平瀬有人+平瀬祐子 / yHa architectsが設計した、福岡・那珂川市の観光拠点施設「五ケ山クロス ベース」です。ダム湖周辺整備の一環として計画、山並やダムの景観と調和する量感と曲面の造形に加えルーフテラス等を設けることで、ランドスケープと建築が連続した一体感ある風景の創出を目指しました。施設の公式サイトはこちら。
福岡県那珂川市には山陽新幹線の回送線を旅客線化したJR博多南線が通り、博多駅から8分の博多南駅がある。近年、その利便性のよさから住む人が増加し、2017年には人口5万人を超え、2018年10月には市制施行により町から市となったばかりである。
本計画は、2018年に竣工した県内最大の五ケ山ダム湖周辺の整備事業の一環として、2016年9月に那珂川市が観光振興を目的に公募した観光拠点施設プロポーザルにおいて選定されたプロジェクトである。ショップ・カフェの入る本計画以外にも、近郊には新たにキャンプサイトも整備され、福岡都市圏から1時間圏内の新たなアウトドア拠点として、今後多くの人びとの来訪が期待される。
脊振山系の山並みや、スケールの大きなダムの景観と調和するデザインとなるよう、敷地形状をオフセットしたようなボリュームとし、高さ102mの巨大なダムの堤体と呼応する、大らかな曲面の造形としている。ダム湖への眺望を間近に感じられる天然木デッキによるルーフテラスを設け、人びとが休憩できるベンチのような緩やかな大階段とスロープにより、駐車場とルーフテラスがスムーズに繋がる、ランドスケープと建築が連続した一体感ある風景を創出した。