SHARE 新田知生+杉浦愛子 / 向日葵設計が設計した、東京・日本橋の飲食店「Mad Monk Bar」
新田知生+杉浦愛子 / 向日葵設計が設計した、東京・日本橋の飲食店「Mad Monk Bar」です。
世界を旅し酒を愛した済公。
臨済宗の僧でありながら戒律を守らず、風狂で知られる彼はMad Monkと呼ばれ、人々に愛された。そんな済公を敬愛する施主から設計依頼を受けたのは歴史ある人形町のビル地下一階。「世界中の酒と旅人が集まる社交場にしたい」という施主の思いが詰まった空間で一番目を惹くのは「its-show」と名付けた酒棚。店の奥まで長く続く棚は設計から施工まで一貫してデザイナーが担当している。
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以下、建築家によるテキストです。
世界を旅し酒を愛した済公。
臨済宗の僧でありながら戒律を守らず、風狂で知られる彼はMad Monkと呼ばれ、人々に愛された。そんな済公を敬愛する施主から設計依頼を受けたのは歴史ある人形町のビル地下一階。
「世界中の酒と旅人が集まる社交場にしたい」という施主の思いが詰まった空間で一番目を惹くのは「its-show」と名付けた酒棚。店の奥まで長く続く棚は設計から施工まで一貫してデザイナーが担当している。
一升瓶で支えられ瓶の内側から放つ淡い光が壁画のように世界の美酒を照らし、知識ある高僧が陽気な酒飲みに扮するように、希少な蒸留酒も大衆酒と肩を並べる。光沢のある黒い壁にすることで、光景を反射させ神秘的な連続性を出している。
また、棚のシャープなラインと合わせた高級感あるボックス型のソファーやシャンデリアによりあえて緊張感を与えることでタイムレスな雰囲気を創出している。
自由な曲線のバーカウンターや床、テーブルの木目が緊張を和らげシャープとソフトを適度に際立たせつつ融合させている。済公の生き方を表現するように伝統と先進、秩序と自由という相反する世界を化学反応させることがこのバーでの実験的遊戯である。
■建築概要
竣工年月日:令和元年11月30日
内装工事面積:117.4㎡(うち厨房15.8㎡)
住所:東京都中央区日本橋浜町2-29-2 B1F
工期:2019年10月1日~11月30日
総工費:3080万(家具・厨房機器・備品含む)
発注者:株式会社 Mad Monk
設計・監理:株式会社 向日葵設計(担当:新田知生・曲聞)
施工:東協建築 株式会社 + 株式会社 向日葵設計
主な仕上げ材料:床 モルタル金鏝の上塩ビフローリング、壁 アルポリック/fr グロスブラック 、バーカウンター 黒大理石(ベンガルブラック)