東京大学大学院新領域創成科学研究科修了
2008〜11年 吉村靖孝建築設計事務所
2011年 久保都島建築設計事務所設立
2011年〜 前橋工科大学非常勤講師
都島有美(つしま・ゆみ)
1982年 愛知県生まれ
2006年 九州大学工学部建築学科卒業
2006~07年 Sint Lucas Architectuur (Belgium)
2008年 九州大学大学院人間環境学府修了
2008〜15年 中村拓志&NAP建築設計事務所
2011年 久保都島建築設計事務所設立