SHARE 小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪・高槻市の、百貨店内の生花店「フローリスト蘭蘭」
小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪・高槻市の、百貨店内の生花店「フローリスト蘭蘭」です。小田は島田陽建築設計事務所 / タトアーキテクツ出身の建築家。
百貨店の一角に位置する生花店のインテリアデザインである。
百貨店では、他の店舗が営業しており、工事特有の騒音や臭い、搬出入に制限があり、長期にかけての工事も考えられず、短期間での施工が求められた。
ビニル床シートを採用するにあたり、ビニル床シートでしかできないこと、ビニル床シートだからこそ出来ることを考えた。
敷かれたビニル床シートが立ち上がり、床が隆起したように、そのまま繋がり作業台となる。
その天板は床材と同様、汚れに強くハードな作業を行うことができる。什器はホームセンターでも手に入るような物販棚の支柱と構造用合板を使い、搬入組立てが容易にできるようにボルトを使用、工期の短縮を試みている。
同質の素材がひしめいている百貨店の各店舗の中で、どこにでもあるような見慣れた材料を工夫して使うことで、百貨店らしくない異質の店舗となることを目指した。
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以下、建築家によるテキストです。
百貨店の一角に位置する生花店のインテリアデザインである。
百貨店では、他の店舗が営業しており、工事特有の騒音や臭い、搬出入に制限があり、長期にかけての工事も考えられず、短期間での施工が求められた。
与えられた工程の中で可能な施工方法や素材を施工者と綿密に打ち合わせを行った。
生花店は水を多く使用し、切った花の茎などが床に散らばるため、床材は汚れに強く、メンテナンスも容易であり、なおかつ濡れた床で客が滑らないような材料が求められた。短期間での施工も容易であることからビニル床シートを採用。
ビニル床シートは、新建材と呼ばれ、安価で材料にばらつきがなく、加工が簡単などのメリットがある反面、人工的という理由で建築家にとって、積極的に採用するといった素材ではない。
ビニル床シートを採用するにあたり、ビニル床シートでしかできないこと、ビニル床シートだからこそ出来ることを考えた。
敷かれたビニル床シートが立ち上がり、床が隆起したように、そのまま繋がり作業台となる。
その天板は床材と同様、汚れに強くハードな作業を行うことができる。
什器はホームセンターでも手に入るような物販棚の支柱と構造用合板を使い、搬入組立てが容易にできるようにボルトを使用、工期の短縮を試みている。
天井は波打つほど傷みが激しいが、百貨店の持ち物という理由で触ることができないため、数十年使われてきた蛍光灯を残したまま放棄させ、フレキシブルな展開ができるようにダクトレールを設置した。
同質の素材がひしめいている百貨店の各店舗の中で、どこにでもあるような見慣れた材料を工夫して使うことで、百貨店らしくない異質の店舗となることを目指した。
■建築概要
名称:フローリスト蘭蘭
用途:生花店
所在:大阪府高槻市
規模:51.30 m2
設計:小田真平建築設計事務所+アトリエロウエ
担当:小田真平+伴義文
竣工:2019.10
照明計画:村西貴洋
写真:山内紀人
施工:アトリエロウエ