杤尾直也 / to-rippleが設計した、兵庫・三方郡の「湧泉の宿 ゆあむ『客室 かわみ』」です。
コロナ禍での宴会場の需要低下を受けて複数の客室へ改修する計画です。デザイナーは、既存の“天井高”と“環境”を活かし、外に向けて床レベルを上げ景色を意識させる構成等を考案しました。また、オリジナル家具は“和の寛ぎと洋の快適性”の両立も意図されました。施設の公式サイトはこちら。
日本の景気の減衰とともに地方の宴会場の需要は年々減少していたなか、2019年からのCOVID-19が流行し、宴会需要はほぼなくなった。そこで、オーナーは宴会場を客室としてリノベーションできないかと考えた。
宴会場であったことから天井は高く、低層階にあるため眼下には春来川を臨む。それらの条件を生かし、景色を楽しみながら快適に過ごせるプランニングを考えた。
既存躯体の1.5スパン(6.3mx9.9m)を使ったお部屋。圧倒的な開放感を実現するため、1スパンで取れる全てを窓にし、床のレベルを外に向かって高くする(小上がりの設置)ことで視線を自然と上に向け、空を眺められるよう誘導。小上がりからは春来川を見下ろす視線になり新たな感覚を得られる。高低差を生かし、開放性と河床感を演出した。