yateと前田工務店による、神奈川・湯河原市の「望楼の家」。アトリエのある彫刻家の住まい。“景色をいかに独り占めできるか”という思いを起点に、大開口に向け屋根を広げて“視界が一気に開ける”空間を構築。あらゆる動線の先に開口を設けて常に外部への視線の抜けを確保外観、南東側より見る。 photo©Tomoyuki Kusunose
yateと前田工務店による、神奈川・湯河原市の「望楼の家」。アトリエのある彫刻家の住まい。“景色をいかに独り占めできるか”という思いを起点に、大開口に向け屋根を広げて“視界が一気に開ける”空間を構築。あらゆる動線の先に開口を設けて常に外部への視線の抜けを確保2階、階段側からリビングとダイニングを見る。 photo©Tomoyuki Kusunose
yateと前田工務店による、神奈川・湯河原市の「望楼の家」。アトリエのある彫刻家の住まい。“景色をいかに独り占めできるか”という思いを起点に、大開口に向け屋根を広げて“視界が一気に開ける”空間を構築。あらゆる動線の先に開口を設けて常に外部への視線の抜けを確保2階、リビングからダイニング越しにバルコニー側を見る。 photo©Tomoyuki Kusunose
矢野健太 / yateと前田工務店が設計した、神奈川・湯河原市の「望楼の家」です。
アトリエのある彫刻家の住まいです。建築家たちは、“景色をいかに独り占めできるか”という思いを起点に、大開口に向け屋根を広げて“視界が一気に開ける”空間を構築しました。また、あらゆる動線の先に開口を設けて常に外部への視線の抜けを確保しました。
眼下に町並み、遠くに海、背後に森が折り重なるこの場所で、建主は風景に強く惹かれ、日常と切り離されたもうひとつの暮らしの場としてこの地を選んだ。
建築の出発点となったのは、「この景色をいかに独り占めできるか」という思いであった。
建物は木造2階建てで、1階にアトリエと諸室、2階にLDKを配置している。
南東面に大開口を設け、そこへ向けて屋根を広げることで、視界が一気に開ける構成を目指した。2階の天井高は1.68mから2.63mへと連続的に変化し、大開口の先へ意識を導くよう断面を構成している。
また、建物は敷地に対してわずかに角度を振って配置されており、隣地の建物をかわしながら、風景の奥行きを最大限に引き出した。
1階には水まわりのコアを中心に据え、その周囲を巡る回遊動線を確保。すべての動線の先に開口や窓を設け、どこにいても視線が外部へ抜けるよう配慮している。
開口部は必要最小限にとどめつつも、光や風、緑の気配が静かに入り込むアトリエとし、生活と創作の動きが滑らかに連続するように考えた。
素材には、住まい手の手の感覚に馴染む素朴なものを選んだ。
ラワン合板で仕上げた中央のコアは家具のような佇まいをもち、外壁の珪藻土は時間帯によってその表情を変える。屋根に設けたトップライトから射し込む光が壁面をやわらかく撫で、光と時間の移ろいを空間に映し出す。
北側に配したアトリエの3連窓からは、隣接する森のざわめきや天候のゆらぎが、作業の静けさに染み込んでくる。
視線の抜けを丁寧に設計することで、アトリエで過ごす時間が常に自然との交感を保つよう意図している。