SHARE 畑友洋建築設計事務所による、兵庫の、武骨な構造体と長細いプロポーションが印象的な「明石市大蔵海岸公園施設」の動画
畑友洋建築設計事務所が設計した、兵庫の、武骨な構造体と長細いプロポーションが印象的な「明石市大蔵海岸公園施設」の動画です。こちらのページでは写真を10枚見ることができます。
以下は建築家によるテキスト。
2017年事業者コンペによって始まったプロジェクト。敷地である大蔵海岸公 園は近年の2度の悲しい歴史から、地方都市において貴重な浜であるにもかか わらず、長く更新されることから遠ざかっていた。そんな中、改めてこの浜の 空間を力強く更新し、漁業を中心とする港町として、より多くの人々に、浜の 魅力を発信しようという市全体の動きがそもそもの始まりである。 このプロジェクトは、大蔵海岸で行われているバーベキューサイトの機能は維持しながら、公園を訪れる全ての人に開放されるコミュニティーの場を創出す ることが求められた。 私たちは、明石海峡大橋を一望できる海岸に位置し、海と街の境界の場として、木造による素朴なまでの列柱空間を提案した。 列柱空間は古くから漁業の町にある番小屋の風景と呼応することを意図した木造建築であり、海と街をつなぐ場として、T字組柱と鳥居型トラスによって3 層にわたり耐震壁のない純粋な列柱空間として実現させることにこだわった。 それは、列柱による回廊空間は、海と街の風景をつなぎ、人をつなぎ、風をつなぐ水際のゲートのような場と位置付けることが重要であると考えていたからである。 この水際の木回廊が、これまでの大蔵海岸における悲しい歴史を克服し、海と 街を力強くつなぐ存在となることで、街にとっての浜が本当の意味で回復され ることの一助になることを願っている。